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変形性手関節症について徹底解説!【医師が解説】
2024.08.28
あなたは最近、朝起きた時に手首がこわばっていませんか?
実は、放っておくと日常生活に大きな支障をきたす可能性のある「変形性手関節症」の初期症状かもしれません。 毎日使う手首だからこそ、小さな異変を見逃さないことが大切です。
このコラムでは、変形性手関節症の原因や症状、そして、あなたの未来を変えるかもしれない最新の治療法まで、医師が分かりやすく解説します。
「最近、手首がちょっと気になる…」と感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
変形性手関節症の原因とは?放っておくとどうなる?
「先生、最近手首が痛むんです。重いものを持ったわけでもないのに…」
診察でこんな悩みを訴える患者さんは少なくありません。実は、手首の痛みは放っておくと、日常生活に大きな支障をきたすこともあるので注意が必要です。
手首の関節は、毎日体重を支えたり、細かい動作を繰り返したりする中で、常に負担がかかっています。そして、その小さな負担の積み重ねが、やがて変形性手関節症という病気を引き起こす可能性があるのです。
例えば、毎日歯磨きをする、包丁で野菜を切る、パソコンのマウスを操作するといった何気ない動作も、手首にとっては小さな負担です。若い頃は、多少無理をしても回復できますが、年齢を重ねると、その小さな負担が積み重なり、手首の関節にダメージを与えるようになるのです。
では、一体どのような原因で変形性手関節症になるのでしょうか?
加齢による軟骨の摩耗
変形性手関節症の最も大きな原因の一つが、加齢による軟骨の摩耗です。
軟骨は、骨と骨の間を覆うクッションのような組織で、関節をスムーズに動かすために欠かせません。しかし、加齢に伴い、この軟骨は弾力を失い、すり減ってしまいます。
これは、長年使い続けたスポンジが、だんだんボロボロになっていく様子を想像すると分かりやすいでしょう。新しいスポンジは弾力があり、水をよく吸収しますが、古くなると弾力がなくなり、ボロボロと崩れてしまいます。軟骨も同様に、年齢を重ねるにつれて、すり減り、クッションとしての役割を果たせなくなっていくのです。
軟骨がすり減ると、骨と骨が直接ぶつかるようになり、炎症や痛みを引き起こします。これが、変形性手関節症の主な原因です。
遺伝的な要因
変形性手関節症は、遺伝的な要因も関係していると考えられています。
例えば、生まれつき軟骨が弱かったり、軟骨の成分を作る働きが弱い体質の場合、変形性手関節症のリスクが高まります。
これは、両親から受け継いだ遺伝子が、軟骨の質や構造に影響を与えるためです。分かりやすく例えると、丈夫な木材で作られた家は長持ちしますが、もろい木材で作られた家は、ちょっとした衝撃で壊れやすいのと同じです。
骨折や靭帯損傷の既往
過去に手首を骨折したり、靭帯を損傷した経験がある人は、変形性手関節症を発症するリスクが高くなります。
骨折や靭帯損傷は、関節を支える骨や靭帯に大きなダメージを与えます。その結果、関節の構造が不安定になり、軟骨への負担が増大し、変形性手関節症へとつながる可能性があるのです。
これは、交通事故やスポーツ中のケガなど、強い衝撃が加わることで起こりやすくなります。
関節リウマチなどの炎症性疾患
関節リウマチなどの炎症性疾患も、変形性手関節症の原因の一つです。
関節リウマチは、本来、体を守るはずの免疫システムが誤って自分の関節を攻撃してしまう病気です。この攻撃によって関節に慢性的な炎症が起こり、軟骨が破壊され、変形性手関節症を引き起こすことがあります。
これは、免疫システムが、自分の体の組織を「敵」と誤認し、攻撃してしまうことが原因で起こります。
関節リウマチは、手首だけでなく、体のさまざまな関節に症状が現れることがあります。
変形性手関節症の症状をチェック!
