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【整形外科医が解説】変形性肩関節症とは?症状・原因・五十肩との違い・治し方の最新ガイド
「肩が痛い」「腕が上がらない」——そんな症状で整形外科を受診した結果、変形性肩関節症と診断されたとき、多くの患者さんが「それはどういう病気か」「五十肩とは違うのか」「治るのか」という疑問を持たれます。
整形外科医として数多くの肩関節疾患を診てきた経験から言うと、変形性肩関節症は「腱板断裂を放置した結果として進行する」ケースが最も多く、早期に正しく対処すれば進行を大幅に遅らせることができます。逆に放置すると、腱板が完全に機能不全となり、人工肩関節置換術が唯一の選択肢になることもあります。
この記事では、変形性肩関節症の基礎知識から、五十肩との見分け方、進行ステージ別の対処法、保存療法・再生医療・手術の選択基準まで、整形外科医の視点で網羅的に解説します。

- 変形性肩関節症とは:軟骨が失われるまでの仕組み
- 一次性と二次性:2種類の変形性肩関節症
- 腱板断裂性関節症(CTA)とは
- 変形性肩関節症の症状:段階別に知る「今どこにいるか」
- 初期症状(グレードI〜II)
- 中等度症状(グレードII〜III)
- 進行期症状(グレードIII〜IV・CTA)
- 五十肩との違い:10秒でわかるセルフチェック
- 10秒セルフチェック:変形性肩関節症を疑うサイン
- 変形性肩関節症の原因と進行を招く危険因子
- 一次性の主な危険因子
- 二次性の主な原因(特に重要)
- 診断:X線・MRI・CTで何を見るか
- X線(レントゲン)検査
- MRI検査
- Kellgren-Lawrence(KL)分類:重症度の国際基準
- 変形性肩関節症の治療:グレード別の最適な選択肢
- 保存療法(グレードI〜III)
- 再生医療(PRP・幹細胞治療):保存療法と手術の間の選択肢
- 手術療法(グレードIII〜IV・保存療法無効)
- 変形性肩関節症を放置するとどうなるか:進行ステージ別の未来
- 変形性肩関節症の予防:進行を遅らせるための生活習慣
- ①腱板断裂を早期発見・早期対処する
- ②肩関節への繰り返しの過負荷を避ける
- ③姿勢の改善(猫背・頭部前方位の解消)
- ④ステロイドの長期使用・過度な飲酒の回避
- 変形性肩関節症の日常生活:痛みを悪化させない工夫
- 就寝時の姿勢
- 日常動作の工夫
- 急性増悪時(急に痛みが強くなった時)の対処
- 変形性肩関節症とシンセルクリニック:なぜ整形外科専門のクリニックが重要か
- よくある質問(FAQ)
- 変形性肩関節症は治りますか?
- 両肩が痛いのですが、変形性肩関節症は両側に起こりますか?
- MRIは必ず撮る必要がありますか?
- 肩の痛みで整形外科を受診すれば必ず正しく診断されますか?
- 変形性肩関節症の治療選択:「どの段階で何を選ぶか」の判断フロー
- 変形性肩関節症に関する最新トピック:再生医療の進歩
- まとめ:変形性肩関節症で最も大切なこと
- 関連コラム
- 参考文献
変形性肩関節症とは:軟骨が失われるまでの仕組み

肩関節は上腕骨頭(ボール)と肩甲骨関節窩(受け皿)が組み合わさって構成されています。両者の表面には軟骨が張られており、スムーズな関節の動きを実現しています。変形性肩関節症とは、この軟骨が摩耗・変性することで骨同士がこすれ合い、炎症・痛み・可動域制限・関節の変形が生じる疾患です。
日本の疫学調査では、レントゲンで確認できる変形性肩関節症の有病率は70〜80代で約3割に達するとされています(※1)。高齢化に伴い患者数は増加傾向にあり、特に腱板断裂を背景とした二次性の変形性肩関節症が増えています。
一次性と二次性:2種類の変形性肩関節症
種類 | 原因 | 特徴 | 頻度 |
|---|---|---|---|
一次性(原発性) | 加齢・原因不明 | 膝・股関節の変形性関節症と同様の加齢性変化。腱板は比較的保たれている | 比較的少ない |
