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後縦靭帯骨化症とは?初期症状から新しい治療まで整形外科医が徹底解説

2025.08.23

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

「ただの肩こり」と軽く考えていた首の痛みや、なかなか治らない手のしびれ。その症状、もしかしたら背骨の靭帯が骨のように硬くなり神経を圧迫する「後縦靭帯骨化症」のサインかもしれません。放置すれば、最悪の場合、歩行困難に至る可能性もあるのです。

実はこの病気、日本人では国民全体の2〜5%が罹患していると言われ、決して珍しいものではありません。欧米人より発症頻度が高いことも特徴で、国の指定難病にも定められている、正しく向き合うべき病気なのです。

この記事では、ご自身の症状がどの段階にあるのかを確かめるチェックリストから、手術、そして「再生医療」という新しい選択肢まで、整形外科医が専門家の視点で徹底解説します。不安を解消し、今後の治療法を見つけるための一助としてお役立てください。

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後縦靭帯骨化症とは?症状・原因・診断の3つのポイント

「最近、首の痛みだけでなく、手のしびれも気になる…」

「ただの肩こりだと思っていたけど、症状がひどくなってきた…」

このような不安を抱えて来られる方が非常に多くいらっしゃいます。

後縦靭帯骨化症は、背骨の神経の通り道にある後縦靭帯という組織が骨のように硬くなり、神経を圧迫してしまう病気です。

実は、この病気は私たち日本人では国民全体の2〜5%の方が罹患していると言われ、欧米人に比べて明らかに高頻度で発生することが知られています。

国の指定難病(指定難病69)にも定められていますが、病気を正しく理解し、ご自身の状態に合った対応をしていくことが大切です。 ここでは、症状、原因、そして診断という3つのポイントから、この病気について紐解いていきます。

首の痛みや手足のしびれ?進行度によって変わる症状一覧

私が整形外科医として多くの患者さんを診てきた経験上、後縦靭帯骨化症の症状の出方は本当に人それぞれです。 最初は「なんとなく首がこる」「指先が少しジンジンする」といった軽い症状で、疲れや年齢のせいだと思って見過ごされがちです。

しかし、病気が進行すると、生活に支障をきたす様々な症状が現れてきます。 ご自身の状態を把握するために、以下のリストを確認してみてください。

症状の進行度チェックリスト

進行度

主な症状の例

初期

・首や肩甲骨まわりの痛み、こり
・手や腕のしびれ、痛み
・首が動かしにくい

中期

・手先の細かい作業がしにくい
 (箸が使いにくい、ボタンがかけられない、ページをめくりにくいなど)
・足がしびれる、足がもつれて歩きにくい
・しびれや痛みの範囲が広がる

後期

・立ったり歩いたりするのが難しい
・尿や便が出にくくなる、または漏らしてしまう(膀胱直腸障害)
・杖や車いすが必要になる

特に注意が必要なのは、転んだり頭をぶつけたりといった些細なきっかけで、症状が急激に悪化することです。 「先日転んでから、急に手足が動かしにくくなったんです」と慌てて来院されるケースも少なくありません。 箸が使いにくくなるなどの「巧緻運動障害」は、病気がかなり進行しているサインの可能性があります。

遺伝や糖尿病との関連性|後縦靭帯骨化症の主な原因

「先生、なぜ私がこの病気になってしまったのでしょうか?」という質問をよく受けます。 この病気の難しい点は、靭帯がなぜ骨のように硬くなってしまうのか、その明確な原因がまだ完全にはわかっていないことです。

しかし、これまでの研究から、いくつかの要因が関わっている可能性が指摘されています。 一つの原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

