true

公式LINEで30秒でできる身長予測|今すぐ予測してみる
ホーム
コラム一覧

【医師が解説】IGF-1と...

【医師が解説】IGF-1とは?基準値・成長ホルモンとの関係・増やす方法・サプリまで徹底解説

2026.07.03

まずは動画でチェック!

▶ 8分42秒・字幕付き|成長ホルモンの働きと、治療で何cm伸びるのかを解説

「お子さんの身長の伸びが気になり、病院でIGF-1という血液検査を受けた」
「基準値より低いと言われたが、これはどういう意味?」
「IGF-1を増やすサプリって効くの?」

――IGF-1という言葉は聞き慣れないですが、お子さんの成長を左右する非常に大切な物質です。本記事ではシンセルクリニックの武内医師が、IGF-1の役割、年齢別基準値、成長ホルモンとの関係、増やす生活習慣、サプリメントの真実、成長ホルモン治療との違いまで、保護者さんの不安に寄り添いながら徹底解説します。

この記事の結論を3行で

  1. IGF-1は成長ホルモンの働きを実行する「成長の司令実行部隊」で、骨と筋肉の成長に必須

  2. 基準値は年齢と性別で大きく変動、SDスコアで評価するのが一般的

  3. 睡眠・栄養・運動の基本を整えることで、IGF-1の分泌環境を最適化できる

IGF-1とは?|「成長ホルモンの実働部隊」

IGF-1の正体

IGF-1の正体

IGF-1は「インスリン様成長因子1(Insulin-like Growth Factor 1)」の略称で、主に肝臓で作られるホルモンです。「ソマトメジンC」という別名でも呼ばれます。

IGF-1の大きな特徴は、成長ホルモン(GH)の刺激を受けて肝臓から分泌され、実際に骨や筋肉に働きかけて成長を促す点にあります。成長ホルモンが「司令塔」なら、IGF-1は「現場で成長を実行する実働部隊」というイメージです。

成長ホルモンとIGF-1の関係

体の中では以下のような流れで成長が進みます:

  • 脳の視床下部から成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)が分泌

  • 脳下垂体から成長ホルモン(GH)が分泌

  • 成長ホルモンが肝臓に到達

  • 肝臓でIGF-1が産生され血中に放出

  • IGF-1が全身の骨・筋肉・臓器に作用し、成長を促進

つまり、成長ホルモンが十分に分泌されていても、IGF-1がきちんと産生されなければ成長は進まないのです。この流れのどこかに問題があると、成長の停滞につながります。

IGF-1の主な働き

  • 骨端線(成長板)を刺激して身長を伸ばす

  • 筋肉タンパク質の合成を促進

  • 細胞の分裂・成長を促す

  • 臓器の成長

  • 糖代謝の調整

  • 組織の修復・再生

IGF-1が働きかける「骨端線」の仕組みについては「骨端線(こったんせん)とは?身長が伸びる仕組みとレントゲンでの見え方」で詳しく解説しています。

武内医師からのメッセージ①|「成長ホルモンだけ見ても不十分」

「シンセル低身長治療センターの外来で、『成長ホルモンの検査だけ受けたい』とおっしゃる保護者さんが多くいらっしゃいます。もちろん成長ホルモンも大切ですが、実際にお子さんの体を成長させているのは「IGF-1」というホルモンなんです。成長ホルモンとIGF-1、両方を一緒に評価することで、お子さんの成長の全体像が見えてきます。『成長ホルモンは正常なのにIGF-1が低い』というケースもあり、これは肝臓での産生に何らかの問題がある可能性を示唆しています。血液検査は少ない負担で多くの情報が得られる大切なステップですので、心配な場合は一度ご相談ください」

IGF-1の年齢別基準値|「SDスコア」で判断する

IGF-1の値は年齢で大きく変動する

「IGF-1の基準値」といっても、成長ホルモンやIGF-1は年齢や性別によって正常範囲が大きく異なるのが最大の特徴です。大人と子供では基準値が全く違いますし、思春期の子どもは特に急激な変化があります。

年齢別のおおよその参考値(ng/mL)

