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2025.10.07
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

手足のしびれや脱力感…もしかしたら、それはギラン・バレー症候群かもしれません。
聞き慣れない病名に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ギラン・バレー症候群の特徴的な症状から、その原因、そして最新治療法までを医師の視点から詳しく解説します。 初期症状である「手足のしびれ」から、歩行困難、呼吸困難といった重症化への進行、そして後遺症のリスクやその頻度(約20%の患者さんに1年後も何らかの後遺症が残ると言われています)についても分かりやすくご説明します。
さらに、免疫グロブリン療法や血漿交換といった効果的な治療法、後遺症の最新治療まで、具体的な内容を交えて解説。 ギラン・バレー症候群の不安や疑問を解消し、適切な対応へと繋げるための情報にを提供します。
ご自身や大切な人を守るために、ぜひ最後までお読みください。
ギランバレー症候群の後遺症の再生医療を実施中!
シンセルクリニックは「しびれ」に特化したクリニックであり手術を回避する再生医療という新しい治療を提供しております。




手足のしびれや力が入りにくい、といった症状が現れたら、ギラン・バレー症候群かもしれません。
この記事では、ギラン・バレー症候群の症状について、初期症状からどのように進行していくのか、また後遺症などのリスクも含めて、わかりやすく解説します。
私自身も医師として、この病気の患者さんを診察する機会があり、その辛さを目の当たりにしてきました。だからこそ、少しでも早く異常に気づき、適切な対応をすることがいかに重要かをお伝えしたいと思います。

ギラン・バレー症候群の初期症状として最も多いのは、両手足の指先に、しびれやチクチクするような感覚が現れることです。
まるで手袋や靴下をはいているような感覚で、左右対称に症状が現れるのが特徴です。
健康な状態では、脳からの指令が神経を伝わり、筋肉に到達することで、私たちは自由に体を動かすことができます。しかし、ギラン・バレー症候群では、免疫システムが誤って自分の末梢神経を攻撃してしまうため、この情報伝達がうまくいかなくなります。その結果、手足のしびれや筋力低下といった症状が現れるのです。
最初は「足が少しジンジンするだけ」と感じる方もいますが、この病気は進行が速く、数時間から数日のうちに急速に悪化していく場合があります。
「最初は足だけだったのに、数日のうちに両足全体がしびれて、歩くのもつらくなった」というケースも少なくありません。
しびれと同時に、筋力低下も現れ始めます。具体的には、次のような症状が現れることがあります。
ボタンを留める、箸を使うといった細かい動作が難しくなる
ペットボトルの蓋を開けられない
字を書くのが困難になる
歩行がふらつく
階段の上り下りが難しくなる
これらの初期症状は、風邪や疲れなど、他の原因によるものと勘違いしやすいので注意が必要です。
2021年のLancet誌でも報告されているように、ギラン・バレー症候群は世界で最も一般的な急性弛緩性麻痺の原因です。進行性の運動弱化の前に、上気道感染症などの先行感染症を経験することが多くあります。特に、症状が急速に悪化する場合は、ギラン・バレー症候群の可能性を疑い、すぐに医療機関を受診することが大切です。

ギラン・バレー症候群の初期症状が現れてから数日~数週間で、筋力低下はさらに進行し、手足の麻痺へとつながっていきます。
「最初は足がしびれる程度だったのが、今では杖がないと歩けない」というケースも珍しくありません。
症状が進行すると、歩行が困難になるだけでなく、日常生活における様々な動作に支障をきたすようになります。例えば、衣服の着脱、食事、洗面、トイレといった、普段何気なく行っている動作が一人では行えなくなることもあります。
さらに重症化すると、呼吸に必要な筋肉や、食べ物を飲み込むための筋肉も麻痺し、呼吸困難や嚥下障害(えんげしょうがい:食べ物がうまく飲み込めない状態)を引き起こす可能性があります。
最悪の場合、人工呼吸器の装着や経管栄養(胃や腸に直接栄養を送る方法)が必要となるケースもあり、生命の危険にさらされる状態となるのです。

ギラン・バレー症候群は、適切な治療を行うことで多くの場合回復に向かいます。しかし、患者さんによっては後遺症が残る場合もあり、軽度の筋力低下やしびれ、倦怠感(だるさ)などが挙げられます。また、まれに再発することもあります。
2~5%程度の患者さんに再発がみられ、再発した場合も初回と同様の治療が行われます。
予後は、発症時の症状の重さ、治療への反応、年齢、基礎疾患の有無など、様々な要因によって影響を受けます。重症例や高齢者の場合、後遺症が残る可能性が高くなる傾向があります。
約20%の患者さんに1年後も何らかの後遺症が残ると言われています。後遺症として最も多いのは、軽度の筋力低下やしびれですが、日常生活に支障が出るほどの重い後遺症が残ることは稀です。
また、ギラン・バレー症候群は、自律神経障害(血圧の変動や不整脈など)を合併症として引き起こす可能性も懸念されます。自律神経は、心臓や呼吸、消化など、生命維持に不可欠な機能をコントロールしているため、これらの機能に異常が生じると、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。だからこそ、早期発見・早期治療が重要なのです。
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ギラン・バレー症候群は、末梢神経が炎症を起こし、脳からの指令が筋肉にうまく伝わらなくなることで、手足のしびれや筋力低下を引き起こす病気です。原因はまだ完全には解明されていませんが、多くの場合、免疫システムが自身の末梢神経を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患であると考えられています。
発症のきっかけとして最も疑われるのは感染症です。

