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ベンチプレスで肩が痛い!原因と治療法を医師が解説!
2025.06.03
- ベンチプレスで肩が痛くなる4つの原因
- フォームの崩れ(肩甲骨の不安定性、肘の開きすぎ、ブリッジの不足など)
- 筋力不足(肩周囲のインナーマッスル、アウターマッスルの不足)
- 筋肉や腱の炎症(肩鎖関節炎、インピンジメント症候群、腱板炎、上腕二頭筋長頭腱炎など)
- 外傷(腱板断裂、大胸筋断裂など)
- ベンチプレスで肩の痛みを解消・予防する対策5選
- 痛みが出にくい正しいフォームを身につける(肩甲骨を寄せる、肘の角度を調整する、適切なブリッジを組むなど)
- 肩周囲の筋肉を強化するトレーニング(チューブトレーニング、ダンベルを使った筋トレなど)
- 肩甲骨の可動域を広げるストレッチやエクササイズ
- 痛みがある場合の応急処置(アイシング、安静)
- 医師への受診と適切な治療
- 手術を回避する肩の再生医療とは?
- 参考文献

ベンチプレスで肩に痛みを感じたことはありませんか?
筋トレ愛好家にとって、肩の痛みはトレーニングの質を低下させるだけでなく、日常生活にも支障をきたす深刻な問題です。 日本では、ベンチプレス愛好家の増加に伴い、肩の痛みを訴える人が増えているという報告もあります。 肩の痛みを放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性も。
この記事では、ベンチプレスで肩が痛くなる4つの原因、フォームの崩れ、筋力不足、炎症、そして外傷について解説します。
さらに、医師の視点から、肩の痛みを解消・予防するための5つの具体的な対策もご紹介します。 適切なフォームの習得、肩周囲の筋肉強化トレーニング、肩甲骨の可動域を広げるストレッチ、痛みがある場合の応急処置、そして専門家への受診について、具体的な方法を交えて詳しく解説します。
さあ、この記事を読んで、安全にベンチプレスを続け、理想の身体を目指しましょう!



ベンチプレスで肩が痛くなる4つの原因
ベンチプレスで肩が痛い…。それは、筋トレ愛好家にとって深刻な問題です。肩の痛みはトレーニングの質を低下させるだけでなく、日常生活にも影を落とす可能性があります。
肩の痛みを放置すると、慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす場合もあります。原因を理解し、適切な対策を講じることで、快適なトレーニングライフを取り戻しましょう。
フォームの崩れ(肩甲骨の不安定性、肘の開きすぎ、ブリッジの不足など)
ベンチプレスで肩を痛める最も一般的な原因は、不適切なフォームです。
誤ったフォームは、肩関節に過剰なストレスを与え、炎症や損傷を引き起こす可能性があります。
例えば、肩甲骨が安定していないと、肩関節が不安定になり、痛みにつながりやすくなります。肩甲骨をしっかりと寄せ、胸を張るように意識することで、肩関節の安定性を高めることができます。
肘の開きすぎも、肩関節への負担を増大させる要因となります。
肘の角度は、体の真横ではなく、斜め下45度程度を目安にすると良いでしょう。この角度を維持することで、肩関節へのストレスを軽減し、痛みの発生リスクを抑制できます。
ブリッジが不十分な場合も、肩への負担が増加します。適切なブリッジを組むことで、肩への負担を軽減し、安定したフォームを維持できます。
その他、バーベルを下ろす位置が高すぎたり、グリップが狭すぎたりするのも、肩への負担を増大させる要因となります。バーベルは胸骨の下部あたりに下ろすようにし、グリップは肩幅よりやや広めに設定するのが良いでしょう。
筋力不足(肩周囲のインナーマッスル、アウターマッスルの不足)
肩周囲の筋肉、特にインナーマッスルの弱さも、ベンチプレスで肩を痛める原因となります。インナーマッスルであるローテーターカフ・腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)は、肩関節の安定性を維持する上で重要な役割を果たしています。

