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【整形外科医が解説】腱板断裂の手術とは?後悔しないためのリスク・再断裂・手術しない選択肢を徹底解説

2026.03.16

まずは動画でチェック!【肩腱板断裂の手術について】

▶ 16分12秒・字幕付き|肩腱板断裂の手術の内容・入院期間・リハビリを解説

関節の痛みや手足のしびれを諦める前に。医師が教える最新の改善ヒントを動画でチェックする▶

「腱板断裂と診断され、手術を勧められたが、入院期間が長くて仕事を休めない」

「手術後のリハビリがかなり痛くて辛いと聞いて、踏み切れない」

「できればメスを入れずに治したい」

腕を上げる時の激痛や、夜も眠れないほどの痛みを引き起こす「肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)」。 病院で「切れたスジは自然にはくっつかないから、手術しかありません」と宣告され、大きな不安を抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。

こんにちは。再生医療専門「シンセルクリニック」総院長の武内晋司郎です。

これまで急性期医療の現場で数多くの関節手術に携わってきた整形外科医として、手術は痛みを根本から取る有効な手段である一方、患者様に強いる「術後の長期間の生活制限」があることも痛感しています。

この記事では、肩腱板断裂の手術方法や入院期間、読者の皆様が一番不安に感じている「術後リハビリのリアル」や「仕事復帰の目安」、そして長期の休みが取れない方のための「手術を回避する再生医療」まで、臨床現場のホンネを交えて徹底解説します。

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1. 手術が必要と言われる「3つの基準」とは?

手術が必要と言われる「3つの基準」とは?イラスト

そもそも、肩腱板断裂と診断されたら絶対に手術をしなければならないのでしょうか?

答えは「NO」です。実は、腱板断裂の患者様の多くは、まずは痛み止めの内服やヒアルロン酸注射、リハビリなどの「保存療法」からスタートします。しかし、以下の3つの基準に当てはまる場合、医師から強く手術を勧められることになります。

  1. 保存療法を3〜6ヶ月続けても、痛みが全く改善しない場合

    注射や薬を使っても夜間痛で眠れず、日常生活への支障が深刻なケースです。

  2. 断裂サイズが大きい、または完全に切れて腕が上がらない場合

    スジが完全に骨から剥がれ落ち、自力で腕を挙上できない(偽性麻痺)状態に陥っている場合です。

  3. 若年層や、スポーツ・肉体労働への完全復帰を希望する場合

    活動量が高い方の場合、放置すると断裂が広がりやすいため、早期の手術が推奨されます。

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2. 肩腱板断裂の代表的な2つの手術方法(関節鏡・人工関節)

腱板断裂の手術は、断裂の大きさや患者様の年齢によって術式が異なります。現在主流となっているのは以下の2つです。

① 関節鏡下腱板修復術(かんせつきょうかけんばんしゅうふくじゅつ)

関節鏡下腱板修復術(かんせつきょうかけんばんしゅうふくじゅつ) イラスト

現在最も一般的に行われている、切れたスジ(腱板)を元の骨に縫い付ける手術です。

✅具体的な手順:

  1. 肩の周囲に約1cmの小さな穴を数カ所開けます。

  2. そこから「関節鏡(小型カメラ)」と専用の手術器具を関節内に挿入します。

  3. モニターで断裂部分を確認しながら、剥がれた腱を引っ張り出します。

  4. 「アンカー」と呼ばれる糸が付いた小さなビス(ネジ)を上腕骨に打ち込み、その糸を使って腱板を骨にしっかりと縫い付けて固定します。

  • メリット: 昔のように肩を大きく切り開かないため、傷跡が目立たず、筋肉へのダメージも最小限に抑えられます。

② リバース型人工肩関節置換術

リバース型人工肩関節置換術イラスト

腱板の断裂が大きすぎて縫い合わせることが不可能(広範囲断裂)な場合や、断裂を長年放置して軟骨まで擦り減ってしまった高齢者の方に行われる手術です。

✅手術の仕組み

傷んだ関節そのものを、金属やプラスチックでできた「人工関節」に置き換えます。通常の肩の構造(受け皿とボール)を「逆(リバース)」に配置することで、切れてしまったインナーマッスル(腱板)の代わりに、外側にある大きな筋肉(三角筋)を使って腕を挙げられるようにする画期的な手術です。