関連が指摘されている主な要因

  • 遺伝的な要因

    ご家族に同じ病気の方がいる場合、発症しやすい傾向があることが知られています。

  • 生活習慣病

    糖尿病や肥満との関連性が指摘されています。実際に、私のクリニックに来られる患者さんの中にも、長年糖尿病の治療をされている方は少なくありません。

  • 代謝の異常

    カルシウムやビタミンDなど、骨の代謝に関わる物質の異常が影響している可能性も考えられています。

  • その他の要因

    加齢や、首への継続的な負担(局所ストレス)なども関係していると言われています。

原因がはっきりしないことで不安に思われるかもしれませんが、ご自身の体の状態を知ることが、今後の対策を考える上での第一歩となります。

レントゲン・CT・MRI検査でわかることと確定診断までの流れ

「症状はあるのに、どの病院へ行ってもはっきり診断がつかない」と、不安な日々を過ごされている方もいらっしゃるかもしれません。 後縦靭帯骨化症を正確に診断するためには、画像検査が非常に重要になります。

他の病気の診断を受けていた患者さんが、改めて画像検査を行った結果、後縦靭帯骨化症であることが判明するケースもあります。

シンセルクリニックでは、まず患者さんのお話をじっくり伺い、神経の状態を丁寧に診察した上で、必要な検査をご提案しています。

主な画像検査とわかること

検査の種類

わかること

レントゲン検査

骨の状態をみる基本的な検査です。靭帯が骨化しているかどうかを大まかに確認できます。

CT検査

レントゲンよりも詳細に骨の状態を立体的にみることができます。骨化の範囲や大きさを正確に把握するのに優れています。

MRI検査

神経(脊髄)の状態を詳しくみるために不可欠な検査です。骨化した靭帯によって、神経がどの程度圧迫されているかを鮮明に映し出します。

確定診断までの一般的な流れ

  1. 問診・診察

    いつからどのような症状があるか、生活で困っていることなどを詳しくお伺いします。その後、手足の感覚や力の入り具合などを確認する神経学的診察を行います。

  2. 画像検査の実施

    まずはレントゲン検査を行い、骨化の疑いがあれば、CT検査やMRI検査でさらに詳しく調べます。

  3. 総合的な判断と診断

    診察結果と複数の画像検査の結果を総合的に分析し、後縦靭帯骨化症であるかどうかの確定診断を下します。

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後縦靭帯骨化症の治療と今後の生活

「後縦靭帯骨化症です」と診断された後、患者さんの多くが「これから自分の体はどうなってしまうのだろう」「手術を受けなければいけないのか」と、深い不安を抱えて私の診察室にいらっしゃいます。整形外科医として長年、多くの患者さんと向き合ってきましたが、この病気がもたらす将来への不安は計り知れないものがあると痛感しています。

しかし、治療の選択肢は一つではありません。この病気は国の指定難病であり、公的な支援を受けながら、ご自身の生活の質を大切にした治療計画を立てることが可能です。今後の生活を見据え、一緒に最善の道を探していきましょう。

保存療法|薬物療法と症状悪化を防ぐ日常生活の注意点

「できれば手術はしたくない。まずは他の方法で様子を見たい」

診察室で、ほとんどの患者さんがそうおっしゃいます。そのお気持ちは当然のことです。症状が比較的軽い場合は、まず手術以外の方法で症状の悪化を防ぎ、今ある痛みを和らげる「保存療法」から始めます。

具体的には、痛みや炎症を抑えるお薬を使ったり、頚椎カラーという装具で首を安静に保ったりします。ただし、これらはあくまで症状を和らげるための対症療法です。骨化そのものをなくす治療ではないことを理解しておく必要があります。

治療以上に大切なのが、症状を悪化させないための日常生活での工夫です。私が診察で必ずお伝えしている注意点は以下の通りです。

日常生活で特に気をつけていただきたいこと

転倒を徹底的に防ぐ 

些細な転倒が、麻痺の急激な悪化につながることがあります。 特にご高齢の方は注意が必要です。 手すりの設置や段差の解消、滑りにくい履物を選ぶなど、住環境を見直しましょう。 私もラグビーをしていた経験から、首への衝撃がいかに危険か身をもって知っています。ご自身の体を守ることを最優先に考えてください。

