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【整形外科医解説】椎間板ヘルニアの4番5番(L4/L5)完全ガイド|症状・治療・ストレッチ・手術判断まで徹底解説
「MRIで『4番5番のヘルニア(L4/L5椎間板ヘルニア)』と言われた、どんな症状?」
「足の親指がしびれる、これはL4/5ヘルニア?」
「自然に治る?治療法は?」
「やっていいストレッチは?」
――4番5番のヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアの中で最も多い部位で、特有の症状と治療アプローチがあります。本記事ではヘルニアを多数診てきた整形外科医の武内医師が、L4/L5の解剖学、L5神経根に特有の症状、診断、保存療法・手術・ストレッチ、そして「手術を避けたい方への再生医療」という選択肢まで徹底解説します。
この記事の結論を3行で
L4/L5ヘルニアは腰椎ヘルニアの約50%を占める最頻発部位、L5神経根を圧迫
特有症状:足の親指のしびれ・足首が上に上げにくい(下垂足)・お尻〜外側〜足背の痛み
大半は3〜6ヶ月の保存療法で改善、改善しない方には再生医療という選択肢も
- L4/L5(4番5番)椎間板ヘルニアとは|最頻発部位
- 腰椎の解剖学|なぜ4番5番が多い?
- L4/L5ヘルニアの発生頻度
- なぜL4/L5が最も多いのか
- L4/L5ヘルニアの「症状」|L5神経根に特有のサイン
- L5神経根症状|セルフチェック
- L4神経根症状との違い(L3/L4ヘルニア)
- S1神経根症状との違い(L5/S1ヘルニア)
- その他の症状
- L4/L5ヘルニアの「診断」|医師が見るポイント
- 診察室での神経学的検査
- 画像検査
- 鑑別すべき疾患
- L4/L5ヘルニアの「治療」|段階的アプローチ
- 治療フロー
- 保存療法の柱5つ
- L4/L5ヘルニアに有効な「ストレッチ」|医師推奨
- L4/L5ヘルニアに推奨するストレッチ
- L4/L5ヘルニアで絶対NGのストレッチ
- L4/L5ヘルニアが「日常生活」に与える影響
- 仕事への影響
- 家事への影響
- 睡眠への影響
- 趣味・レジャーへの影響
- L4/L5ヘルニアの「症状の経過パターン」
- 典型的な経過の3パターン
- 悪化のサイン|要受診
- L4/L5ヘルニアで「やってはいけないこと」
- 日常生活で避けるべき動作
- 避けるべきスポーツ
- 推奨されるスポーツ
- 「緊急手術が必要」な危険サイン|馬尾症候群
- 馬尾症候群(緊急手術適応)
- 緊急手術以外でも検討されるケース
- L4/L5ヘルニアの「手術」|種類と選択
- 手術の種類
- 手術のメリット・デメリット
- L4/L5ヘルニアの「再発予防」|生涯続けたい習慣
- 体幹トレーニング(ドローインが最重要)
- 姿勢の改善
- 体重管理
- 禁煙
- 正しい持ち上げ方
- L4/L5ヘルニアでの「仕事復帰」
- 職種別復帰の目安
- 「再生医療」|L4/L5ヘルニアの新しい選択肢
- 幹細胞治療の3つの作用
- こんな方が再生医療を選んでいます
- L4/L5ヘルニアに関するよくある質問(Q&A)
- Q1. L4/L5ヘルニアは自然に治りますか?
- Q2. 親指のしびれだけでも受診すべき?
- Q3. 手術せずに治る確率は?
- Q4. 完治までどれくらいかかる?
- Q5. やってはいけないストレッチは?
- Q6. シンセルクリニックではどんな治療ができますか?
- まとめ|L4/L5ヘルニアと向き合う5つのポイント
- L4/L5ヘルニアでお悩みの方へ|まずは無料でご相談ください
- 関連コラム
- 参考文献
L4/L5(4番5番)椎間板ヘルニアとは|最頻発部位

腰椎の解剖学|なぜ4番5番が多い?