ギラン・バレー症候群の患者さんの約60%は、発症する1ヶ月ほど前に、風邪や下痢などの感染症を経験しています。
まるで、体を守るはずの免疫システムが、敵を倒した後も興奮状態が収まらず、誤って味方である神経を攻撃し始めてしまうかのようです。
代表的な感染症としては、カンピロバクター腸炎、サイトメガロウイルス感染症、マイコプラズマ感染症などが挙げられます。
カンピロバクター腸炎は、カンピロバクター・ジェジュニという細菌によって引き起こされる食中毒で、加熱不十分な鶏肉などを食べた後に発症することがあります。ギラン・バレー症候群の原因の約3分の1は、このカンピロバクター・ジェジュニ感染であるという報告もあります。
これらの感染症では、体内に侵入してきたウイルスや細菌を排除するために、免疫システムが活性化されます。この免疫反応が過剰に起こったり、制御が効かなくなったりすると、本来攻撃すべきでない自分の神経を攻撃してしまうと考えられています。「分子模倣」という現象もそのメカニズムの一つです。これは、病原体の表面構造と神経の構成成分が類似しているために、免疫システムがこれらを誤認識し、神経を攻撃してしまうというものです。
近年では、ジカウイルス感染症や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後にもギラン・バレー症候群が発症するケースが報告されています。
また、一部のがん治療薬(免疫チェックポイント阻害薬)の副作用として発症するケースもあるため、注意が必要です。感染症にかかった後、もし手足のしびれや筋力低下などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

ストレスとギラン・バレー症候群の直接的な因果関係は、まだはっきりと解明されていません。しかし、強いストレスを感じた後に発症したという患者さんもいることから、ストレスが免疫システムのバランスを崩し、ギラン・バレー症候群を発症しやすくする可能性が示唆されています。
ストレスは、免疫システムの働きを弱めるだけでなく、過剰に反応させてしまうこともあります。免疫システムのバランスが崩れると、本来攻撃すべきでない自分の神経を攻撃してしまうリスクが高まります。自分なりのストレス解消法を見つけることは、ギラン・バレー症候群の予防という観点からも重要と言えるでしょう。

