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【医師解説】偏食とは?好き...

【医師解説】偏食とは?好き嫌いとの違い・原因と正しい対処法|

2026.07.13

まずは動画でチェック!

▶ 7分51秒・字幕付き|成長期に必要な5大栄養素と、食事でできることの限界を解説

「うちの子、偏食がひどくて…」「好き嫌いとは違うの?」「このままで成長は大丈夫?」――偏食は、子育て中の保護者が最も悩む問題のひとつです。実は、未就学児の14〜50%が「偏食」と保護者に認識されているという報告があり、決して特別なことではありません。この記事では子どもの成長を専門的に診てきた医師の長田が、偏食の正しい定義、好き嫌いとの違い、そして研究で「逆効果」と証明されている親のNG対応まで、正直に解説します。

この記事の結論を3行で

  1. 偏食は未就学児の14〜50%にみられる、非常にありふれた状態

  2. 「食べなさい」と圧力をかけると、かえって食べる量が減る(実験で証明済み)

  3. 本当に見るべきは食卓ではなく「成長曲線」

偏食とは?|正しい定義

偏食とは?|正しい定義

偏食の定義

偏食(へんしょく)とは、食べられる食品の種類が極端に少なく、慣れ親しんだ食品まで含めて多くを拒否してしまう状態を指します。医学・研究の世界では「picky eating(ピッキーイーティング)」と呼ばれます。

「好き嫌い」との違い

好き嫌い

偏食

拒否する範囲

特定の食品だけ

食品全体の広い範囲

食べられる種類

十分にある

極端に少ない

持続性

一時的なことが多い

持続する

食卓への影響

限定的

家族と別メニューが必要になることも

「ピーマンが嫌い」は好き嫌い。「野菜全般と、肉と、初めて見るものは食べない」となると偏食に近づきます。

ただし、この2つの境界線は明確ではありません。研究者のあいだでも、偏食の統一された定義は存在しないのが実情です。ですから「うちの子は偏食か、好き嫌いか」を厳密に分類することに、あまり意味はありません。大切なのは、その子が必要な栄養を取れているかどうかです。成長に必要な栄養については「子どもの身長を伸ばす食べ物とは?骨を育てる5大栄養素と食事メニュー」もご参照ください。

もうひとつの言葉「食物新奇性恐怖」

研究では、偏食と似て非なる概念として「食物新奇性恐怖(フードネオフォビア)」があります。

  • 食物新奇性恐怖=新しい食べ物を避ける・怖がる

  • 偏食=慣れ親しんだ食べ物まで含めて拒否する

「初めて見るものを警戒する」のは、実は発達段階として正常な反応です。2〜6歳頃にピークを迎え、多くは自然に和らいでいきます。

長田医師の臨床コメント①|「偏食の相談で、私が最初に見るのは"食卓"ではありません」

「『うちの子、まったく食べないんです』とご相談に来られる保護者の方に、私が最初にお願いすることがあります。それは、"母子健康手帳を見せてください"ということです。成長曲線を見るんです。そして、身長も体重も曲線に沿って順調に増えている――こういうケースが、実は圧倒的に多い。そのとき私は、"お子さんは、ちゃんと育っていますよ。大丈夫です"とお伝えします。すると、保護者の方が涙ぐまれることがあるんです。それだけ、"食べない"という悩みは、親を追い詰める。食卓での戦いは、毎日のことですから。でも、本当に見るべきは、今日の食卓ではなく、この数か月の成長の"線"なんです。線が上を向いていれば、心配は要りません。まず、ここから始めてください」

偏食は「珍しいこと」ではありません

偏食は「珍しいこと」ではありません

未就学児の14〜50%

研究によって幅がありますが、保護者の14〜50%が、自分の未就学児を「偏食」と認識していると報告されています。

つまり、5人に1人から2人に1人。決して「うちの子だけ」ではありません。

多くは、年齢とともに和らぐ

偏食のピークは幼児期です。多くの子どもは、成長とともに食べられる食品が増えていきます。焦らないことが何より大切です。年齢別の発育の目安は「3歳児の月齢別平均身長・体重を公開!背を伸ばすために家庭でできること」「4歳児の発育の目安まとめ|平均身長・体重と成長を促す生活習慣」「5歳児の発育データ|平均身長・平均体重を徹底解説」もご参照ください。

