Column
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2026.02.02
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
「人工股関節にしたら、一生正座ができなくなる?」
「ふとした拍子に脱臼するって本当?」
その不安は、残念ながら現実です。 人工関節は痛みを劇的に改善しますが、その代償として「一生やってはいけない動き(禁忌肢位)」という制限を背負うことになります。
この記事では、手術前に知っておくべき「脱臼リスク」と「生活制限」の真実、そして正座もあぐらも自由なまま治す「再生医療」という選択肢について、整形外科医が包み隠さず解説します。
一生続く「脱臼の不安」と「生活制限」、本当に受け入れられますか? 正座もあぐらも諦めない。手術なしで治す「再生医療」という選択肢。



人工股関節の手術を受けた後、患者様が最も恐れるトラブル。
それが「脱臼(だっきゅう)」です。
「せっかく手術したのに外れることがあるの?」と驚かれるかもしれませんが、これは人工関節という構造上、避けては通れないリスクの一つです。

本来、人間の股関節は、骨盤の深い受け皿(寛骨臼)に大腿骨の頭(骨頭)がしっかりとはまり込み、その周囲を強力な関節包や靭帯、筋肉が何重にも覆って守っています。そのため、交通事故のような強い衝撃がない限り、めったなことでは外れません。
しかし、人工股関節の手術では、患部を開くためにこれらの靭帯や筋肉の一部を切開・切除する必要があります。また、人工のボール(骨頭)とカップ(受け皿)は、人間の生体組織のように柔軟に対応することができません。 そのため、ある特定の角度に足が深く曲がったり、捻じれたりした瞬間に、テコの原理が働いて、人工のボールが受け皿から「コロン」と外れてしまうのです。
これが、人工股関節の脱臼です。

一度脱臼すると、股関節が外れて足の位置がずれるため、言葉にできないほどの激痛が走ります。当然、自力で立つことも歩くこともできなくなります。 その場で救急車を呼び、整形外科のある病院へ搬送されなければなりません。
治療には、麻酔をかけて筋肉を弛緩させ、医師が徒手整復(手で関節をはめ直すこと)を行いますが、それでも戻らない場合は緊急手術が必要になります。 さらに恐ろしいのは、一度脱臼すると周囲の組織が緩んでしまい、「脱臼癖(反復性脱臼)」がついてしまうことです。こうなると、日常生活のちょっとした動作でも外れるようになり、再置換術(人工関節を入れ替える大きな手術)を余儀なくされるケースもあります。

「手術して時間が経てば大丈夫でしょう?」
そう思われる方も多いですが、残念ながらそうではありません。 確かに、術後数ヶ月間は筋肉が回復していないため最もリスクが高い時期ですが、数年、数十年経てばリスクがゼロになるわけではありません。人工関節が体内にある限り、脱臼のリスクは一生つきまといます。
「10年前に手術をしたけれど、道でつまずいて転んだ拍子に外れてしまった」
「認知症が進んで、やってはいけない姿勢をとってしまい脱臼した」
このようなケースは珍しくありません。つまり、人工股関節の手術を受けたその日から、あなたは常に「股関節が外れないように」気をつけて生活しなければならないのです。
では、脱臼を防ぐために、具体的にどのような動きをしてはいけないのでしょうか? 人工股関節には、構造上弱点となる角度があります。これを医学的に「禁忌肢位(きんきしい)」と呼びます。
近年は手術手技の進歩(前方アプローチなど)により、昔ほど厳格な制限を設けない病院も増えていますが、それでも「絶対に安全」という角度はありません。多くの医師が、以下の動作を避けるよう指導しています。

股関節を90度以上、深く曲げる動作は、脱臼の最大の原因です。
和式トイレの使用:
しゃがみ込むと股関節が鋭角に曲がり、人工関節が後ろへ脱臼しやすくなります。外出先では必ず洋式トイレを探さなければなりません。古い観光地や公衆トイレなど、洋式がない場所では非常に困ることになります。
草むしり・庭いじり:
夢中になってしゃがみ込んで作業をしていると、ふとした瞬間に脱臼するリスクがあります。
床のものを拾う:
立ったまま前かがみになって床の重いものを拾う動作も、股関節に強い負荷がかかります。マジックハンドを使うなどの工夫が必要です。

椅子に座っているとき、無意識に足を組んでいませんか? 人工股関節において「足を組む」動作は、骨頭がカップから外れる方向に力がかかるため、非常に危険です。
横座り(お姉さん座り):
床で横座りをすると、股関節がねじれます。これも脱臼を誘発する危険な姿勢です。
寝返り:
就寝中、無意識に横向きになり、上になった足が前に倒れて「内股」の状態になると脱臼することがあります。これを防ぐために、術後しばらくは足の間に枕やクッションを挟んで寝る必要があります。

おしゃれなカフェの低いソファや、座面の低い椅子は要注意です。 座るとき、あるいは立ち上がる瞬間に、股関節が深く曲がりすぎてしまいます。 自宅のトイレやお風呂の椅子も、座面が高くなるように補高便座を使ったり、介護用の高い椅子に買い替えたりするなどの「環境調整(リフォーム)」が必要になることが一般的です。

「手術をして痛みが取れたら、またスポーツがしたい」と願う方は多いでしょう。 しかし、人工関節はあくまで人工物です。
・コンタクトスポーツ:
サッカー、ラグビー、バスケットボール、柔道など、人と接触したり転倒のリスクがあるスポーツは原則禁止です。
・衝撃の強い運動:
ランニング、マラソン、ジャンプを伴うエアロビクスなどは、人工関節と骨の結合部分に強い衝撃を与え、インプラントの「ゆるみ」や「破損」の原因になります。
「散歩や水泳、ゴルフ程度ならOK」とされることが多いですが、以前と同じように全力でスポーツを楽しむことは難しくなるのが現実です。