  • メリット: 縫合不可能な重症例でも、腕が挙がるようになり痛みが劇的に改善します。ただし、激しいスポーツへの復帰は難しくなります。

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3. 【現実】入院期間は?仕事復帰・運転再開のリアルなスケジュール

項目

関節鏡下腱板修復術

人工関節置換術

入院期間

数日〜1週間程度

2〜3週間

デスクワーク復帰

術後2〜3週間目から(満員電車は避ける)

退院後1ヶ月程度

車の運転

術後約2ヶ月以降(装具が外れてから)

医師の許可後

軽作業復帰

術後2〜3ヶ月以降

術後3〜4ヶ月以降

重労働・スポーツ

術後6ヶ月〜1年

困難(日常生活レベルが目標)

👨‍⚕️【武内院長の臨床メモ①:退院後の生活のリアル】
「手術は成功したのに、退院後の生活が不便すぎて精神的に参ってしまった」という声を頻繁に耳にします。手術による傷の痛みは数日で引きますが、その後に「長期間の固定」と「辛いリハビリ」が待っています。特に術後1ヶ月ほどは装具を外せないため寝返りが打てず、深刻な睡眠不足に悩まされる方が大半です。手術前にこの現実をしっかり理解しておくことが「後悔しない」ための最初のステップです。

4. 術後の生活はどう?「装具固定」とリハビリの真実

手術で縫い合わせた腱板が骨にしっかりと癒合するまでには、時間がかかります。その間、縫った糸が切れないように、肩を完全に休ませる必要があります。

術後「外転装具」による完全固定

術後「外転装具」による完全固定 イラスト

術後は、脇の下に大きなクッションを挟み、腕を胴体から少し浮かせた状態で固定する「外転装具」を装着します。

この装具を、「術後約3週間〜6週間(断裂の大きさによる)、24時間体制で着けっぱなし」にしなければなりません。

  • 着替え・お風呂: すべて「片手(痛くない方の手)」で行う必要があります。前開きの服しか着られず、洗髪も片手で行うため、ご家族のサポートが必須となります。

  • 睡眠時の苦痛: 寝る時も装具は外せません。寝返りが打てないため腰や背中が痛くなり、さらに夜間痛も相まって、術後1ヶ月ほどは深刻な睡眠不足に悩まされる方が大半です。

リハビリの3つの段階(どれくらい痛いのか?)

リハビリの3つの段階(どれくらい痛いのか?) イラスト

固定期間中から、少しずつリハビリが始まります。週に数回の通院リハビリを、約3〜6ヶ月間、根気よく続ける必要があります。

  1. 術後早期(1〜3週): 装具を着けたまま、理学療法士が「他人の手」でゆっくりと腕を動かし、関節が固まるのを防ぎます(他動運動)。自力で動かすのは厳禁です。

  2. 術後中期(3〜6週以降): 装具が外れ、自分の筋肉の力で腕を動かす練習(自動運動)が始まります。長期間固定されていた関節はガチガチに固まっており、この時期の「固まった関節を伸ばすリハビリ」には強い痛みを伴うため、心が折れそうになる患者様もいらっしゃいます。

  3. 術後後期(3ヶ月以降): ゴムチューブや軽いダンベルを使い、筋力を回復させるトレーニングを行います。

【関連コラム】
腱板断裂のリハビリ・回復期間の詳細はこちら
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▷ 腱板断裂の手術後の回復期間|仕事復帰・スポーツ復帰の目安を医師が解説
▷ 腱板断裂の夜間痛を和らげる方法|眠れない夜の対処法を医師が解説