年齢

男児

女児

1〜5歳

約50〜300

約50〜300

6〜10歳

約80〜400

約90〜400

11〜14歳

約200〜700

約250〜800

15〜18歳

約200〜700

約150〜600

20〜30代

約100〜300

約100〜300

40代

約90〜250

約90〜250

50代以降

約80〜200

約80〜200

※値は測定機関や試薬により変動します。医師の判断のもと解釈が必要です。

「SDスコア」という考え方

IGF-1の評価で最も重要なのが「SDスコア(標準偏差スコア)」です。単純な数値ではなく、その年齢・性別で「平均からどれくらい離れているか」を示す指標。

  • SDスコア 0:ちょうど平均

  • SDスコア +1〜+2:平均より高め

  • SDスコア -1〜-2:平均より低め

  • SDスコア -2以下:明らかに低値、精査が必要

思春期のIGF-1急上昇

思春期に入ると、成長ホルモンとIGF-1の分泌が急激に増加します。特に女児は10〜13歳頃、男児は11〜14歳頃にピークを迎えることが多いです。この時期に身長が急速に伸びる(成長スパート)のは、IGF-1の急上昇が大きな要因の一つです。

成長スパートの見極め方は「成長スパートはいつ来る?子どもの身長が爆発的に伸びる時期と見逃せないサイン」もご参照ください。

武内医師からのメッセージ②|「数値だけで一喜一憂しないで」

「保護者さんから『IGF-1の値が○○でしたが大丈夫でしょうか』とご質問いただくとき、私はいつも『数値だけを見ないで、年齢・性別・思春期の状況・SDスコア・成長速度など、総合的に判断させてください』とお伝えしています。同じ200ng/mLでも、7歳のお子さんではやや低め、12歳のお子さんでは非常に低値、と全く意味が違うんです。『インターネットで基準値を調べて自分で判断して不安になっている』保護者さんが本当に多いですが、これは小児内分泌を専門としている医師でないと正確な解釈が難しい領域です。心配な数値が出たら、まずは専門の医師のご相談を受けていただくのが安心です」

IGF-1と身長|低身長との関係

IGF-1と身長|低身長との関係

IGF-1が低いとどうなる?

IGF-1が持続的に低い状態が続くと、以下のような問題が起こる可能性があります:

  • 身長の伸びが緩やか

  • 成長スパート(思春期の急伸)が起こらない

  • 筋肉の発達が遅れる

  • 疲れやすい

  • 集中力の低下(一部研究)

  • 骨密度が上がりにくい

IGF-1が低くなる原因

1. 成長ホルモンの分泌不足

下垂体からの成長ホルモン分泌が少ない場合、肝臓へのIGF-1産生指令が弱くなり、IGF-1が低くなります。

2. 肝臓での産生障害

成長ホルモンは分泌されているものの、肝臓で正常にIGF-1が作られないケース。「ラロン症候群」など、比較的稀な病態です。

3. 栄養状態の影響

タンパク質・炭水化物の不足、極端な偏食など、慢性的な栄養不足はIGF-1の産生を低下させます。

4. 睡眠不足

成長ホルモンは深い睡眠中(特に入眠後2〜3時間の深いノンレム睡眠)に大量に分泌されます。睡眠不足はIGF-1にも影響。

5. 慢性疾患

慢性腎臓病、慢性肝疾患、甲状腺機能低下症、糖尿病コントロール不良など、様々な慢性疾患がIGF-1を下げます。

6. ストレス

過度なストレスはコルチゾール分泌を増やし、成長ホルモン・IGF-1の分泌を抑制します。

7. 遺伝的要因

IGF-1受容体異常や、まれな遺伝性疾患。

お子さんの身長がなかなか伸びない場合

「身長が同世代より低め」「成長曲線から外れている」「1年で4cm以上伸びない」――こうしたお子さんの場合、IGF-1を含むホルモン検査が有用です。

関連コラム:「お子さんの身長がなかなか伸びない…考えられる原因と対策」「成長ホルモン治療とは?どんなお子さんが対象?」もご参照ください。

武内医師からのメッセージ③|「IGF-1は"成長の健康診断"のような検査」

「お子さんの身長が気になる保護者さんへ、『IGF-1の検査は、お子さんの成長の"健康診断"のようなもの』とお伝えしています。1回の血液検査で、成長ホルモンの働きが十分か、肝臓が正常にIGF-1を作れているか、栄養状態は良好か、といった多くの情報が得られるんです。しかも刺激試験のような負担の大きい検査ではなく、通常の採血で測定できます。『何もなければそれで安心、何かあれば早めに対応できる』という意味で、身長が気になる保護者さんには一度受けていただきたい検査です。シンセル低身長治療センターでは、初診で身長のご相談を受ける際、IGF-1を含む基本的な検査をご提案しています」

成長ホルモンとIGF-1|どちらの検査を受けるべき?

