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【整形外科医解説】変形性膝関節症の手術の種類・費用・入院期間|関節鏡・骨切り・人工関節の違いと後悔しないための選択基準

2026.03.18

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「先生に手術を勧められたが、本当に今が手術のタイミングなのか分からない」
「関節鏡手術・骨切り術・人工関節の違いが分からない」
「手術の費用と入院期間をざっくり知りたい」
「手術を回避する方法はないのか」

変形性膝関節症で手術を検討する段階になると、このような疑問が次々と生まれます。この記事では、整形外科医・武内晋司郎が手術の3種類の違い・費用・入院期間・失敗リスク・手術を回避できる可能性まで、包み隠さず解説します。

膝の手術にはどんな種類がある?

膝の手術は、傷めた部位と目的によって大きく分かれます。変形性膝関節症の場合は、関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工膝関節置換術の3種類が中心です。

膝の状態

主な手術

半月板の損傷

半月板縫合術・部分切除術(関節鏡)

靭帯の断裂(前十字靭帯など)

靭帯再建術(関節鏡)

O脚で膝の内側がすり減っている(中期)

高位脛骨骨切り術

変形が進んだ(進行期〜末期)

人工膝関節置換術(部分置換・全置換)

この記事では、このうち変形性膝関節症で選ばれる3種類を中心に、費用・入院期間・選び方を解説します。半月板の手術については半月板損傷は切除してはいけない?温存治療をご覧ください。

関節鏡視下手術は、変形性膝関節症そのものの痛みには効果が少ないとされ、日本整形外科学会の診療ガイドライン(2023年)でも、膝OAに鏡視下半月板切除や鏡視下デブリドマンを行わないことが弱く推奨されています。適応は限られます。

変形性膝関節症の手術を検討する前に:軟骨はなぜすり減るのか

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が加齢・体重負荷・使いすぎによってすり減り、骨同士が直接接触して炎症・痛みが生じる疾患です。日本の推定患者数は約2,500〜3,000万人。60代女性では約60%が罹患しているとされ、年齢とともに確実に増加します。

進行段階はKellgren-Lawrence分類でグレード0〜4に分類されます。グレード1〜2が初期・中期、グレード3が進行期、グレード4が末期です。手術が検討されるのは主にグレード3以上ですが、年齢・活動レベル・生活への支障度によって判断が変わります。

武内院長の臨床メモ:
「診察室で『先生に手術しかないと言われました』とおっしゃる患者さまが多く来院されます。私が重視するのは『今の段階が本当に手術適応か』の確認です。グレード3でも軟骨が一部残っていれば再生医療の適応になり得ます。レントゲンとMRIを両方見ないと正確な判断はできません。」

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変形性膝関節症の手術3種類の違い・適応・費用・入院期間

① 関節鏡視下手術(デブリドマン)

膝に1cm程度の小孔を2〜3か所開け、直径4〜5mmの内視鏡カメラを挿入して関節内を観察しながら行う手術です。傷んだ軟骨片・半月板のかけら・炎症を起こした滑膜などを取り除き、関節内を「掃除」します。

項目

内容

適応段階

初期〜中期(グレード1〜2)

適した患者

比較的若い・活動的な方・半月板損傷が主な原因の方

入院期間

1週間程度(日帰り〜1週間)

費用(3割負担)

約5〜8万円

費用(1割負担)

約2〜3万円

リハビリ期間

1〜2週間

スポーツ復帰

術後1〜3ヶ月

メリット:体への負担が最も少ない・傷が小さい・回復が早い・日帰り手術も可能。
デメリット・注意点:根本治療ではなく対症療法であるため、再発率が高い。変形が中等度以上の場合は効果が限定的。近年は変形性膝関節症単独では適応が狭まっており、半月板損傷など明確な修復対象がある場合に限られます。

武内院長の見解:「関節鏡手術は『関節の掃除』です。軟骨そのものを修復するわけではないので、根本原因が解決されなければ数年以内に再び痛みが戻ることが多いです。症状の原因が半月板損傷・関節内遊離体(ネズミ)である場合は有効ですが、変形性膝関節症の進行そのものを止める効果はありません。」

② 高位脛骨骨切り術(HTO:High Tibial Osteotomy)

