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【医師解説】背中の筋肉痛のような痛みの原因|場所別(右・左・真ん中)で内臓疾患を見分ける方法と対処法

2026.03.16

まずは動画でチェック!【背中の筋肉痛のような痛みの原因】

▶ 10分22秒・字幕付き|背中の痛みの原因を部位別に見分ける方法と、受診の目安を解説

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背中の筋肉痛のような痛みの原因

「背中が筋肉痛のようにじんわり痛い…ただの疲れ?それとも内臓の病気?」
「右側だけ痛い」「左の肩甲骨の下が痛い」「背中の真ん中がズキズキする」

背中の痛みは原因が非常に多岐にわたります。筋肉疲労や姿勢不良による整形外科的な痛みが最も多いですが、場所によっては肝臓・心臓・膵臓など内臓の異常のサインである可能性があります。整形外科医として多くの背部痛を診察してきた経験から、見落としてはいけないポイントを徹底解説します。

この記事でわかること:

  • 背中の筋肉痛のような痛みの5大原因

  • 場所別(右・左・真ん中)で疑うべき疾患の違い

  • 今すぐ病院へ行くべき「危険なサイン」

  • 何科を受診すればいいか

  • 自宅でできる正しいセルフケア

第1章:背中の筋肉痛のような痛み|5つの原因を部位別に解説

① 筋肉疲労・筋膜性疼痛(最も多い)

背中の痛みの最多原因です。長時間のデスクワーク・スマートフォン操作・猫背姿勢により、僧帽筋・菱形筋・脊柱起立筋などの背中の筋肉が緊張・疲弊します。「動かすと痛い」「押すと痛い」「朝起きると張っている」といった特徴があります。

② 脊椎・椎間板由来の痛み

椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・胸椎椎間板ヘルニア・圧迫骨折などが背中の痛みを引き起こします。特に後ろに反ると痛い・前かがみで楽になる・足のしびれを伴うといった場合は脊椎疾患を疑います。

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③ 内臓由来の関連痛(放散痛)

臓器の痛みは神経を介して背中に放散(転位)することがあります。これを「関連痛」と呼びます。特に体を動かしても痛みが変わらない・同じ場所がずっと痛い・発熱や吐き気を伴うという場合は内臓由来を疑う必要があります。

④ 帯状疱疹の初期症状

帯状疱疹は発疹が出る前にヒリヒリ・ピリピリとした痛みが背中の片側に出ます。「筋肉痛のような痛みだと思っていたら数日後に赤い発疹が出た」というケースが非常に多いです。特に左右どちらか片側の背中のみが痛い場合は帯状疱疹を疑ってください。

⑤ ストレス・自律神経の乱れ

ストレスや睡眠不足で交感神経が優位になると、背中の筋肉が持続的に緊張します。検査で異常がないにもかかわらず背中の張り感が続く場合、心因性の要素が関与していることがあります。

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第2章:場所別に疑うべき疾患の違い

背中の痛みは「どこが痛むか」によって疑うべき原因が大きく変わります。

場所

整形外科・筋肉系

内臓・その他

緊急性

右背中(上〜肩甲骨下)

僧帽筋疲労・胸椎椎間板ヘルニア

肝炎・肝がん・胆石・胆嚢炎・腎結石・腎盂腎炎

⚠️ 発熱・黄疸・食後悪化なら早急に

左背中(上〜肩甲骨下)

僧帽筋疲労・肩甲骨周囲の筋緊張

狭心症・心筋梗塞・膵炎・膵がん・胃潰瘍

🚨 胸の圧迫感・冷や汗なら即救急

背中の真ん中

脊柱起立筋疲労・胸椎椎間板ヘルニア・圧迫骨折

大動脈瘤・大動脈解離

🚨 裂けるような激痛なら即救急

背中の下部(腰寄り)

腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・ぎっくり腰

腎結石・尿管結石・腎盂腎炎

⚠️ 血尿・高熱を伴う場合は早急に

右背中が痛い場合

右背中が痛い場合

右背中・右肩甲骨の下の痛みで内臓疾患として多いのは肝臓・胆嚢・腎臓由来です。

胆石症・胆嚢炎:食後(特に脂っこい食事の後)に右肩甲骨の下〜右肋骨下に痛みが放散します。吐き気・発熱を伴うことがあります。

肝炎・肝疾患:右背中の鈍痛が持続します。倦怠感・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)・食欲不振を伴う場合は内科を受診してください。