これが、日本人にとって最も辛い制限かもしれません。 畳の上で正座をする、こたつであぐらをかく。こうした日本古来の生活様式は、股関節を深く曲げ、ねじる動作の連続です。
機種や手術方法によっては「可能」とされる場合もありますが、多くの医師は「脱臼のリスクを避けるために、原則として椅子とベッドの生活(洋式生活)に切り替えてください」と指導します。 法事やお茶席、あるいは孫と床で遊ぶとき。「正座ができない」という事実は、想像以上に生活の質(QOL)を低下させます。
一生続く「脱臼の不安」と「生活制限」、本当に受け入れられますか? 正座もあぐらも諦めない。手術なしで治す「再生医療」という選択肢。




ここまで、身体的な制限についてお話ししてきましたが、実はそれ以上に患者様を苦しめるのが「精神的なストレス」です。
手術は成功し、痛みは消えた。レントゲン写真も綺麗に入っている。 それでも、心のどこかで常に「今、外れたらどうしよう」という不安が消えないのです。
「一人暮らしで、誰もいない家で脱臼したら…と思うと怖くてお風呂に入れない」
「旅行に行きたいけれど、旅先で脱臼して現地の病院に運ばれるのが怖い」
「孫を抱っこしてあげたいけれど、重みで関節がおかしくなりそうで拒否してしまった」
このように、痛みは取れても「行動の自由」や「心の平穏」が奪われてしまっては、本当の意味で「治った」とは言えないのではないでしょうか。 人工関節は素晴らしい技術ですが、それは「最終手段」です。一度入れてしまえば、元の自分の骨に戻すことは二度とできません。
だからこそ、手術を決断する前に、知っていただきたい「もう一つの選択肢」があります。
「手術は怖い。でも、このまま痛みを我慢するのも限界…」 そんな、手術と保存療法(薬やリハビリ)の間で悩む方のためにあるのが、シンセルクリニックが専門とする「再生医療(幹細胞治療)」です。
答えはシンプルです。 再生医療は、人工物を入れるのではなく、「あなた自身の関節を修復して使う」治療だからです。
ご自身のお腹の脂肪から採取した「幹細胞(かんさいぼう)」を培養し、股関節に注射で戻します。幹細胞には、炎症を抑え、傷ついた組織を修復する能力があります。 骨を切ったり、靭帯を剥がしたり、人工物を埋め込んだりすることは一切ありません。 関節の構造そのものが変わらないため、物理的に「脱臼する」というリスクが存在しないのです。
再生医療で痛みが改善すれば、生活の制限は一切ありません。
正座もあぐらもOK: 畳の生活を変える必要はありません。
和式トイレもOK: 外出先でトイレを選ばなくて済みます。
スポーツも制限なし: ヨガ、ゴルフ、登山、さらにはマラソンまで。ご自身の筋力が許す限り、どのような運動も楽しめます。
寝相も自由: 足に枕を挟んで寝る必要はありません。好きな体勢で熟睡できます。
「痛みを取る」ことだけがゴールではありません。 「痛みを取って、手術前と同じように自由に動ける人生を取り戻す」。 それが、再生医療の目指すゴールです。
「私はもう軟骨がすり減っているから、再生医療は無理だと言われた」 そう諦めている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、当院では変形性股関節症の進行期や末期の方でも、再生医療によって痛みが劇的に改善し、手術を回避できた症例が数多くあります。
当院で治療を受けた方のドキュメンタリー

もちろん、骨の変形が極端に激しい場合など、手術の方が適しているケースもあります。 しかし、「脱臼のリスク」と「生活の制限」を一生背負う覚悟を決める前に、一度「自分の細胞で治す可能性」にかけてみる価値はあるはずです。
人工関節の手術をすれば、痛みは消えるかもしれません。
しかし、その代償として「脱臼の恐怖」と「生活の制限」を一生背負うことになります。
📺 医師による解説動画
| 項目 | 人工関節手術 | 再生医療 |
|---|---|---|
| 脱臼リスク | あり (一生注意が必要) |
なし (構造が変わらない) |
| 正座・あぐら | 原則NG (脱臼の危険性) |
自由 (制限なし) |
| 入院・リハビリ | 2週間〜 | 日帰り |
人工股関節の手術は、一度行えば後戻りできません。 「やっぱり正座がしたいから、人工関節を外して元の骨に戻して」ということは不可能なのです。
これからの人生、10年、20年と続いていく毎日を、 「脱臼しないように」とビクビクしながら過ごすのか。 それとも、自分の関節で、何の制限もなく自由に動き回って過ごすのか。
もし、あなたが「今の生活スタイルを変えたくない」「スポーツや趣味を諦めたくない」と強く願うなら、再生医療はあなたの希望になるかもしれません。
シンセルクリニックでは、整形外科医としての豊富な経験を持つ院長が、あなたの股関節の状態を詳しく診断し、手術のリスクと再生医療の可能性について、医学的な立場から公平にアドバイスいたします。
まずは一度、ご相談ください。 その一歩が、あなたの「思うままに動ける人生」を守るための大きな一歩になります。
参考文献
Dargel J, et al. "Dislocation following total hip replacement: a systematic review." Deutsches Ärzteblatt International 111, no. 51-52 (2014): 884–890.
Migliorini F, et al. "Autologous mesenchymal stem cells for the management of hip osteoarthritis: a systematic review of the literature." Journal of Orthopaedic Surgery and Research 18, no. 1 (2023): 372.
Pak J, Lee JH, Lee SH. "Regenerative repair of damaged articular cartilage with autologous adipose tissue-derived mesenchymal stem cells." BioMed Research International 2013 (2013): 1-9.
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