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2025.10.17
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

指の痛みやこわばり、そしてだんだんと変形していく指先に、このまま悪くなってしまうのではないかと不安を感じていませんか?
それは「ヘバーデン結節」かもしれません。
この病気は指の第一関節がゆっくりと変形していくもので、特に40歳を過ぎた女性に多く見られ、ものをつかむ、書くといった日常動作を困難にし、生活の質を大きく低下させる可能性があります。
本記事では、整形外科医がヘバーデン結節の原因や見逃しやすい初期症状、適切な診断方法から、痛みを和らげ進行を遅らせるための保存療法、薬物療法、手術、さらには再生医療、そしてご自身でできる効果的なセルフケアや予防策まで詳しく解説します。
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シンセルクリニックは「関節」に特化したクリニックであり手術を回避する再生医療という新しい治療を提供しております。




指の痛みやこわばり、そしてだんだんと変形していく指先に、このまま悪くなってしまうのではないか、いつか日常生活にも支障が出るのではと不安を感じる方は少なくありません。私が整形外科医として多くの患者さんと向き合う中で、特にヘバーデン結節の患者さんが抱える心の負担を痛感しています。
指は日常生活を送るうえで、非常に大切な体の一部です。その変化は、ものをつかむ、書く、料理をする、といった当たり前の動作を困難にし、生活の質を大きく低下させてしまうことがあります。まずは、この病気について正しく理解し、適切な対処法を見つける第一歩を踏み出しましょう。

ヘバーデン結節は、手指の最も先端にある関節、つまり第一関節(医学用語では「遠位指節間関節」と呼びます)が、ゆっくりと変形していく病気です。
この病名は、18世紀にこの症状を詳しく記録したイギリスの医師、ウィリアム・ヘバーデン氏にちなんで名付けられました。
この病気の大きな特徴は、第一関節の手の甲側の中央あたりに、まるで小さなコブのような結節ができることです。
私がこれまでに診てきた患者さんの傾向として、特に40歳を過ぎた女性に多く見られます。診察室で患者さんからよく聞かれるのは、「先生、これって年齢のせいですか?」というご質問です。しかし、ただの加齢現象として片付けるのは早計です。

人差し指から小指にかけての第二関節(手首から2番目の関節)に変形が起きると「ブシャール結節」と呼ばれ、それぞれ別の病気として区別します。
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ヘバーデン結節は、第一関節だけに症状が集中するのが特徴です。男性も発症することはありますが、女性に比べると少なく、主に60歳以上の方に多く見られる印象があります。

