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【医師監修】成長ホルモンとは?増やす方法と注射(効果・費用・デメリット)を徹底解説
まずは動画でチェック!
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「同級生と比べて、うちの子はずいぶん背が低い気がする…」
「中学生になったけれど、まだ身長は伸びるのだろうか?」
「ホルモン治療に興味があるけれど、副作用や費用が心配」
お子様の身長に関するお悩みは、親御さんにとって非常に切実で、深く考え込んでしまう問題です。インターネットで検索すると様々な情報が飛び交っていますが、医学的な根拠に基づかない噂も少なくありません。
身長を伸ばすために不可欠な物質、それが「成長ホルモン」です。しかし、このホルモンによる治療には「骨端線(こったんせん)」が閉じる前という明確なタイムリミットが存在します。「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしている間に、治療のタイミングを逃してしまうケースが後を絶ちません。
本記事では、整形外科医の視点から、成長ホルモンの基本的な働きから、日常生活で分泌を増やす方法、低身長の診断基準、そして気になる注射治療のデメリットや自費での費用目安まで、徹底解説します。お子様の未来の可能性を最大限に広げるために、まずは正しい医学知識を身につけましょう。
- まずは動画でチェック!
- 1. 成長ホルモンとは?身体にもたらす重要な役割
- 子供の身長を伸ばす「骨端線」への働き
- 大人にも必須!代謝の維持と血糖値のコントロール
- 2. 日常生活で成長ホルモンを増やす3つの方法
- ① 睡眠:ゴールデンタイムは「時間帯」ではない?
- ② 運動:筋トレやジャンプ運動による分泌促進
- ③ 栄養:サプリメントだけで身長は伸びるのか?
- 3. 子供の低身長:基準と「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
- 低身長の基準と疑われる病気
- 中学生からでも遅くない?(ネットの体験談と現実)
- 4. 成長ホルモン注射治療:効果・デメリット・費用のリアル
- 治療の方法と現れる効果
- 治療のデメリットと副作用のリスク
- 注射治療の費用:自費の場合はいくらかかる?
- 「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
- 【まとめ】お子様の低身長にお悩みなら、手遅れになる前にご相談を
1. 成長ホルモンとは?身体にもたらす重要な役割
「成長ホルモンとは、そもそもどんな働きをする物質なのでしょうか?」
診察室でこのように質問されることがよくあります。名前の通り「体を成長させる」ことが主な役割ですが、実はそれ以外にも私たちの生命活動において非常に重要な働きを担っています。
子供の身長を伸ばす「骨端線」への働き

子供の身長が伸びるメカニズムにおいて、成長ホルモンは主役と言って良い存在です。脳の底にある「脳下垂体(のうかすいたい)」という器官から分泌された成長ホルモンは、血液に乗って肝臓などに運ばれ、「IGF-1(ソマトメジンC)」という成長因子を作らせます。
このIGF-1が、子供の骨の末端にある軟骨組織「骨端線」に働きかけることで、軟骨細胞が増殖し、骨が縦に長く伸びていきます。これが「背が伸びる」という現象の正体です。
【関連記事】 身長が伸びる仕組みと骨端線について詳しく知りたい方はこちら:【医師監修】骨端線(こったんせん)とは?身長が伸びる仕組みとレントゲンでの見え方を完全解説
大人にも必須!代謝の維持と血糖値のコントロール

成長ホルモンは、身長の伸びが止まった大人になっても一生涯分泌され続けます。大人においては、日々の生活でダメージを受けた細胞の修復、疲労回復、筋肉量の維持、内臓脂肪の分解など、健康や若々しさを保つための「エイジングケア・ホルモン」として働いています。
また、成長ホルモンは血糖値のコントロールにも深く関わっています。食事をとれない時などに極端に血糖値が下がるのを防ぐため、インスリンとは逆の働きをして血糖値を適切に保つ役割も担っているのです。そのため、ホルモンのバランスが崩れると代謝が落ち、様々な不調を引き起こす原因となります。
2. 日常生活で成長ホルモンを増やす3つの方法
成長ホルモンは、特別な治療を受けなくても、日々の生活習慣を整えることでその分泌量を増やすことが可能です。お子様の健やかな成長をサポートするために、ご家庭で今日から実践できる3つのポイントを解説します。

