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2025.11.08
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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「先生、この痛みを今すぐなんとかしてほしい」
診察室では、ぎっくり腰や耐えがたい歯の痛みで、そう切実に訴える方が少なくありません。
そんな時に「痛みの頼れる切り札」として処方されるのが、鎮痛薬のボルタレンです。早い方では服用後わずか30分で効き始め、実に15以上の疾患や症状への効果が認められています。
しかし、その非常に強力な効果の裏には、必ず知っておくべき副作用や正しい使い方が存在します。この記事では、整形外科医としての臨床経験を交えながら、ボルタレンの効果の秘密から、胃痛や眠気といった副作用への対処法、市販で買えるのかまで、あなたの疑問に徹底的に解説していきます。
関節痛・慢性疼痛・手足のしびれの精密診断を実施中!
当院では、薬物療法ではなく、再生医療も提供しています。疼痛などでお悩みの方は、再生医療という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。




「先生、前に処方されたボルタレンはよく効きました」
「ロキソニンとはどう違うのですか?」
といったご質問を本当によくいただきます。ボルタレンは、急な強い痛みから長く続くつらい痛みまで、幅広い症状に使われる非常に頼りになるお薬です。
私が整形外科医として勤務していた頃も、手術後の痛みや強い腰痛の患者さんに対して、まずこの速効性を期待してボルタレンを処方することが多くありました。効果がしっかりしている分、副作用にも注意が必要な薬です。ここでは、ボルタレンが持つ4つの大きな特徴について、私の臨床経験も交えながら、分かりやすくお伝えしていきます。

「とにかく、この痛みを今すぐになんとかしてほしい」
ぎっくり腰や、けがの直後など、耐えがたい痛みで来院される患者さんの切実な声です。ボルタレンの最も大きな特徴は、このご要望に応えられる速効性と、非常に強い鎮痛効果にあります。
お薬を飲んでから、早い方では30分ほどで効果が現れ始めます。これは、痛みや熱の原因となる体内の物質「プロスタグランジン」が作られるのを、ボルタレンが力強く抑え込むためです。
ある試験では、歯の神経を刺激した痛みに対し、服用後30分で明らかな鎮痛効果が認められたというデータもあります。
その鎮痛効果は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の中でも強力な部類に入ります。他の鎮痛薬では痛みが十分に引かない場合にも使われる、いわば「痛みの頼れる切り札」のような存在と言えるでしょう。
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ボルタレンは、整形外科領域の痛みはもちろんのこと、非常に幅広い痛みや炎症に対応できるお薬です。添付文書上では、実に15以上の疾患や症状への効果が認められています。まさに「痛みのオールラウンダー」です。
具体的には、以下のような症状や病気に使われます。
【ボルタレンが効果を発揮する主な症状・病気】
種類 | 具体例 |
|---|---|
長く続く痛みや炎症 | 関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頸肩腕症候群(首や肩の痛み・しびれ)、神経痛 |
急な痛み | 手術後の痛み、抜歯後の痛み、歯痛、頭痛、月経困難症(生理痛)、後陣痛、骨盤内炎症、膀胱炎 |
発熱 | 急性上気道炎(かぜ)に伴う解熱・鎮痛 |
このように、ご高齢の方に多い膝や腰の慢性的な痛みから、急な歯の痛みまで、さまざまな場面で活躍します。痛みを和らげることで、つらい日常生活の質を改善し、リハビリテーションなどを前向きに進める手助けにもなる大切なお薬です。

効果がしっかりしているお薬には、注意すべき副作用が伴います。ボルタレンで比較的起こりやすいものとして、胃腸の症状や眠気などが挙げられます。
診察室では「胃が弱いのですが、この薬を飲んでも大丈夫ですか?」と心配される方がとても多いです。ボルタレンは痛みの原因物質だけでなく、胃の粘膜を保護する物質も減らしてしまうため、胃痛や吐き気を感じることがあります。そのため、私たちは胃薬を一緒に処方したり、必ず食後に服用するようにお伝えしたりしています。
また、眠気やめまいを感じることもあります。特にご高齢の方は、ふらつきが転倒につながる危険もありますので、「ボルタレンを飲んだ日は、車の運転や危ない作業は絶対にやめてくださいね」と強くお伝えしています。
【主な副作用とご家庭でできる対処法】
副作用の症状 | 対処法 |
|---|---|
胃の不快感、胃痛、吐き気 | ・必ず食後に飲む |
眠気、めまい、ふらつき | ・車の運転や危険な機械の操作はしない |
これらの症状が続く場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず処方した医師や薬剤師にご相談ください。