腰椎は5つの椎骨(L1〜L5)から構成され、椎骨と椎骨の間にクッション役の椎間板があります。L4とL5の間の椎間板(L4/L5椎間板)は、腰椎の中で最も動きが大きく、体重の負荷が集中する部位です。
L4/L5ヘルニアの発生頻度
L4/L5:約45〜50%(最多)
L5/S1:約40〜45%
L3/L4:約5〜10%
L2/L3以上:稀
L4/L5とL5/S1で全体の約9割を占めます。
なぜL4/L5が最も多いのか
腰の動きの中心点(背骨が大きく曲がる)
体重の負荷が集中
長時間の座位・立位で常に圧力
前屈・ねじり動作の支点
加齢による変性が起こりやすい
武内医師の臨床コメント①|L4/L5ヘルニア患者さんの典型像
「シンセル外来でL4/L5ヘルニアと診断される患者さん、本当に多いです。30代〜50代の働き盛り、デスクワーク中心の方、立ち仕事の方、ゴルフ・テニスなど腰をひねるスポーツをされる方が中心です。『朝起きたら腰がズキッ、それからお尻と太もも、ふくらはぎ、足の親指のしびれが出てきた』というのが典型的な訴え。最初は『腰痛だけ』だった方が、放置している間にお尻→太もも→ふくらはぎ→足先と、しびれが下に降りてくるのもL4/L5ヘルニアの特徴です。早期に診断して適切な対処を始めれば、9割以上の方が手術なしで改善されますので、早めの受診を強くお勧めしています」
L4/L5ヘルニアの「症状」|L5神経根に特有のサイン

L4/L5ヘルニアでは、飛び出た髄核がL5神経根を圧迫します。L5神経根は特定の筋肉と皮膚領域を支配しているため、特有の症状が現れます。
L5神経根症状|セルフチェック
症状 | 具体的な現れ方 |
|---|---|
痛みの分布 | お尻→太もも外側→ふくらはぎ外側→足の甲→足の親指 |
しびれの場所 | 足の親指・足の甲・ふくらはぎ外側 |
筋力低下 | 足首を上に上げる動作(背屈)が困難 → かかと立ちが難しい |
反射 | 膝蓋腱反射・アキレス腱反射は正常(L4でもS1でもない部位) |
感覚異常 | 足の親指の感覚が鈍い・触れた感じが違う |
L4神経根症状との違い(L3/L4ヘルニア)
太もも前面〜膝下のしびれ
膝伸ばし筋力低下
膝蓋腱反射の低下
S1神経根症状との違い(L5/S1ヘルニア)
太もも裏→ふくらはぎ後面→足の小指側のしびれ
足首を下に下げる動作の筋力低下(つま先立ちができない)
アキレス腱反射の低下
その他の症状
腰痛:腰の片側中心、前屈で増悪
咳・くしゃみで激痛(椎間板への圧力増加)
長時間座位で悪化
朝起きると痛い(夜間の炎症が朝にピーク)
歩行困難(しびれや脱力で)
武内医師の臨床コメント②|「親指のしびれ」はL5の典型サイン
「外来で『足の親指がしびれます』とおっしゃる患者さんが来られたら、私は『L4/L5ヘルニアの可能性が高い』と頭に浮かびます。L5神経根の支配領域は、足の甲〜親指、特に親指の付け根〜先端。『この親指のしびれ、最近気になっていて』とご相談されて、MRI撮ったら明確にL4/L5ヘルニアでした、というケースが本当に多いです。あと、『階段の上りでつまずきやすくなった』というのもL5の症状。足首を上に上げる筋肉(前脛骨筋)がL5支配で、ここが弱るとつま先が床にこすれてつまずきやすくなる。患者さんは『年のせいかな』と思いがちですが、これは神経学的なサイン。見逃さないように丁寧に診察します」
L4/L5ヘルニアの「診断」|医師が見るポイント
診察室での神経学的検査
検査名 | 方法 | L4/L5ヘルニア陽性所見 |
|---|---|---|