二次性(続発性) | 腱板断裂・関節リウマチ・上腕骨頭壊死・上腕骨骨折など | 原因疾患の治療が並行して必要。腱板断裂由来が最多 | 変形性肩関節症の多くがこれ |
整形外科の臨床では、変形性肩関節症の大多数が二次性、特に腱板断裂由来です(※2)。腱板断裂は放置しても「慣れる」ことはありますが、断裂が拡大し続け最終的に腱板断裂性関節症(CTA)へと進行します。
腱板断裂性関節症(CTA)とは
腱板断裂性関節症(Cuff Tear Arthropathy:CTA)は、大きな腱板断裂を長期間放置した結果として発症する特殊な変形性肩関節症です。腱板が機能しなくなると、上腕骨頭が上方にずれ(上方偏位)、肩甲骨の関節窩との接触部位が変化し、異常な摩耗が進行します。
CTAの特徴は、腕が挙がらない(挙上不能)という著明な機能障害を伴う点です。このステージになると通常の人工肩関節置換術(TSA)は使えず、リバース型人工肩関節置換術(RSA)が必要になります。腱板断裂を放置することのリスクについては腱板断裂を放置するとどうなる?自然治癒は?痛みの経過と手術回避の選択肢もあわせてご覧ください。
手術以外の選択肢があるか、30秒でチェック
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変形性肩関節症の症状:段階別に知る「今どこにいるか」

初期症状(グレードI〜II)
特定の動作(腕を挙げる・後ろに回す)での痛み(動作時痛)
肩を動かすとゴリゴリ・コリコリという関節雑音(クレピタス)
朝の肩のこわばり(動き始めに時間がかかる)
可動域がわずかに狭くなる
中等度症状(グレードII〜III)
服の着脱・洗髪・棚の高い場所への手が届きにくい
夜間、肩が痛くて目が覚める(夜間痛)
腕を90度以上挙げると著明に痛む
肩関節の腫れ・熱感(炎症が活発な時期)
進行期症状(グレードIII〜IV・CTA)
安静時にも痛みが続く(安静時痛)
腕がほとんど挙がらない(挙上不能)
日常生活動作(着替え・食事・入浴)への著明な支障
肩関節の目に見える変形
重要なのは、X線・レントゲンで見える変形の程度と痛みの強さは必ずしも一致しないという点です。画像上は高度な変形があっても痛みが軽い方もいれば、変形が軽度でも夜間痛が強い方もいます。症状の重さだけで判断せず、画像所見と総合して評価することが必要です。
五十肩との違い:10秒でわかるセルフチェック
「五十肩と変形性肩関節症、どう違うのか」という質問は非常に多いです。整形外科医として、患者さんが最初に確認すべき鑑別ポイントを整理します。
確認ポイント | 五十肩(肩関節周囲炎) | 変形性肩関節症 |
|---|---|---|
発症年齢 | 40〜60代が多い | 60代以降が多い(二次性は50代〜) |
発症の仕方 | 比較的急に強い痛みが始まる | 徐々に進行することが多い |
自然経過 | 1〜2年で自然に軽快することが多い | 放置すると進行する。自然治癒しない |
関節雑音 | 少ない | ゴリゴリ音がすることが多い |
X線所見 | 変形なし(骨は正常) | 関節裂隙の狭小化・骨棘・骨変形あり |
腱板断裂の合併 | まれ | 高率に合併(特に二次性) |
治療の方向性 | 炎症を抑え、自然治癒を待つ | 進行を抑制・症状管理が長期目標 |
最も重要な違いは「五十肩は待てば治るが、変形性肩関節症は待つほど悪化する」という点です。「そのうち治るだろう」と放置するのが最も危険です。
10秒セルフチェック:変形性肩関節症を疑うサイン
✅ 肩を動かすとゴリゴリ・コリコリ音がする
✅ 痛みが半年以上続いている
✅ 整形外科でX線を撮ったことがない
✅ 60歳以上で片側の肩が継続的に痛い
✅ 過去に腱板断裂・肩関節脱臼の診断を受けたことがある
✅ 関節リウマチ・ステロイドの長期内服・大量飲酒の既往がある