「あれ?最近、手首がなんだか変だな…」そう感じたら、要注意です。
手首は、私たちが普段の生活で何気なく使っている部分ですが、実はとても複雑な構造をしています。小さな骨がたくさん組み合わさってできており、その表面は滑らかな軟骨で覆われています。
この軟骨のおかげで、手首はスムーズに動くことができます。しかし、変形性手関節症になると、この軟骨がすり減ってしまい、様々な症状が現れるのです。
初期症状は、日常生活で感じるちょっとした違和感から始まります。
例えば、朝起きた時に手首がこわばって感じる、重いものを持った時に手首に痛みを感じる、といった症状です。
これらの症状は、一時的なものとして軽視されがちです。しかし、変形性手関節症は進行性の病気であるため、放置すると症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
「まだ大丈夫」と安易に考えずに、ご自身の体からのサインを見逃さないようにしましょう。
手首の痛み
変形性手関節症の初期症状として最も多いのは、手首の痛みです。
最初は、重いものを持った時や、手首を特定の方向に動かした時などにだけ痛みを感じるかもしれません。
例えば、フライパンで料理をしている時や、ペットボトルの蓋を開ける時などに、手首にズキッと痛みが走ることがあるかもしれません。
しかし、症状が進行すると、安静時や夜間にも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたすようになります。
痛みの種類も、「ズキズキ」「キリキリ」「ジンジン」など、患者さんによって様々です。
重要なのは、ご自身の体の感覚を頼りに、「いつもと違うな」と感じたら、早めに医療機関を受診することです。
手首の腫れ
手首の痛みと同様に、腫れも変形性手関節症でよく見られる症状です。
これは、関節の中で炎症が起こっているサインです。
風邪を引いた時、喉が炎症を起こして腫れるように、手首の関節でも炎症が起きると腫れが生じます。
腫れの程度は、ほんのり赤くなる程度のものから、見た目で明らかにわかるほど腫れ上がるものまで様々です。
また、炎症が強い場合には、患部に熱を持つこともあります。
手首の可動域制限
変形性手関節症が進行すると、手首の動きが悪くなってきます。
これは、関節の炎症や変形によって、関節がスムーズに動かなくなるために起こります。
例えば、
指をまっすぐ伸ばそうとしても、伸びきらない
手首を曲げようとすると、途中で止まってしまう
手首を反らすと、痛みでそれ以上反らすことができない
といった症状が現れます。
これらの症状によって、日常生活動作が制限されることがあります。
例えば、お茶碗が持ちにくくなったり、シャツのボタンがかけにくくなったり、髪を結ぶのが難しくなったりします。
手首の変形
変形性手関節症が進行すると、手首の関節が変形することがあります。
これは、関節軟骨の摩耗や、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突起などが原因で起こります。
骨棘とは、骨が変形して尖った状態になることです。
変形が目立つようになると、見た目に影響が出ることがあります。
また、変形によって手首の動きがさらに制限され、日常生活に支障が出やすくなります。
手首の動かし始めの痛み
朝起きた時や、しばらく安静にした後などに、手首を動かし始めると痛みを感じることがあります。
これは、関節液が固まっているために、動きがぎこちなくなっていることが原因です。
しばらく動かしているうちに痛みは軽減することが多いですが、症状が進行すると、動かし始めの痛みが強くなったり、長時間続くようになることもあります。
例えば、朝、目覚まし時計を止めようと手首を動かしたときに、強い痛みを感じる人もいます。
変形性手関節症の治療法を紹介
変形性手関節症と診断されると、不安な気持ちになる方もいるかもしれません。「もう手首は元に戻らないの?」「手術しかないのかな…」と、頭の中が真っ白になってしまう方もいるでしょう。
しかし、ご安心ください。変形性手関節症の治療法は、将来の展望に合わせて、様々な選択肢があります。
例えば、「これからも思いっきりテニスを続けたい!」、「毎日のピアノ演奏を続けたい」という方、「孫を抱っこしてあげたい」という方まで、患者さん一人ひとりの希望に寄り添った治療法を一緒に考えていきます。
大切なのは、焦らず、医師とじっくりと相談することです。ここでは、代表的な治療法を分かりやすく解説していきますので、ご自身に合った治療法を見つけるための一助としてください。
薬物療法(痛み止め、ヒアルロン酸注射など)
薬物療法は、手首の痛みや炎症を抑え、症状を和らげることを目的とした治療法です。
「痛み」は、変形性手関節症の初期段階で最もつらい症状の一つと言えるでしょう。