SLRテスト | 仰向けで脚をまっすぐ上げる | 30〜70度で痛み・しびれ誘発 |
足背屈テスト | 足首を上に上げる力を確認 | 力が弱い(L5支配筋) |
かかと立ち | かかとだけで立つ | 難しい |
親指背屈テスト | 親指を上に上げる力 | 力が弱い(典型的L5サイン) |
感覚検査 | 足の甲・親指の感覚 | 鈍麻・異常感覚 |
反射テスト | 膝蓋腱・アキレス腱反射 | L5は両方とも正常 |
画像検査
MRI:最も重要、椎間板の飛び出しと神経圧迫を直接確認
レントゲン:骨の状態・椎間板の狭小化
CT:骨の詳細評価
神経伝導検査:神経機能評価
鑑別すべき疾患
疾患 | L4/L5ヘルニアとの違い |
|---|---|
腰部脊柱管狭窄症 | 間欠性跛行、両側性、高齢者に多い |
梨状筋症候群 | お尻深部の痛み中心、SLRテスト陰性 |
仙腸関節炎 | 仙腸関節を押すと痛む |
変形性腰椎症 | 慢性的な腰痛中心、しびれは軽度 |
腰椎すべり症 | レントゲンで椎骨のズレ |
腫瘍・感染症 | 発熱・体重減少・夜間痛 |
関連コラム:「坐骨神経痛と間違える病気とは?整形外科医が解説」「脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの違いとは?」
L4/L5ヘルニアの「治療」|段階的アプローチ
L4/L5ヘルニアの治療は、症状の重症度に応じて段階的に進めます。大半の方は手術なしで改善するため、まずは保存療法から始めるのが標準的です。
治療フロー
段階 | 治療内容 | 期間 |
|---|---|---|
急性期(〜2週間) | 安静・冷却・痛み止め・コルセット | 1〜2週間 |
亜急性期(2週間〜2ヶ月) | 薬物療法・温熱・軽いリハビリ開始 | 1〜2ヶ月 |
慢性期(2ヶ月以降) | 体幹トレーニング・ストレッチ・社会復帰 | 継続 |
難治性 | 注射療法・再生医療・手術 | 個別 |
保存療法の柱5つ
① 薬物療法
② 注射療法
神経根ブロック:L5神経根に直接アプローチ
仙骨硬膜外ブロック:仙骨から麻酔薬を注入
トリガーポイント注射:筋緊張による痛みに
関連コラム:「ブロック注射は「めちゃくちゃ痛い」って本当?」「トリガーポイント注射の効果が出るまで・翌日痛い理由」
③ リハビリ・運動療法
体幹筋トレーニング(ドローイン)
L5神経根周囲のストレッチ
姿勢矯正
歩行訓練
④ 物理療法
温熱療法(ホットパック)
低周波治療
牽引療法
超音波治療
⑤ 装具療法
コルセット(急性期の一時的使用)
※長期使用は体幹筋力低下のリスク
武内医師の臨床コメント③|「3〜6ヶ月の保存療法」が黄金ルール
「L4/L5ヘルニアの患者さんに必ずお伝えするのが、『まずは3〜6ヶ月、しっかり保存療法を続けてみましょう』ということです。MRIで明らかなヘルニアがあっても、マクロファージという免疫細胞が飛び出た髄核を分解する『自然吸収』が、3〜6ヶ月かけて起こる可能性が十分にあるからです。シンセル外来でも『手術を勧められたけど踏み切れなかった患者さんが、半年保存療法を続けたら痛みもしびれも改善した』というケースを本当に多く見ています。『手術はいつでもできる、まずは保存療法でじっくり』が大原則。ただし、後述する『緊急手術が必要なサイン』だけは見逃さないでください」
L4/L5ヘルニアに有効な「ストレッチ」|医師推奨
ストレッチは保存療法の重要な柱ですが、L4/L5ヘルニアには「やっていいストレッチ」と「絶対NGのストレッチ」があります。
L4/L5ヘルニアに推奨するストレッチ
