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化膿性関節炎の症状から治療方法まで整形外科医が解説!

2025.02.08

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

関節の激しい痛み、腫れ、高熱…想像しただけでも恐ろしい症状ですね。

それはもしかしたら、「化膿性関節炎」かもしれません。 近年増加傾向にあるこの病気は、放置すると関節の破壊に繋がる危険性も。 実は、健康な人でも発症する可能性があり、高齢者や糖尿病患者など、特定の属性の方は特に注意が必要です。

この記事では、整形外科医が化膿性関節炎の症状から治療法、そして再発防止策まで詳しく解説します。

早期発見・早期治療が鍵となるこの病気について、あなたの大切な関節を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。 日常生活に支障をきたす激しい痛みや、高熱、腫れといった症状に心当たりがある方は、すぐに医療機関への受診をおすすめします。

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化膿性関節炎とは?主な症状と感染経路

関節に細菌が侵入し、炎症を引き起こす病気を化膿性関節炎といいます。

健康な状態では、私たちの関節内は滑らかで、クッションの役割を果たす関節液で満たされています。しかし、何らかの原因で細菌が関節内に侵入すると、この関節液が膿で満たされることになります。これが化膿性関節炎です。

関節は体の中でも特に重要な部位です。歩く、物を掴むといった日常動作のほぼ全てに関節が関わっているからです。

この関節に炎症が起きると、強い痛みや腫れが生じ、日常生活に大きな支障をきたします。

早期に適切な治療を受ければ、ほとんどの場合きちんと治り、関節機能を維持することができます。しかし、放置すると関節が破壊され、後遺症が残る可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。

化膿性関節炎の5つの症状

化膿性関節炎の症状は、風邪などの他の病気と間違えやすいので注意が必要です。代表的な5つの症状をご紹介します。

  • 関節の痛み

炎症を起こした関節は、安静時でもズキズキ、ジンジンと痛みます。そして、動かすと痛みがさらに強くなります。これは、炎症によって関節内の組織が刺激されるためです。風邪で関節が痛むことはありますが、化膿性関節炎の場合は、特定の関節に強い痛みが集中するのが特徴です。

  • 関節の腫れ

炎症によって関節に水が溜まり、腫れてパンパンに張ります。熱を持っていることもあります。これは、炎症反応によって関節内に液体が貯留するためです。風邪をひいた際に、全身がむくむことはありますが、化膿性関節炎では、特定の関節が局所的に腫れます。

  • 関節の動きの悪さ

痛みと腫れのせいで、関節がうまく曲げ伸ばしできなくなります。日常生活にも支障が出てきます。これは、炎症と腫れによって関節の動きが制限されるためです。風邪で関節が重だるく感じることはありますが、化膿性関節炎の場合は、関節の可動域が明らかに狭くなります。

  • 高熱

細菌感染が原因なので、38度以上の高い熱が出ることもあります。これは、体内の免疫システムが細菌と戦っているサインです。風邪でも発熱はしますが、化膿性関節炎の場合は、高熱が続く傾向があります。

  • 全身症状

発熱に加えて、だるさ、食欲不振、頭痛といった全身症状が現れることもあります。これは、炎症が全身に影響を及ぼしているためです。風邪のような症状ですが、関節の症状と合わせて現れる場合は、化膿性関節炎の可能性を疑う必要があります。

主な原因菌と感染経路

化膿性関節炎の主な原因菌は黄色ブドウ球菌です。この細菌は健康な人の皮膚や鼻の中にも存在し、普段は無害です。しかし、免疫力が低下している状態や、傷口から体内に侵入すると、化膿性関節炎を引き起こすことがあります。

感染経路は主に以下の3つです。

  • 血液を介した感染:

体の他の場所で起きた感染(例えば肺炎や皮膚感染症)から、細菌が血液に乗って関節に運ばれ、炎症を起こします。

  • 外傷による直接感染:

転倒や怪我でできた傷口から、細菌が関節に直接侵入し感染を引き起こします。

  • 医療処置による感染:

注射や手術などの医療処置中に、細菌が関節に侵入し感染を起こすケースも稀にあります。

リスクと発症しやすい人

誰でも化膿性関節炎になる可能性はありますが、高齢者、糖尿病などの基礎疾患がある人、関節リウマチなどの持病がある人、人工関節を入れている人、免疫不全の人は特に注意が必要です。

高齢者は免疫力が低下しやすいため、感染リスクが高くなります。また、糖尿病などの基礎疾患がある人は、病気のために免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなっています。関節リウマチなどの持病がある人は、免疫抑制剤を使用している場合、感染症のリスクが高まります。人工関節を入れている人は、手術部位から細菌感染を起こす可能性があります。免疫不全の人は、免疫力が弱いため、感染症にかかりやすくなっています。