ギラン・バレー症候群は、一度治った後でも、2~5%程度の確率で再発する可能性があります。特に、高齢の方、発症時の症状が重かった方、特定の抗ガングリオシド抗体を持っている方、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)という別の神経疾患を合併している方は、再発のリスクが高いと言われています。
再発のリスク因子を持っているからといって、必ず再発するわけではありません。しかし、再発の可能性があることを認識しておくことは重要です。再発した場合でも、初回と同様の治療で症状を改善し、日常生活に戻ることができるケースがほとんどです。日頃から自身の体調変化に気を配り、少しでも異変を感じたら、速やかに医療機関を受診することが大切です。
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手足のしびれや力が入りにくいといった症状は、日常生活に大きな不安をもたらします。もしかしたら、ギラン・バレー症候群かもしれません。この病気は、初期症状が他の病気と似ていることが多く、診断が難しい場合もあるため、患者さん自身も不安を感じやすい病気です。
だからこそ、早期に適切な検査を受けることで、早期発見・早期治療につながり、後遺症を最小限に抑えることが期待できます。この章では、ギラン・バレー症候群の診断方法について、なるべく分かりやすく解説します。
神経伝導検査は、電気信号を用いて神経の働きを調べる検査です。、神経が脳からの指令を正しく伝えているかを調べます。
具体的には、皮膚の上から電気を流し、神経が信号を伝える速さや強さを測定します。健康な神経であれば、電気信号はスムーズに、そして速やかに伝わります。しかし、ギラン・バレー症候群では、神経を覆うミエリン鞘(ミエリンさや)が炎症によって壊れたり、神経線維そのものが傷ついたりすることで、信号の伝わり方が遅くなったり、弱くなったりします。
髄液検査は、脳と脊髄を守っている髄液を採取して調べる検査です。髄液は、脳と脊髄を外部の衝撃から守るクッションのような役割を果たすとともに、脳や脊髄で発生した老廃物を運び出す役割も担っています。
検査は、通常、横向きに寝た状態で膝を抱えるような姿勢で行います。医師が腰に針を刺して髄液を採取しますが、チクッとする程度の痛みで、強い痛みではありません。採取した髄液は、見た目には透明な液体ですが、ギラン・バレー症候群では、この髄液中のタンパク質が増加する一方、細胞数は正常という特徴的な変化がみられます。これは「蛋白細胞解離(たんぱくさいぼうかいり)」と呼ばれ、神経に炎症が起きているサインです。
ギラン・バレー症候群は、他の神経疾患と症状が似ているため、それらの病気ではないことを確認する「鑑別診断」が重要です。特に、重症筋無力症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、脊髄炎、ポリオなどは、ギラン・バレー症候群と似たような症状を示すことがあります。
2019年のNature reviews. Neurology誌では、ギラン・バレー症候群の診断と治療の10ステップが提唱されており、その中には鑑別診断の重要性も含まれています。これらの疾患とギラン・バレー症候群を区別するためには、症状の経過、神経伝導検査、髄液検査、画像検査などの結果を総合的に判断する必要があります。
例えば、重症筋無力症は、ギラン・バレー症候群とは異なり、筋力低下が日内変動を示すことが多く、朝は比較的元気でも、夕方になると症状が悪化するという特徴があります。また、眼瞼下垂(まぶたが下がる)や複視(物が二重に見える)などの眼症状を伴うことが多いです。
CIDPは、ギラン・バレー症候群よりもゆっくりと症状が進行する慢性的な病気です。脊髄炎は、脊髄の炎症によって引き起こされる病気で、感覚障害や運動麻痺といった症状が現れます。ポリオは、ウイルス感染によって引き起こされる病気で、麻痺が主な症状です。
ギラン・バレー症候群と診断された時、不安な気持ちでいっぱいになるのは当然です。治療はどのように進むのか、どれくらいで良くなるのか、後遺症は残るのか…様々な疑問が頭をよぎるでしょう。
ここでは、ギラン・バレー症候群の治療法と予後について、患者さんが安心して治療に臨めるように、そしてご自身の状況と照らし合わせながら理解を深められるように、わかりやすく解説します。
ギラン・バレー症候群の治療の中心となるのは、免疫グロブリン療法と血漿交換です。どちらも、過剰に働いて神経を攻撃している免疫の暴走を抑え、そのバランスを整えることで、神経への攻撃を和らげる効果が期待できます。
これらの治療法は、2021年のLancet誌でも報告されているように、同等の効果を持つとされています。どちらも早期に治療を開始することで、より高い効果が期待できます。
免疫グロブリン療法
健康な人の血液から集めた免疫グロブリンを、点滴で体内に投与する治療法です。免疫グロブリンは、免疫システムの働きを調整する役割を担っており、いわば免疫の司令塔のような存在です。この治療を受けることで、免疫システムの過剰な攻撃を抑え、神経の炎症を鎮めることができます。点滴による投与のため、通常は入院が必要です。副作用として、まれに頭痛、発熱、吐き気、血管痛などが起こることがありますが、多くの場合、一時的なものです。
血漿交換
血液を体外に取り出し、神経を攻撃している抗体などの成分を、まるでフィルターで濾過するように取り除き、代わりに新しい血漿成分を補充する治療法です。専用の機器を用いるため、こちらも入院が必要です。副作用として、まれに血圧の低下、アレルギー反応、出血、血栓塞栓症、低カルシウム血症などが起こることがあります。血漿交換は、特に重症例や免疫グロブリン療法で効果が見られない場合に有効です。
ギラン・バレー症候群では、筋力低下や麻痺といった症状が現れるため、リハビリテーションも治療の重要な柱となります。
リハビリテーションは、焦らず、ご自身のペースで進めることが大切です。無理なく継続することで、確実に機能回復へと繋がります。
リハビリの段階 | 内容 |
|---|---|
初期 | 関節可動域訓練、体位変換、呼吸訓練 |
回復期 | 筋力トレーニング、歩行訓練、日常生活動作訓練、バランス訓練 |
当院は再生医療に特化したクリニックでありギランバレー症候群の後遺症に対して再生医療という新しい治療を提供しております。 疑問や興味がある方はお気軽にお問い合わせください。



記事監修 シンセルクリニック
院長 武内晋司郎
Leonhard SE, Mandarakas MR, Gondim FAA, Bateman K, Ferreira MLB, Cornblath DR, van Doorn PA, Dourado ME, Hughes RAC, Islam B, Kusunoki S, Pardo CA, Reisin R, Sejvar JJ, Shahrizaila N, Soares C, Umapathi T, Wang Y, Yiu EM, Willison HJ and Jacobs BC. "Diagnosis and management of Guillain-Barré syndrome in ten steps." Nature reviews. Neurology 15, no. 11 (2019): 671-683.
ギラン・バレー症候群の診断と治療に関する10ステップガイドライ
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