① 膝抱え込みストレッチ(仰向け)
仰向けで両膝を立て、両手で太ももを胸に引き寄せる
20〜30秒キープ、2〜3回
椎間板への圧力が最も低い姿勢
② 腰ひねりストレッチ(仰向け)
仰向けで両腕を横に広げ、膝を片側にゆっくり倒す
両肩は床につけたまま、20〜30秒
梨状筋・腰方形筋を緩める
③ お尻ストレッチ(梨状筋・仰向け)
仰向けで右足首を左ひざに乗せ、左太もも裏を抱える
20〜30秒キープ
L5神経根周囲の梨状筋を緩める
④ ハムストリングスストレッチ(仰向け・タオル使用)
仰向けで足裏にタオルをかけ、膝を伸ばしたまま脚を上げる
太もも裏が伸びる位置で20〜30秒
※電気が走るような痛みが出たら中止
詳細は「腰痛ストレッチ10選|寝ながら・座ったまま・立ったまま即効+予防」もご参照ください。
L4/L5ヘルニアで絶対NGのストレッチ
NGストレッチ | 理由 |
|---|---|
❌ 立位前屈 | 椎間板への圧力が2〜4倍、ヘルニアが悪化 |
❌ 座位前屈 | 椎間板圧力が最大級 |
❌ うつ伏せでの腰反らし | 後方ヘルニアでは神経圧迫増強 |
❌ 強いひねり動作 | 椎間板の繊維輪に追加損傷 |
❌ 急なストレッチ | 炎症増強・症状悪化 |
武内医師の臨床コメント④|「良かれと思って前屈」が悪化の典型
「シンセル外来に、『良かれと思って毎日前屈ストレッチしていたら、腰痛もしびれも悪化した』という患者さん本当に多くいらっしゃいます。立位前屈は椎間板への圧力が日常生活で最も高い動作の一つ。L4/L5ヘルニアの方が前屈すると、髄核がさらに後方に押し出されて、神経圧迫が悪化することがあるんです。『ストレッチ=健康にいい』は一般論ですが、ヘルニアがある方には『やっていいストレッチ』と『絶対やってはいけないストレッチ』があります。ネットや本の情報を鵜呑みにせず、ご自身の状態に合わせて選んでください。迷ったら必ず医師か理学療法士に相談を」
L4/L5ヘルニアが「日常生活」に与える影響
L4/L5ヘルニアは、日常のあらゆる場面で症状が出やすく、生活の質に大きく影響します。シーンごとの具体的な影響と対策を整理します。
仕事への影響
場面 | 影響 | 対策 |
|---|---|---|
デスクワーク | 長時間座位で椎間板圧力増加、午後にしびれ悪化 | 30分に1回立ち上がる、ランバーサポート使用 |
立ち仕事 | 夕方〜夜にかけて腰痛・足のしびれ悪化 | 片足を低い台に乗せて負担分散、こまめな休憩 |
運転業務 | 同じ姿勢の継続、振動で症状増悪 | 1時間に1回休憩、腰部クッション、シート調整 |
力仕事 | 持ち上げ動作で急激な悪化、ヘルニア突出 | 正しい持ち上げ方、コルセット、職種変更検討 |
家事への影響
掃除機がけ:腰の前屈・ひねりで悪化 → 立位を保ち、軽量タイプ使用
洗濯物を干す:腕を上げる動作で腰に負担 → 物干し台の高さ調整
料理:長時間立位 → キッチンマットでクッション性確保
布団の上げ下ろし:腰の屈伸 → ベッドへの変更検討
子供の抱っこ:膝を使い、背中を丸めない
睡眠への影響
夜間・朝方に痛みが強くなる
寝返りで痛む・覚醒する
朝のこわばりで起き上がりにくい
対策:仰向けで膝下にクッション、横向きで膝の間にクッション。詳しくは「腰痛が楽な寝方|疾患別の正解と枕・マットレス選び」をご参照ください。
趣味・レジャーへの影響
長時間の旅行・観光が困難
ゴルフ・テニスでスイング困難
登山・ハイキングでしびれ悪化
映画館・観劇の長時間座位で症状悪化
L4/L5ヘルニアの「症状の経過パターン」

