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【医師解説】肩を上げると痛い・音が鳴る。「インピンジメント症候群」を放置してはいけない理由と、手術なしで治す方法

2026.01.10

その「ジョリッ」という音、腱が切れる前の警告です

「腕を上げると肩が引っかかる」

「回すとゴリッと音がする」

その違和感、単なる肩こりや五十肩だと思って放置していませんか?

それは「インピンジメント症候群」という、腱板断裂(けんばんだんれつ)の一歩手前の危険なサインかもしれません。

このまま放置すると、骨がヤスリのように腱(スジ)を削り続け、ある日突然ブチッと切れてしまいます。 しかし、まだ腱が切れていない今なら、手術で骨を削らなくても、注射による「再生医療」で根本治療が可能です。

まずは動画でチェック!【肩インピンジメント症候群とは】

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第1章:あなたの肩は大丈夫?「インピンジメント症候群」セルフチェック

まずは、あなたの肩の痛みが「インピンジメント症候群」によるものなのか、簡単なテストで確認してみましょう。

1. ペインフルアークサイン(Painful Arc Sign)

これはインピンジメント症候群に最も特徴的な症状です。

  1. 気をつけの姿勢で立ちます。

  2. 腕を伸ばしたまま、体の横からゆっくりと上げていきます(バンザイをするように)。

  3. 腕が水平(60度)から耳の横(120度)の間を通るときに、痛みや引っかかりを感じますか?

  4. さらに上げて、真上(180度)まで行くと、逆に痛みが消えたりしませんか?

この「途中だけ痛い」という現象があれば、インピンジメント症候群の疑いが濃厚です。 (※五十肩の場合は、固まってしまっているため、そもそも腕が上がりません)

2. ニアテスト(Neer Test)

  1. 椅子に座り、誰かに肩甲骨を押さえてもらいます。

  2. その状態で、腕を前に向かって(親指を下に向けて)耳の横まで持ち上げてもらいます。

  3. 一番上まで上げた時に痛みが出れば陽性です。

3. ホーキンステスト(Hawkins Test)

  1. 腕を前にならえの状態(90度)にし、肘を90度曲げます。

  2. その状態で、腕を内側にひねります。

  3. 肩の奥に痛みが出れば陽性です。

いかがでしたか? もし一つでも当てはまる場合、あなたの肩の中で「骨と腱の衝突」が起きている可能性があります。

その「肩の引っかかり」は、腱が切れる前の危険信号かもしれません。 骨を削る手術を避けて、根本から治す「再生医療」についてはこちら。


第2章:そもそも「インピンジメント症候群」とは?

「インピンジメント(Impingement)」とは、英語で「衝突」「挟み込み」という意味です。 一体、何と何が衝突しているのでしょうか?

1. 肩の構造と「衝突」のメカニズム

肩関節には、腕の骨(上腕骨)と、肩の屋根となる骨(肩峰:けんぽう)があります。 この2つの骨の隙間には、「腱板(けんばん)」というインナーマッスルや、クッションの役割をする「滑液包(かつえきほう)」が通っています。

正常な肩であれば、腕を上げた時にこの隙間が確保され、スムーズに動きます。 しかし、何らかの原因でこの隙間が狭くなると、腕を上げるたびに「上腕骨」と「肩峰」の間に「腱板」が挟み込まれてしまいます。

これこそが、痛みの正体です。 骨と骨の間に挟まれた腱板や滑液包が、動かすたびに「ゴリッ」と擦れ、炎症を起こして腫れ上がるのです。

2. なぜ隙間が狭くなるのか?(3つの原因)

①骨の変形(骨棘):

加齢や長年の使用により、肩の屋根(肩峰)の先端に「骨棘(こつきょく)」というトゲができ、通り道を狭くしてしまうケース。

②姿勢の悪化(巻き肩):

猫背や巻き肩になると、肩甲骨が前に傾き、構造的に骨同士がぶつかりやすい位置関係になります。

③使いすぎ(オーバーユース):

野球やテニス、水泳などの頭上に腕を上げるスポーツや、窓拭き・塗装業などの仕事で、反復して肩を使うことで炎症が慢性化しているケース。


第3章:放置するとどうなる?「腱板断裂」へのカウントダウン

ここが最もお伝えしたい点です。 インピンジメント症候群の初期段階では、痛みは「腕を上げた時だけ」です。下ろしていれば痛くないため、「そのうち治るだろう」と放置してしまう方が非常に多いのです。

しかし、これは「靴擦れ」と同じです。 サイズが合わない靴を履いて歩き続けると、最初は皮膚が赤くなるだけですが、やがて皮がむけ、血が出て、深い傷になりますよね。

肩も同じです。 「ゴリッ」という音は、骨というヤスリで、腱板というロープを削っている音です。 この摩擦を放置して生活を続けると、腱板は徐々にすり減り(ささくれ立ち)、ある日突然、プツンと切れてしまいます。

これが「腱板断裂(けんばんだんれつ)」です。

腱板が切れてしまうと、自然治癒することは二度とありません。 腕が上がらなくなり、夜も眠れないほどの激痛に襲われ、最終的には手術で縫い合わせるしかなくなります。

つまり、インピンジメント症候群と診断された今の段階は、「腱板断裂を防ぐためのラストチャンス」なのです。

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その「肩の引っかかり」は、腱が切れる前の危険信号かもしれません。 骨を削る手術を避けて、根本から治す「再生医療」についてはこちら。


第4章:インピンジメント症候群の治療法(保存療法から手術まで)

