Column
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2025.06.21
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
肩の痛み、動きの制限…もしかしたら、それは変形性肩関節症かもしれません。
日本人の高齢化に伴い、増加傾向にある変形性肩関節症。
肩関節の軟骨がすり減ることで起こるこの病気は、放置すると日常生活に深刻な支障をきたす可能性があります。
「最近、肩が痛い」「腕が上がりにくい」と感じているあなた、決して他人事ではありません。
この記事では、整形外科医の視点から、変形性肩関節症について、主な症状である痛みや可動域制限、そして夜間痛や安静時の不快感について詳しく解説します。
さらに、初期症状から進行した状態まで、生活への影響を具体的に示し、他の肩の疾患との違いも明確にします。
治療法としては、保存療法(薬物療法、注射療法、物理療法、リハビリテーション)から手術療法、再生医療まで、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく説明。 自宅でできるセルフケアや日常生活での注意点も具体例を交えて解説することで、不安を解消し、より良い生活を送るための具体的な対策を提案していきます。



肩の痛みは、日常生活において大きな負担となる症状です。特に、肩を動かすたびに痛む場合は、変形性肩関節症の可能性も考慮しなければなりません。
この病気は、肩関節の軟骨がすり減ることで引き起こされます。
軟骨は、骨と骨が直接ぶつかり合うのを防ぐクッションの役割を果たしています。この軟骨がすり減ると、骨同士がこすれ合い、炎症や痛みが生じるのです。
変形性肩関節症は、加齢や激しいスポーツ、仕事での負担など、様々な要因で発症します。軟骨のすり減りは一度起こると自然に修復することは難しく、進行すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
今回は、変形性肩関節症について、整形外科医の視点から詳しく解説します。肩の痛みでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
変形性肩関節症の最も一般的な症状は、肩の痛みと可動域の制限です。
痛みは、最初は軽い痛みや違和感から始まり、徐々に悪化していくことが多いです。また、肩を動かすと痛みが強くなるため、腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。
例えば、洗濯物を干す、高い場所にある物を取る、車の運転をするといった日常動作で痛みを感じることがあります。私は、野球選手の患者さんを診察した際に、ボールを投げる動作で激痛が走り、プレーに支障が出ているケースを多く経験しました。
可動域制限とは、肩関節の動く範囲が狭くなることです。症状が進むと、服を着ること、髪を洗うこと、エプロンの紐を結ぶことなど、日常生活の様々な動作に支障が出ます。
症状 | 具体例 |
|---|---|
痛み | 鈍痛、鋭い痛み、ジンジンする痛み、焼けるような痛み |
可動域制限 | 服を着ることが難しい、髪を洗うのが大変、エプロンの紐を結ぶのがつらい、腕を真上に上げられない、背中に手が回らない |
変形性肩関節症では、夜間痛や安静時の不快感が現れることもあります。
夜間痛は、夜に寝ている時に肩の痛みで目が覚めてしまう症状です。寝返りを打つたびに痛みが走り、安眠を妨げます。安静時の不快感は、じっとしている時でも肩に違和感や痛みを感じる症状です。テレビを見ている時や読書をしている時など、リラックスしている時にも肩の不調が気になることがあります。
これらの症状は、肩関節の炎症や骨の変形が原因で起こります。安静にしていても痛みが続くため、日常生活に大きなストレスを感じてしまう患者さんも少なくありません。
症状 | 具体例 |
|---|---|
夜間痛 | 寝返りを打つたびに痛む、痛みで何度も目が覚める、朝起きた時に肩がこわばっている |
安静時の不快感 | テレビを見ている時にも肩が気になる、読書中に肩が痛む、じっとしていても違和感がある |
変形性肩関節症の症状が進行すると、日常生活にも様々な影響が現れます。
着替え、食事、入浴といった基本的な動作が困難になるだけでなく、仕事や趣味にも支障をきたすことがあります。例えば、料理をする、字を書く、パソコン作業をする、楽器を演奏する、スポーツをするといった活動が制限される場合があります。
症状が進行すると、精神的なストレスも大きくなり、日常生活の質が著しく低下する可能性があります。私は、症状の悪化により、長年続けてきた趣味のテニスを諦めざるを得なくなった患者さんを何人も見てきました。
症状 | 具体例 |
|---|---|
日常生活への影響 | 服のボタンを留めるのが難しい、箸を使うのがつらい、入浴介助が必要になる、トイレで用を足すのが困難になる |
仕事や趣味への影響 | 字を書くのが困難になる、パソコン作業ができなくなる、楽器が演奏できなくなる、ゴルフクラブが振れなくなる、絵を描くことができなくなる |
肩の痛みは、変形性肩関節症以外にも様々な原因で起こります。五十肩、腱板断裂、肩関節周囲炎など、似たような症状を引き起こす疾患は数多く存在します。
五十肩は、肩関節周囲の組織の炎症が原因で起こる疾患で、激しい痛みと可動域制限が特徴です。
四十肩・五十肩について詳しくご覧ください↓↓
朝起きると肩が痛い!四十肩・五十肩の原因と対策
腱板断裂は、肩関節を安定させる役割を持つ腱板が切れてしまう疾患で、腕を上げる際に痛みを感じることが多いです。
腱板断裂について詳しくご覧ください↓↓
肩腱板断裂とは?原因から最新治療まで整形外科医が解説
凍結肩は、肩関節包の炎症と線維化によって肩の痛みと動きの制限が生じる疾患であり、自然経過で回復するものの、長期にわたる臨床経過をたどります。
線維芽細胞がI型およびIII型コラーゲンを産生し、筋線維芽細胞に変換される線維増殖組織線維症を特徴とし、炎症、血管新生、神経新生を伴います。
これらの疾患は、それぞれ原因や症状が異なるため、適切な治療法も異なります。自己判断で治療を行うのではなく、医療機関を受診し、正しい診断を受けることが重要です。
病気 | 特徴 |
|---|---|
変形性肩関節症 | 軟骨のすり減りが原因で、肩関節の変形を伴う |
五十肩 | 肩関節周囲の炎症が原因で、激しい痛みと可動域制限が生じる |
腱板断裂 | 腱板の断裂が原因で、腕を上げる際に痛みを感じることが多い |
肩関節周囲炎 | 肩関節周囲の組織の炎症が原因で、肩の痛みや可動域制限が生じる |
それぞれの疾患には特有の症状や経過があります。例えば、五十肩は自然に治癒する傾向がありますが、変形性肩関節症は進行性の疾患であるため、早期に適切な治療を開始することが重要です。