L4/L5ヘルニアは、患者さんによって症状の出方・経過が違います。典型的なパターンを知ることで、ご自身の状態を理解しやすくなります。
典型的な経過の3パターン
パターン①:急性発症型
重い物を持ち上げた瞬間に激痛
翌日からお尻〜足のしびれ拡大
強い痛みで動けない期間1〜2週間
その後徐々に改善、3〜6ヶ月で大幅軽減
パターン②:徐々進行型
軽い腰痛から始まる
数週間〜数ヶ月かけてしびれが下に降りる
気づいた時には足の親指まで症状
慢性化しやすい、早期受診が鍵
パターン③:軽症一時型
ある日突然腰痛・足のしびれ
数日〜2週間で軽快
本人は「ぎっくり腰」と思っている
実はL4/L5ヘルニアだったケース多い
再発しやすい
悪化のサイン|要受診
しびれの範囲が広がる
足首・親指の力が落ちてきた
歩行距離が短くなった
夜間痛で眠れない
市販薬で全く効かない
L4/L5ヘルニアで「やってはいけないこと」

日常生活で避けるべき動作
立位前屈:椎間板圧力急増
重い物の持ち上げ:特に背中を丸めての持ち上げ
長時間座位(30分超)
うつ伏せ寝:腰が反る
柔らかすぎるソファ・ベッド
急な方向転換・ひねり
強揉みマッサージ(急性期)
長距離運転(休憩なし)
避けるべきスポーツ
ゴルフ(特に強いスイング)
テニス・バドミントン
サッカー・バスケットボール
重量挙げ・パワー系筋トレ
ジョギング(衝撃が強い)
推奨されるスポーツ
ウォーキング
水泳・水中ウォーキング
ヨガ(指導者付き、症状に応じて)
固定式自転車
詳細は「椎間板ヘルニアのやってはいけないこと完全ガイド」をご参照ください。
「緊急手術が必要」な危険サイン|馬尾症候群

L4/L5ヘルニアの大半は保存療法で改善しますが、以下のサインがある場合は緊急受診が必要です。
馬尾症候群(緊急手術適応)
排尿・排便のコントロール障害(最重要サイン)
会陰部(おしっこの出る部分・肛門周り)の感覚異常
急激に進行する両側下肢の麻痺
歩行困難・立位保持困難
性機能障害(突然出現)
緊急手術以外でも検討されるケース
3〜6ヶ月の保存療法で改善なし
下肢筋力低下が進行
痛みで日常生活・仕事が継続不可能
QOLが著しく低下
武内医師の臨床コメント⑤|「馬尾症候群は時間との勝負」
「L4/L5ヘルニアで本当に怖いのが、『馬尾症候群』を見逃すことです。馬尾神経は、お尻〜会陰部〜下肢の感覚・運動・自律神経をすべて司る神経の束。これが圧迫されると、排尿排便障害、下肢麻痺、性機能障害が起こり、48時間以内に手術しないと後遺症が残るリスクが高くなります。『何となく尿が出にくい』『おしっこの感覚が違う』『下腹部の感覚がおかしい』というサインは絶対見逃せません。シンセル外来でも『これは馬尾症候群の可能性、すぐ救急対応の病院へ』とご紹介するケースがあります。早期発見・早期対応で機能温存できますので、不安なサインがあれば必ず救急受診を」
L4/L5ヘルニアの「手術」|種類と選択
手術の種類
手術方法 | 特徴 | 入院期間 |
|---|---|---|
内視鏡下椎間板摘出術(MED) | 小さい傷、低侵襲 | 3〜7日 |
顕微鏡下椎間板摘出術 | 顕微鏡で精密手術 | 1〜2週間 |
経皮的内視鏡下手術(PED/PELD) | 最小侵襲、局所麻酔 | 日帰り〜2日 |
従来の椎間板摘出術 | 広範囲のヘルニアに対応 | 2〜3週間 |
手術のメリット・デメリット
メリット:
痛み・しびれが急速に軽減
長引く症状からの解放
仕事・日常への早期復帰
デメリット:
再発リスク(5〜15%)