① 睡眠:ゴールデンタイムは「時間帯」ではない?
「夜の22時から深夜2時が成長ホルモン分泌のゴールデンタイムだから、早く寝なさい」と聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、近年の睡眠医学の研究により、入眠する時間帯は関係ないということが分かっています。
成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、時計の針が何時を指しているかではなく、「眠りについてから最初の約90分間に訪れる、一番深いノンレム睡眠のタイミング」です。つまり、何時に寝るかよりも「いかに深く質の高い睡眠をとるか」が重要なのです。
寝る直前までスマートフォンやゲームのブルーライトを浴びていると、脳が興奮して深い眠りにつけず、ホルモンの分泌量が低下してしまいます。就寝の1時間前には画面を見るのをやめ、リラックスした状態で布団に入る習慣をつけましょう。
② 運動:筋トレやジャンプ運動による分泌促進
適度な運動も、成長ホルモンの分泌を強力に促すスイッチとなります。
特に、筋肉にしっかりと負荷をかける筋トレなどの無酸素運動を行うと、筋肉に乳酸などの疲労物質が蓄積します。すると脳が「筋肉がダメージを受けた」と感知し、それを修復しようとして成長ホルモンを大量に分泌するのです。
お子様の場合、過度なウェイトトレーニングは不要ですが、外で元気に走り回ったり、縄跳びやバスケットボールなど縦方向にジャンプするスポーツを行うことで、骨に物理的な刺激が加わり、ホルモン分泌とともに骨の成長が効果的に促されます。
③ 栄養:サプリメントだけで身長は伸びるのか?
近年、インターネット上で「飲むだけで成長ホルモンが増える」「身長が伸びる」と謳うサプリメントが数多く販売されています。これらの多くには、アルギニンやオルニチンといった、ホルモン分泌をサポートするアミノ酸が含まれています。
確かにこれらの栄養素は体にとって良いものですが、医学的な結論から言えば、特定のサプリメントを飲むだけで劇的に身長が伸びるという確実な根拠はありません。タンパク質(アミノ酸)、カルシウム、ビタミン類などを、毎日の食事からバランス良く摂取することが、身体づくりの大前提となります。
【関連記事】 お子様の身長と遺伝の関係、食事のポイントについてはこちら:遺伝身長とは?両親の身長から子供の身長を予測する計算式
3. 子供の低身長:基準と「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
「うちの子は小柄なだけなのか、それとも病気なのか?」と悩まれる親御さんは少なくありません。医学的な「低身長」には明確な基準があります。

低身長の基準と疑われる病気
母子手帳などに記載されている「成長曲線」にお子様の身長を記録してみてください。同性・同年齢の子供の平均身長から大きく外れている場合(医学的には「標準偏差スコアが-2.0SD以下」と言います)、専門医による検査が推奨されます。
【関連記事】 年齢別の平均身長データはこちらでご確認いただけます。
もし、身長がこの基準を下回っている、あるいは1年間の身長の伸び幅が極端に小さい場合、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」という病気の可能性があります。これは、脳下垂体から分泌される成長ホルモンの量が生まれつき、あるいは何らかの理由で不足している状態です。放置してしまうと、大人になっても平均身長に遠く及ばない可能性があります。
中学生からでも遅くない?(ネットの体験談と現実)

インターネットで検索すると、個人のブログ等で「中学生になってから注射治療を始めて身長が伸びた」といった体験談を目にすることがあります。
これを見て「まだ様子を見ても大丈夫だ」と安心してしまうのは少し危険です。
確かに、骨の末端にある「骨端線」がまだ開いている(固まっていない)状態であれば、中学生であっても治療によって身長が伸びる可能性は残されています。しかし、思春期を迎えて性ホルモンが分泌され始めると、骨は急速に大人の骨へと完成に近づき、やがて骨端線は完全に閉鎖してしまいます。
一度骨端線が閉じてしまうと、その後どんなに高額な治療を行っても、身長は1ミリも伸びません。だからこそ、「もしかして」と思った段階で、1日でも早く専門医の診断を受け、骨の年齢(骨年齢)を確認することが極めて重要なのです。
【関連記事】 小・中学生からの身長の伸ばし方について:小学生・中学生向け:背を伸ばす方法と生活習慣
4. 成長ホルモン注射治療:効果・デメリット・費用のリアル
専門的な血液検査やホルモン分泌刺激試験によって「成長ホルモン分泌不全」と診断された場合、不足しているホルモンを外部から補う治療が行われます。
治療の方法と現れる効果