偏食と「ARFID」は違います

近年、ARFID(回避・制限性食物摂取症)という診断名を目にすることが増えました。これは、体重減少や栄養不足、心理社会的な機能の障害を伴う明確な医学的診断です。

研究者も、「偏食はARFIDと同義ではない」と明確に述べています。ほとんどの偏食は、病気ではありません。

長田医師の臨床コメント②|「"5人に1人"と知るだけで、肩の力が抜けます」

「私が診察室で必ずお伝えするのが、"偏食のお子さんは、決して珍しくありませんよ"ということです。研究では、未就学児の14〜50%が偏食とされている。つまり、クラスの半分近くが偏食かもしれない。この数字を聞くと、多くの保護者の方が"え、そんなに?"と驚かれます。そして、明らかに肩の力が抜けるんです。なぜなら、多くの方が"うちの子だけがおかしいのでは""私の育て方が悪いのでは"と、ご自分を責めているから。違います。偏食は、育て方の失敗ではありません。子どもの発達過程で、ごく普通に起こることなんです。特に、初めて見るものを警戒する反応は、2〜6歳頃にピークを迎える、正常な発達段階。むしろ、"知らないものを口に入れない"というのは、生き物として賢い反応なんですよ」

【最重要】「食べなさい」は逆効果です

【最重要】「食べなさい」は逆効果です

実験で証明されています

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。

ある研究チームが、未就学児を対象に実験を行いました。「全部食べなさい」と食べるよう促した場合と、促さなかった場合を比較したのです。結果は――

  • 圧力をかけなかったとき、子どもは有意に多く食べた

  • 圧力をかけたとき、食べ物への否定的な発言が圧倒的に増えた

つまり、「食べなさい」と言うほど、食べなくなり、その食べ物を嫌いになるのです。

さらに、圧力は偏食の「原因」でもある

大規模な研究レビューでは、偏食の原因として次のものが挙げられています。

  • 早い時期の授乳・哺乳の困難

  • 離乳期に固形(つぶつぶした)食品を導入するのが遅かった

  • 食べるよう圧力をかけること

  • 早い時期からの選り好み(特に、母親がそれを心配している場合)

では、何が「守ってくれる」のか

同じ研究で、偏食を防ぐ保護因子も示されています。

  • 新鮮な食品を提供すること

  • 子どもと同じ食事を、大人も食べること

別メニューを作るのではなく、同じものを一緒に食べる。これが、科学的に支持されている方法です。

長田医師の臨床コメント③|「"食べなさい"は、研究で逆効果と証明されています」

「これは、私が保護者の方に一番伝えたいことです。"食べなさい"と圧力をかけると、子どもは"食べなくなる"。気合いや根性の話ではありません。きちんとした実験で、証明されているんです。圧力をかけられた子どもたちは、食べる量が減り、その食べ物について否定的な発言をするようになった。つまり、"食べさせよう"とすればするほど、その食べ物が嫌いになっていく。私はこれを聞いたとき、正直、胸が痛みました。世の中のどれだけの保護者が、良かれと思って"残さず食べなさい"と言い続けてきたか。でも、知らなかったのですから、誰も悪くありません。今日から変えればいいんです。皿に載せる。でも、食べるかどうかは子どもに任せる。これだけで、状況は変わり始めます」

偏食の子に不足しやすい栄養素|鉄と亜鉛

偏食の子に不足しやすい栄養素|鉄と亜鉛

研究で指摘されている「2つの栄養素」

偏食のある子どもの食事内容を調べた研究では、鉄と亜鉛の摂取量が低いことが繰り返し指摘されています。これは、肉・魚の摂取が少なくなりがちなためです。

【成長専門医の視点】亜鉛不足の「悪循環」

ここが、あまり知られていない重要な話です。

  1. 偏食 → 亜鉛が不足する

  2. 亜鉛不足 → 味覚が鈍くなる(亜鉛は味を感じる細胞に必要)