これらの筋肉が弱いと、肩関節が不安定になり、痛みを生じやすくなります。アウターマッスルである大胸筋や三角筋ばかりを鍛え、インナーマッスルのトレーニングを怠ると、筋力のアンバランスが生じ、肩関節の安定性が損なわれる可能性があります。
インナーマッスルを効果的に鍛えるためには、チューブトレーニングや軽いダンベルを用いたエクササイズが有効です。
これらのトレーニングは、低負荷ながらもインナーマッスルを効果的に刺激し、肩関節の安定性向上に貢献します。筋力トレーニングを行う際は、インナーマッスルとアウターマッスルのバランスを考慮することが不可欠です。
筋肉や腱の炎症(肩鎖関節炎、インピンジメント症候群、腱板炎、上腕二頭筋長頭腱炎など)
ベンチプレスを繰り返すことで、肩の筋肉や腱に炎症が生じ、痛みを引き起こすことがあります。肩鎖関節炎、インピンジメント症候群、腱板炎、上腕二頭筋長頭腱炎など、様々な炎症性疾患がベンチプレスによる肩の痛みの原因となる可能性があります。
これらの炎症は、フォームの崩れや筋力不足、過度なトレーニング、適切な休息の不足など、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。炎症が疑われる場合は、まず安静にすることが重要です。
インピンジメント症候群については詳しくご覧ください↓↓
肩のインピンジメント症候群とは?医師が解説
上腕二頭筋長頭については詳しくご覧ください↓↓
上腕二頭筋長頭腱炎について原因から最新治療まで解説!医師監修
外傷(腱板断裂、大胸筋断裂など)
ベンチプレス中に強い負荷がかかったり、誤ったフォームでトレーニングを行ったりすると、腱板断裂や大胸筋断裂などの外傷のリスクが高まります。
腱板断裂は、肩関節のインナーマッスルである腱板が断裂するケガで、強い痛みや肩の運動制限が生じます。
腱板断裂については詳しくご覧ください↓↓
肩腱板断裂について徹底解説!整形外科医監修
大胸筋断裂は、大胸筋の腱が断裂する外傷で、近年、ベンチプレス愛好家の増加に伴い、発生頻度が増加傾向にあります。手を伸ばした状態で転倒したり、格闘技、ボクシング、ベンチプレスでのバーベルを下ろす動作時などに発生しやすいため注意が必要です。
これらの外傷は、手術が必要になる場合もあります。激しい痛みや腫れ、変形などがみられる場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。特に、大胸筋断裂は、ベンチプレスなどの筋力トレーニング中に起こりやすく、手を伸ばした状態で転倒した場合や、格闘技、ボクシングなどでも発生する可能性があります。
これらの外傷は、重症化すると手術が必要となる場合もあり、早期の診断と適切な治療が重要です。少しでも異常を感じたら、自己判断せず、医療機関を受診するようにしてください。