5. 手術前に知っておくべき「3つのリスク」

手術前に知っておくべき「3つのリスク」 イラスト

手術の決断する前に、以下のリスクを必ず理解しておきましょう。

  1. 再断裂(縫った場所が再び切れる):

    最も多い合併症です。加齢で腱がもろくなっている方や、糖尿病がある方、あるいはリハビリ中に無理に動かしてしまった方に起こりやすく、約10〜20%の確率で発生すると言われています。

  2. 関節の拘縮(肩が固まって動かなくなる):

    痛みを怖がってリハビリをサボったり、逆に炎症が強く出すぎたりすると、肩がカチカチに固まり、術前よりも腕が上がらなくなる後遺症が残ることがあります。

  3. 全身麻酔や感染症のリスク:

    高齢の方や、心臓・肺に持病がある方にとっては、全身麻酔自体が体への大きな負担となります。また、手術の傷口から細菌が入る感染症のリスクもゼロではありません。

【関連コラム】
再断裂の症状・リスクの詳細はこちら
▷ 腱板断裂の再断裂とは?症状・原因・予防法を医師が解説

6. 【院長の臨床メモ】手術を受けるべき人・避けるべき人の違い

. 【院長の臨床メモ】手術を受けるべき人・避けるべき人の違い イラスト

これまでの経験上、私が考える「手術に踏み切るべき人」と「手術以外の方法を模索すべき人」の違いをお伝えします。

🟢 手術を前向きに検討すべき人

  • 50代以下で若く、体力があり、今後も激しいスポーツ(ゴルフ、テニス、野球など)や肉体労働に完全復帰したい方。

  • 家族のサポートが十分に得られ、数ヶ月間仕事を休んだり、配置転換してもらったりする環境が整っている方。

🔴 手術を避ける、または慎重になるべき人

  • 「仕事に穴を開けられない」「自営業で自分が休むと収入が途絶える」という方。

  • 高齢で全身麻酔に不安がある方、または長期間の過酷なリハビリに通う体力がない方。

  • 「日常生活(着替え、洗髪、軽い買い物)ができれば十分」と考えており、激しい運動を望まない方。

👨‍⚕️【武内院長の臨床メモ②:「手術しないとどうなるか」の現実】
「手術しないとどんどん悪くなる」と思っている方が多いですが、必ずしもそうではありません。海外の大規模研究では、小〜中程度の腱板断裂では保存療法(リハビリ・注射)と手術で最終的な機能回復に大きな差がないというデータもあります。ただし大きな断裂や完全断裂で放置すると、断裂サイズが拡大して将来の縫合が不可能になるリスクは確かにあります。「今すぐ手術か保存療法か」の判断は、断裂サイズ・年齢・生活スタイルを総合的に判断する必要があります。

7. 手術を回避する第3の選択肢「再生医療(幹細胞治療)」とは

「手術をして長期間腕を固定するのは、仕事柄絶対に無理」

「リハビリの痛みに耐えられる自信がないし、再断裂も怖い」

そのような理由で手術をためらっている方のために、当院では「再生医療(幹細胞治療)」という第3の選択肢をご提案しています。

治らない肩の痛みに。手術を回避する第3の治療法「再生医療」

治らない肩の痛みに。手術を回避する第3の治療法「再生医療」 イラスト

「整形外科に半年通って、注射や痛み止めを使っているが治らない」

「腱板断裂と診断され、手術を勧められたが、どうしても仕事を休めない」

腱板断裂や変形性肩関節症が進行した場合、これまでは「全身麻酔での内視鏡手術(縫合術)」や「人工関節」しか手立てがありませんでした。しかし、手術には「長期間の入院」「長期のリハビリ」「再断裂」といった高いハードルが存在します。

そこで今、手術のリスクを避け、「ご自身の細胞の力」で組織を根本から修復することを目指す「再生医療(幹細胞治療)」が注目を集めています。

再生医療(幹細胞治療)とは?