2つ以上当てはまる方は、整形外科でX線検査を受けることを強くお勧めします。五十肩との詳しい違いについては肩腱板断裂(ローテーターカフ)とは?原因・症状・五十肩との違い・治療法の比較を総合解説もご覧ください。
変形性肩関節症の原因と進行を招く危険因子
一次性の主な危険因子
加齢:軟骨は年齢とともに弾力性を失い、修復能力が低下します
肩の酷使:野球・水泳・テニス・建設業・介護など、肩を繰り返し使う職種・スポーツ
遺伝的素因:家族に変形性関節症が多い場合はリスクが高まります
体重増加:直接的ではないが全身的な炎症状態を高め、軟骨変性を促進します
二次性の主な原因(特に重要)
原因 | メカニズム | 対処の優先度 |
|---|---|---|
腱板断裂(最多) | 腱板が機能しなくなると上腕骨頭が偏位し、異常摩耗が加速 | 🔴 最優先。早期発見・早期対処が命 |
関節リウマチ | 免疫の誤作動で関節滑膜が炎症し、軟骨を破壊 | 🔴 リウマチの治療と並行が必須 |
上腕骨頭壊死 | ステロイド・アルコール多飲が原因で骨頭への血流が途絶 | 🟠 ステロイド使用者は定期的にMRI確認を |
上腕骨近位端骨折 | 骨折後の変形・不整合が軟骨摩耗を加速 | 🟡 骨折治療後の経過観察が重要 |
反復性肩関節脱臼 | 脱臼の繰り返しで関節面が損傷・変形する | 🟡 脱臼後の経過フォローが必要 |
診断:X線・MRI・CTで何を見るか

X線(レントゲン)検査
変形性肩関節症の第一選択の画像検査です。以下の所見を確認します。
関節裂隙の狭小化:骨と骨の間の隙間が狭くなる(軟骨の減少を示す)
骨棘(こつきょく)形成:骨の縁に棘状の突起が形成される
骨硬化:関節面の骨が硬化・白く見える
上腕骨頭の上方偏位:CTAで特徴的。腱板不全の間接サイン
ただし重要なのは、X線で見える変形の程度と自覚症状の強さは必ずしも比例しないという事実です。「レントゲンで異常なし=問題なし」ではなく、MRIで腱板の状態を確認することが、適切な治療方針の決定に不可欠です。
MRI検査
MRIでは軟骨・腱板・滑膜・関節液を評価します。変形性肩関節症では特に腱板の断裂の有無・程度・筋萎縮の状態の確認が重要です。腱板が残っているかどうかで術式(TSA vs RSA)が決まります。
MRIをお持ちでない方でも初回カウンセリングをお受けしていますが、可能であれば撮影して持参いただくと、より正確な評価ができます。
Kellgren-Lawrence(KL)分類:重症度の国際基準
グレード | X線所見 | 症状の目安 |
|---|---|---|
Grade 0 | 正常 | 症状なし |
Grade I | 関節裂隙の軽度狭小化・小さな骨棘 | 軽い動作時痛・違和感 |
Grade II | 明確な骨棘・関節裂隙狭小化 | 動作時の痛み・軽度の可動域制限 |
Grade III | 中等度の骨棘・関節裂隙の著明狭小化・骨硬化 | 夜間痛・可動域制限・ADL支障 |
Grade IV | 関節裂隙消失・著明な変形 | 安静時痛・著明な機能障害 |

変形性肩関節症の治療:グレード別の最適な選択肢
保存療法(グレードI〜III)
初期〜中等度では、まず保存療法を十分に試みることが重要です。
薬物療法:NSAIDs(ロキソニン・ボルタレンなど)・アセトアミノフェンで痛みと炎症をコントロールします。長期使用は胃腸・腎臓への負担があるため、最低限の期間・用量を医師と相談しながら使用します。
注射療法:ヒアルロン酸関節内注射は軟骨保護と潤滑補助に有効です。ステロイド注射は炎症の強い時期に速効性がありますが、繰り返しの注射は腱板を脆弱化させるリスクがあり、年3〜4回以内が一般的な目安です。
リハビリテーション:肩甲骨周囲筋・腱板筋の強化、胸椎の柔軟性改善、姿勢矯正を組み合わせた運動療法が有効です。保存療法での具体的なストレッチ・リハビリ・筋トレの方法については変形性肩関節症でやってはいけないこと・ストレッチ・リハビリ・筋トレの正解で詳しく解説しています。
再生医療(PRP・幹細胞治療):保存療法と手術の間の選択肢
