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【整形外科医が解説】肩腱板断裂の手術で後悔したくない人へ。再断裂のリスクと「切らない」治療の選択肢
まずは動画でチェック!【肩腱板断裂の手術について】
▶ 6分21秒・字幕付き|腱板の再断裂が起こる原因と、予防のポイントを解説
関節の痛みや手足のしびれを諦める前に。医師が教える最新の改善ヒントを動画でチェックする▶
「先生、手術の日程は決めたのですが、どうしても迷いがあって...」
診察室では、他院で手術を勧められた患者さんから、このような相談を受けることが少なくありません。
「仕事に穴は空けられない」
「術後の生活が心配だ」
そう語る患者さんの表情には、痛みだけでなく、生活への深い不安が滲んでいます。
私はかつて、病院で多くの手術に携わってきました。
当時は「切れた腱は縫って治すのが当たり前」と考えていましたし、手術によって救われる患者さんが多いのも事実です。
しかしその一方で、手術後のリハビリに苦戦したり、思うように可動域が戻らなかったりするケースも経験してきました。
「手術以外の選択肢はないのか」
その問いに向き合い続け、私がたどり着いたのが「再生医療」です。
この記事では、整形外科医としての経験に基づき、手術のメリット・デメリットと、第3の選択肢である「切らない治療」について、お話しします。

手術を決める前に知っておくべき3つのリスク
手術は確立された治療法ですが、決して「万能」ではありません。医学的な観点から、患者さんが事前に理解しておくべきリスクがいくつか存在します。
1. 「再断裂」の可能性

手術では、骨にアンカー(ネジ)を打ち込み、切れた腱を糸で縫合します。しかし、腱板断裂の多くは、加齢によって腱自体が弱くなっている(変性している)ことが原因で起こります。
例えるなら、長年使い込んで薄くなった布を縫い合わせるようなものです。縫合自体がうまくいっても、生地そのものの強度が戻るわけではないため、日常生活の動作の中で再び裂けてしまうリスクがあります。
医学的な報告でも、術後の再断裂率は一定数(約10〜30%程度 )存在するとされています。
2. 術後の「拘縮(こうしゅく)」とリハビリ期間

手術後は、縫合した腱を保護するために、約3〜6週間、装具で肩を固定する必要があります。
この「固定期間」に関節が固まってしまうことを「拘縮(こうしゅく)」と呼びます。
一度固まった関節を元の動きに戻すためのリハビリは、患者さんにとって根気のいる作業です。
「手術をすればすぐに元通り動く」と思われている方も多いのですが、実際には「手術の時間よりも、その後のリハビリ期間の方が圧倒的に長い」という現実は、覚悟しておく必要があります。
3. 社会復帰までのタイムラグ
入院自体は数日〜2週間程度ですが、退院後すぐに今まで通りの生活ができるわけではありません。
特に重いものを持つ仕事や、腕を上げる動作が必要な仕事の場合、完全復帰までに数ヶ月を要することもあります。
現役世代の方にとって、この「時間のロス」は大きな判断材料になるはずです。
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なぜ今、再生医療が選ばれるのか
これまでは「保存療法(湿布・注射)」で様子を見るか、「手術」をするか、選択肢が限られていました。
しかし近年、その間を埋める選択肢として「再生医療(幹細胞治療)」が注目されています。
組織の「修復」を促すアプローチ

シンセルクリニックで行っている治療は、患者さんご自身の脂肪から採取した「幹細胞(かんさいぼう)」を使用します。
物理的に糸で縫うのではなく、幹細胞が持つ「抗炎症作用」と「組織修復能力」を利用して、傷ついた腱板の修復を促す治療法です。
弱った組織そのものに働きかけるため、身体本来の治癒力を高めることができるのが特徴です。
身体への負担(侵襲)が少ない

再生医療の大きな利点は、手術に比べて身体への負担が少ないことです。
入院不要(日帰り治療)
全身麻酔不要(局所麻酔のみ)
長期の固定が不要
「手術は怖いけれど、痛みは取りたい」「どうしても仕事を休めない」という方にとって、非常に合理的な選択肢となります。実際に当院では、治療翌日からデスクワークを再開される患者さんも多くいらっしゃいます。