ヘバーデン結節が発症する原因は多岐にわたりますが、大きく分けて三つの要因が深く関わっていると考えられます。
一つ目は、指に外傷を受けた後に症状が出始めるケースです。しかし、私が診る多くの患者さんは、明らかな外傷がなく、原因がはっきりしない「特発性」として発症されます。
二つ目の大きな要因は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少です。40歳以上の女性に圧倒的に多く見られることから、更年期以降の女性ホルモンの変化が深く関係している可能性が高いと推測されます。
エストロゲンには、関節の軟骨や腱、腱鞘(けんしょう)を守る働きや、骨の新陳代謝を調整する作用があることが、最新の研究でも示唆されています。
このエストロゲンが減少することで、関節の保護機能が低下し、変形を招きやすくなると考えられます。
そ三つ目の要因は、日常的な指への負担です。私自身、柔道やラグビーの経験から、指先の繊細な動きや関節にかかる負担の大きさを肌で感じています。裁縫や刺繍、農業、ピアニストや美容師など、指を細かく、あるいは力強く使う仕事や趣味を持つ方に多く見られるという報告があります。また、スマートフォンを長時間、特に小指で支えるような使い方をしている方にも、小指の第一関節に症状が出るケースが見受けられます。
遺伝性が明確に証明されているわけではありません。しかし、診察室では「私の母も同じように指が変形していました」とか、「姉も同じ症状で悩んでいます」といったお話をよく耳にします。ご家族の中で複数の方が発症するケースは珍しくなく、遺伝的な体質が影響している可能性は十分に考えられるでしょう。
ヘバーデン結節は、初期段階では見過ごしやすい小さなサインから始まります。患者さんの中には、「まさか自分の指がこんな風になるなんて」と、初期の症状を見過ごしていた方も少なくありません。整形外科医として、これらの初期症状に早く気づくことの重要性を強く感じています。代表的な初期症状として、次の五つが挙げられます。
何もしなくても指の第一関節がズキズキと痛むことがあります。特に朝起きた時や、指を使った後に痛みを感じやすい傾向があります。
関節がわずかに膨らんだように感じる、あるいは見た目にも腫れていることがわかります。初期には軽く感じる程度かもしれません。
炎症が起きている場所の皮膚が、薄く赤みを帯びることがあります。触ると少し熱っぽく感じることもあります。
指の第一関節を触ると、周囲の皮膚よりも温かく感じることがあります。これは炎症のサインの一つです。
朝起きた時に指がスムーズに動かせない、グーッと握るのに時間がかかるといった症状です。「朝のこわばり」は、他の関節疾患でも見られますが、ヘバーデン結節でも起こり得ます。
これらの症状は、出たり治まったりを繰り返すことが多く、「一時的に痛みが引いたから大丈夫」と放置してしまうケースを私は多く見てきました。しかし、痛みや腫れが一時的に治まっても、約10年ほどの時間をかけて関節や骨の変形へと進んでいくことがあります。
進行すると、痛みはさらに強くなり、指を曲げる動きが制限されて、ものをつかむことが難しくなります。最終的には指が横に曲がったり、屈んだ状態で関節が固まってしまったりすることもあります。
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診断を確定するために最も重要となるのが、レントゲン検査です。
レントゲン写真を撮影することで、骨と関節の状態を詳しく見ることができます。軟骨がすり減っている様子や、骨の一部がとげ状に突出している骨棘の有無を確認することが可能です。レントゲン検査で関節の隙間が狭くなっていたり、関節の構造が壊れていたり、骨棘がはっきりと見られたりすると、ヘバーデン結節と診断されます。
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指の痛みや変形に悩む患者さんから、診察室で「この指の痛み、何とかならないでしょうか」「もう指が変形してしまって、諦めるしかないのでしょうか」という切実な声をよく耳にします。指の関節のトラブルは、ものをつかむ、書く、料理をするといった日常の動作を困難にし、生活の質を大きく低下させてしまうことがあります。
しかし、適切な治療と日々のセルフケアによって、その進行を遅らせ、痛みを和らげ、再び快適な生活を送れる可能性があります。私が整形外科医として培ってきた経験と、再生医療医としての知識から、ヘバーデン結節と前向きに向き合うための具体的な方法をお伝えしたいと思います。
ヘバーデン結節の治療法は、患者さんの症状の重さやライフスタイルに合わせて選びます。主に次の4つの選択肢があります。
保存療法
炎症が強い時期や、初期の痛みが気になる場合に効果的です。テーピングやサポーターで指の関節を固定し、安静に保つことが基本になります。特に指を動かしたときに痛みが増す場合は、一時的に動きを制限することで炎症が落ち着きやすくなります。私は患者さん一人ひとりの指の形状や生活習慣に合わせて、最も効果的な固定方法を一緒に検討しています。
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薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、内服薬や外用薬を用いることがあります。痛みが強い場合には、関節内に直接ステロイドを注射する方法も有効な選択肢となります。実際に、私も整形外科医として、痛みに苦しむ患者さんにこの注射を行うことがありました。
ステロイド注射について詳しくご覧ください↓↓
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手術療法
保存療法や薬物療法では痛みが改善しない、あるいは変形がひどく日常生活に大きな支障をきたす場合に検討されます。突出した骨のコブや水ぶくれを切除する関節形成術や、関節を固定することで痛みをなくす関節固定術などがあります。手術は最後の選択肢として、患者さんの希望と身体の状態を詳しく診察した上で判断します。
再生医療
近年注目されているのが、再生医療です。これは、ご自身の細胞を使って組織を修復し、関節の機能を改善しようとする治療法です。例えば、自己脂肪由来幹細胞治療では、患者さんご自身の脂肪から採取した幹細胞を患部に注入することで、炎症を抑えたり、軟骨の保護を促したりする効果が期待できます。
私がシンセルクリニックを開設して再生医療に本格的に取り組むきっかけとなったのは、従来の治療法では十分な改善が見られない患者さんの「手術は避けたいけれど、今の痛みを何とかしたい」という強い願いでした。この治療法は、従来の治療で改善が難しかった方にとって、新しい希望となり得ると確信しています。

