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【整形外科医監修】肩腱板断裂(肩すじ断裂)とは?原因と手術・再生医療の選択基準

2025.12.19

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

肩腱板断裂とは?その「痛み」の正体と解決策を医師が解説

「五十肩だと思ってリハビリをしているのに、痛みが引かない」

「夜、肩がズキズキして眠れない日が続いている」

もし、あなたがそのような症状でお悩みなら、それは単なる炎症ではなく、肩のインナーマッスルが断裂している「腱板断裂(けんばんだんれつ)」の可能性があります。

この記事では、長年、基幹病院で肩の手術に携わり、現在は「手術を回避する再生医療」を専門とするシンセルクリニック総院長・武内晋司郎が、「なぜ腱板は切れるのか(原因)」と「それぞれの治療法の決定的な違い」について、詳しく解説します。

「自分でできるチェック方法」「やってはいけない動作」については、以下の専門記事をご覧ください。

[【整形外科医監修】腱板断裂のセルフチェック方法]

[腱板断裂で絶対にやってはいけない5つのこと]


まずは動画で理解!腱板断裂のメカニズム

武内総院長が、「腱板がどのように断裂するのか」「なぜ再生医療が有効なのか」を解説しています。

「手術しかない」と言われて、諦めていませんか?
入院なし・メスを使わない「第3の選択肢」があります。

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1. 肩腱板断裂(肩すじ断裂)の正体とは

「腱板(けんばん)」とは、肩関節の奥深くにある4つの筋肉の腱が集まった部分のことです。一般的には「インナーマッスル」とも呼ばれます。

肩を支える4つのローテーターカフ

  1. 棘上筋(きょくじょうきん): 腕を横に上げる

  2. 棘下筋(きょくかきん): 腕を外に開く

  3. 小円筋(しょうえんきん): 腕を外に開く

  4. 肩甲下筋(けんこうかきん): 腕を内にひねる

これらの腱が、骨から剥がれたり、穴が開いたりした状態が「腱板断裂」です。中でも、一番上にある「棘上筋」は、肩の骨(肩峰)と腕の骨(骨頭)に挟まれやすく、最も断裂しやすい部位です。

「完全断裂」でも腕は上がる?

ここが大きな誤解ポイントです。「断裂」というと、腕がダラリと下がって動かないイメージがありますが、実は「完全断裂」していても、周囲のアウターマッスル(三角筋)が働くため、腕自体は上がることが多いのです。

「動かせるから大丈夫」と放置してしまうと、断裂サイズが拡大し、治療が難しくなるため注意が必要です。


2. なぜ腱板は切れるのか?3つの主要な原因

腱板断裂は、特別な事故がなくても、ある日突然発症することがあります。その背景には、大きく分けて3つの原因があります。

① 加齢変性(老化による摩耗)

これが最も多い原因です。腱板は血流が乏しい組織であり、加齢とともに弾力が失われ、擦り切れたロープのように脆くなります(変性)。

  • 40代以降: リスクが増加し始めます。

  • 60代: 約4人に1人が断裂しているというデータもあります。

  • 70代以上: 約半数の方に何らかの断裂や損傷が見られます。

② オーバーユース(職業・スポーツ)

日常的に腕を頭より高く上げる動作は、腱板に強いストレスを与えます。

  • スポーツ: 野球の投球、テニスのサーブ、バレーボールのアタック、水泳など。

  • 職業: 大工、塗装業、左官業、果樹園農家、介護職など。

③ 外傷(怪我・事故)

転倒して手をついたり、重いものを無理に引き上げたりした瞬間に切れることがあります。

特に高齢者の場合、転倒による肩の打撲だと思っていたら、実は腱板が切れていたというケースが非常に多く見られます。


3. 五十肩との「痛みの質」の違い

詳細は[セルフチェックのコラム]に譲りますが、ここでは「病態の違い」に触れます。

■五十肩(肩関節周囲炎):

関節を包む袋(関節包)が炎症を起こし、固まっている状態。「拘縮(こうしゅく)」がメインの症状です。

■腱板断裂:

筋肉の腱が切れている状態。関節自体は固まっていないことが多く、「拘縮はないが、特定の動きで痛む」のが特徴です。

特に「夜間痛(寝ている時の痛み)」が強烈で、睡眠障害を引き起こす場合は、五十肩よりも腱板断裂を強く疑う必要があります。


4. 確定診断には「MRI」が必須である理由

「レントゲンで異常なしと言われた」という方が、当院でMRIを撮ると断裂が見つかることは日常茶飯事です。

レントゲンとMRIの決定的な差

■レントゲン:

「骨」しか写りません。骨の間隔が狭くなっていることで断裂を「推測」することはできますが、腱そのものは見えません。

■MRI:

筋肉、腱、軟骨、炎症の広がりを鮮明に映し出します。「どの腱が」「どれくらいの大きさで」切れているか、そして「筋肉が脂肪に変わってしまっていないか(脂肪変性)」を確認するために不可欠です。

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5. 治療法の比較|保存・手術・再生医療

腱板断裂は自然治癒(勝手にくっつくこと)はしませんが、症状をコントロールする方法はいくつかあります。ご自身のライフスタイルや重症度に合わせて選択することが大切です。

① 保存療法(まずはここから)

断裂が小さく、生活への支障が軽度な場合の第一選択です。

■内容: ヒアルロン酸注射、リハビリ、痛み止め。

■メリット: 体への負担が少ない。

■デメリット: 断裂した穴は塞がらない。根本治療ではないため、再発のリスクがある。

関連コラム
腱板断裂のリハビリ完全ガイド|保存療法・術後のスケジュールまで解説

② 手術療法(関節鏡下腱板縫合術)

保存療法で痛みが引かない場合や、活動性が高い若い方、断裂が大きい場合に検討されます。

■内容: 入院し、全身麻酔下でアンカー(杭)を用いて腱を骨に縫い付ける。

■メリット: 物理的に腱を修復できる。

■デメリット:

  • 入院が必要: 通常数日〜数週間の入院。

  • 長期の安静: 術後は装具で数週間固定し、仕事復帰まで3〜6ヶ月かかる。

  • 再断裂: 縫合した部分が再び切れるリスク(約10〜30%)がある。

関連コラム
肩腱板断裂の手術とは?入院期間なども医師が解説!

③ 第3の選択肢「再生医療(幹細胞治療)」

「仕事が休めないから手術は無理」

「高齢で全身麻酔やリハビリに耐えられるか不安」

「メスを入れずに治したい」

こうしたニーズに応えるのが、シンセルクリニックが提供する「自己脂肪由来幹細胞治療」です。

再生医療のアプローチ

ご自身のお腹の脂肪から採取した「幹細胞」を培養し、断裂部に注射します。

項目

手術(縫合術)

再生医療(幹細胞)

治療法

物理的に縫い合わせる

細胞の力で修復を促す

入院

あり(数日〜数週)

なし(日帰り)

麻酔

全身麻酔

局所麻酔

安静期間

長期間の固定が必要

固定不要(翌日から軽作業可)

痛み

術後のリハビリ痛が強い

採取・投与時の軽い痛みのみ

なぜ再生医療で痛みが取れるのか?

  1. 強力な抗炎症作用: 幹細胞が出す物質が、長引く痛みの原因(慢性炎症)を鎮めます。

  2. 組織修復の促進: 幹細胞が傷ついた組織に集まり、血管新生や組織再生をします。

武内院長の視点

「手術で物理的に縫うことも有効ですが、元々の腱が老化してボロボロになっている場合、縫ってもまた切れてしまうことがあります。再生医療は、組織そのものの環境を改善し、修復力を高めるアプローチなので、特に『手術を避けたい中高年の方』にとって合理的な選択肢となります。」


6. シンセルクリニックの治療事例

50代男性:左肩腱板断裂

  • 状況: 手術を勧められたが、仕事もあり手術は避けたい。夜も痛くて眠れない。

  • 治療: 脂肪由来幹細胞治療を実施。

■経過

  • 1ヶ月後: 夜間痛が消失し、熟睡できるようになる。

  • 3ヶ月後:腕を一番上まで上げられるように

  • 現在: 痛みなく日常生活を送っており、手術は回避できた。

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まとめ:あなたの肩の状態に最適な選択を

肩腱板断裂は、放置すれば進行する疾患ですが、決して絶望する必要はありません。

「手術か、我慢か」の二択だった時代は終わり、今は「再生医療」という新しい道があります。

「私の肩は再生医療で良くなるの?」

「手術をした方がいいケースなの?」

その疑問を解消するために、まずは一度ご相談ください。

整形外科医としての確かな診断力と、豊富な再生医療の実績をもとに、あなたのライフスタイルに一番合った治療法をご提案します。

記事監修 シンセルクリニック

院長 武内晋司郎

参考文献

  1. Mercurio M, Castricini R, Castioni D, Cofano E, Familiari F, Gasparini G, Galasso O. "Response to Lievano regarding: better functional outcomes and a lower infection rate can be expected after superior capsular reconstruction in comparison with latissimus dorsi tendon transfer for massive, irreparable posterosuperior rotator cuff tears: a systematic review." Journal of shoulder and elbow surgery 33, no. 1 (2024): e44-e47.

  2. Saavedra MÁ, Navarro-Zarza JE, Villaseñor-Ovies P, Canoso JJ, Vargas A, Chiapas-Gasca K, Hernández-Díaz C, Kalish RA. "Clinical anatomy of the knee." Reumatologia clinica 8 Suppl 2, no. (2012): 39-45.

  3. 膝の臨床解剖学ガイドライン2012

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