すねの骨(脛骨)を膝に近い位置で切り、O脚を矯正して体重の負荷を膝の内側から外側に移す手術です。切った骨は金属プレートとスクリューで固定します。自分の関節を温存したまま膝の痛みを改善できる点が最大の特徴です。

項目

内容

適応段階

中期(グレード2〜3)・膝内側の軟骨損傷が主な場合

適した患者

40〜60代・比較的活動的・自分の関節を残したい

入院期間

3〜5週間

費用(3割負担)

約30〜45万円

費用(1割負担)

約10〜15万円

リハビリ期間

3〜6ヶ月(松葉杖期間を含む)

スポーツ復帰

術後6〜12ヶ月

メリット:自分の関節を温存できる・人工関節より活動制限が少ない・スポーツ復帰が可能・効果が長持ちしやすい(10〜15年)。
デメリット・注意点:入院期間が長い・リハビリ期間が長い(松葉杖3週間〜)・骨が癒合するまで時間がかかる・適応は膝の内側か外側どちらかが正常に保たれている場合に限られる。

適応外になるケース:膝の内側・外側両方が損傷している・高齢(70代以上)・骨粗鬆症が強い・関節リウマチ。

【関連コラム】
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③ 人工膝関節置換術(TKA/UKA)

傷んだ軟骨と骨の表面を削り、金属・ポリエチレン製の人工関節に置き換える手術です。膝関節全体を置換する「全置換術(TKA)」と、損傷が激しい片側のみを置換する「単顆置換術(UKA)」があります。

項目

全置換術(TKA)

単顆置換術(UKA)

適応

末期・両側損傷

内側または外側のみ損傷

適した患者

70代以上・活動性が低め

60〜70代・片側のみ損傷

入院期間

2週間〜2ヶ月

1〜4週間

費用(3割負担)

約50〜80万円

約40〜60万円

費用(1割負担)

約17〜26万円

約13〜20万円

人工関節の寿命

15〜25年

10〜20年

再手術の可能性

あり(寿命到来時)

あり(寿命到来・反対側進行時)

メリット:痛みの大幅な改善が見込める・歩行・日常生活が楽になる・変形の矯正効果もある。
デメリット・注意点:体への負担が最も大きい・術後に人工感・違和感を覚える方がいる・ジョギング・激しいスポーツは術後も制限が残る・15〜25年後に再置換が必要になる可能性がある。

高額療養費制度について:人工関節置換術は保険適用の手術であり、1ヶ月の自己負担が限度額(年収・年齢によって異なる)を超えた分は払い戻しを受けられる高額療養費制度が適用されます。70歳以上で年収156万〜370万円の場合、月の上限は約57,600円です。手術前に加入の健康保険組合・市区町村に確認することをお勧めします。

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手術の3種類を比較:あなたにはどれが適しているか

比較項目

関節鏡視下手術

高位脛骨骨切り術

人工関節置換術

病期

初期〜中期

中期

進行期〜末期

年齢

制限なし

40〜65歳

65歳以上が多い

自分の関節

温存

温存

人工物に置換

入院期間

1週間以内

3〜5週間

2週間〜2ヶ月

費用(3割負担)

5〜8万円

30〜45万円

50〜80万円

効果の持続

数年(再発あり)

10〜15年

15〜25年

スポーツ復帰

1〜3ヶ月

6〜12ヶ月

制限あり

手術を考えるべきタイミング:整形外科医の判断基準

結論:保存療法を数か月続けても痛みが続き、日常生活に支障が出ているときが、手術を検討するタイミングの目安です。レントゲンで関節のすき間が大きく狭くなっている(グレード3以上)場合は、さらに検討が進みます。ただし「何か月経ったから手術」と一律に決まるものではなく、年齢・活動量・膝の状態で判断が変わります。

変形性膝関節症の治療は「保存療法→再生医療→手術」の順で検討するのが一般的です。以下の条件が重なった場合に手術を検討します。

  • 保存療法(ヒアルロン酸・リハビリ等)を3〜6ヶ月続けても改善がない

  • 安静時にも痛みがある

  • 歩行距離が明らかに短くなってきた

  • レントゲンでグレード3以上(関節裂隙の消失)

  • 日常生活・仕事・趣味への支障が大きい

逆に、次のような状況では「まだ手術でなくていい」可能性があります。

  • 保存療法・ヒアルロン酸の効果がまだある程度ある

  • MRIで軟骨がまだ一部残っている

  • 再生医療の適応になりうる段階(軟骨が残っている初期〜中期)

  • 高齢・合併症で手術リスクが高い

武内院長の臨床メモ:
「『もう手術しかない』と言われた方でも、MRIを撮ってみると軟骨がまだ残っていて再生医療の適応になることがあります。また逆に『まだ手術でなくていい』と言われていた方が、実はかなり進行していて早急な対処が必要なケースもあります。レントゲンとMRIを両方確認した上での判断が重要です。」

手術の失敗例・リスク・後悔しないために知っておくべきこと

人工膝関節置換術の成功率はどのくらい?