感染・神経損傷リスク
術後の慢性痛が残る可能性
同レベルや隣接椎間板の負担増
L4/L5ヘルニアの「再発予防」|生涯続けたい習慣

体幹トレーニング(ドローインが最重要)
仰向け・立位・座位で1日5分
腹横筋を鍛え、椎間板を保護
退院後・症状改善後も生涯継続
姿勢の改善
骨盤前傾と後傾のバランス
耳・肩・腰・くるぶしが一直線
長時間同じ姿勢を避ける
体重管理
BMI 25未満を目標
体重1kg減で椎間板負担が大幅軽減
禁煙
喫煙は椎間板への血流を低下
椎間板変性を加速
正しい持ち上げ方
膝を曲げて荷物に近づく
背中を丸めずに腰を落とす
足の力で持ち上げる
武内医師の臨床コメント⑥|「再発予防の習慣」を生涯続ける
「L4/L5ヘルニアは『一度治れば終わり』ではなく、『再発リスクを生涯抱える病気』です。シンセル外来で症状改善した患者さんに必ずお伝えするのが、『ドローインだけは一生続けてください、体重管理と禁煙も』ということ。5年後・10年後の再発予防は、毎日の小さな習慣の積み重ねです。『先生に言われて毎晩5分ドローインを続けています、おかげで10年経っても再発していません』という患者さんもいらっしゃる。逆に、症状が改善した途端にやめてしまう方は、半年〜1年で再発するパターンが多い。歯磨きと同じく、生涯の習慣にしていただきたいですね」
L4/L5ヘルニアでの「仕事復帰」
職種別復帰の目安
職種 | 復帰目安 | 注意点 |
|---|---|---|
デスクワーク | 痛み軽減後すぐ | 30分に1回立ち上がる、ランバーサポート |
立ち仕事(販売・接客) | 2〜4週間 | こまめな休憩、片足を低い台に |
軽作業 | 2〜6週間 | 重い物は避ける |
運転業務 | 2〜4週間 | 長距離は休憩を頻繁に |
力仕事・建設業 | 2〜3ヶ月 | 正しい持ち上げ方、コルセット |
医療・介護職 | 1〜2ヶ月 | 持ち上げ動作の工夫 |
「再生医療」|L4/L5ヘルニアの新しい選択肢
3〜6ヶ月の保存療法で改善しない、手術は避けたい、長期休職は難しい――そんな方に、シンセルクリニックでは再生医療(幹細胞治療)という選択肢を提供しています。
幹細胞治療の3つの作用
抗炎症作用:神経周囲の慢性炎症を強力に鎮める
神経修復作用:傷んだL5神経根の修復を促す
椎間板環境改善:椎間板変性へのアプローチ
こんな方が再生医療を選んでいます
3〜6ヶ月保存療法を続けたが改善が乏しい
薬・注射でも痛みが取れない
手術を勧められたが避けたい
仕事や家族のために長期休めない
趣味(ゴルフ・登山)を再開したい
「手術=最終手段」と考えている
関連コラム:「坐骨神経痛を早く治す方法はこれ!整形外科医が教える「最新治療」とは?」「脊柱管狭窄症の再生医療とは?」



武内医師の臨床コメント⑦|「手術前のもう一つの選択肢」
「L4/L5ヘルニアの患者さんで、『他院で半年以上保存療法を続けたが改善せず、手術を勧められたけど踏み切れない』という方が本当に多くシンセル外来に来られます。手術は確実に痛みを取る方法ですが、再発リスクや感染・神経損傷のリスクもある。長期休職が難しい方、子育て世代、自営業の方にとって、手術は重い選択です。当院の幹細胞治療を選ばれた患者さんから『何年も続いた腰と足の親指のしびれが軽減した』『仕事を休まずに治療を続けられた』『ゴルフも復帰できた』というご報告を本当によくいただきます。手術前にもう一つ選択肢があると知っていただきたいです」
L4/L5ヘルニアに関するよくある質問(Q&A)
Q1. L4/L5ヘルニアは自然に治りますか?