【比較】手術 vs 再生医療
従来の手術と、当院の再生医療の違いを整理しました。ご自身のライフスタイルと照らし合わせてみてください。
特徴 | 手術(関節鏡下腱板修復術) | 再生医療(幹細胞治療) | |
アプローチ | 内視鏡で腱を縫合する | 注射で修復を促す | |
入院 | 数日〜2週間 | 不要(日帰り) | |
術後の固定 | 約3〜6週間(装具固定) | なし(当日から可動域訓練可) | |
リスク | 再断裂、感染、拘縮など | 内出血程度 | |
費用 | 保険適用 | 自費診療 |
【医師としての見解】
費用の面では、保険が適用される手術にメリットがあります。
しかし、再生医療は「時間的拘束の短さ」や「身体的リスクの低さ」という点で優れています。どちらが良い・悪いではなく、「何を優先するか」で選ぶべきです。
当院での治療事例
実際の患者様の経過をご紹介します。
【症例】50代男性(左肩腱板断裂・夜間痛あり)
■来院時の状況:
2年前に転倒し、近医にて左肩腱板損傷と診断されました。腕を上げることも困難な痛みに悩まされていましたが、過去に他院で膝の再生医療を受け改善した経験があり、細胞の質と量を重視して当院を受診されました。
■治療内容:
腹部から脂肪を採取(15分程度)し、培養した幹細胞を患部に投与しました。
■経過:
幹細胞投与の1回目から痛みが大幅に改善しました。現在は痛みもほとんど消失し、肩の可動域も問題ないレベルまで回復されています。
症例の詳細はこちらから↓↓
肩の痛み解消で腕を問題なく動かせるようになった
※経過には個人差がありますが、手術を回避して生活の質を取り戻された方は数多くいらっしゃいます。



まずは「自分の肩の状態」を知ることから
もし、手術を受けるかどうか迷われているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
「一度切開した組織は、元には戻せない」からです。
シンセルクリニックでは、MRI画像の読影から現在の症状、ライフスタイルまでを総合的に判断し、「再生医療で改善が見込めるか」「手術の方が適しているか」を正直にお伝えします。
無理に治療を勧めることはありません。
まずはセカンドオピニオンとして、お気軽にご相談ください。納得のいく選択ができるよう、サポートさせていただきます。
よくある質問(Q&A)
Q1. 腱板が完全に切れていても(完全断裂)、治療可能ですか?
A. 可能です。以前は手術適応とされるケースが多かったですが、完全断裂であっても、再生医療によって周囲の組織が強化され、痛みや機能が改善するケースは多く経験しています。ただし、断裂してからの期間や筋肉の状態によっては効果が出にくい場合もあるため、まずはMRI等での診断が必要です。
Q2. 手術後の再断裂に対しても治療できますか?
A. はい、適応となります。再手術は初回の手術よりも難易度が高くなる傾向があるため、身体への負担が少ない再生医療は有効な選択肢の一つです。実際に、術後の不調で相談に来られる方も多くいらっしゃいます。
Q3. 治療当日は痛いですか?
A. 局所麻酔を行いますので、治療中の痛みはほとんどありません。当院では静脈麻酔(眠るような麻酔)も併用可能ですので、痛みに敏感な方も安心して受けていただけます。治療後はそのまま歩いてお帰りいただけます。
参考文献
Galatz, L. M., et al. "The outcome and repair integrity of completely arthroscopically repaired large and massive rotator cuff tears." Journal of Bone and Joint Surgery (American Volume) 86.2 (2004): 219-224.
Namdari, S., et al. "Postoperative stiffness following arthroscopic rotator cuff repair." Journal of Shoulder and Elbow Surgery 19.8 (2010): 1162-1167.
Jo, C. H., et al. "Intratendinous injection of autologous adipose tissue-derived mesenchymal stem cells for the treatment of rotator cuff disease: a first-in-human proof-of-concept study." Stem Cells 32.5 (2014): 1242-1252.
Kukkonen, J., et al. "Treatment of non-traumatic rotator cuff tears: a randomized controlled trial with one-year clinical results." The Bone & Joint Journal 96.1 (2014): 75-81.
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
医師プロフィールはこちら
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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