腎結石・腎盂腎炎:右背中の下部〜脇腹にかけての強烈な痛みや鈍痛です。背中を叩くと響くような痛みがある場合は腎疾患を疑います。

左背中が痛い場合

左背中が痛い場合

左背中・左肩甲骨の下の痛みで最も注意すべきは心臓疾患です。

🚨 左背中の痛みで即救急すべき症状

以下の症状を伴う場合は今すぐ救急外来へ。狭心症・心筋梗塞の可能性があります。

  • 胸の圧迫感・締め付けられる感覚

  • 冷や汗・息苦しさ・吐き気

  • 左腕・顎・歯にまで広がる痛み

  • 突然始まった激しい痛み

膵炎・膵がん:みぞおち〜左背部への持続的な鈍痛です。体を前に倒すと少し楽になるのが特徴です。アルコールの多飲・脂肪の多い食事の後に悪化することがあります。

背中の真ん中が痛い場合

背中の真ん中が痛い場合

背中の真ん中(脊椎中央部)の痛みは整形外科疾患が最多ですが、大動脈疾患には注意が必要です。

大動脈瘤・大動脈解離では「背中が裂けるような激しい痛み」が突然起こります。これは即生命に関わる緊急事態です。「今まで経験したことのないほどの痛み」が突然起きた場合は迷わず救急車を呼んでください。

👨‍⚕️【武内院長の臨床メモ:整形外科と内科の痛みの見分け方】
診察室では「体を動かすと痛みが変わるかどうか」を必ず確認します。前かがみ・後ろ反り・ひねりなど姿勢を変えると痛みが増減する場合は筋肉・骨格系が原因のことがほとんどです。一方、体をどう動かしても同じように痛い、特定の姿勢と関係なく痛むという場合は内臓疾患の関連痛を強く疑います。「ただの筋肉痛かな」と思っても発熱・食欲不振・体重減少・黄疸が伴う場合は必ず内科を受診してください。

第3章:放置は危険!すぐに病院へ行くべき症状の見分け方

🚨 以下の症状があれば今すぐ受診(救急も検討)

  • 背中が裂けるような・今まで経験したことのない激痛→ 大動脈解離の可能性

  • 胸の圧迫感・冷や汗・息苦しさを伴う左背中の痛み→ 心筋梗塞の可能性

  • 高熱(38℃以上)を伴う背中の痛み→ 腎盂腎炎・化膿性脊椎炎

  • 血尿・尿が赤い・尿が出にくい→ 腎結石・尿路結石

  • 黄疸(皮膚や白目が黄色)を伴う右背中の痛み→ 肝炎・胆道疾患

  • 夜間就寝中も目が覚めるほどの痛み→ がんの脊椎転移の可能性

  • 足のしびれ・力が入らない・歩けない→ 脊髄圧迫の可能性

✅ 経過観察でよい目安(整形外科的な痛みの特徴)

  • 体を動かすと痛みが変化する(動作に連動している)

  • 押すと特定の場所が痛い(筋肉の硬結がある)

  • 温めると楽になる

  • 2〜3日の安静で改善傾向がある

  • 発熱・黄疸・血尿・吐き気などの全身症状がない

【関連コラム】
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第4章:何科を受診する?症状でわかる診療科の選び方

症状の特徴

受診する科

動作・姿勢で痛みが変化する・足のしびれを伴う

整形外科

右背中の痛み・発熱・黄疸・食後悪化

内科・消化器内科

左背中の痛み・胸の圧迫感・冷や汗(緊急)

循環器内科・救急外来

背中下部・脇腹の激痛・血尿・高熱

泌尿器科・救急外来

片側の背中のヒリヒリ・ピリピリ(発疹前)

皮膚科・内科

夜間も痛い・体重減少・長期間改善しない

内科・整形外科(要精密検査)

判断に迷う場合はまず整形外科または内科を受診してください。レントゲン・血液検査・尿検査で原因を絞り込み、必要に応じて適切な科に紹介されます。

第5章:自宅で痛みを和らげる効果的なセルフケア

温めるか冷やすか

温めるか冷やすか

急性の痛み・熱感がある場合:最初の48時間はアイシング(氷嚢で15分程度)で炎症を抑えます。

慢性的な張り・だるさの場合:入浴・ホットパックで温めて血行を促進します。背中に熱感がない場合は温めの方が効果的です。

背中の筋肉をほぐすストレッチ

背中の筋肉をほぐすストレッチ

急性期(痛みが強い時期)は無理に動かさず安静にしてください。痛みが落ち着いてきたら以下のストレッチが有効です。

① 胸椎モビリティストレッチ:タオルを丸めて背中の真ん中(胸椎中部)に当て、仰向けに寝て左右にゆっくり倒します。胸椎の可動域を改善し、背中の筋肉の緊張をほぐします。

