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2025.06.03
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
腰や足に痛みやしびれを感じていませんか?
もしかしたら、それは腰椎椎間板ヘルニアかもしれません。
近年増加傾向にある腰痛の原因として、腰椎椎間板ヘルニアがあります。 軽い腰痛から、歩行困難、さらには排尿・排便障害といった重篤な症状まで、その症状のレベルは実に様々です。
この記事では、整形外科医が腰椎椎間板ヘルニアの症状をレベル別に分類し、それぞれの特徴や日常生活への影響などを詳しく解説します。
「最近腰が重い」「階段の上り下りがつらい」など、些細な症状も軽視せず、ご自身の状態を5段階のレベルでセルフチェックしてみましょう。
重症化すると手術が必要になるケースもあるため、早期発見・早期治療が大事となります。




腰椎椎間板ヘルニアの症状は、程度の軽いものから日常生活に支障をきたす重度のものまで、実に様々です。症状のレベルを把握することは、ご自身に合った適切な治療法を選択する上で非常に重要になります。
この記事では、腰椎椎間板ヘルニアの症状を5つのレベルに分類し、それぞれの特徴や日常生活への影響、治療法の選択肢について、整形外科医の立場から具体例を交えて詳しく解説します。
軽度の腰椎椎間板ヘルニアの場合、椎間板はわずかに飛び出していますが、神経を圧迫するほどではありません。そのため、痛みは軽い腰痛程度で、日常生活にほとんど支障はありません。
例えば、デスクワークの方であれば、長時間同じ姿勢で座っていた後に少し腰が重だるくなる、立ち上がるときに一瞬軽い痛みを感じる、といった程度です。
また、普段運動をあまりしない方が、週末に久しぶりに運動をした後に軽い筋肉痛のような腰の痛みを感じる、というケースも当てはまります。
このレベルであれば、ストレッチや軽い運動、姿勢の改善などで症状が軽減される可能性があります。
私の患者さんでも、毎日のストレッチを習慣化することで、鎮痛剤を飲まずに日常生活を送れるようになった方がいらっしゃいます。
中等度の腰椎椎間板ヘルニアになると、椎間板の突出がさらに進み、神経を圧迫し始めます。そのため、強い腰痛に加えて、おしりや太もも、ふくらはぎにかけての痛みやしびれが現れることもあります。
日常生活にも影響が出始め、長時間立っていることや座っていることが辛くなり、仕事や家事に支障が出る場合があります。
例えば、スーパーのレジで5分以上立っていることが苦痛になったり、洗濯物を干す際に腰を曲げると痛みが走るため、ゆっくりとしか作業ができなくなる、といったことが挙げられます。
また、痛みのため、長時間同じ姿勢でいることが難しくなり、夜中に何度も目が覚めてしまい、睡眠不足に悩まされる方もいます。
中等度のヘルニアの場合、保存療法が第一選択となります。薬物療法、理学療法、神経ブロック注射などが検討されます。
重度の腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板が大きく飛び出し、神経を強く圧迫します。そのため、激しい腰痛だけでなく、足全体にしびれや麻痺が広がり、歩行困難になることもあります。
さらに、排尿・排便障害が起こることもあり、これは馬尾症候群と呼ばれる深刻な状態です。
馬尾症候群は、放置すると後遺症が残る可能性もあるため、緊急手術が必要な場合もあります。
例えば、トイレに行きたいのに尿が出ない、あるいは便意があるのに全く力めない、といった症状が現れたら、一刻も早く救急車を呼ぶか、近くの病院に連絡してください。
また、重度のヘルニアの場合でも、手術以外の選択肢がないわけではありません。患者さんの状態や希望によっては、保存療法を選択することもあります。
椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて詳しくご覧ください↓↓
椎間板ヘルニアでやってはいけないこととは?整形外科医が解説!
レベル | 痛みの程度 | 神経の圧迫 | 日常生活への影響 |
|---|---|---|---|
軽度 | 軽い腰痛 | ほとんどなし | ほぼなし |
中等度 | 強い腰痛、おしりや足の痛みやしびれ | 軽い~中等度の圧迫 | 仕事や家事に支障が出る |
重度 | 激しい腰痛、足全体のしびれや麻痺、排尿・排便障害 | 強い圧迫 | 歩行困難、日常生活に大きな支障 |
上記のように、痛みの程度や神経の圧迫の度合いは、ヘルニアのレベルによって大きく異なります。軽度の場合は日常生活にほとんど影響はありませんが、重度になると日常生活に大きな支障をきたします。
軽度から中等度の場合は、保存療法が選択されることが多いです。保存療法には、薬物療法、理学療法、装具療法などがあります。
薬物療法では、痛み止めや炎症を抑える薬、神経の働きを調整する薬などを使用します。
理学療法では、ストレッチや運動療法を行い、腰周りの筋肉を強化することで、症状の改善を目指します。
重度の場合は、手術療法や再生医療が必要となる場合もあります。
手術療法では、飛び出した椎間板を切除し、神経の圧迫を取り除きます。
椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の違いについて詳しくご覧ください↓↓
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの違いとは?医師が解説
治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。今までの治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。
そのため、日常生活においても膝に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。
再生医療はまだ新しい治療法ですが、腰部脊柱管狭窄症の後遺症に対して、多くの患者さんで痛みの軽減、しびれの改善、歩行距離の延長などの効果が報告されています。