人工膝関節置換術は、痛みの改善効果が高い手術です。長期成績では、入れ替えなしで使われている割合が15年後で約93%、20年後で約90%、25年後で約82%と報告されています。一方で、満足度は100%ではなく、術後に違和感が残ったり、期待したほど曲がらなかったりする方もいます。

「成功」とは、痛みが減ることだけではなく、「自分が望む生活ができるか」で決まります。手術前に、正座や農作業、スポーツなど、自分が戻りたい動作を主治医に伝えて、実現できるかを確認しましょう。

人工膝関節置換術の主なリスク

  • 感染症:術後に関節内で細菌感染が起きると、再手術・長期入院が必要になる重篤な合併症です

  • 人工関節のゆるみ・摩耗:活動量が高い方ほど早く進行し、再置換手術が必要になる可能性があります

  • 深部静脈血栓症(DVT):手術後の安静により脚の静脈に血栓ができ、肺塞栓を引き起こす可能性があります。術後の早期歩行・抗凝固薬で予防します

  • 術後の違和感・可動域制限:自分の膝ではないため、違和感・正座ができない・屈曲角度の制限が残ることがあります

  • 脂肪塞栓・神経麻痺:稀ですが重篤な合併症として知られています

後悔しないための3つのチェックポイント

① 手術適応を複数の医師に確認する
「手術しかない」と言われたら、セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。整形外科医によって判断の基準が異なる場合があります。

② MRI検査で現在の状態を正確に把握する
レントゲンだけでは軟骨・半月板の詳細な状態が分かりません。MRIで「軟骨がどの程度残っているか」を確認してから判断してください。

③ 手術のタイミングと術後の生活をリアルに想定する
入院期間・リハビリ期間・術後の活動制限・人工関節の寿命(将来の再置換の可能性)を事前に主治医から詳しく聞いておくことが重要です。

手術以外の選択肢:保存療法から再生医療まで

保存療法

変形性膝関節症の治療は保存療法から始まります。ヒアルロン酸注射・NSAIDs(鎮痛薬)・大腿四頭筋強化運動・体重管理・サポーターなどが含まれます。初期〜中期であれば、保存療法で数年単位で痛みをコントロールできる方が多くいます。

手術と保存療法の間:再生医療という第3の選択肢

「保存療法では効果が薄れてきたが、手術はまだしたくない」という方に、現在は「第3の選択肢」として再生医療が注目されています。

PRP-FD治療(次世代PRP):自己血液から血小板を濃縮・フリーズドライ加工して関節内に投与。抗炎症・組織修復促進効果があります。費用は比較的リーズナブル。効果持続は数ヶ月〜半年程度。

幹細胞治療:自己脂肪から採取した幹細胞を培養・投与。強力な抗炎症作用と組織修復促進作用を持ちます。効果持続は半年〜数年単位(個人差あり)。費用は自由診療で高額ですが医療費控除の対象です。

治療法

効果

費用目安

入院

特徴

保存療法

軽度〜中等度の鎮痛

保険適用・低額

不要

根本治療ではない

PRP-FD治療

抗炎症・修復促進

数万〜十数万円

不要

日帰り・自由診療

幹細胞治療

炎症根本抑制・修復

数十万〜百万円台

不要

日帰り・医療費控除対象

関節鏡視下手術

対症療法

5〜8万円(3割)

1週間以内

再発リスクあり

高位脛骨骨切り術

変形矯正・荷重分散

30〜45万円(3割)

3〜5週間

関節温存・若い方向け

人工関節置換術

大幅な鎮痛

50〜80万円(3割)