2つの検査の違い

項目

成長ホルモン(GH)検査

IGF-1検査

採血のタイミング

刺激試験が必要(複数回採血)

1回の採血でOK

負担

やや大きい

小さい

時間

2〜3時間の入院・拘束

数分

時間帯の影響

受ける(大きく変動する)

比較的安定

費用

比較的高い

比較的低い

初期スクリーニング

△

◎(適している)

まずはIGF-1から

成長ホルモンは1日の中で分泌量が大きく変動するホルモンで、単回の採血では正確な評価が難しい特徴があります。そのため、まずは比較的安定して評価しやすいIGF-1でスクリーニングを行い、必要に応じて成長ホルモン負荷試験に進むのが一般的な流れです。

成長ホルモン負荷試験について

IGF-1が低値で「成長ホルモン分泌不全性低身長症」の疑いがある場合、成長ホルモンの分泌能力を直接確認するために「成長ホルモン負荷試験」を行うことがあります。アルギニンやクロニジン、インスリンなど特定の薬剤を投与し、その後の成長ホルモンの分泌反応を経時的に見る検査です。

IGF-1を「増やす方法」|今日からできる生活習慣

IGF-1は"作らせる"習慣が大切

IGF-1を「直接増やす」というよりも、成長ホルモンの分泌を最大化し、その結果としてIGF-1がしっかり産生される環境を整えるアプローチが有効です。

1. 睡眠|最も大切な要素

推奨睡眠時間

年齢

推奨睡眠時間

3〜5歳

10〜13時間

6〜12歳

9〜12時間

13〜18歳

8〜10時間

成長ホルモン分泌のゴールデンタイム

  • 入眠後2〜3時間の深い睡眠(ノンレム睡眠)

  • この時間帯に成長ホルモンが最大分泌される

  • 22時までに就寝することで最大の効果

  • 寝る直前のスマホ・タブレット使用は睡眠の質を下げる

睡眠を含めた総合的な身長アップの方法は「今日からできる身長を伸ばす方法を医師が解説」で詳しく解説しています。

2. 栄養|バランスの取れた食事

特に重要な栄養素

  • タンパク質:肉・魚・卵・大豆製品・乳製品(1日体重1kgあたり1.5〜2g)

  • 亜鉛:牡蠣・肉類・卵・大豆製品(成長ホルモン分泌に必須)

  • アルギニン:肉・魚・大豆・ナッツ類(成長ホルモン分泌促進)

  • ビタミンD:魚・きのこ類(骨の成長に必須)

  • カルシウム:乳製品・小魚・小松菜

  • マグネシウム:豆類・ナッツ・海藻

避けたい食習慣

  • 甘い飲み物・お菓子の摂りすぎ

  • スナック菓子・ジャンクフード

  • 就寝直前の食事

  • 極端な偏食

  • 朝食を抜く

成長期の食事メニューや骨を育てる栄養素については「子どもの身長を伸ばす食べ物とは?骨を育てる5大栄養素と食事メニュー」もご参照ください。

3. 運動|適度な負荷が成長ホルモンを刺激

  • 1日30〜60分の中強度運動

  • ジャンプ動作を含む運動(縄跳び・バスケットボール・バレーボール)

  • 短時間の高強度運動(インターバル運動)

  • 過度な運動は逆効果(ストレスホルモン増加)

4. ストレスコントロール

  • 過度なプレッシャーを避ける

  • 家庭内の穏やかな雰囲気

  • 趣味・遊びの時間を確保

  • 本人が話しやすい環境作り

5. 規則正しい生活リズム

  • 毎日同じ時間に起床・就寝

  • 朝の光を浴びる

  • 朝食をきちんと取る

  • 体内時計を整える

武内医師からのメッセージ④|「劇的な効果より続けられる習慣を」

「IGF-1を増やす方法をお伝えする際、『特別なものを何か1つ始めるよりも、睡眠・栄養・運動の基本を毎日続けることが大切』と必ずお話しします。『1日9時間眠る』『毎食にタンパク質を入れる』『毎日30分は体を動かす』この3つを、無理なく続けられる形でご家族で取り組んでみてください。うちのセンターに来られる保護者さんで、『これ全部やってるのに身長が伸びない』というお子さんの場合、医学的な精査が必要なサインかもしれません。生活習慣の見直しと医学的評価は"両輪"。生活習慣で改善できるものは改善しつつ、必要な検査は受ける――このバランスが大切です」