腰や足に痛みやしびれを感じると、「もしかして、腰椎椎間板ヘルニア?」と不安になりますよね。どの程度症状が重いのか、病院へ行くべきなのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
整形外科医として、患者さんからよく相談を受ける内容です。そこで、この記事では、腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルを自分でチェックする方法を4つのポイントに絞って、わかりやすく解説します。
腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルを知る上で、まず注目すべきは痛みやしびれの度合いです。
レベル1:なんとなく腰が重い、だるい
これは初期症状の可能性があります。日常生活にはほとんど支障がない段階です。例えば、長時間デスクワークをした後に感じる程度の軽い違和感です。この段階では、ストレッチや軽い運動で様子を見ても良いでしょう。しかし、痛みが慢性的に続く場合は、医療機関への相談も検討しましょう。
レベル2:座っているのがつらい、立ったり歩いたりすると腰に痛みが走る
中等度の症状です。日常生活に少しずつ支障が出始めています。
例えば、30分以上座っているのが苦痛になってきた、階段の上り下りで腰に痛みを感じる、といった状態です。
私の患者さんでは、この段階で来院される方が多くいらっしゃいます。
レベル3:痛みで夜も眠れない、くしゃみや咳で激痛が走る
痛みが強くなり、日常生活に大きな支障が出ています。夜中に何度も痛みで目が覚める、くしゃみや咳で腰に激痛が走り動作に制限が出る、といった状態です。このレベルになると、日常生活動作にも支障をきたすため、医療機関への受診が必要です。
レベル4:足にしびれや麻痺がある、排尿・排便に異常がある
重度の症状です。神経の圧迫が強くなっている可能性があります。足に力が入らない、尿や便が出にくい、もしくは漏れてしまう、といった症状が現れたら、すぐに病院へ行きましょう。これは「馬尾症候群」という深刻な状態のサインである可能性があり、緊急手術が必要になるケースもあります。
これらのレベル分けはあくまで目安です。痛みの感じ方には個人差がありますので、ご自身の状態をよく観察することが大切です。
椎間板ヘルニアの部位別の症状を詳しくご覧ください↓↓
椎間板ヘルニアの4番5番が原因?気になる症状とは
痛みやしびれの度合いと合わせて、日常生活にどのくらい支障が出ているかも重要なチェックポイントです。
軽い症状の場合
靴下や靴を履く、床に落ちた物を拾うといった動作が少し億劫に感じる程度です。
中等度の症状の場合
長時間座っていることが難しく、仕事や家事に集中できない、趣味のスポーツが続けられない、といった影響が出てきます。例えば、デスクワーク中に何度も休憩が必要になった、洗濯物を干すのが辛くなった、といった変化に気づいたら要注意です。
重度の症状の場合
歩くことも困難になり、寝返りを打つのもつらい、排泄のコントロールが難しくなるなど、日常生活に大きな支障をきたします。
日常生活動作への影響は、腰椎椎間板ヘルニアの重症度を判断する上で重要な指標となります。普段何気なく行っていた動作が困難になってきた場合は、医療機関への受診を検討しましょう。



記事監修 シンセルクリニック
院長 武内晋司郎
Zhang AS, Xu A, Ansari K, Hardacker K, Anderson G, Alsoof D, Daniels AH. Lumbar Disc Herniation: Diagnosis and Management. The American journal of medicine 136, no. 7 (2023): 645-651.
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