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【医師解説】変形性股関節症の杖の選び方と正しい使い方|痛みを和らげる歩き方

2026.02.20

「歩くたびに股関節が痛いけれど、杖を使うのは年齢的にまだ早い気がして…」

「杖を使ったら、足腰が余計に弱ってしまうのではないか」

変形性股関節症と診断された患者様の多くが、このように「杖への抵抗感」を口にされます。

しかし、痛みを我慢して歩き続けた結果、症状を悪化させてしまい、「もっと早くから杖を使っていればよかった」と後悔される方が非常に多いのも事実です。

こんにちは。関節治療に特化した「シンセルクリニック」総院長の武内晋司郎です。

杖は、正しく使えば股関節にかかる負担を最大で体重の1つ分(数十キロ)も減らしてくれる、強い味方です。 この記事では、現役整形外科医の視点から、変形性股関節症の進行を防ぐための「最適な杖の選び方」と、痛みを和らげる「正しい使い方」について、図解を交えながら分かりやすく解説します。

なぜ「杖」が必要?変形性股関節症に杖を使う4つの絶大なメリット

股関節は、歩く・立つといった日常のあらゆる動作で、体重の何倍もの負担がかかる関節です。変形性股関節症によって軟骨がすり減っている状態で歩き続けると、骨同士がぶつかり合い、あっという間に変形が進行してしまいます。 杖を使うことには、見た目の抵抗感をはるかに上回るメリットがあります。

① 股関節にかかる負担(体重)を劇的に分散する

杖を使う最大の目的です。痛い足にかかる体重の一部を杖と腕の力に逃がすことで、股関節への「押し潰すような圧力」を大幅に軽減します。重い荷物を2人で持つと軽くなるのと同じ原理です。

② 痛みをかばう「悪い歩き方」をリセットする

股関節が痛いと、無意識に体を傾けて歩いてしまいます。これを「跛行(はこう:足を引きずる歩き方)」と呼びます。この悪い歩き方を続けると、腰や反対側の膝にまで負担がかかり、新たな痛みを引き起こします。杖を使うことで姿勢が起き上がり、正しい歩行バランスを取り戻すことができます。

③ 転倒を防ぎ、骨折から命を守る

股関節の痛みが長引くと、周囲の筋力が落ち、すり足になりがちです。ちょっとした段差でのつまずきが「大腿骨頸部骨折」などの大ケガに繋がり、寝たきりになってしまうリスクがあります。杖という「3本目の足」があることで、支持基盤が広がり、転倒のリスクを強力に防ぎます。

④ 「痛くて歩けない」から「安心して歩ける」へ

杖を使うことで歩行時の痛みが減れば、「少し遠くまで買い物に行こう」「お散歩をしよう」という意欲が湧いてきます。適度な歩行は股関節周りの筋力を維持し、変形の進行を遅らせるために非常に重要です。

2. 【医師が推奨】変形性股関節症に最適な杖の選び方

杖には様々な種類があります。ご自身の症状の重さや、生活スタイルに合わせて最適なものを選びましょう。

杖の種類:代表的な3タイプ

① T字杖(一般的な一本杖) ドラッグストアなどでもよく見かける、アルファベットの「T」の形をした杖です。

  • 特徴: 軽量で安価。折りたたみ式やおしゃれなデザインが豊富。

  • 向いている方: 症状が比較的軽く、歩き始めや長距離を歩く時だけサポートが欲しい方。「まずは杖に慣れたい」という方におすすめです。

  • 注意点: 腕の力が弱いと、体重をしっかりかけられません。

② ロフストランド杖(前腕支持杖) T字の持ち手の上部に、腕(前腕)を通すリング(カフ)が付いている杖です。

  • 特徴: 握力だけでなく、腕全体で体重を支えられるため、T字杖よりも安定感が抜群に高いです。

  • 向いている方: 痛みが強く、杖にしっかりと体重を預けたい方。握力が落ちている方や、長距離を安定して歩きたい方に非常に適しています。整形外科でもよく処方されます。

③ 多脚杖(3点・4点杖) 杖の先端が3つ、または4つに分かれており、地面を広く捉える杖です。

  • 特徴: 杖から手を離しても自立するほどの圧倒的な安定感があります。

  • 向いている方: 足腰の筋力が著しく低下している方、片麻痺がある方。

  • 注意点: 重くてかさばるため、屋外のでこぼこ道や階段では逆に使いにくく、主に室内や平坦なリハビリ施設での使用に向いています。

杖の「適切な長さ」の計算方法

杖は長すぎても短すぎても、肩や腰に負担をかけ、股関節の痛みを悪化させます。

【基本の計算式】

身長 ÷ 2 + (2〜3cm) 例:身長160cmの方の場合、(160 ÷ 2)+ 2〜3cm = 82〜83cm が目安です。

【正しい合わせ方(必ず靴を履いて行う)】

  1. 普段よく履く靴を履いて、まっすぐ立ちます。

  2. 足の小指から外側に15cm、前に15cmの位置に杖の先を突きます。

  3. 杖を握った時、「肘が軽く曲がる(約30度)」「杖の持ち手が脚の付け根(大転子:太ももの外側の出っ張った骨)の高さにくる」状態がベストです。

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3. 【重要】絶対に間違えてはいけない「杖の正しい使い方」