2週間〜2ヶ月

末期・高齢者向け

重要なのは「軟骨が残っているうちに」判断することです。軟骨が完全になくなってからでは再生医療の効果も限定的になります。「ヒアルロン酸の効果が短くなってきた段階」が再生医療を試みる最適なタイミングです。

実際に再生医療を受けた患者様の【体験ドキュメンタリー動画】をご紹介します。

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手術後の生活:入院中・退院後・長期的な注意点

入院中の流れ(人工関節置換術の場合)

術前日または当日に入院し、翌日から歩行訓練が始まります。最初は平行棒・歩行器を使い、徐々に松葉杖・杖歩行へ移行します。階段昇降ができるようになったら退院の目安となり、3週間〜1ヶ月程度が一般的な入院期間です。退院後も外来でのリハビリを継続します。

退院後の日常生活での注意点

人工関節置換術後の主な生活上の制限は以下の通りです。和式トイレ・正座・深いしゃがみは関節に過度な負荷がかかるため原則禁止です。洋式トイレ・椅子生活への変更をお勧めします。重い荷物の持ち運び・階段の多い生活環境は膝への負担が大きいため見直しが必要です。体重管理は特に重要で、1kg増加するごとに膝への負担が3〜5kg増えます。

人工関節の寿命と再置換の問題

現在の人工膝関節の寿命は技術の進歩により15〜25年程度と言われていますが、個人差があります。若い年齢(60代)で手術を受けると、80代で再置換が必要になる可能性があります。再置換手術は初回手術より技術的に難しく、結果が劣ることもあります。このため、60代以下の活動的な方には高位脛骨骨切り術を先に検討することをお勧めする場合があります。

「手術しかない」と言われた方へ:整形外科医からのメッセージ

「先生に手術しかないと言われましたが、本当ですか?」——このご質問を私は診察室で毎日のように受けます。

正直に申し上げます。「手術しかない」と言われた方の中には、MRIで詳しく診てみると軟骨がまだ残っていて、再生医療の適応になるケースが少なくありません。一方で、「まだ手術は早い」と言われていたのに実は早急な対処が必要な状態だったケースもあります。

大切なのは「レントゲンとMRIで現在の膝の状態を正確に把握した上で判断する」ことです。「手術か・しないか」の二択で考えず、「今の状態に最も適した治療法は何か」をゼロベースで検討してください。

シンセルクリニックでは、MRI即日診断を行い、「再生医療が適しているか・手術の方が良いか」を整形外科医が正直にお伝えします。「合わない」と判断した場合は、適切な手術ができる病院をご紹介します。「本当に今が手術のタイミングか確認したい」「再生医療で手術を回避できるか知りたい」という方もお気軽にご相談ください。大阪・名古屋・広島・福岡の4院で診療を行っており、遠方の方もご相談いただけます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 変形性膝関節症の手術は何歳までできますか?

明確な年齢制限はありませんが、全身状態・心臓病・糖尿病・骨粗鬆症などの合併症が重要な判断基準になります。高位脛骨骨切り術は40〜65歳程度が適応の目安で、人工関節置換術は70代以上に多く行われます。90代でも行われるケースがありますが、リスクが高まります。

Q. 手術後、仕事への復帰はいつ頃できますか?

関節鏡視下手術では軽作業なら術後2〜4週間、肉体労働では1〜3ヶ月程度が目安です。高位脛骨骨切り術はデスクワークで2〜3ヶ月、肉体労働で3〜6ヶ月。人工関節置換術はデスクワークで1〜2ヶ月後が目安です。

Q. 人工関節の手術後、正座や農作業はできますか?

人工関節置換術後は正座・和式トイレ・深いしゃがみは制限されることが多いです。歩行・ゴルフ・水泳・軽いジョギングは術後2〜3ヶ月から可能な方もいますが、接触スポーツや重労働は制限が残ります。農業は膝への衝撃が大きい作業は控えることが推奨されます。

Q. 手術後に再び痛みが出ることはありますか?

関節鏡視下手術は数年以内の再発率が高く、根本治療ではありません。高位脛骨骨切り術は10〜15年の効果が見込まれますが、その後は人工関節への移行を検討する場合があります。人工関節も15〜25年後には再置換が必要になる可能性があります。

Q. 再生医療と手術はどちらが良いですか?

軟骨がまだ残っている初期〜中期であれば再生医療を先に試みることをお勧めします。軟骨が完全になくなった末期(グレード4)では手術の方が適している可能性が高いです。現在の膝の状態(MRI確認)をもとに、整形外科専門医と相談して判断してください。