治療は、ご自宅で毎日1回、ペン型の専用注射器を使って皮下注射を行います。針は髪の毛のように細く短いため、痛みはほとんどなく、小さなお子様でも慣れれば問題なく続けることができます。
適切な時期に治療を開始できれば、治療開始の初年度から身長の伸び率がぐんと上がり、多くのお子様やご家族が効果を実感できる治療法です。
治療のデメリットと副作用のリスク
一方で、ホルモンを投与することに対するデメリットや副作用を心配される声も当然あります。
頻度は低いものの、注意すべき副作用として以下のようものが報告されています。
注射部位の反応: 注射した場所が赤くなったり、軽く腫れたりすることがあります。
関節痛・成長痛: 骨が急激に成長することで、膝や股関節などに痛みが出ることがあります。
耐糖能異常(血糖値の上昇): 成長ホルモンにはインスリンの働きを弱める作用があるため、稀に血糖値が上がりやすくなることがあります。
甲状腺ホルモンの低下: ホルモンバランスの変化により、甲状腺の機能が一時的に低下することがあります。
これらのリスクを管理するため、治療中は数ヶ月に一度の定期的な血液検査が必須となります。医師の管理のもとで行えば、非常に安全性の高い治療として世界中で確立されています。
注射治療の費用:自費の場合はいくらかかる?

治療を検討する上で、避けて通れないのが費用の問題です。
「もし自費になったら、いくらかかるのでしょうか?」というご質問は、診察室で最も多くいただく内容の一つです。
【保険適用・医療費助成の対象となる場合】
国が定めた厳格な基準(各種の負荷試験でホルモン値が一定以下であること等)を満たした場合、「小児慢性特定疾病」として健康保険および医療費助成の対象となります。この場合、ご家庭の所得に応じて月額の自己負担上限額が設定されるため、経済的な負担は数千円から1万円程度に抑えられます。
【全額自費(自由診療)となる場合】
一方で、「低身長ではあるが、検査の数値が国の基準をわずかに上回ってしまった」といった場合、保険は適用されず全額自己負担(自由診療)となります。
成長ホルモン製剤は非常に高価なお薬であり、投与量はお子様の体重が増えるに比例して多くなります。そのため、自費での治療となった場合、お子様の体格にもよりますが、年間で約100万円〜300万円程度という高額な費用がかかるのが現実です。
費用が高額になるからこそ、インターネットの不確かな情報に振り回されるのではなく、専門医による正確な診断と、詳細な費用シミュレーションをもとに、ご家族でしっかりと話し合って決断することが求められます。
「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。
【まとめ】お子様の低身長にお悩みなら、手遅れになる前にご相談を
お子様の身長に関するお悩みで、整形外科医として最ももったいない、そして後悔が残ると感じるパターンがあります。
それは、「もう少し様子を見よう」「男の子だから高校生になれば急に伸びるはず」とご家庭で自己判断し、病院を受診した時にはすでに骨端線が閉鎖しており、一切の治療ができなくなっていたというケースです。
「本当に成長ホルモンが足りていないのか?」
「治療をすれば、どれくらい伸びる見込みがあるのか?」
「保険は適用されるのか?自費なら総額でいくらかかるのか?」
これらの答えは、お子様の骨の状態やホルモン値によって一人ひとり全く異なるため、ネット上の体験ブログをいくら読んでも見つけることはできません。
シンセル低身長センターでは、お子様の現在の状態を正確に把握するため、専門的な血液検査と、骨年齢(骨端線の状態)を判定するレントゲン評価を行っております。その検査結果をもとに、医師の客観的な視点から、お子様に最も適した治療プランを誠実にご提案いたします。もちろん、検査の結果「治療の必要はない(自然に伸びるのを待つべき)」と判断した場合は、その旨をはっきりとお伝えします。
「もしかして低身長かも…」と少しでも不安を感じたら、治療のタイムリミットを迎えてしまう前に、ぜひ一度、当院のカウンセリングへお越しください。お子様の未来の可能性を最大限に広げるために、私たちが専門知識をもって全力でサポートいたします。
参考文献
Collett-Solberg PF, Ambler P, Backeljauw PF, et al. "Diagnosis, Genetics, and Therapy of Short Stature in Children: A Growth Hormone Research Society International Perspective." Hormone Research in Paediatrics 92, no. 1 (2019): 1-14.
Richmond E, Rogol AD. "Growth hormone deficiency in children." Pituitary 11, no. 2 (2008): 115-120.
Takahashi Y, Kipnis DM, Daughaday WH. "Growth hormone secretion during sleep." The Journal of Clinical Investigation 47, no. 9 (1968): 2079-2090.
一般社団法人 日本小児内分泌学会 「成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療のガイドライン」
医師監修記事

長田 直祥
(おさだ なおき)
シンセルクリニック 低身長治療センター医師
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
医師プロフィールはこちら
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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