頻度は非常にまれですが、ボルタレンには命に関わる可能性のある重篤な副作用も報告されています。過度に心配する必要はありませんが、万が一の時にすぐ気づけるよう、知識として知っておくことはとても大切です。
特に注意が必要なのは、消化管の潰瘍や出血、そして腎臓や心臓への影響です。
「便が黒っぽくなったら、すぐに病院に連絡してください」
これは、私たちがボルタレンを処方する際に必ずお伝えする注意点です。黒い便(タール便)は、胃や十二指腸で出血が起きているサインかもしれません。
また、足のむくみや尿の量が急に減るといった症状は、腎臓に負担がかかっている可能性があります。もともと腎臓や心臓の機能が低下しているご高齢の方や、長期間服用する場合には、定期的な血液検査で状態を確認しながら、慎重に使う必要があります。
【注意すべき重篤な副作用の初期サイン】
消化管潰瘍・出血:激しい腹痛、吐血、黒い便(イカ墨のような便)
腎機能障害:むくみ、尿量の減少、だるさ
喘息発作(アスピリン喘息):息苦しさ、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音
ショック・アナフィラキシー:じんましん、顔の腫れ、冷や汗、呼吸困難
心筋梗塞・脳血管障害:突然の胸の痛み、手足のしびれ、ろれつが回らない
このような症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
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診察室でボルタレンを処方する際、「先生、このお薬は強いと聞きましたが、大丈夫でしょうか?」と不安そうな顔で尋ねられる患者さんが少なくありません。確かにボルタレンは鎮痛効果が高いお薬ですが、その分、使い方には注意が必要です。
私が整形外科医として多くの患者さんの痛みを診てきた経験から言えるのは、お薬は正しく使ってこそ最大の効果を発揮し、副作用を最小限に抑えられるということです。ここでは、ご高齢の方にも安心してボルタレンを使っていただくための大切な5つのポイントを、具体的にお話しします。

ボルタレンには、飲むタイプの「錠剤」とお尻から入れる「座薬」があり、それぞれに特徴があります。診察室では患者さんの状態に合わせて、「吐き気が強くて食事がとれない方には座薬を」「慢性的な腰痛には錠剤を」といったように使い分けを提案しています。
剤形 | 主な特徴と使い方 |
|---|---|
錠剤 (25mg) | ・特徴:最も一般的なタイプで、幅広い痛みに使われます。 |
座薬 | ・特徴:吐き気などで薬が飲めない時や、より早い効果を期待する時に使います。胃を直接通過しないため、胃腸への副作用が少ないという利点があります。 |
どちらの剤形を使う場合でも、ご自身の判断で変更したりせず、必ず医師の指示に従ってください。

「痛みがなかなか引かないから、もう1錠飲んでしまった」というお話を患者さんから伺うことがありますが、これは非常に危険な行為です。ボルタレンは効果が強い分、副作用のリスクも伴います。決められた量を超えて服用すると、胃腸障害や腎機能障害といった重大な副作用を引き起こす可能性が格段に高まります。
特に注意していただきたいこと:
量を守る:医師から「1回1錠」と指示されたら、絶対にそれを守ってください。
間隔を守る:頓服(とんぷく:痛いときだけ飲む)の場合でも、通常は6時間以上あける必要があります。次の服用までの時間は必ず確認しましょう。
痛みが続く場合:自己判断で薬を増やすのではなく、必ず処方した医師に相談してください。痛みの原因を再度評価し、治療方針を見直すことが重要です。




ボルタレンを服用している期間中は、原則として飲酒(アルコール摂取)は避けてください。アルコールは胃の粘膜を荒らす作用があり、ボルタレンの副作用である胃腸障害のリスクをさらに高めてしまいます。また、肝臓への負担も大きくなるため、絶対にやめましょう。
さらに、他のお薬との飲み合わせにも注意が必要です。診察室では、患者さんがお持ちになった「お薬手帳」を拝見し、安全性を必ず確認しています。
他の鎮痛薬(ロキソニンなど):作用が重なり、胃腸障害や腎障害などの副作用が強く出てしまう危険があります。
血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど):相互作用により、出血しやすくなる可能性があります。
血圧の薬(降圧薬):薬の効果を弱めてしまい、血圧が不安定になることがあります。
一部の抗菌薬(ニューキノロン系):まれにけいれんを誘発するおそれがあるため、併用には注意が必要です。
これらはほんの一例です。市販の風邪薬やサプリメントでも影響が出ることがありますので、服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。