ヒアルロン酸・ステロイドの効果が薄れてきたが、まだ手術は受けたくない——そのような方に対して、再生医療(PRP療法・幹細胞治療)という第三の選択肢があります。
シンセルクリニックで再生医療を受けられた方のインタビュー動画
自分自身の血液や脂肪から成長因子・幹細胞を取り出して関節内に投与することで、軟骨の修復促進・炎症の根本的な抑制を目指します。手術のような入院・全身麻酔・長期リハビリは不要で、日帰りで治療が受けられます。
変形性肩関節症への再生医療の適応・効果については肩腱板断裂・肩の痛みに対する再生医療(幹細胞治療):手術を避ける「切らない」治療法をご覧ください。
手術療法(グレードIII〜IV・保存療法無効)
保存療法・再生医療で十分な効果が得られず、日常生活動作への著明な支障がある場合に手術が検討されます。
鏡視下手術(関節鏡手術):初期〜中等度で、関節内の炎症滑膜・遊離体を除去します。侵襲が小さく回復が早い
解剖学的全人工肩関節置換術(TSA):腱板が保たれているグレードII〜IIIに適応。痛みの除去に優れる
リバース型人工肩関節置換術(RSA):腱板断裂性関節症(CTA)・修復不能な大断裂に適応。三角筋の力で腕を挙げられるようになる
手術を検討中の方は人工肩関節置換術とは?禁忌肢位・リハビリ・日常生活の注意点を徹底解説も必ずご覧ください。手術の詳細・禁忌肢位・回復期間を元執刀医が解説しています。
「手術を勧められているが、まだ踏み切れない」という方は肩腱板断裂の手術で後悔したくない人へ。再断裂のリスクと「切らない」治療の選択肢もあわせてご覧ください。
変形性肩関節症を放置するとどうなるか:進行ステージ別の未来
変形性肩関節症は進行性疾患です。「まだ何とかなる」と放置した場合に起こり得ることを、整形外科医として正直にお伝えします。
放置期間の目安 | 何が起こるか | 治療の選択肢 |
|---|---|---|
グレードI段階で放置 | 軟骨摩耗が加速。腱板への負荷が増え断裂リスクが高まる | まだ保存療法・PRP・生活習慣改善で十分対応可 |
グレードII〜IIIで放置 | 夜間痛の出現・腱板断裂の拡大・日常生活動作への支障 | 再生医療・手術の検討が必要になる段階 |
腱板断裂性関節症(CTA)まで進行 | 腕が挙がらない・軟骨がほぼ消失。TSAは使えずRSAのみ | RSAしか有効な選択肢がなくなる |
CTA+高齢・全身状態悪化 | 手術のリスクが高すぎて手術も困難になる | 疼痛管理のみ。機能回復は望めない状態 |
特に重要なのは、「まだ我慢できる」と感じるグレードII〜IIIの段階が、再生医療の効果が最も期待できる時期であるという事実です。グレードIVやCTAまで進行してしまうと、再生医療の効果も限定的になります。早め早めの相談が最終的な選択肢を広げることになります。
変形性肩関節症の予防:進行を遅らせるための生活習慣

変形性肩関節症は「完全に防ぐ」ことは難しいですが、リスク要因を管理することで発症時期を遅らせ、進行速度を抑制することは十分に可能です。整形外科医として特に重要視している4つの習慣を解説します。
①腱板断裂を早期発見・早期対処する
変形性肩関節症の最大の予防策は、腱板断裂の早期発見と適切な対処です。腱板断裂は50代から増加し始め、60代では約20%、70代では約30%に存在するとされています。多くの場合は無症状または軽症で「慣れた」と放置されますが、この間も断裂は拡大し続けます。
「肩が痛い・腕が重い・夜間に痛む」などの症状が続く場合は、早めにMRI検査を受けることで腱板の状態を把握できます。腱板断裂のセルフチェックについては腱板断裂の症状をセルフテストでチェックする!痛みが出る角度で判定!五十肩との違いも解説も活用してください。
②肩関節への繰り返しの過負荷を避ける
スポーツ(野球・水泳・テニス)や仕事(建設業・介護・重労働)で肩を繰り返し酷使する方は、定期的な肩のストレッチと筋力強化を習慣化することで、関節面への負荷を分散できます。腱板(インナーマッスル)と肩甲骨周囲筋のバランスを保つことが、肩関節の長期的な保護につながります。