では、どうすれば治るのでしょうか? 一般的な整形外科で行われる治療法をご紹介します。

1. 保存療法(まずはここから)

■安静・投薬:

炎症止め(ロキソニンなど)や湿布で、腫れが引くのを待ちます。

■ヒアルロン酸注射:

関節の滑りを良くするために注射を打ちます。軽度であればこれで摩擦が減り、症状が改善します。

■ステロイド注射:

痛みが強い場合、強力な抗炎症剤であるステロイドを滑液包に打ちます。即効性がありますが、繰り返し打つと腱が脆くなる副作用があるため、回数制限があります。

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■リハビリ:

理学療法士の指導のもと、インナーマッスルを鍛えたり、巻き肩を治したりして、骨と骨の隙間を広げる訓練をします。

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2. 手術療法(治らない場合)

数ヶ月リハビリをしても痛みが取れない場合や、骨のトゲ(骨棘)が大きい場合は、手術が検討されます。

■肩峰下除圧術(けんぽうかじょあつじゅつ):

内視鏡を使って、腱板に当たっている「肩の屋根の骨(肩峰)」の一部を削り取る手術です。 物理的に隙間を広げるため、再発防止には効果的ですが、入院が必要であり、骨を削るため術後の痛みやリハビリ期間が必要です。

「骨を削る手術まではしたくない...」

「仕事が忙しくて、入院やリハビリに通う時間がない」

そう思われる方も多いでしょう。 そんな方のために、近年注目されているのが「再生医療」です。


第5章:骨を削らずに治す。第3の選択肢「再生医療」

再生医療とは、ご自身の細胞の力を使って、傷ついた組織の修復を促す最新の治療法です。 インピンジメント症候群に対して、当院では「幹細胞治療」を行っています。

1. なぜ再生医療が効くのか?

再生医療のアプローチは、手術のように「骨を削る」のではなく、「腫れを引かせて隙間を作る」「腱を強くする」ことです。

■強力な抗炎症作用:

投与した幹細胞は、炎症が起きている滑液包や腱板に集まり、強力に炎症を鎮火させます。 パンパンに腫れていた滑液包が元の厚さに戻ることで、物理的な挟み込み(インピンジメント)が解消され、痛みが消えます。

■組織の修復・強化:

擦り減って弱くなっている腱板の組織修復を促します。 「切れかかったロープ」を補修・補強することで、摩擦に負けない強い腱を取り戻し、将来の断裂を予防します。

2. 治療の流れ(日帰りで完了)

  1. 脂肪採取: お腹周りから、米粒2つ分程度の脂肪を採取します(局所麻酔で痛みはほとんどありません)。

  2. 培養: 院内の培養施設で、脂肪に含まれる幹細胞を数千万〜1億個まで増やします。

  3. 投与: 増やした幹細胞を、超音波(エコー)を見ながら、炎症が起きている肩の滑液包や腱板に正確に注射します。

3. 再生医療のメリット

  • 入院不要: 手術と違い、その日のうちに帰宅できます。

  • 仕事を休まなくていい: 翌日からデスクワークなどは通常通り行えます。

  • 副作用が少ない: 自分の細胞を使うため、アレルギー拒絶反応のリスクが極めて低いです。

  • 将来の手術回避: 腱板断裂へと進行するリスクを食い止めることができます。

実際の患者様の声(動画)

インピンジメント症候群による痛みに長年悩まされていた患者様が、再生医療によってどのように改善したか、実際のインタビューをご覧ください。

再生医療の症例実績を見る

結論:その痛み、我慢しないでください

「肩が痛いけど、生活できているから」 そうやって我慢している間に、肩の中では静かに、しかし確実に破壊が進んでいます。

インピンジメント症候群は、早期発見・早期治療ができれば、決して怖い病気ではありません。 しかし、腱板が切れてしまってからでは、治療のハードルは一気に上がります。

「最近、肩の音が気になる」 「腕を上げる時、ある角度だけ痛い」

そう感じているなら、それは体が発している「腱が切れる前のサイン」です。 手遅れになって手術台に上がる前に、ぜひ一度ご相談ください。

よくある質問(Q&A)

Q1. 整形外科でヒアルロン酸注射をしていますが、再生医療と何が違いますか?

A. ヒアルロン酸は「潤滑油」を足して滑りを良くする対症療法です。効果は一時的で、吸収されれば元に戻ります。 再生医療は、炎症の「火元」を消し、傷んだ組織そのものを「修復」する根本治療を目指す点が大きく異なります。

Q2. 骨のトゲ(骨棘)は再生医療で消えますか?

A. いいえ、できてしまった骨のトゲ自体を消すことはできません(それは手術で削るしかありません)。 しかし、再生医療によって炎症が収まり、腫れが引くことで、トゲがあってもぶつからなくなり、痛みのない状態を作ることは十分に可能です。多くの方が、骨棘を残したまま症状に悩まない生活を送られています。

Q3. 五十肩と診断されましたが、実はインピンジメントということもありますか?

A. 非常に多いケースです。 「腕が上がらない=五十肩」と一括りにされがちですが、詳細な検査をするとインピンジメントや腱板断裂が見つかることがよくあります。 当院では、高精細なMRIとエコーを用いて、痛みの原因が「関節の固まり(五十肩)」なのか「腱の挟み込み(インピンジメント)」なのかを正確に診断します。記事監修医師

記事監修 シンセルクリニック

院長 武内晋司郎

参考文献

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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