ご自身の痛みだけでなく、ご家族、特にお孫さんのためにボルタレンを使うことは絶対に避けてください。ボルタレンは、特定の状況下では非常に高いリスクを伴うため、妊娠中・授乳中の方や子どもへの使用は原則として禁止されています。
妊娠中の方:特に妊娠後期に服用すると、胎児の心臓や血管に深刻な影響を与えたり、羊水が少なくなったりする危険性が報告されています。
授乳中の方:薬の成分が母乳に移行することが分かっています。自己判断での服用はできません。
子ども特:にインフルエンザや水ぼうそうなどのウイルス感染症の時に使用すると、「ライ症候群」という、けいれんや意識障害を伴う重篤な脳症を引き起こすリスクがあります。
ご家庭にボルタレンがあっても、処方された本人以外が使用するのは大変危険です。お薬の管理は厳重にお願いします。
「ボルタレンは薬局で買えますか?」という質問もよく受けますが、ボルタレンの飲み薬や座薬は「医療用医薬品」に分類されており、医師の処方箋がなければ入手できません。これは、効果が強い反面、副作用のリスク管理を専門家である医師が行う必要があるためです。
しかし、痛みがあるのに通院が難しいという方もいらっしゃるでしょう。特にご高齢の方にとっては、病院までの移動も一苦労です。そのような場合は、ご自宅から医師の診察を受け、薬を処方してもらえる「オンライン診療」も有効な選択肢の一つです。
また、ボルタレンのようなお薬は、あくまで一時的に痛みを抑える「対症療法」です。もし痛みが長く続くようであれば、痛みの根本原因にアプローチする治療も検討すべきかもしれません。
当院では、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を用いて、傷ついた組織の修復を促す「再生医療」にも取り組んでいます。薬に頼り続ける生活から抜け出したいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
関節痛・慢性疼痛の治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。
今までの神経痛の治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。
そのため、坐骨神経痛は、痛みが出たら痛み止めを服用し、緩和しながら進行を遅らせるなど、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。
再生医療はまだ新しい治療法ですが、変形性関節症・慢性疼痛に対して、多くの患者さんで痛みの軽減、しびれの改善、歩行距離の延長などの効果が報告されています。
再生医療では、修復が不可能と言われている軟骨や神経を新たに再生させていく画期的な治療法です。この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。
当院は再生医療に特化したクリニックであり手術を回避する再生医療という新しい治療を提供しております。 疑問や興味がある方はお気軽にお問い合わせください。



Q1. 胃が弱いのですが、胃薬は一緒に飲んだ方が良いですか?
A1. はい、一緒に飲むことを強くお勧めします。ボルタレンなどのNSAIDsは、痛みの原因物質を抑える一方で、胃の粘膜を守る物質も減らしてしまうため、胃が荒れやすくなります。特にご高齢の方や、過去に胃潰瘍などを経験された方には、胃の粘膜を保護する薬を必ず一緒に処方するようにしています。市販の胃薬で済ませず、処方された胃薬をきちんと服用してください。
Q2. 頓服で処方されましたが、どのタイミングで飲むのが効果的ですか?
A2. 最も効果的なのは、「痛みが本格的になる前」、つまり「痛くなりそうだな」と感じたタイミングで早めに服用することです。痛みが我慢できないほど強くなってから飲むと、痛みの原因物質が体内に増えすぎてしまい、薬が効きにくくなることがあります。痛みのサインを感じたら、我慢せずに指示された用法ですぐに服用するのが、痛みを上手にコントロールするコツです。
PubChem. Diclofenac. National Center for Biotechnology Information. Available from: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Diclofenac
World Health Organization (WHO). WHO Model List of Essential Medicines - 22nd List, 2021. Geneva: World Health Organization; 2021. Available from: https://www.who.int/publications/i/item/WHO-MHP-HPS-EML-2021.02
Drugs.com. Diclofenac Monograph for Professionals. Available from: https://www.drugs.com/monograph/diclofenac.html
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