ご自身のお腹の脂肪から採取した「幹細胞」を専用施設で数千万個にまで増やし、エコー(超音波)を見ながら肩関節内や腱の断裂部に直接注射する最新の治療法です。

再生医療の3つの効果とメリット

  1. 組織の修復: 幹細胞が傷ついた組織に集まり、修復を促す成分を放出します。細胞の力で自然に組織が再構築されるのをサポートします。

  2. 炎症の強力な鎮火: 幹細胞が持つ強力な抗炎症作用により、薬では抑えきれない夜も眠れないような激しい痛みを鎮めます。

  3. 日帰りで完了: 手術のように体を切開する必要はなく、局所麻酔の注射のみで終わります。ご自身の細胞を使うためアレルギー反応のリスクも極めて低く、入院や過酷なリハビリは不要です。

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手術を回避する、新しい選択肢としての「再生医療」とは?

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8. よくある質問(FAQ)

Q1. 再生医療で、完全に切れて離れてしまったスジも元に戻りますか?

A1. 再生医療は魔法ではありません。腱が完全にちぎれて、筋肉が肩甲骨の方までズルズルに退縮(引っ込んでしまった状態)している「広範囲断裂の末期」の場合、細胞を注射しても物理的にスジが繋がらないことがあります。適応になるかどうかは、MRI画像を用いて医師が正確に診断します。

Q2. ブロック注射と再生医療の違いは何ですか?

A2. ブロック注射は、ステロイドや局所麻酔薬を用いて「一時的に痛みを散らす(遮断する)」対症療法です。一方、再生医療は、細胞の力を使って「組織そのものの修復と、根本的な炎症の鎮火」を目指す治療です。

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9. まとめ:手術を迷っている方へ。まずは専門医へご相談を

肩腱板断裂の手術は、痛みを根本から取るために確立された素晴らしい治療法です。

しかし、「長期間の生活制限」や「休職」、「過酷なリハビリ」といった、患者様が背負わなければならない代償が非常に大きいのも事実です。

「手術と言われたけれど、どうしても仕事を休めない」

「手術以外の方法がないか知りたい」

そのような方は、諦める前にぜひ一度シンセルクリニックにご相談ください。

当院では、最新のMRI診断に基づき、「あなたの断裂具合であれば、再生医療でどこまで修復が期待できるか」を誠実にお伝えし、あなたのライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案します。

「自分と同じ肩の痛みが治った人はいる?」

「再生医療の費用やスケジュールはどうなっているの?」

「まずは自分の肩の状態を正確に診断してほしい」

当院の治療実績や料金、初診のご予約については、下記よりご確認ください。

▼シンセルクリニックの症例実績を見る

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参考文献

  1. Ryösä A, et al. "Surgery or conservative treatment for rotator cuff tear: a meta-analysis." Disability and Rehabilitation 39, no. 14 (2017): 1357-1363. 手術と保存療法の最終的な機能回復に大きな差がないことを示したメタ分析。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27367687/

  2. Chalmers PN, et al. "Risk factors for and predictors of high-grade re-tear following arthroscopic repair of the rotator cuff: a systematic review." JBJS Reviews 4, no. 12 (2016). 術後再断裂の発生率(10〜20%)とリスク因子の根拠となる系統的レビュー。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27869655/

  3. 日本整形外科学会「腱板断裂診療ガイドライン2023」。保存療法の適応・手術適応の判断基準の根拠。
    https://www.joa.or.jp/

  4. Kukkonen J, et al. "Treatment of non-traumatic rotator cuff tears: A randomised controlled trial with one-year clinical results." Bone and Joint Journal 96-B, no. 1 (2014): 75-81. 非外傷性腱板断裂における手術・理学療法・運動療法の比較RCT。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24395316/

  5. Randelli PS, et al. "Long-term results of arthroscopic rotator cuff repair with and without platelet rich plasma treatment." Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy 23, no. 12 (2015): 3562-3571. 関節鏡下腱板修復術の長期成績と再断裂リスクに関するデータ。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24682397/

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

医師プロフィールはこちら

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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