軽度〜中等度の多くは3〜6ヶ月で自然吸収される可能性があります。マクロファージが飛び出た髄核を分解する作用です。ただし強い症状や馬尾症候群は早期受診を。
Q2. 親指のしびれだけでも受診すべき?
はい。足の親指のしびれはL5神経根症状の典型的サインで、L4/L5ヘルニアの可能性が高いです。早期受診で重症化を防げます。
Q3. 手術せずに治る確率は?
L4/L5ヘルニア患者の約9割は保存療法で改善します。手術が必要なのは馬尾症候群や進行性麻痺など限定的なケース。
Q4. 完治までどれくらいかかる?
急性期の激痛は2〜4週間で軽減、完全改善には3〜6ヶ月。再発予防のドローインは生涯継続を推奨。
Q5. やってはいけないストレッチは?
立位前屈・座位前屈・うつ伏せでの腰反らし・強いひねり。これらは椎間板への圧力を急増させ悪化リスク。
Q6. シンセルクリニックではどんな治療ができますか?
整形外科医による診察・MRI評価、薬物療法、リハビリ指導、幹細胞治療(再生医療)まで対応。無料カウンセリングでご相談ください。
まとめ|L4/L5ヘルニアと向き合う5つのポイント
L4/L5は腰椎ヘルニアの約50%を占める最頻発部位
特有症状:足の親指のしびれ・足首を上げにくい・お尻〜外側〜足背の痛み
診断:SLRテスト・足背屈テスト・MRIで確定
大半は3〜6ヶ月の保存療法で改善(自然吸収)
有効なストレッチ:仰向けの膝抱え・腰ひねり・お尻ストレッチ
絶対NG:立位前屈・座位前屈・うつ伏せ腰反らし
緊急手術サイン:馬尾症候群(排尿排便障害・会陰部感覚異常)
仕事復帰は職種により2週間〜3ヶ月
再発予防:ドローイン・体重管理・禁煙を生涯継続
保存療法で限界の方には再生医療(幹細胞治療)という選択肢も
L4/L5ヘルニアは腰椎ヘルニアの中で最も多い部位ですが、適切な診断と治療で多くの方が改善されています。「親指のしびれ」「足首を上げにくい」というサインに気づいたら、自己判断せず早めに整形外科を受診してください。保存療法で改善しない場合は、再生医療を含む次の選択肢も検討する価値があります。
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関連コラム
参考文献
Chiu CC, Chuang TY, Chang KH, et al. The probability of spontaneous regression of lumbar herniated disc: a systematic review. Clin Rehabil. 2015;29(2):184-195.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25009200/Vialle LR, Vialle EN, Suárez Henao JE, Giraldo G. Lumbar disc herniation. Rev Bras Ortop. 2015;45(1):17-22.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27047834/Weinstein JN, Lurie JD, Tosteson TD, et al. Surgical vs nonoperative treatment for lumbar disk herniation: the Spine Patient Outcomes Research Trial (SPORT). JAMA. 2006;296(20):2441-2450.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17119140/Saal JA, Saal JS. Nonoperative treatment of herniated lumbar intervertebral disc with radiculopathy. An outcome study. Spine. 1989;14(4):431-437.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2718047/Gardner A, Gardner E, Morley T. Cauda equina syndrome: a review of the current clinical and medico-legal position. Eur Spine J. 2011;20(5):690-697.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21193933/日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン(改訂第3版)」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_disc_herniation.html
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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