これらのリスクに当てはまる人は、化膿性関節炎のリスクが高いと言えるでしょう。日頃から体調管理に気を付け、異変を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。特に膝関節の急性細菌性化膿性関節炎は整形外科的緊急事態であり、治療せずに放置すると関節の著しい破壊につながることがあります。

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化膿性関節炎の診断方法と治療の流れ

関節の痛みや腫れ、熱っぽさなど、化膿性関節炎の症状が出てくると、日常生活にも支障が出て不安になりますよね。

早期に適切な診断と治療を受けることが、関節の機能を守る上で非常に大切です。

診断に使われる検査方法3種

化膿性関節炎の診断には、主に以下の3つの検査方法を組み合わせて行います。

細菌感染の有無、炎症の程度、そして関節の状態を詳しく調べていきます。

  • 関節液検査:

これは、化膿性関節炎の診断に最も重要な検査です。

注射針を関節に刺して関節液を採取し、その中に細菌がいるかどうか、どんな種類の細菌がいるのかを調べます。

細菌の種類が特定できれば、より効果的な抗生物質を選択できるため、治療の精度が上がります。検査中はチクッとする痛みを伴いますが、局所麻酔を使用することもあるのでご安心ください。

正常な関節液は透明でサラサラしていますが、化膿性関節炎の場合は、関節液が白濁したり膿が混じっていたりすることがあります。これは、炎症によって関節内に白血球や細菌などの炎症性細胞が集まり、関節液の性状が変化するためです。

  • 血液検査:

血液検査では、炎症反応の強さを示すCRPや、体を守る白血球の数などを調べます。

化膿性関節炎になると、これらの値が基準値よりも高くなる傾向があります。

これは、体内で炎症が起きているサインであり、感染の重症度を評価する指標にもなります。また、血液中に細菌が侵入しているかどうかを調べる血液培養検査を行うこともあります。

血液培養検査では、採取した血液を特殊な培地で培養し、細菌の増殖の有無を確認します。血液中に細菌が検出された場合は、敗血症などの重篤な合併症のリスクも考慮する必要があります。

  • 画像検査(レントゲン、MRI):

レントゲン検査では、骨や関節の状態を調べます。

化膿性関節炎が進行すると、骨が溶けてしまうことがあるので、早期発見のためにレントゲン検査が役立ちます。

初期の化膿性関節炎では、レントゲン写真に明らかな変化が見られないこともあります。しかし、病気が進行すると、関節の隙間が狭くなったり、骨が破壊されたりといった所見が現れるようになります。

MRI検査では、レントゲンよりも詳しく関節内部の状態を観察できます。

軟骨や靭帯、関節包などの炎症の程度や、膿が溜まっているかどうかを確認することができます。MRI検査は、早期の化膿性関節炎の診断にも有用で、レントゲンでは見逃されてしまうような軽度の炎症も捉えることができます。

初期治療のステップ

化膿性関節炎の初期治療は、抗生物質による薬物療法が中心となります。

細菌の種類に応じて適切な抗生物質を選択し、通常は点滴で投与します。入院が必要なケースもありますが、症状が軽ければ通院での治療も可能です。

具体的には、まず原因菌を殺菌し炎症を抑えるために、抗生物質を点滴で投与します。通常、2~3週間程度の治療期間が必要です。

抗生物質の種類は、関節液検査や血液培養検査の結果に基づいて決定されます。原因菌が特定できない場合は、幅広い種類の細菌に効果のある抗生物質が使用されます。

60歳以上、糖尿病、癌、肝硬変、腎疾患、薬物またはアルコール乱用、コルチコステロイド注射の既往、最近の怪我または手術、人工関節、関節リウマチの既往などがあると、化膿性関節炎の発症リスクが高まるという報告があります。

これらのリスクに該当する場合は、特に注意深く経過観察を行う必要があります。

手術が必要なケース

抗生物質による治療で効果がない場合や、関節内に大量の膿が溜まっている場合は、手術が必要になることがあります。

手術では、関節を切開して膿を洗い流し、感染した組織を取り除きます。

早期に適切な治療を行えば、多くの場合、関節の機能を維持することができます。

手術が必要かどうかは、医師が患者さんの状態を丁寧に診て判断しますのでご安心ください。

手術には、関節鏡を用いた手術と、関節を切開する手術があります。関節鏡手術は、小さな切開部から関節鏡というカメラを挿入し、関節内部を観察しながら処置を行う方法です。