首を過度に反らさない  

うがい、美容院での洗髪、歯科治療など、首を後ろに大きく反らす姿勢は危険です。  

神経を圧迫し、症状を悪化させる可能性があります。 心当たりのある場面では、事前にスタッフの方に病気のことを伝えて配慮してもらいましょう。

自己判断でマッサージなどを受けない 

肩こりが辛いからと、整体やカイロプラクティックを受けるのは非常に危険です。  

首に強い力を加える施術は、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。 施術を受けたい場合は、必ず主治医に相談してください。

手術はいつ必要?前方・後方除圧術のメリット・デメリットと成功率

保存療法を続けても症状が進行し、日常生活に支障が出てきた場合には、手術を検討することになります。診察室で「先生、手術はいつ決断すればいいのでしょうか?」というご質問は後を絶ちません。一つの目安として、以下のような症状が現れた時が挙げられます。

  • 手を使った細かい作業が難しくなった時(例:お箸がうまく使えない、シャツのボタンが留められない)

  • 歩行が不安定になった時(例:足がもつれる、階段の上り下りが怖い)

  • 排尿や排便のコントロールが難しくなった時

手術には、首の前からアプローチする「前方除圧固定術」と、後ろからアプローチする「後方除圧術(脊柱管拡大術)」があります。どちらを選ぶかは、骨化の範囲や場所によって決まります。

手術方法

どのような場合に選ばれるか

メリットとデメリット

前方除圧固定術

骨化の範囲が1〜2箇所と比較的狭い場合

メリット:
圧迫の原因である骨化を直接取り除くことができます。
デメリット:
食道や気管の近くを通るため、後方法に比べて合併症のリスクがやや高い。

後方除圧術

骨化が広範囲に及んでいる場合

メリット:
比較的安全性が高いとされています。
デメリット:
骨化そのものは残したまま神経の通り道を広げるため、首の後ろの筋肉に負担がかかることがあります。

「手術の成功」という言葉は、症状が完全にゼロになることではありません。手術の最大の目的は、「現在の症状の進行を食い止め、今以上の悪化を防ぐこと」です。症状の改善度合いには個人差があり、術後には数ヶ月にわたるリハビリテーションが必要になることも少なくありません。

寿命への影響は?寝たきりリスクを減らし生活の質を保つ方法

患者さんから最も切実な質問として

「この病気になると、寿命は縮まるのでしょうか?」

「将来、寝たきりになってしまうのでしょうか?」

と尋ねられることがあります。まずお伝えしたいのは、後縦靭帯骨化症そのものが直接的に寿命を縮めることはないということです。

しかし、症状が進行して重度の麻痺が起こり、寝たきりの状態になってしまうリスクはゼロではありません。特に、脊髄が通る管(脊柱管)が骨化によって60%以上狭くなると、脊髄の機能障害が現れやすいという報告もあります。

大切なのは、寝たきりのリスクを正しく理解し、それを減らすための対策を講じることです。

転倒・外傷を避ける生活を徹底する  

これが最も重要です。頭をぶつけたり、尻もちをついたりといった少しの衝撃で、四肢麻痺に至る危険性があります。

症状の変化を見逃さない  

「以前よりしびれの範囲が広がった」「歩くのが少し遅くなった」など、小さな変化に気づいたら、放置せずに主治医に相談してください。定期的な画像検査で骨化の進行具合を確認することも重要です。

適切なタイミングで治療を受ける  

症状を我慢しすぎると、脊髄そのものが回復できないほどのダメージを受けてしまうことがあります。医師とよく相談し、ご自身にとって最適な治療を選択することが、生活の質を保つ鍵となります。

新しい選択肢 幹細胞など最先端の再生医療とは?