IGF-1と「サプリメント」|広告に惑わされない知識

IGF-1と「サプリメント」|広告に惑わされない知識

IGF-1サプリの真実

ネット上では「IGF-1サプリ」「成長ホルモンサプリ」といった商品が多く販売されています。保護者さんの藁にもすがる思いを利用したマーケティングが横行しており、注意が必要です。

知っておいてほしい事実

1. IGF-1そのものを経口摂取しても意味がない

IGF-1はタンパク質の一種。口から摂取しても胃酸で分解されて、血中のIGF-1に直接反映されることはありません。「IGF-1配合」を謳うサプリは、成分の効果として科学的根拠が乏しい商品が多いです。

2. 「アルギニン」「亜鉛」「オルニチン」サプリの位置付け

これらの成分は、確かに成長ホルモンの分泌に関わる栄養素です。しかし通常の食事で必要量を摂取できる方には、サプリで追加する必要はありません。極端な偏食などで不足がある場合に限定的に有用かもしれない、というレベル。

特に「亜鉛サプリ」に関しては過剰摂取の危険性もあります。詳しくは「亜鉛サプリで身長は伸びる?医学的根拠と過剰摂取の危険性」をご参照ください。

3. 「身長が伸びる」と謳うサプリの危険性

科学的根拠なく「身長が伸びる」と広告するサプリは法規制の対象となる誇大広告です。効果があると思って高額なサプリに投資することで、以下のリスクがあります:

  • 本来必要な医学的評価が遅れる

  • 成長期という限られた時間を無駄にする

  • 家計への経済的負担

  • 「これを飲んでいるから大丈夫」という誤った安心感

「背が伸びるサプリ」の医学的真実は「「背が伸びるサプリ」は本当に効果がある?身長を伸ばす栄養素と医学的な事実」で詳しく解説しています。

サプリより優先すべきこと

  • 成長曲線での経過観察(母子手帳の記録)

  • 年に1回の身長・体重測定

  • 成長が緩やかな場合の医学的評価

  • 睡眠・栄養・運動の基本

武内医師からのメッセージ⑤|「サプリに投資する前に医学的評価を」

「シンセル低身長治療センターに来られる保護者さんの中に、『インターネットで見つけたサプリを1年以上飲ませてきたが、効果が実感できないので受診した』というケースが本当に多いです。中には月に何万円もするサプリを何年も購入されていた方も。正直に申し上げると、その費用と時間を医学的な評価に使っていただいたほうが、お子さんのためになる可能性が高いのが現実です。もちろん、栄養バランスが悪い子で総合的な栄養補助として使う分には否定はしません。しかし『これを飲めば身長が伸びる』という期待でサプリに頼るのは、成長期という戻ってこない時間を失うリスクがあります。心配ならまず医学的評価を受けて、そこから判断していただきたいです」

IGF-1と「筋肉」|スポーツと成長

IGF-1と「筋肉」|スポーツと成長

IGF-1の筋肉への働き

IGF-1は骨の成長だけでなく、筋肉タンパク質の合成を促進する重要な役割を持ちます。運動後に筋肉が回復・肥大するプロセスにもIGF-1が関わっています。

成長期の運動とIGF-1

  • 適度な運動はIGF-1の分泌を刺激

  • 特にジャンプ動作は骨の成長を刺激

  • チームスポーツはメンタル面でも良い影響

  • 過度な運動は逆効果(オーバートレーニング症候群)

成長期のスポーツで気をつけたいこと

  • 過度な減量は成長ホルモン・IGF-1の分泌を抑制

  • 「痩せている選手ほど強い」という誤った価値観

  • 成長期の慢性的な栄養不足リスク

  • 指導者への正しい知識の啓発

  • 特に女子選手の低体重・無月経に注意

成長期の適切なタンパク質摂取

  • 体重1kgあたり1.5〜2gが目安

  • 朝・昼・晩に均等に分配

  • 運動後30分以内の摂取が効果的

  • プロテインサプリよりも食事から

「低身長」の判断|どのタイミングで受診?

「低身長」の判断|どのタイミングで受診?