③姿勢の改善(猫背・頭部前方位の解消)
猫背・スマートフォン首(頭部前方位)の姿勢が慢性化すると、肩甲骨が外転・前傾しやすくなり、肩関節内の接触面積が変化して軟骨への異常ストレスが増加します。胸椎の伸展・肩甲骨の後退を意識した姿勢を日常的に保つことが、肩関節の保護に直結します。
④ステロイドの長期使用・過度な飲酒の回避
ステロイドの長期全身投与・過度なアルコール摂取は、上腕骨頭壊死のリスクを高めます。ステロイドを長期使用している方は、定期的なMRIで上腕骨頭の状態を確認することをお勧めします。
変形性肩関節症の日常生活:痛みを悪化させない工夫

就寝時の姿勢
夜間痛を軽減するためのポジショニングが重要です。仰向けで患側の肩甲骨の下に薄く折ったタオルを置き、肩を少し外側に出した姿勢が肩関節内圧を下げます。横向きで眠る場合は健側を下にし、患側の肩関節に体重をかけない工夫をします。
日常動作の工夫
重いものは両手で持つ・キャリーカートを活用する
棚の高さを調整し、腕を挙げなくて済む環境をつくる
着替えは患側から袖を通す(服を着る時)・健側から抜く(脱ぐ時)
洗髪は片手シャワーヘッドを活用し、患側の腕を挙げる時間を最小化する
急性増悪時(急に痛みが強くなった時)の対処
急に痛みが強くなった時(急性増悪)はアイシングが有効です。15〜20分の冷却を1日2〜3回行い、炎症を抑えます。ただし、安静が続くと筋力が低下し、かえって関節への負荷が増えます。痛みが引いたら速やかに医師・理学療法士の指導のもとで運動を再開することが重要です。
変形性肩関節症とシンセルクリニック:なぜ整形外科専門のクリニックが重要か
変形性肩関節症の治療において、シンセルクリニックが選ばれる理由を整理します。
第一に整形外科医による総合的な評価です。変形性肩関節症・腱板断裂・五十肩・関節リウマチなど、似た症状を持つ疾患を正確に鑑別し、画像所見に基づいた治療方針を提案します。再生医療専門クリニックでは整形外科的な評価が得られないことがありますが、シンセルクリニックでは両方が可能です。
第二に「手術しない」選択肢の充実です。保存療法・PRP療法・幹細胞治療を組み合わせることで、できる限り手術を先延ばしにする戦略を患者さんと一緒に組み立てます。
第三に手術が必要な場合の選択基準を正直に説明します。「手術は必要ない」というメッセージだけでなく、「このグレードまで進行したら手術を検討すべき」という現実的な判断基準を提示します。腱板断裂の手術を含めた詳細な解説は腱板断裂の手術とは?後悔しないためのリスク・再断裂・手術しない選択肢を徹底解説もご参考ください。

よくある質問(FAQ)
変形性肩関節症は治りますか?
すり減った軟骨が完全に再生することは現時点では困難ですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を大幅に改善し、進行を遅らせることは十分に可能です。整形外科医として、グレードI〜IIの段階で適切に対処した患者さんの多くが、日常生活に支障のない状態を長期間維持されています。
両肩が痛いのですが、変形性肩関節症は両側に起こりますか?
一次性変形性肩関節症では両側に起こることがありますが、片側の方が圧倒的に多いです。両側が同時に痛い場合は、関節リウマチ・全身性疾患の可能性も考慮する必要があるため、血液検査(リウマチ因子・CRP)を含む精査が必要です。
MRIは必ず撮る必要がありますか?
X線だけでは腱板の状態を評価できません。特に「腱板断裂を合併しているかどうか」は治療方針の選択に直結するため、変形性肩関節症と診断されたらMRIを撮影することを強くお勧めします。シンセルクリニックではMRIをお持ちでない方でも初回カウンセリングを行い、必要に応じて画像検査の手配も可能です。
肩の痛みで整形外科を受診すれば必ず正しく診断されますか?