杖を買って満足してはいけません。使い方が間違っていると、かえって痛みを悪化させてしまいます。診察室で最も多く見かける「間違った使い方」を正していきましょう。

① 杖を持つ位置:必ず「痛い足と反対側の手」に持つ

【これはNG!】

右の股関節が痛いから、右手に杖を持つ。 これは患者様が最もよくやってしまう間違いですが、絶対に避けてください。痛い足と同じ側の手で杖をつくと、体重が痛い足側に偏ってしまい、股関節への負担が全く減りません。

【正解】

右の股関節が痛いなら、杖は「左手」に持つ。 人間の体は、右足を前に出した時、無意識に左手を前に振ってバランスを取ります。右足が痛い時に左手に杖を持ち、右足と杖を同時に地面につくことで、左腕の力で体重を支えることができ、右股関節への負担を劇的に減らすことができます。(※両足が痛い場合は、より痛みが強い足の反対側の手に持ちます)

② 平地の歩き方:「杖と痛い足」を一緒に出す

歩く時は、以下の「2動作」または「3動作」のリズムで行います。

【基本の歩き方(2動作歩行)】

  1. 「杖」と「痛い方の足」を同時に前に出します。

  2. 杖に体重を預けながら、「痛くない方の足」を前に出します。 これを繰り返します。常に「痛い足を守る」ことを意識してください。

③ 階段の上り下り:「行きはよいよい、帰りはこわい」

階段は平地よりも転倒リスクが高く、股関節への負担も大きいため、必ず手すりを併用してください。合言葉は「上る時は良い足から、下りる時は痛い足から(あるいは杖から)」です。

【階段を上る時】

  1. まず、「痛くない方の足(健康な足)」を上の段に乗せます。

  2. 次に、「杖」と「痛い方の足」を同じ段に引き上げます。 (健康な足の筋力を使って、体全体を引っ張り上げるイメージです)

【階段を下りる時】

  1. まず、「杖」と「痛い方の足」を下の段に下ろします。

  2. 杖にしっかりと体重を預けて支えながら、「痛くない方の足」を同じ段に下ろします。 (痛い足で体重を支えるのを避けるため、杖に頼ります)

4. 「杖を手放したい」手術を避けたい方への第3の選択肢

「杖を使えば楽になるのは分かったけれど、一生杖をついて歩くのは嫌だ」 「これ以上変形が進んだら、人工関節の手術しかないと言われて不安だ」

杖は股関節を守る大切な道具ですが、すり減った軟骨を元に戻すわけではありません。痛みが強くなり、杖を使っても歩行が困難になってきた場合、これまでは「人工股関節置換術」という大掛かりな手術を受けるしか選択肢がありませんでした。

しかし現在、長期間の入院や手術を回避し、ご自身の股関節を温存するための新しい治療法として、当院では「再生医療」をご提案しています。

再生医療(幹細胞治療)とは?

ご自身の腹部の脂肪から採取した「幹細胞」を培養して増やし、傷んだ股関節内に直接注射する最先端の治療です。

再生医療に期待される効果

1. 強力な抗炎症作用で痛みを鎮める 関節内で長年くすぶり続けている激しい「炎症」を、ご自身の細胞の力で強力に鎮静化させます。炎症が落ち着くことで、杖をつくほどの痛みが大幅に軽減されることが期待できます。

2. 組織の修復と進行の予防 投与された幹細胞が傷ついた組織の修復を促し、軟骨がこれ以上すり減るのを防ぐ環境を整えます。「人工関節の手術を遅らせる、あるいは回避する」ための有効な手段として注目されています。

入院不要、日帰りで治療が可能

人工関節の手術のように骨を切ったり金属を入れたりしないため、体への負担が極めて少ないのが特徴です。日帰りで治療が完了するため、お仕事を長期間休めない方や、ご高齢で手術のリスクが高い方にも適しています。

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[▷ 【動画】「手術しかない」と言われた股関節の痛みが改善。再生医療の体験談]

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5. まとめ:杖は股関節を守る「相棒」。前向きに活用を

変形性股関節症において、杖を使うことは決して「負け」や「老い」の象徴ではありません。ご自身の股関節をこれ以上の破壊から守り、安全に、そして痛みを少なく歩き続けるための「賢い選択」です。

まずはご自身に合った適切な長さの杖を選び、「痛い足と反対の手に持つ」という基本ルールを徹底して、快適な歩行を取り戻してください。

そして、「杖を使っても痛い」「どうしても手術は避けたい」と悩まれている方は、痛みを我慢して手遅れになる前に、当院の「再生医療」を検討してみてはいかがでしょうか。

「自分と同じ股関節の痛みが治った人はいる?」 「再生医療の費用はどれくらい?」 「まずは自分の股関節の状態を詳しく知りたい」

当院の治療実績や料金、初診のご予約については、下記よりご確認ください。


▼シンセルクリニックの症例実績を見る
https://sincellclinic.com/case

▼再生医療の料金表を見る https://sincellclinic.com/price

▼MRI即日診断・はじめてのご来院予約はこちら https://sincellclinic.com/contact

記事監修医師
シンセルクリニック
院長 武内晋司郎

参考文献

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

医師プロフィールはこちら

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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