関節鏡手術は、切開部が小さいため、術後の痛みや合併症のリスクが比較的低いというメリットがあります。

一方、関節切開手術は、関節を大きく切開して行う方法です。関節切開手術は、関節鏡手術よりも広範囲の処置が可能ですが、術後の痛みや合併症のリスクがやや高くなります。

手術の方法の選択は、患者さんの状態や感染の程度などを考慮して決定されます。

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治療期間と回復までの注意点

化膿性関節炎は、適切な治療を受ければ多くの方が回復に向かいます。しかし、治療期間や回復までの道のりは、症状の重さや感染の程度、個々の体質などによって大きく異なります。

化膿性関節炎の治癒までの期間の目安

化膿性関節炎の治療期間は、患者さんの状態や感染の程度によって大きく異なり、数週間から数ヶ月かかるのが一般的です。

例えば、軽症で早期に発見・治療が開始されたケースでは、抗生物質の点滴を2週間程度行い、その後、内服薬に切り替えて数週間程度で症状が改善することもあります。

しかし、関節内に大量の膿が溜まっている場合や、骨や軟骨が侵されている場合は、手術が必要となることもあり、入院期間を含めて数ヶ月かかることもあります。

また、高齢者や糖尿病などの基礎疾患がある方は、感染症の重症化リスクが高いため、治療期間が長引く傾向があります。

一例として、70代の糖尿病患者さんの症例では、膝関節に化膿性関節炎を発症し、抗生物質の点滴治療と関節洗浄を3週間行いましたが、感染が治まりにくく、最終的に手術が必要となりました。術後もリハビリテーションに時間を要し、回復までには3ヶ月ほどかかりました。

このように、化膿性関節炎の治療期間は、一人ひとり異なるため、担当医の説明をよく聞いて理解することが大切です。

入院が必要なケースと入院期間

化膿性関節炎では、症状の重さや全身状態、そして社会的な状況によって入院が必要となる場合があります。

例えば、39℃以上の高熱が続く、関節の痛みが激しく動かせない、日常生活に支障が出るほど関節が腫れているといった場合は、入院治療が必要となる可能性が高いです。

また、高齢者や糖尿病、癌などの基礎疾患をお持ちの方は、感染症が重症化しやすいため、入院管理下で集中的に治療を行うことが推奨されます。

入院期間は、感染の程度や治療への反応、合併症の有無などによって大きく変動しますが、通常は2週間から4週間程度です。入院中は、抗生物質の点滴治療や関節洗浄、安静、リハビリテーションなどを行います。

例えば、健康な20代のスポーツ選手が、怪我をした後に化膿性関節炎を発症した場合、適切な抗生物質の点滴治療と関節洗浄で比較的速やかに症状が改善し、2週間程度の入院で済むこともあります。

一方、高齢で糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方が化膿性関節炎を発症した場合、感染がコントロールされるまでに時間がかかり、入院期間が4週間以上に及ぶこともあります。

最新の関節の再生医療(PRP療法、幹細胞治療)

近年、関節の新たな治療法として、再生医療が注目を集めています。再生医療とは、損傷した組織の再生を促進する治療法です。

関節の再生医療には、PRP療法幹細胞治療があります。

PRP療法は、患者さん自身の血液から採取した多血小板血漿(PRP)を関節内に注射する治療法です。PRPには、組織の修復を促進する成長因子が豊富に含まれています。多くの臨床場面においてPRPの有効性と安全性が示されています。

PRP注射について詳しくご覧ください↓

注目されているPRP療法で絶対知っておきたいこととは?

幹細胞治療は、脂肪組織などから採取した幹細胞を培養し、関節内に注射する治療法です。幹細胞は、様々な細胞に分化する能力を持つ細胞です。損傷した軟骨の再生を促進する効果が期待されます。

関節の幹細胞治療について詳しくご覧ください↓

ひざ関節症の再生医療とは? 

実際に再生医療を受けた患者様の【体験ドキュメンタリー動画】をご紹介します。

当院の再生医療を受けた方のインタビュー動画はこちらをご覧ください↓↓

手術との違い 

再生医療では、修復が不可能と言われている軟骨を新たに再生させていく画期的な治療法です。

この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。人工関節の手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。

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記事監修医師

記事監修 シンセルクリニック

院長 武内晋司郎

参考文献

  1. Elsissy JG, Liu JN, Wilton PJ, Nwachuku I, Gowd AK, Amin NH. Bacterial Septic Arthritis of the Adult Native Knee Joint: A Review. JBJS reviews 8, no. 1 (2020): e0059.

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