治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。今までの治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。
そのため、日常生活においても膝に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。
再生医療では、修復が不可能と言われている軟骨を新たに再生させていく画期的な治療法です。この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。

当院は再生医療に特化したクリニックであり手術を回避する再生医療という新しい治療を提供しております。 疑問や興味がある方はお気軽にお問い合わせください。



病院での治療と並行して、日々の生活の中でご自身でできるセルフケアは、症状の緩和や進行予防にとても大切です。
指の安静と保護
痛むときは無理に指を使わず、安静にしましょう。家事や仕事で指を使う必要がある場合は、市販のサポーターやテーピングを活用して関節を保護することをおすすめします。診察室で「どんなサポーターがいいですか?」と聞かれることが多いですが、指の形や症状によって合うものが違うので、いくつか試してご自身にぴったりのものを見つけてください。
指の体操とマッサージ
痛みが強くない時期には、指を優しく曲げ伸ばしする体操や、指の付け根から指先に向かってゆっくりとマッサージを行うことで、血行を良くし、関節の動きを保つことができます。ただし、痛みがある時は無理をせず、中止してください。
温熱療法やアイシング
指がこわばるときには、温かいお湯で指を温めたり、ホットパックを使ったりすると筋肉がほぐれて楽になります。一方、炎症が強く、赤みや熱感がある場合は、冷やしたタオルなどでアイシングをすると痛みが和らぐことがあります。ご自身の症状に合わせて使い分けてください。
生活習慣の見直し
特にスマートフォンを操作する際に、片方の小指でスマホを支える持ち方は、特定の指に大きな負担をかけ、ヘバーデン結節を誘発する可能性も考えられます。スマホの画面操作は、できる限り両手で行うように意識したり、スタンドを利用したりする工夫が大切だと感じています。長年の臨床経験から、日常のちょっとした癖が、関節の負担につながっているケースは少なくありません。
ヘバーデン結節に関して、患者さんからよくいただく質問とその回答をまとめました。
Q1:指の変形は一度始まると元に戻らないのでしょうか?
A1:一度変形してしまった骨自体を元の形に戻すことは、残念ながら難しいのが現状です。しかし、痛みを和らげ、これ以上の変形が進行しないようにすることは可能です。早期に適切な治療を開始し、セルフケアを継続することで、指の機能維持や生活の質の向上が期待できます。特に、シンセルクリニックで行っている再生医療は、細胞レベルでの組織修復を目指すため、従来の治療では難しかった改善の可能性を追求しています。
Q2:ヘバーデン結節の治療は、どれくらいの期間かかりますか?
A2:ヘバーデン結節の症状の進行度合いや、選ぶ治療法によって期間は大きく異なります。痛みが落ち着くまで数ヶ月から数年かかることもあります。保存療法は継続的なケアが必要であり、薬物療法も効果の現れ方には個人差があります。再生医療の場合、幹細胞注入後の効果は徐々に現れることが多く、数ヶ月から半年程度で効果を実感される方が多いです。どのような治療法を選んだとしても、根気強く医師と協力しながら取り組むことが大切です。
Q3:どのくらいの症状で受診すべきでしょうか?
A3:指の第一関節に痛みや腫れ、こわばりを感じたり、わずかな変形に気づいたりした場合は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。「まだ軽いから」と放置してしまうと、変形が進行し、治療の選択肢が限られてしまうこともあります。私としては、少しでも気になる症状があれば、まずは専門の医師に相談して、ご自身の状態を正確に把握することが何よりも重要だと考えています。特に、「もしかして手術しかないのかな」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、シンセルクリニックでは、患者さんの状態を詳しく診察し、再生医療という新しい選択肢も含めて、最適な治療プランを提案しています。諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。
Pujalte GGA, Vomer R, Shah N. Injections of the Hand and Wrist: Part I. Trigger Finger, First Carpometacarpal Joint Osteoarthritis, and Palmar Fibromatosis. American family physician 110, no. 4 (2024): 395-401.
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