低身長の目安

医学的に「低身長」とされるのは、同性・同年齢の平均から-2SD以下です。SDは標準偏差の意味で、統計的に「同年齢の下位2〜3%程度」に該当します。

小学生の平均身長との比較や「骨年齢」の見方については「小学生の平均身長と成長の目安。平均より低い時に親が確認すべき「骨年齢」とは」もご参照ください。

受診をお勧めするサイン

  • 成長曲線で下位ラインを下回っている

  • 年間の身長の伸びが4cm未満

  • クラスで極端に小さい

  • 同性の両親から予想される身長より明らかに低い

  • 成長曲線が下向きに変化した

  • ご両親が心配している

身長が伸びにくいお子さんの共通する特徴は「身長が伸びない子の特徴とは?早熟・肥満との関係と親が気づくべきサイン」で詳しく解説しています。また、遺伝からの最終身長の推定については「身長×遺伝子|最終身長はどこまで決まる?母父の影響・振れ幅」もご参考にどうぞ。

受診の適切な時期

  • 早ければ早いほど選択肢が多い

  • 思春期前の対応が特に重要

  • 骨端線が閉じてしまうと身長は伸びない

  • 「もう少し様子を見る」は禁物

骨端線をできるだけ長く保つ習慣については「骨端線を閉じさせない方法はある?閉じるのを遅らせる習慣とは」、身長が伸びる限界の時期については「身長はいつまで伸びる?男女別のストップサインと骨端線のメカニズム」もご参照ください。

武内医師からのメッセージ⑥|「早めのご相談が"選択肢を残す"」

「保護者さんから『何歳頃までに相談したほうがいいですか?』とよくご質問いただきます。私の答えは『気になった時が相談時期です、早ければ早いほど選択肢が多く残ります』。成長期は永遠には続かない、骨端線(骨の成長板)が閉じてしまうと、その後身長を伸ばす方法はほぼありません。『まだ小学生だから』『中学に入ってから考えよう』と先延ばしにされる保護者さんが多いですが、実はこの時期こそ介入の最適時期です。『相談=すぐ治療を始める』ではありません。医学的評価をして、必要ないなら安心して経過を見る、必要なら適切な対応を始める、というだけのこと。深刻な状態ではなくて安心された保護者さんも本当に多いですよ。心配なら気軽にご相談ください」

IGF-1が「高い」場合|過剰は問題ないの?

IGF-1が「高い」場合|過剰は問題ないの?

ここまでは「IGF-1が低い」ケースを中心にお話ししてきましたが、「IGF-1が高い」ことも実は重要なサインになる場合があります。

お子さんでIGF-1が高い場合

  • 思春期の急伸期に一時的に高くなるのは正常

  • 年齢に比して著しく高い場合、下垂体腫瘍などの精査が必要

  • 「巨人症」と呼ばれる状態の可能性

  • ただし小児での病的な高値は稀

「思春期が早く来すぎる」ケース(思春期早発症)はIGF-1が早期に上昇する一方、最終身長には逆効果になることがあります。詳しくは「思春期早発症とは?手遅れになる前のサインと最終身長への影響」をご参照ください。声変わりとの関係については「声変わりすると身長は止まる?伸びる余地(ラストスパート)とホルモンの関係」で解説しています。

成人でIGF-1が高い場合

  • 「先端巨大症(アクロメガリー)」の可能性

  • 下垂体腫瘍による成長ホルモンの過剰分泌

  • 手や足の肥大、顔貌の変化、糖尿病リスク増大

  • 専門の医師による精査が必要

IGF-1の再検査が必要なケース

  • 初回のIGF-1が高値、または低値

  • 臨床症状と一致しない結果

  • 治療経過を評価する必要がある

  • 採血のタイミングを変えて確認したい場合

いずれの場合も、単回の値だけで判断せず、症状・成長曲線・他のホルモン検査結果とあわせて総合的に評価することが大切です。

成長ホルモン治療|IGF-1が低い場合の選択肢

成長ホルモン治療|IGF-1が低い場合の選択肢

治療が検討されるケース

IGF-1が持続的に低く、成長ホルモン負荷試験でも分泌不全が確認された場合、成長ホルモン治療(GH治療)が検討されます。

成長ホルモン治療とは

  • 1日1回、就寝前に自己注射

  • 皮下注射で痛みは軽度

  • 治療期間は数年間続く

  • 定期的な血液検査・成長評価

  • 骨端線が閉じるまでの限られた期間の治療

成長ホルモンの詳細(増やす方法や治療全般)は「成長ホルモンとは?増やす方法と注射(効果・費用・デメリット)を徹底解説」で網羅的に解説しています。実際に使われるお薬「ソマトロピン」については「ソマトロピンとは?低身長治療における効果・副作用と正しい使い方」もご参照ください。

