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【医師が解説】成長ホルモン治療の2年目は続けるべき?継続を判断する2つの重要ポイントと費用対効果
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▶ 4分37秒・字幕付き|成長ホルモン治療の2年目以降の効果と、継続の判断基準を解説
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「1年間の成長ホルモン治療が終わった。2年目も続けるべきか、やめるべきか」——シンセル低身長治療センターに最も多く寄せられる相談のひとつです。
「1年目で○cm伸びた。2年目も同じくらい伸びるの?」
「費用が月7万円かかるが、続ける価値はあるのか」
「骨端線の状態はどう確認するのか」
——こうした疑問に、担当医師として正直にお答えします。
この記事では、成長ホルモン治療の2年目継続を判断する2つの重要ポイントと、費用対効果・やめどき・生活習慣の影響について詳しく解説します。
- まずは動画でチェック!
- まず大前提:1年目は必ず完走することが原則
- 2年目継続を判断する「2つの重要ポイント」
- ポイント①:骨端線が閉じているかどうか(最重要)
- 骨年齢(暦年齢との違い)が重要な理由
- ポイント②:1年目の治療効果と2年目への期待値
- 2年目を「やめた方がいい」ケース
- ①骨端線が閉じている
- ②思春期が早熟で骨端線の閉鎖が急速に進んでいる
- 2年目の費用対効果:月15万円以上を払う価値はあるか
- 費用対効果の考え方
- 2年目に「想定より伸びた」子どもの特徴
- シンセル低身長治療センターの成長ホルモン治療について
- 2年目継続と生活習慣:治療効果を最大化するために
- ①睡眠:成長ホルモンは深睡眠で最大分泌される
- ②栄養:タンパク質と亜鉛・カルシウムを意識する
- ③注射の継続率:毎日欠かさず投与することが大原則
- 2年目のモニタリング:何を・いつ確認するか
- 「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
- よくある質問(FAQ)
- 1年目はほとんど効果がなかった。2年目を始める意味はありますか?
- 「骨端線が閉じていない」と言われましたが、あとどのくらい治療できますか?
- 2年目の途中でやめることはできますか?
- 2年目以降も継続する場合、3年目・4年目も効果は続きますか?
- まとめ:2年目継続の判断フロー
- 関連コラム
- 参考文献
まず大前提:1年目は必ず完走することが原則

2年目の継続を考える前に、まず伝えたい重要な原則があります。
成長ホルモン治療は、1年間しっかり継続することが大前提です。
1年目の治療が不完全な状態では「治療の効果が出た・出なかった」という判断自体が曖昧になります。途中でやめてしまったり、注射を何日も飛ばしてしまったりすると、正確な効果の評価ができません。2年目の継続を判断するためにも、まず1年目をしっかり完走することが最初の条件です。
2年目継続を判断する「2つの重要ポイント」

ポイント①:骨端線が閉じているかどうか(最重要)
2年目継続の最も根本的な判断基準は「骨端線(こったんせん)が閉じているかどうか」です。
骨端線とは、骨の両端にある成長軟骨板のことで、ここで細胞分裂が起きることで骨が縦に伸びます。骨端線が残っている間は骨が伸びる余地があり、成長ホルモン治療が効果を発揮できます。逆に骨端線が完全に閉じてしまうと、どれだけ成長ホルモンを投与しても骨を縦に伸ばすことはできません。
シンセル低身長治療センターでは、1年目の治療終了後に手のレントゲンを撮影して骨端線の状態を確認します。骨端線が閉じていなければ、基本的に2年目の継続をお勧めしています。骨端線が閉じていると判断された場合は、治療を続けても効果が見込めないため、そこで終了を勧めます。
骨端線と身長が伸びる仕組みについては骨端線(こったんせん)とは?身長が伸びる仕組みとレントゲンでの見え方を完全解説で詳しく解説しています。また骨年齢検査の受け方については骨年齢検査はどこで受けられる?費用・方法・低身長診断での役割を完全解説もご覧ください。
骨年齢(暦年齢との違い)が重要な理由
骨端線の状態は「実年齢(暦年齢)」ではなく「骨年齢」で評価します。同じ13歳でも骨年齢が11歳の子と15歳の子では、成長の余地がまったく異なります。
骨年齢の目安 | 骨端線の状態 | 2年目継続の判断 |
|---|---|---|
男子:骨年齢15歳未満 | 骨端線が十分に残っている | ✅ 継続を強く勧める |
男子:骨年齢15〜16歳 | 骨端線が残り少なくなっている | △ 骨端線の実際の状態を確認して判断 |
男子:骨年齢17歳以上 | 骨端線が閉じている可能性が高い | ❌ 効果が見込めない。終了を勧める |
成長スパートのタイミングと骨年齢の関係については成長スパートはいつ来る?子どもの身長が爆発的に伸びる時期と見逃せないサインもあわせてご覧ください。
ポイント②:1年目の治療効果と2年目への期待値
2つ目の判断ポイントは「1年目の治療効果と、2年目への現実的な期待値」です。
一般的に、成長ホルモン治療の効果は1年目が最も高く、2年目以降は徐々に低下する傾向があります。シンセルの患者さんの経験でも、2年目の上乗せ効果は1年目の約半分程度になることが多いです。
1年目の上乗せ効果 | 2年目の期待上乗せ効果(目安) |
|---|---|
5cm | 約2〜3cm程度 |
3cm | 約1〜2cm程度 |
2cm未満 | さらに低下する可能性。継続を慎重に検討 |
ただし重要な点があります。「1年目の効果が少なかったから2年目も続けても無駄」とは限りません。シンセルの患者さんの中には、1年目はあまり反応しなかったのに2年目から効果が出てきたというケースが一定数います。体が治療に馴染んでくるにつれて反応が良くなるケースがあるため、1年目の効果だけで即断しないことが重要です。
2年目を「やめた方がいい」ケース