ベンチプレスで肩の痛みを解消・予防する対策5選
ベンチプレスで肩を痛めてしまうと、トレーニングの継続が難しくなり、モチベーションも下がってしまいます。肩の痛みはフォームの崩れや筋力不足、炎症などが原因で起こることがあります。この記事では、医師の視点から、肩の痛みを解消・予防するための具体的な対策を5つご紹介します。これらの対策を実践することで、安全にベンチプレスを続け、理想の身体を目指しましょう。
痛みが出にくい正しいフォームを身につける(肩甲骨を寄せる、肘の角度を調整する、適切なブリッジを組むなど)
正しいフォームを身につけることは、肩の痛みを予防し、トレーニングの効果を最大限に引き出すために非常に重要です。肩甲骨を安定させることで、肩関節への負担を軽減できます。肩甲骨を寄せるには、両肩を後ろに引き、胸を張るように意識しましょう。肘の角度は肩の真下ではなく、やや斜め下に構えることで、肩関節へのストレスを減らすことができます。適切なブリッジを組むことで体幹が安定し、肩への負担を軽減できます。お尻を少し上げて、足裏全体で床をしっかりと踏ん張るようにしましょう。
正しいフォームは、肩関節への負担を最小限に抑えながら、大胸筋を効果的に鍛えるための重要な要素です。肩甲骨を寄せることで、肩関節の安定性を高め、インピンジメント症候群などのリスクを軽減できます。肘の角度を調整することで、上腕骨と肩峰の衝突を防ぎ、肩関節への負担を軽減できます。適切なブリッジを組むことで、体幹を安定させ、肩への負担を分散できます。
競技レベルの水泳選手でも肩の痛みは問題となっており、フォームの改善は重要です。
ある研究では、競技レベルの高い水泳選手ほど肩の痛みの発生率が高いことが報告されています。これは、トレーニング量や強度が増加するにつれて、肩関節への負担も増大するためと考えられます。この研究結果からも、ベンチプレスを行う際にも、適切なフォームを維持することの重要性が示唆されます。
具体的には、以下の点を意識しましょう。
グリップの幅:81cmラインに中指か人差し指が来るように握る
バーベルの下ろし位置:胸の下部(みぞおち)に下ろす
目線:天井を見る
呼吸:バーベルを下ろす時に息を吸い、上げる時に息を吐く
肩周囲の筋肉を強化するトレーニング(チューブトレーニング、ダンベルを使った筋トレなど)
肩周囲の筋肉、特にインナーマッスルである腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)を鍛えることで、肩関節の安定性を高め、怪我の予防につながります。
チューブトレーニングは手軽に行える上に、負荷の調整が容易なので、初心者の方にもおすすめです。ダンベルを使った筋トレでは、サイドレイズやフロントレイズ、リアレイズなど、様々な種目を行うことで、肩全体をバランス良く鍛えることができます。
高負荷のベンチプレスを行う上級者においても、筋疲労が肩関節痛発生リスクを高めるという研究結果があります。そのため、トレーニング方法を工夫し、適切な負荷設定を行うことが重要です。例えば、限界まで反復するトレーニング法ではなく、速度ベースのトレーニングや自覚的運動強度に基づいたトレーニングを採用することで、筋疲労を軽減し、肩関節への負担を減らすことができます。
下記の表を参考に、様々なトレーニングを取り入れてみましょう。
種目 | 対象筋肉 | 回数 | セット数 |
|---|---|---|---|
チューブエクスターナルローテーション | 棘下筋、小円筋 | 15~20回 | 3セット |
チューブインターナルローテーション | 肩甲下筋 | 15~20回 | 3セット |
ダンベルサイドレイズ | 三角筋中部 | 10~15回 | 3セット |
ダンベルフロントレイズ | 三角筋前部 | 10~15回 | 3セット |
ダンベルリアレイズ | 三角筋後部 | 10~15回 | 3セット |
肩甲骨の可動域を広げるストレッチやエクササイズ
肩甲骨の可動域を広げることは、肩関節の柔軟性を高め、痛みを予防する上で重要です。ストレッチでは、肩甲骨を上下左右に動かす運動や、腕を回す運動などを行いましょう。エクササイズでは、肩甲骨を意識的に動かすことで、可動域を広げることができます。例えば、腕立て伏せや懸垂などの自重トレーニングは、肩甲骨の可動域を広げる効果があります。
具体的には、以下のストレッチやエクササイズが有効です。
肩回し:腕を大きく回す
肩甲骨はがし:両手を前に伸ばし、肩甲骨を背骨から離すように動かす
キャット&カウ:四つん這いになり、背中を丸めたり反らせたりする
スリーパーストレッチ:横向きになり、下の腕を曲げ、上の腕で下の腕を胸の方に押す
痛みがある場合の応急処置(アイシング、安静)
ベンチプレス中に肩に痛みを感じた場合は、すぐに運動を中止し、アイシングと安静を行いましょう。アイシングは炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。氷水を入れた袋や保冷剤をタオルで包み、痛む部分に15~20分程度当てましょう。凍傷を防ぐため、長時間冷やし続けることは避けましょう。安静にすることで、炎症の悪化を防ぎ、早期回復を促すことができます。痛みが強い場合は、無理に動かさず、安静を優先しましょう。
アイシングは、炎症による熱や腫れを抑える効果があります。炎症が起きた直後は、血管が拡張し、患部に血液が集中することで、熱や腫れが生じます。アイシングによって血管を収縮させることで、これらの症状を軽減することができます。安静にすることは、炎症を起こしている組織への負担を軽減し、治癒を促進するために重要です。
応急処置として、以下の点に注意しましょう。
アイシング:15~20分を目安に患部を冷やす
安静:痛みが引くまで運動を控える
患部を圧迫しない
医師への受診と適切な治療
セルフケアで改善しない場合や、痛みが強い場合は、医師に相談しましょう。適切な診断と治療を受けることで、早期回復と再発予防につながります。医師は痛みの原因を特定し、適切な治療法を提案します。理学療法士は肩関節の機能回復のためのリハビリテーションプログラムを作成し、指導します。トレーナーはトレーニングフォームの修正や、適切なトレーニング方法を指導します。痛みの原因によっては、手術が必要な場合もあります。
自己判断で治療を続けると、症状が悪化したり、慢性化する可能性があります。専門家の指導を受けることで、適切な治療法を選択し、早期回復を目指すことができます。また、再発予防のためのアドバイスを受けることもできます。
手術を回避する肩の再生医療とは?
腱板断裂の治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。
今までの腱板断裂の治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。
そのため、腱板断裂は、日常生活においても肩に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。
当院の再生医療を受け方のインタビュー動画はこちらをご覧ください↓↓
手術との違い
再生医療では、修復が不可能と言われている腱板を新たに再生させていく画期的な治療法です。
この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。関節鏡手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。



記事監修医師
記事監修 シンセルクリニック
院長 武内晋司郎
参考文献
Lacheta L, Akgün D, Thiele K, Moroder P. "Rupture of the pectoralis major tendon and other extra-articular tendons of the shoulder: Recognition and treatment." Der Unfallchirurg 124, no. 2 (2021): 125-131.
Jacob J, O'Connor P, Pass B. "Muscle Injury Around the Shoulder." Seminars in musculoskeletal radiology 26, no. 5 (2022): 535-545.
Motlagh JG, Lipps DB. "The Contribution of Muscular Fatigue and Shoulder Biomechanics to Shoulder Injury Incidence During the Bench Press Exercise: A Narrative Review." Journal of strength and conditioning research 38, no. 12 (2024): 2147-2163.
Yasaci Z, Celik D. "Does Integration of Graded Motor Imagery Training Augment the Efficacy of a Multimodal Physiotherapy Program for Patients With Frozen Shoulder? A Randomized Controlled Trial." Clinical orthopaedics and related research 483, no. 4 (2025): 707-716.
McKenzie A, Larequi SA, Hams A, Headrick J, Whiteley R, Duhig S. "Shoulder pain and injury risk factors in competitive swimmers: A systematic review." Scandinavian journal of medicine & science in sports 33, no. 12 (2023): 2396-2412.
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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