治療効果

  • 治療開始1年で身長の伸びが加速することが多い

  • 継続することで最終身長の改善が期待

  • 効果は個人差が大きい

  • 早期開始のほうが効果が出やすい

治療でどれくらい身長が伸びるのかの目安は「成長ホルモン注射で何センチ伸びる?治療の効果と「追いつき成長」のメカニズム」で詳しく解説しています。有名なアスリートの例では「メッシの身長はなぜ伸びた?成長ホルモン治療の真実」もご参考にどうぞ。

治療のリスクと注意点

  • 注射部位の局所反応

  • 頭痛・関節痛など(頻度は低い)

  • 血糖値への影響

  • 定期的な副作用チェック

  • 費用は高額

副作用の発生確率について気になる保護者さんは「成長ホルモン注射の副作用とその発生確率は?安全に治療を受けるための注意点」もぜひご覧ください。誤った治療法として問題視されている「プリモボラン」については「プリモボランは低身長に効果がある?副作用と正しい治療法」で警鐘を鳴らしています。

「うちの子も治療できる?」と思われた方へ

子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。

シンセル低身長治療センター|特徴と診療の流れ

シンセルの特徴

  • お子さんの成長を専門的にサポート

  • 医師の丁寧な診察

  • IGF-1を含む詳細な血液検査

  • ご家族への丁寧な説明

  • 治療の押し付けはしない、選択肢の提示

初診の流れ

  1. お電話またはウェブから予約

  2. 母子手帳・成長記録をご持参

  3. 問診・診察・身体測定

  4. 必要に応じて血液検査(IGF-1含む)

  5. 結果の丁寧な説明

  6. 今後の方針をご家族と一緒に検討

武内医師からのメッセージ⑦|「保護者さんの不安に寄り添う診療」

「シンセル低身長治療センターに来られる保護者さんは、『他院で"様子見でいい"と言われたが不安が消えない』『インターネットで調べれば調べるほど心配になる』というお声が多いです。私たちのスタンスは『保護者さんの不安に真摯に向き合い、正確な情報をお伝えする』こと。深刻な状態でなければ安心のお言葉を、治療が必要な場合はご家族と一緒に方針を考える。『何か特別なことをしなくても大丈夫ですよ』と安心して帰られる保護者さんも本当に多いんです。逆に、大切な治療タイミングを逃さずに済んだお子さんもいらっしゃる。『とにかく一度、専門の医師に話を聞いてみる』というのは、それだけで意味のあるステップです。お子さんの成長について気になることがあれば、お気軽にご相談ください」

IGF-1に関するよくある質問(Q&A)

Q1. IGF-1の検査は何科で受けられますか?

小児科、小児内分泌科、成長ホルモン外来などで受けられます。専門の医師のいる医療機関がおすすめです。

Q2. IGF-1の検査は保険で受けられますか?

医学的な必要性の判断のもとで検査可能なケースがあります。詳細は各医療機関にご確認ください。

Q3. IGF-1が高いのも問題ですか?

成人でIGF-1が持続的に高い場合、下垂体腫瘍(先端巨大症)などの可能性があり、精査が必要です。

Q4. サプリメントでIGF-1は本当に増えますか?

IGF-1を直接補給できるサプリはありません。栄養バランスを整えるサプリは一定の意味がありますが、極端な効果は期待できません。

Q5. IGF-1が低いと必ず成長ホルモン治療が必要ですか?

いいえ。IGF-1が低い原因を精査し、原因に応じた対応を取ります。生活習慣改善で改善するケース、原疾患の治療で改善するケース、成長ホルモン治療が有効なケース、と多様です。

Q6. 何歳まで成長ホルモン治療が有効ですか?

骨端線が閉じるまでが治療の対象となります。個人差がありますが、女児は15〜16歳、男児は16〜17歳頃までが目安。早期開始のほうが効果的です。

Q7. シンセル低身長治療センターの初診時に必要なものは?