肩の痛みは、私たちを悩ませる症状の一つです。その中でも、変形性肩関節症は、肩関節の軟骨がすり減り、炎症を起こすことで、日常生活にも支障をきたすことがあります。適切な治療と毎日の心がけで、痛みを和らげ、快適な生活を取り戻せる可能性は大いにあります。今回は、その治療法と日常生活での注意点について、整形外科医の視点から詳しく解説します。
変形性肩関節症の初期段階では、保存療法が第一選択となります。保存療法とは、手術を行わずに薬物療法、注射療法、物理療法、運動療法/リハビリテーションなどを用いて症状の改善を図る治療法です。
薬物療法では、痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどが処方されます。胃腸への負担を軽減するために、胃薬を併用することもあります。
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痛み止めの強さランキングを解説!【医師が徹底解説】
注射療法では、ヒアルロン酸やステロイド薬を肩関節に注射します。ヒアルロン酸は関節液の粘性を高め、関節の動きを滑らかにする効果があります。ステロイド薬は強力な抗炎症作用があり、痛みや炎症を速やかに抑えることができます。
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関節へのステロイド注射(ケナコルト)の副作用とは?医師が解説
物理療法では、温熱療法や電気刺激療法、超音波療法などが用いられます。これらの治療法は、肩の筋肉をほぐし、血行を良くすることで、痛みを和らげる効果があります。
運動療法/リハビリテーションは、肩関節の動きを改善するためのストレッチや筋力トレーニングを行います。理学療法士などの専門家の指導のもと、患者さんの状態に合わせた適切な運動プログラムを作成し、無理のない範囲で実施することが重要です。
肩のストレッチについて詳しくご覧ください↓↓
肩の正しいストレッチをご紹介!整形外科医が解説
これらの保存療法は、単独で行うこともありますが、組み合わせて行う場合もあります。例えば、薬物療法で痛みをコントロールしながら、リハビリテーションで肩の動きを良くしていくという方法が一般的です。
私は、患者さんの状態に合わせて、これらの治療法を適切に組み合わせることで、多くの場合、症状の改善を図ることができています。
保存療法で効果が不十分な場合や、症状が重い場合は、手術療法が検討されます。手術療法には、大きく分けて鏡視下手術と人工肩関節置換術の2種類があります。
鏡視下手術は、小さな切開部から関節鏡を挿入し、関節内部の状態を観察しながら、炎症を起こしている滑膜や損傷した腱板などを切除する手術です。傷口が小さいため、体への負担が少なく、術後の回復も早いというメリットがあります。
人工肩関節置換術は、損傷がひどい場合に、肩関節を人工関節に置き換える手術です。痛みを大幅に軽減できる可能性がありますが、人工関節の寿命や感染症などのリスクも考慮する必要があります。人工関節には様々な種類があり、患者さんの状態に合わせて最適な人工関節を選択します。
治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。今までの治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。
そのため、日常生活においても肩に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。
しかし、最近では手術を回避する治療として再生医療が注目されています。
再生医療では、修復が不可能と言われている組織を新たに再生させていく画期的な治療法です。この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。人工関節の手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。



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