整形外科医として手術に明け暮れていた頃、術後の長いリハビリに苦しむ患者さんや、手術をしても完全には良くならない患者さんを前に、無力感を覚えることがありました。

「手術以外に、もっと身体に負担の少ない選択肢はないのだろうか」。その思いが、私を再生医療の道へと導きました。

再生医療、特にご自身の脂肪から採取した幹細胞を用いる治療は、後縦靭帯骨化症の新しい選択肢となり得ます。この治療は、幹細胞が持つ「傷ついた組織の炎症を抑え、修復を促す力」を利用するものです。

注射によって幹細胞を体内に投与することで、圧迫されて傷ついた神経の周りの環境を整え、痛みやしびれといった症状の緩和を目指します。手術のようにメスを入れる必要がなく、ご自身の細胞を使うため身体への負担が少ないのが大きな特徴です。

実際に当院の再生医療を受けられた患者さんの中には、「杖がないと怖くて歩けなかったのに、今では散歩が日課になりました」と笑顔で報告してくださる方もいらっしゃいます。もちろん、すべての方に同じ効果が現れるわけではありませんが、手術しか道がないと言われた方にとって、希望の光となる可能性があります。

関節や慢性的な痛みの治療で選択肢がなくお困りの方は、ぜひ一度シンセルクリニックにご相談ください。あなたの未来のために、私たちが全力でサポートします。

再生医療とは

治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。今までの治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。

そのため、日常生活においても負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。

実際に再生医療を受けた患者様の【インタビュー動画】をご紹介します。

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よくあるQ&A

診察室では、患者さんから様々なご質問をいただきます。ここでは、特に多く寄せられる3つの質問について、私の整形外科医としての経験も交えながらお答えします。

Q1. 将来、寝たきりになってしまうのでしょうか?寿命も心配です。

「先生、このまま歩けなくなってしまうのでしょうか」と、涙ながらにご相談される方は少なくありません。そのお気持ちは痛いほどわかります。

まず知っていただきたいのは、この病気そのものが直接的に寿命を縮めることはないということです。しかし、症状の進行により寝たきりになってしまうリスクは、残念ながらゼロではありません。

私が最も恐れているのは、転倒などのささいな怪我です。以前勤めていた病院で、自宅で少しつまずいただけなのに、翌日から手足のしびれが急激に強くなり、歩けなくなってしまった患者さんを診たことがあります。

骨化した靭帯は、神経のすぐそばにある硬い突起のようなものです。転倒などの衝撃で、この突起が神経(脊髄)を強く傷つけてしまうのです。特に、脊髄が通る管が骨化によって60%以上狭くなると、脊髄の機能障害が現れやすいという報告もあります。だからこそ、日常生活での転倒予防が何よりも重要になります。

Q2. 肩こりがつらいのですが、マッサージや整体に行っても大丈夫ですか?

「このつらい肩こりだけでも、どうにかならないか」というお気持ちは、本当によくわかります。しかし、自己判断でマッサージや整体、カイロプラクティックなどを受けることは、症状を悪化させる危険があるため、絶対に避けてください。

首を強く揉んだり、急にひねったりするような施術は、骨化した靭帯が脊髄をさらに圧迫する原因になりかねません。良かれと思って受けた施術で、かえって麻痺が進行してしまったというケースも実際にあります。

つらい症状がある場合は、まずかかりつけの医師に相談し、神経症状に影響のない安全な治療法を選択することが大切です。

Q3. 手術は怖いのですが、他に治療法はないのでしょうか?

「手術はなるべく避けたい」というお気持ちは、非常によくわかります。私も整形外科医として手術に明け暮れていた頃は、保存療法で改善しない場合、手術が主な選択肢でした。

しかし、近年では「再生医療」という新しい選択肢も出てきています。当院で行っているのは、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を用いる治療法です。この幹細胞が持つ、炎症を抑える働きや、傷ついた組織の修復を促す力を利用して、神経症状の改善を目指します。

手術のようにメスを入れる必要がなく、ご自身の細胞を使うため体への負担が少ないのが特徴です。手術に踏み切る前に、ご自身の細胞を使った体に負担の少ない治療を検討してみたいという方は、ぜひ一度ご相談ください。

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