母子手帳、成長記録(学校の身体測定記録など)、これまでの受診歴の情報などをお持ちください。詳しくはこちらからお問い合わせください。

まとめ|IGF-1を正しく理解する

  • IGF-1は成長ホルモンの働きを実行する「実働部隊」

  • 基準値は年齢・性別で大きく変動、SDスコアで評価

  • 低い原因:成長ホルモン分泌不足・肝臓の問題・栄養不足・睡眠不足・慢性疾患

  • まず行うべき検査は負担の少ないIGF-1のスクリーニング

  • IGF-1を増やす基本:睡眠・栄養・運動・ストレスコントロール

  • 「IGF-1サプリ」に投資する前に医学的評価を

  • 成長期は限られた時間、早めのご相談が選択肢を残す

  • 治療が必要な場合は成長ホルモン治療という選択肢もある

  • 専門の医師と一緒に、お子さんに合った対応を検討

お子さんの身長が気になる保護者さん、IGF-1の検査結果に不安がある方は、シンセル低身長治療センターまでご相談ください。深刻な状態でなければ安心のお言葉を、必要な場合は適切な対応をご家族と一緒に考えます。強引な治療の押し付けはいたしません。

お子さんの成長でお悩みの方へ|まずは無料でご相談ください

シンセル低身長治療センターでは、長田医師による丁寧な診察、詳細な血液検査、ご家族への分かりやすい説明を通じて、お子さんの成長を専門的にサポートしています。母子手帳をお持ちいただければ、より詳細な評価が可能です。

▶ 無料カウンセリングを予約する

▶ LINEで相談する(お子さんの症状や成長のご心配、気軽に質問いただけます)

関連コラム

参考文献

  1. Rosenfeld RG. IGF-I therapy in growth disorders. Eur J Endocrinol. 2007;157 Suppl 1:S57-60.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17785700/

  2. Ranke MB. Insulin-like growth factor binding-protein-3 (IGFBP-3). Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2015;29(5):701-711.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26522456/

  3. Ranke MB, Wit JM. Growth hormone - past, present and future. Nat Rev Endocrinol. 2018;14(5):285-300.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29569622/

  4. Grimberg A, DiVall SA, Polychronakos C, et al. Guidelines for Growth Hormone and Insulin-Like Growth Factor-I Treatment in Children and Adolescents. Horm Res Paediatr. 2016;86(6):361-397.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27884013/

  5. Bidlingmaier M, Friedrich N, Emeny RT, et al. Reference intervals for insulin-like growth factor-1 (IGF-I) from birth to senescence. J Clin Endocrinol Metab. 2014;99(5):1712-1721.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24606072/

  6. 日本小児内分泌学会「小児内分泌学」
    http://jspe.umin.jp/

  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット「成長」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

医師監修記事

シンセルクリニック低身長治療センター医師 長田の顔写真

長田 直祥

(おさだ なおき)

シンセルクリニック 低身長治療センター医師

大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。

医師プロフィールはこちら

大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。

医師プロフィールはこちら

同カテゴリの最新記事

GROWTH CONSULTATION

お子さまの成長が
気になる方へ

身長精密検査の内容・費用や、
治療の流れをご確認いただけます。

検査・治療について見る →LINEで相談する →

検査・治療について知りたい方も、
まずは質問したい方も、ご確認ください。

Access

アクセス

大阪院

所在地

〒542-0086

大阪府大阪市中央区西心斎橋1-9-15

大京心斎橋ビル3F

Googleマップ

電車でお越しの方

大阪メトロ御堂筋線

心斎橋駅から徒歩3分

大阪メトロ御堂筋線

四つ橋駅から徒歩3分

提携

名古屋(ドクターフォースクリニック)

所在地

〒460-0003

愛知県名古屋市中区錦1-15-8

アミティエ錦第一ビル3階

Googleマップ

電車でお越しの方

名古屋市営地下鉄桜通線

国際センター駅 徒歩8分

名古屋市営地下鉄東山線

伏見駅 徒歩7分

所在地

〒542-0086

大阪府大阪市中央区

西心斎橋1-9-15

大京心斎橋ビル3F

Googleマップ

電車でお越しの方

大阪メトロ御堂筋線

心斎橋駅から徒歩3分

大阪メトロ四つ橋線

四つ橋駅から徒歩3分

公式LINEでかんたん身長予測身長を伸ばす無料カウンセリング電話でのお問い合わせ
診療予約はこちら
w2i9Xh