Case

症例実績

「立っているだけで、ふらついていた…」脳梗塞後の右半身の筋力低下と動きにくさが、半年後に大きく改善した70代男性の症例

2026.10.10

情報

  • 年齢

    70代

  • 性別

    男性

  • 症状

    右下肢の拘縮と慢性疼痛

  • 治療内容

    幹細胞治療1億個1回

  • 治療期間

    6カ月

  • 経過

    患者様は10年前に脳梗塞を発症し、その後4年前には急性硬膜下血腫を発症されました。それ以降、右半身を中心に筋力の低下がみられるようになりました。

    さらに昨年末に右膝を骨折。そこから右膝関節と右足関節の動く範囲が狭くなり、関節が硬くなる「拘縮」が進行しました。動きにくさが日に日に増し、立ち上がる、歩くといった日常の動作にも支障が出るようになっていました。

    初診時の評価では、歩行は介助があれば可能な状態。感覚の障害は目立たず、理解力も良好でした。筋力検査(MMT)では、右手首の曲げ伸ばしと右足首の上げ下げが「3」と低下しており、右の太ももや肩まわりにも軽度の筋力低下(「4」)を認めました。左の上下肢には明らかな筋力低下はありませんでした。

    通所リハビリに週3回通い、懸命にリハビリを続けておられましたが、「もっと良くなりたい」というご本人の強い希望があり、リハビリの効果を後押しする方法として再生医療を知り、当院を受診されました。治療内容や期待できる効果、限界、リスクについてご説明したうえで、幹細胞の点滴治療(1億個)を1回実施しました。

    投与から1か月後の電話診察では「体調がすごくいい」とのお話があり、下肢の痛みが改善して歩けるようになってきていました。

    投与から6か月後の電話診察では、「立っていても、ふらつきが全くなくなった」とのこと。痛みはVAS1まで軽減しており、全体として良好な経過を認めています。

  • 起こりうる副作用

    ・点滴による内出血や静脈炎、アレルギー反応などが起こることがあります。
    ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。

患者様の感想

「10年前に脳梗塞をやって、4年前には頭の中で出血も起こしました。それからずっと右側の手足に力が入りにくくて、思うように動けない毎日でした。

それでも通所のリハビリに週3回通って、なんとか頑張ってきたんです。ところが去年の暮れに右膝を骨折してしまって。そこから膝も足首もどんどん固くなって、立ち上がるのも、歩くのも、前よりずっと大変になりました。誰かに支えてもらわないと歩けない。立っているだけで体がふらつく。正直、『このまま少しずつ動けなくなっていくのかな』と気持ちが沈んでいました。

そんな時に再生医療のことを知りました。リハビリをやめるつもりはありません。ただ、リハビリの効果をもう一歩引き出せる方法があるなら試してみたい。そう思って相談に伺いました。

先生は私の体を一つひとつ丁寧に診てくださって、治療で期待できることも、できないことも、はっきり説明してくださいました。その上で、点滴を1回受けることにしました。

1か月ほど経った頃、まず体調がとてもいいことに気づきました。脚の痛みが楽になって、歩くのが前より苦にならなくなったんです。

そして半年が経った今、立っていても、ふらつくことが全くなくなりました。痛みもほとんど気になりません。台所に立つ時も、玄関で靴を履く時も、以前のように『倒れないように』と身構えなくていい。それが何より嬉しいです。

リハビリは今も続けています。体が安定してきた分、リハビリにも前向きに取り組めるようになりました。年齢や昔の病気を理由にあきらめかけていましたが、相談してみて本当によかったと思っています。」

医師のコメント

本症例は、10年前の脳梗塞、4年前の急性硬膜下血腫の後から右半身を中心とした筋力低下が続いていたところに、昨年末の右膝骨折をきっかけとして右膝関節・右足関節の可動域制限と拘縮が進行し、日常生活動作に支障をきたしていた70代男性の症例です。

初診時、歩行は介助を要する状態で、MMTでは右手関節・右足関節で3、右肩周囲や大腿部で4と、右上下肢に筋力低下を認めていました。通所リハビリを週3回継続されており、ご本人の機能改善への意欲が非常に高かったことから、リハビリと併用する形で幹細胞の点滴治療を1回行いました。

投与1か月後には体調の改善と下肢の痛みの軽減、歩行のしやすさを、6か月後には立位でのふらつきの消失と疼痛VAS1までの軽減を、ご本人からお聞きしています。長年の後遺症に骨折後の拘縮が重なった状況の中で、立っていられる安定感が戻ったことは、生活の安心につながる大きな変化だと感じています。

一方で、今回の経過確認は電話診察によるもので、主としてご本人の自覚的な改善です。筋力(MMT)や関節可動域の再評価はまだ行っておらず、脳梗塞後の神経障害そのものが回復したことを示すものではありません。また、週3回のリハビリを継続されていることも、今回の経過に大きく関わっていると考えられます。

今後は来院時に筋力や可動域を改めて評価し、リハビリと組み合わせながら、無理のない範囲で生活の幅を広げていければと考えています。

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