一般の整形外科では「五十肩」と診断されるケースで、実際には変形性肩関節症・腱板断裂が隠れていることがあります。特に、6ヶ月以上肩の痛みが続いている場合・腕が挙がりにくい場合・夜間痛がある場合は、肩関節専門医・MRI撮影が可能な施設でのセカンドオピニオンを検討することをお勧めします。
変形性肩関節症の治療選択:「どの段階で何を選ぶか」の判断フロー
整形外科医として最もよく聞かれる質問が「自分は手術が必要なのか、それとも保存療法でいいのか」です。以下の判断フローを参考にしてください。
まず安静時痛・夜間痛がある場合は炎症が活発な状態です。この時期は薬物療法・注射で炎症を先に抑えることが最優先で、積極的なリハビリ・筋トレは逆効果になります。安静時痛・夜間痛がなく、動作時の痛みと可動域制限が主症状であれば、リハビリ・ストレッチ・筋力強化が有効な時期です。
次にヒアルロン酸注射の効果期間が短くなってきた・効果を感じられなくなってきた場合が、再生医療を検討するタイミングです。PRP療法・幹細胞治療への移行を整形外科医に相談しましょう。保存療法・再生医療をすべて試しても日常生活への著明な支障が続く場合、手術(関節鏡手術・人工肩関節置換術)の適応を検討します。ここでも腱板の残存状態によってTSAかRSAかが決まるため、最新のMRI所見が必須です。
「どのステップにいるか確認したい」「次の一手を整形外科医に相談したい」という方は、シンセルクリニックの無料カウンセリングをご活用ください。MRI・X線をお持ちの方はお持ちください。画像がない方でも受付しています。また腱板断裂の有無・進行状態については腱板断裂のリハビリ完全ガイド|保存療法・術後のスケジュールから「第3の選択肢」再生医療までもあわせてご覧ください。
変形性肩関節症に関する最新トピック:再生医療の進歩
変形性肩関節症の治療は、従来の「保存療法か手術か」という二択から、再生医療という第三の選択肢が加わったことで大きく変わりつつあります。PRP(多血小板血漿)療法は比較的早い段階から実績が蓄積されており、軟骨保護・炎症抑制の効果が複数の臨床研究で報告されています。幹細胞治療(自己脂肪由来幹細胞)はさらに一歩進んだ治療で、軟骨の修復促進・関節内環境の改善が期待されています。
シンセルクリニックで再生医療を受けられた方のインタビュー動画
これらの再生医療は、特に「ヒアルロン酸注射の効果が薄れてきたグレードII〜III」の患者さんで、手術を先延ばしにしながら症状をコントロールする手段として注目されています。「効果がない人もいる」「すべての方に有効なわけではない」という限界も正直にお伝えしたうえで、現在のご状態が再生医療の適応かどうかを整形外科専門医が個別に評価します。気になる方はまず無料カウンセリングをご利用ください。なお、腱板断裂が合併している場合は腱板断裂への再生医療アプローチも同時に検討します。詳しくは肩腱板断裂・肩の痛みに対する再生医療(幹細胞治療):手術を避ける「切らない」治療法をご参照ください。

まとめ:変形性肩関節症で最も大切なこと
変形性肩関節症は加齢・腱板断裂などが原因で軟骨が摩耗する進行性疾患。自然治癒しない
五十肩(1〜2年で自然軽快)と異なり、放置するほど悪化する。早期診断が最重要
変形性肩関節症の大多数は腱板断裂由来(二次性)。腱板の状態をMRIで確認することが治療方針の分岐点
グレードI〜IIは保存療法・PRP療法で進行を抑制できる可能性が高い
グレードIII以上・保存療法無効の場合は再生医療(幹細胞治療)・手術の検討が必要
腱板断裂性関節症(CTA)まで進行するとRSAしか選択肢がなくなる。「まだ我慢できる」段階での相談が最も選択肢を広げる
「今の自分の状態がどのグレードか知りたい」「手術しない方法を相談したい」という方は、シンセルクリニックにお気軽にご相談ください。MRIをお持ちでない方でも初回カウンセリングを承っています。
関連コラム
参考文献
Izumi T, et al. "Glenohumeral osteoarthritis in Japan: a cross-sectional study." Journal of Orthopaedic Science. 2020;25(1):84-88. https://doi.org/10.1016/j.jos.2019.05.009
Neer CS. "Glenohumeral arthroplasty." In: Shoulder Reconstruction. Philadelphia: WB Saunders; 1990. p.143-271.
Hamada K, et al. "Roentgenographic findings in massive rotator cuff tears. A long-term observation." Journal of Shoulder and Elbow Surgery. 1992;1(4):173-181.
日本整形外科学会「変形性関節症ガイドライン」https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/osteoarthritis.html
Bacle G, et al. "Long-term outcomes of reverse total shoulder arthroplasty: a follow-up of a previous case series." Journal of Bone and Joint Surgery. 2017;99(6):454-461.
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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