医師として正直に伝えると、以下のケースでは2年目の継続をお勧めしません。
①骨端線が閉じている
レントゲンで骨端線の閉鎖が確認された場合、成長ホルモン治療を続けても骨を縦に伸ばす効果は期待できません。費用をかけて継続する意味がないため、終了を勧めます。骨端線を閉じさせないための生活習慣については骨端線を閉じさせない方法はある?閉じるのを遅らせる習慣とはもご覧ください。
②思春期が早熟で骨端線の閉鎖が急速に進んでいる
思春期早発症(早熟)のお子さんは、骨年齢の進行が速いため治療できる期間が短くなります。思春期の進行と身長の関係については思春期早発症が身長に与える影響|治療方法と低身長を防ぐ対策もあわせてご確認ください。
2年目の費用対効果:月15万円以上を払う価値はあるか

シンセル低身長治療センターの成長ホルモン治療費用は月15万円以上(薬剤量により変動)です。
この費用に見合うかどうかは、医師として「絶対に続けるべき」とも「やめるべき」とも一律に言えません。「身長をあと何cm伸ばしたいか」という目標と、「費用をどこまで出せるか」というご家庭の状況によって、相対的に判断するものです。
シンセル低身長治療センターでは、費用的に継続が難しいご家庭の意向を尊重しています。「頑張って1年目だけやれてよかった」という判断もひとつの答えです。
費用対効果の考え方
医師として伝えていることは「目標とする身長にあと少し近づくために継続する価値がある」という視点です。骨端線が残っている限り、治療によって少しでも目標に近づく可能性があります。その可能性に費用をかけるかどうかは、ご家庭で決めていただくことです。
2年目に「想定より伸びた」子どもの特徴