② 肩甲骨ストレッチ:胸の前で両手を組み、背中を丸めながら肩甲骨を左右に広げます。10〜20秒キープして3回繰り返します。

③ 猫背改善ストレッチ:四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め(猫のポーズ)、息を吸いながら反らします。ゆっくり5〜10回繰り返します。

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痛み止めの使い方

市販の鎮痛剤(ロキソニンSなど)は整形外科的な筋肉痛には有効ですが、内臓由来の痛みに使っても根本解決にはなりません。1週間以上使用しても改善しない場合は必ず医療機関を受診してください。

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第6章:長引く背中の痛みに対する根本治療

背中の筋肉痛のような痛みが1ヶ月以上続く・繰り返す・悪化しているという場合、単純な筋肉疲労ではなく脊椎疾患(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・胸椎椎間板ヘルニア)が原因である可能性があります。

これらの疾患は保存療法(湿布・痛み止め・リハビリ)で改善しない場合、従来は手術が選択されていました。しかし近年は再生医療(幹細胞治療)という手術を避けるための新しい選択肢があります。

幹細胞の抗炎症作用・組織修復作用によって、炎症を鎮めながら損傷した椎間板・神経周囲組織の修復を促します。入院不要・日帰りで行える治療です。

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よくあるQ&A

Q. 背中の右側の筋肉痛のような痛みが2週間続いています。病院に行くべきですか?

2週間以上続く背中の痛みは整形外科受診をお勧めします。特に発熱・食後の悪化・黄疸・体重減少などを伴う場合は内科への受診も検討してください。体を動かすと痛みが変化する場合は整形外科的な原因が多いですが、放置せずに一度診てもらうことが重要です。

Q. 背中の筋肉痛のような痛みは温めてもいいですか?

熱感・腫れ・急性の痛みがある場合は最初の48時間は冷やしてください。慢性的な張り感・こりの場合は温めの方が効果的です。発熱を伴う場合は温めず医療機関を受診してください。

Q. 背中の左側の痛みで心臓の病気を疑うべきのはどんな時ですか?

左背中の痛みに加えて「胸の圧迫感・締め付け感」「冷や汗」「息苦しさ」「左腕・顎・歯への放散痛」「吐き気」を伴う場合は心筋梗塞・狭心症の可能性があります。これらの症状があれば迷わず救急車を呼んでください。

Q. 背中の痛みで整形外科と内科どちらに行けばよいですか?

「体を動かすと痛みが変化する」「押すと痛む場所がある」場合はまず整形外科を受診してください。発熱・黄疸・血尿・胸の圧迫感などの全身症状を伴う場合は内科・救急を優先してください。判断に迷う場合はどちらでも対応してもらえます。

Q. 背中の真ん中の痛みは何が原因ですか?

最多は姿勢不良による脊柱起立筋の疲労です。次に多いのは胸椎椎間板ヘルニア・圧迫骨折です。「突然の裂けるような激痛」の場合は大動脈解離の可能性があり即救急が必要です。

記事監修:シンセルクリニック 総院長 武内 晋司郎(整形外科医)

参考文献

  1. 日本整形外科学会「腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)」。背部痛の鑑別診断・危険因子(red flags)の根拠。
    https://www.joa.or.jp/

  2. Deyo RA, Weinstein JN. "Low Back Pain." New England Journal of Medicine 344, no. 5 (2001): 363-370. 背部痛の鑑別診断・red flagsの国際的根拠。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11172169/

  3. Waxman SG. "Referred pain and other phenomena of sensation." Clinical Neuroanatomy 28th ed. McGraw-Hill (2017). 内臓からの関連痛(放散痛)の神経解剖学的根拠。

  4. 日本消化器病学会「急性膵炎診療ガイドライン2021」。左背部痛を引き起こす膵疾患の診断基準の根拠。
    https://www.jsge.or.jp/

  5. 日本循環器学会「急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)」。左背部痛を伴う心疾患の診断・緊急対応の根拠。
    https://www.j-circ.or.jp/

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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