例えば、朝起きた時に手首がこわばって、歯ブラシを持つのも一苦労…、日中は痛みを我慢しながら仕事をして、夜は痛みが強くなって眠れない…。
このような場合、まず「痛み」を抑える薬を使うことで、日常生活を送りやすくしていきます。
1. 痛み止め
痛み止めには、様々な種類がありますが、変形性手関節症の痛みには、アセトアミノフェンやロキソニンといった鎮痛剤がよく処方されます。
2. ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射は、関節内の潤滑剤であるヒアルロン酸を直接注射することで、軟骨の保護や痛みを軽減する効果が期待できます。
ヒアルロン酸は、私たちの体内にもともと存在する成分で、関節の動きをスムーズにする役割を担っています。しかし、変形性手関節症が進行すると、このヒアルロン酸が減少してしまうため、関節内に直接補充することで、症状の改善を図ります。
ヒアルロン酸注射は、比較的安全性が高い治療法ですが、効果には個人差があります。また、効果の持続期間も数か月程度であるため、定期的な注射が必要となる場合があります。
理学療法(リハビリ、装具療法など)
理学療法は、薬ではなく、運動や物理療法を用いて、手首の機能回復や痛みの軽減、変形の進行を遅らせることを目的とした治療法です。
「手術はちょっと怖い…」「自分の力で少しでも良くしたい!」という方に、おすすめの治療法と言えるでしょう。
1. リハビリ
関節の動きをスムーズにするためのストレッチや、手首周りの筋力を強化するためのトレーニングなどを行います。
これらのリハビリは、自宅でも簡単に行えるものも多く、継続することで、より効果が期待できます。
2. 装具療法
サポーターや装具を用いて、手首の関節を固定または支持することで、痛みを軽減し、安静を保ちます。
特に、夜間は手首を無意識に動かしてしまうことが多いため、装具療法が有効です。
また、スポーツや仕事などで手首に負担がかかる場合にも、装具を装着することで、症状の悪化を防ぐことができます。
手術療法(関節鏡手術、関節固定術など)
保存療法で効果が得られない場合や、症状が進行している場合には、手術療法が検討されます。
1. 関節鏡手術
関節鏡手術は、内視鏡を用いて関節内を観察しながら、炎症を起こしている滑膜の切除や軟骨の修復などを行う手術です。
数ミリ程度の小さな穴を数カ所あけるだけで手術を行うことができるため、身体への負担が少なく、術後の回復も早いというメリットがあります。
2. 関節固定術
関節固定術は、損傷が激しい関節を固定することで、痛みを根本的に取り除く手術です。
関節を固定することで、手首の動きが制限されるため、日常生活に支障が出る場合もありますが、痛みが強い場合や他の治療法で効果が得られない場合に有効な選択肢となります。
再生医療
治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。今までの治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。
そのため、日常生活においても体に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。
手術との違い
再生医療では、修復が不可能と言われている軟骨などの組織を新たに再生させていく画期的な治療法です。この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。
手の精密診断を実施中!
当院は再生医療に特化したクリニックであり手術を回避する再生医療という新しい治療を提供しております。 疑問や興味がある方はお気軽にお問い合わせください。



参考文献
Tramś E, Malesa K, Pomianowski S, Kamiński R. Role of Platelets in Osteoarthritis-Updated Systematic Review and Meta-Analysis on the Role of Platelet-Rich Plasma in Osteoarthritis. Cells 11, no. 7 (2022).
Yamaura K, Nelson AL, Nishimura H, Rutledge JC, Ravuri SK, Bahney C, Philippon MJ, Huard J. The effects of fisetin on bone and cartilage: A systematic review. Pharmacological research 185 (2022): 106504.
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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