Q. 変形性膝関節症で両膝が痛い場合、両膝同時に手術できますか?

両膝同時の人工関節置換術(両側同時TKA)は可能ですが、体への負担が大きいため、心肺機能・全身状態が良好な方に限られます。多くの場合、片膝ずつ3〜6ヶ月間隔で行うことが多いです。両側同時手術は1回の入院で済むメリットがありますが、リハビリが複雑になるデメリットもあります。主治医と相談の上で判断してください。

Q. 手術後にスポーツは再開できますか?

関節鏡視下手術後は軽いジョギング・ゴルフを術後1〜3ヶ月から再開できる方が多いです。高位脛骨骨切り術後は術後6〜12ヶ月でスポーツ復帰が見込まれます。人工関節置換術後はウォーキング・水泳・ゴルフ・自転車は概ね可能ですが、接触スポーツ・ジョギング・スキーなど関節に大きな衝撃を与えるスポーツは長期的に制限されます。術前の活動レベルと希望するスポーツを手術前に主治医に伝えておくことが重要です。

Q. 骨粗鬆症があっても人工関節手術は受けられますか?

骨粗鬆症がある場合、手術時の骨折リスクが高まり、人工関節の固定が難しくなります。術前に骨密度検査を行い、必要に応じてビスホスホネート製剤などの骨粗鬆症治療を先行させることがあります。骨粗鬆症が重度の場合は手術リスクが高く、再生医療などの非手術的治療を優先する場合もあります。

Q. 手術を勧められたが、セカンドオピニオンを受けるべきですか?

「手術しかない」と言われた場合、セカンドオピニオンを受けることを積極的にお勧めします。整形外科医によって手術適応の判断が異なる場合があります。特にMRIでの精密検査なしにレントゲンのみで「手術しかない」と判断された場合は、MRI検査を受けた上でセカンドオピニオンを検討してください。手術を受けるのは1回限りではなく、納得した上で決断することが重要です。手術は一度受けたら後戻りできません。特に人工関節置換術は自分の軟骨・骨を削るため、慎重な判断が必要です。

Q. 変形性膝関節症の手術後、どのくらいで旅行できますか?

関節鏡視下手術後は術後2〜4週間で短距離旅行が可能な方が多いです。高位脛骨骨切り術後は術後3ヶ月頃から。人工関節置換術後は術後2〜3ヶ月で近場の旅行が可能になる方が多いですが、長時間の歩行・立ち仕事は半年程度は控えることをお勧めします。飛行機での旅行は深部静脈血栓症のリスクがあるため、術後3〜6ヶ月は主治医に相談してください。弾性ストッキングの着用・機内での足の運動なども有効です。

記事監修:シンセルクリニック 総院長 武内 晋司郎(整形外科医)

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Q. 人工膝関節の手術の成功率は高いですか?

痛みの改善が見込める手術で、長期成績も良好と報告されています(15年後で約93%、20年後で約90%が入れ替えなしで使用)。ただし、違和感や曲がりにくさが残ることもあるため、戻りたい動作を事前に主治医と共有しましょう。

参考文献

  1. Rossi R, et al. "Total knee arthroplasty in the varus knee: tips and tricks." International Orthopaedics 43, no. 1 (2019): 151-158. 人工膝関節置換術の手技・適応の根拠。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30027530/

  2. Lützner J, et al. "Surgical options for patients with osteoarthritis of the knee." Deutsches Ärzteblatt International 109, no. 47 (2012): 793-800. 変形性膝関節症の手術選択に関する系統的レビュー。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23248711/

  3. Yokota N, et al. "Comparative clinical outcomes after intra-articular injection with adipose-derived cultured stem cells or noncultured stromal vascular fraction for the treatment of knee osteoarthritis." The American Journal of Sports Medicine 47, no. 11 (2019): 2577-2583. 幹細胞治療の臨床成績。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31318573/

  4. 日本整形外科学会「変形性膝関節症 診療ガイドライン2023」。手術・保存療法・再生医療の適応基準。
    https://www.joa.or.jp/

  5. 全国健康保険協会「高額療養費制度について」。手術費用の自己負担限度額の根拠。
    https://www.kyoukaikenpo.or.jp/

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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