シンセルの経験から、2年目に想定以上の効果が得られた子には共通する傾向があります。
生活環境をしっかり整えている:睡眠・栄養・運動の3つが高水準で維持されている
ご家庭の意志が強い:「身長を伸ばす」という目標に対して、家族全員で一貫して取り組んでいる
注射を毎日欠かさず継続している:治療のコンプライアンス(守れているか)が高い
成長ホルモン治療の効果を最大化する生活習慣(睡眠)については身長を伸ばす睡眠|成長ホルモンが最大分泌されるための睡眠習慣をご覧ください。また身長を伸ばすために避けるべき習慣については身長が伸びなくなる行動10選|やってはいけない習慣を医学的に解説もあわせてご確認ください。
シンセル低身長治療センターの成長ホルモン治療について
シンセル低身長治療センターは完全自由診療の低身長治療専門です。保険診療の成長ホルモン治療(病的低身長・成長ホルモン分泌不全など)は行っていません。
当センターの対象は「病気ではないが、あと5〜10cm身長を伸ばしたい」というお子さんです。
保険診療の判断基準(SDスコア・負荷試験の数値など)は適用されず、骨端線の状態・お子さんの成長状況・ご家庭の希望を総合的に判断して治療方針を決めます。
シンセルの成長ホルモン治療の全体像については成長ホルモンとは?増やす方法と注射(効果・費用・デメリット)を徹底解説もご覧ください。
2年目継続と生活習慣:治療効果を最大化するために
成長ホルモン治療の2年目継続を決めたなら、薬の投与だけでなく生活習慣の最適化が治療効果を大きく左右します。医師として特に重要な3点をお伝えします。
①睡眠:成長ホルモンは深睡眠で最大分泌される
注射で成長ホルモンを補充していても、睡眠の質が悪いと体内の成長ホルモン分泌(特に入眠後の深睡眠中の分泌)が損なわれます。注射と睡眠の両方で成長ホルモンを確保することが、2年目の効果を高める重要な視点です。
就寝時刻:10時(22時)までに就寝が理想
睡眠時間:10代は9時間が目安
就寝前のスマートフォン・ゲームはメラトニン産生を阻害するため制限する
②栄養:タンパク質と亜鉛・カルシウムを意識する
成長ホルモン治療中は、骨・筋肉の材料となる栄養素の確保が特に重要です。タンパク質(肉・魚・卵・大豆)・カルシウム(乳製品・小魚・豆腐)・亜鉛(牡蠣・赤身肉・ナッツ)を毎日の食事で意識してください。
③注射の継続率:毎日欠かさず投与することが大原則
成長ホルモンの注射は基本的に毎日(就寝前)行います。「忙しかったから1週間飛ばした」「旅行中は打てなかった」という中断が積み重なると、年間の投与量が大幅に減少し治療効果が低下します。
2年目で「想定より伸びた」子どもの家庭の共通点として、一日も欠かさず注射を続けるという強い意志があります。治療を決断したからには、2年間を通して継続することへのコミットメントが成果を左右します。
2年目のモニタリング:何を・いつ確認するか
2年目は以下のスケジュールでモニタリングを行います。
時期 | 確認内容 | 目的 |
|---|---|---|
2年目開始前 | 手のレントゲン(骨端線確認)・身体測定・血液検査 | 継続の適否判断・ベースライン確認 |
2年目3〜4ヶ月後 | 身長測定・成長速度の確認 | 効果が出ているかの中間評価 |
2年目6ヶ月後 | 身長測定・骨年齢再確認(状況に応じて) | 半年間の効果評価 |
2年目終了時 | 手のレントゲン(骨端線)・身体測定・血液検査 | 3年目継続の判断 |
2年目の成長速度が著しく低い(年間1cm未満)場合は、継続のメリットが費用に見合わない可能性があります。6ヶ月時点での中間評価が継続判断の重要なチェックポイントになります。身長の見込みを確認する骨年齢については骨年齢検査はどこで受けられる?費用・方法・低身長診断での役割を完全解説をご覧ください。
「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。
よくある質問(FAQ)
1年目はほとんど効果がなかった。2年目を始める意味はありますか?
骨端線が残っているなら、2年目から効果が出てくるケースが一定数あります。体が治療に馴染んでくるまでに1年以上かかるお子さんもいます。一方で、1年目の反応が非常に低い場合は2年目も効果が限定的になる可能性があります。骨端線の状態を確認したうえで、医師と相談して判断してください。
「骨端線が閉じていない」と言われましたが、あとどのくらい治療できますか?
骨端線の残り方(幅)と骨年齢から、おおよその残り期間を推定できます。ただし個人差が大きく、骨端線の閉鎖のタイミングは予測が難しいです。定期的にレントゲンで確認しながら継続するのが基本的な流れです。
2年目の途中でやめることはできますか?
もちろんです。成長ホルモン治療は途中でやめることができます。急にやめても身体に危険はありません。費用的に継続が難しくなった・骨端線が閉じたと判断された・目標身長に達したなど、様々な理由でいつでも中止できます。やめる際は医師にご連絡ください。
2年目以降も継続する場合、3年目・4年目も効果は続きますか?
骨端線が残っている限り、理論的には継続できます。ただし治療効果は1年目が最も高く、年を重ねるごとに低下する傾向があります。費用対効果・骨端線の状態・お子さんの成長速度を毎年評価しながら、継続するかどうかを判断します。
成長ホルモン治療の2年目を継続するかどうかは、お子さんの人生に関わる大切な決断です。「あと○cmだけ伸ばしたい」という目標を持っているなら、骨端線が残っている今が最後のチャンスかもしれません。低身長の子どもの特徴と早期発見の重要性については低身長の子どもの特徴とは?早期発見のサインと受診の目安もご覧ください。「続けるかどうか迷っている」という段階でのご相談を歓迎しています。骨年齢のレントゲン確認と1年目の効果評価を行い、ご家庭の状況に合わせた最善の判断をサポートします。
まとめ:2年目継続の判断フロー
ステップ1:1年目を完走する(これが前提)
ステップ2:手のレントゲンで骨端線の状態を確認する
ステップ3:骨端線が閉じていれば終了。残っていれば継続候補
ステップ4:1年目の効果と2年目の期待値(1年目の約半分)を医師と確認する
ステップ5:費用とご家庭の希望を総合して判断する
方針:「目標身長にあと少し近づくために」続けるかどうかを、ご家庭と医師で一緒に決める
シンセル低身長治療センターでは、2年目継続の相談を随時受け付けています。骨年齢のレントゲン確認・1年目の効果評価・費用対効果の説明を丁寧に行います。迷っている方はまずご相談ください。
関連コラム
参考文献
日本小児内分泌学会「成長ホルモンの適正使用に関する見解(2024年8月14日改訂)」https://jspe.umin.jp/medical/gh.html
成長科学協会「小児成長ホルモン治療適応判定基準とフローチャート」https://www.fgs.or.jp/business/growth_hormone/
Ranke MB, et al. "Growth hormone treatment in short children: relationship between growth response, GH dose and secretory capacity." Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 1999;84(3):1050-1057.
Cohen P, et al. "Consensus statement on the diagnosis and treatment of children with idiopathic short stature." Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2008;93(11):4210-4217.
Wit JM, et al. "Idiopathic short stature: management and growth hormone treatment." Growth Hormone & IGF Research. 2016;28:91-95.
医師監修記事

長田 直祥
(おさだ なおき)
シンセルクリニック 低身長治療センター医師
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
医師プロフィールはこちら
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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