  3. 味が分からない → 食事がおいしくない

  4. ますます食べない → さらに亜鉛が不足する

これが「亜鉛欠乏の悪循環」です。亜鉛については「亜鉛サプリで身長は伸びる?医学的根拠と過剰摂取の危険性を徹底解説」で、効果と危険性の両面を正直に解説しています。

鉄不足は「元気のなさ」として現れる

鉄が不足すると、疲れやすさ、集中力の低下、顔色の悪さなどが現れることがあります。成長期の子どもは体が大きくなる分だけ血液も増えるため、大人より多くの鉄を必要とします。「なんとなく元気がない」が、実は鉄不足だった――これは決して珍しいことではありません。

「じゃあサプリで補えばいい」ではありません

不足しやすいと聞くと、すぐにサプリメントを考える方が多いのですが、子どものサプリには注意が必要です。特に亜鉛や鉄は、摂りすぎると害になります。「「背が伸びるサプリ」は本当に効果がある?身長を伸ばす栄養素と医学的な事実」で、効果と限界を正直に解説しています。まずは血液検査で本当に不足しているかを調べることが先です。

成長に必要な栄養の全体像

骨と体を作るには、タンパク質・カルシウム・鉄・亜鉛・ビタミンDが必要です。「子どもの身長を伸ばす食べ物とは?骨を育てる5大栄養素と食事メニュー」「骨を強くする食べ物・飲み物を解説」もご参照ください。

長田医師の臨床コメント④|「亜鉛が足りないと、味が分からなくなります」

「成長を専門に診ている立場から、偏食の話で必ずお伝えするのが"亜鉛"のことです。偏食のお子さんは、研究でも鉄と亜鉛が不足しやすいと示されています。肉や魚を食べないことが多いですから、当然といえば当然です。そして、ここからが重要なのですが、亜鉛は"味を感じる細胞"に必要な栄養素なんです。つまり、亜鉛が足りないと、味が分かりにくくなる。味が分からなければ、食事はおいしくない。ますます食べなくなる。そして、さらに亜鉛が減る――これが悪循環です。『最近、何を食べても"味がしない"と言うんです』というご相談を受けたときは、私は亜鉛を疑います。ただし、"だからサプリを"とは短絡しないでください。亜鉛は摂りすぎると害になります。まずは血液検査で調べること。それからです」

偏食への正しい対処法|7つの原則

偏食への正しい対処法|7つの原則

① 皿に載せる。でも、食べるかは任せる

これが基本です。「出す」のは大人の役目、「食べる」のは子どもの役目。この役割分担を守ります。

② 「8〜15回」出し続ける

新しい食べ物を子どもが受け入れるには、繰り返し出会うこと(繰り返しの提供)が必要です。1〜2回で「この子は食べない」と決めつけないでください。

③ 家族と同じものを食べる

研究で示された保護因子です。別メニューを作り続けると、かえって偏食が固定します。

④ 大人がおいしそうに食べる

子どもは、大人の食べる姿を見て学びます。「これ、おいしいね」と言いながら食べる。それだけで違います。「食べさせる」のではなく「一緒に食べる」——この発想の転換が鍵です。

⑤ 「一口だけ」も強要しない

「一口だけ食べなさい」も圧力です。見るだけ、触るだけ、匂いを嗅ぐだけでも、立派な一歩です。子どもが自分から手を伸ばすのを待ちましょう。

⑥ 食べたときに大げさに褒めすぎない

「すごい! 食べた!」と過剰に反応すると、子どもは「これは特別なこと(=本当は嫌なこと)なんだ」と学習してしまいます。さらっと受け止めるのがコツです。

⑦ おやつでお腹をいっぱいにしない

食事の前におやつを食べていれば、当然食べません。特に甘いものは食欲を落とし、「甘い味を覚えると、薄味のごはんを食べなくなる」という悪循環にもつながります。「チョコレートは何歳から食べれる?3歳が目安の理由と適量」もご参照ください。おやつは時間と量を決めて、小皿に取り分けて渡すのが基本です。

長田医師の臨床コメント⑤|「1〜2回で"この子は食べない"と決めないで」

「『何度出しても食べないんです』とおっしゃる保護者の方に、私はこう聞きます。"何度、というのは何回ですか?"と。すると、多くの方が"2〜3回は出しました"とおっしゃる。実は、新しい食べ物を子どもが受け入れるには、8回から15回くらい繰り返し出会う必要があると言われているんです。2〜3回は、まだ"出会っただけ"の段階。そして、ここが大事なのですが、"出す"だけでいいんです。食べさせなくていい。見るだけ、触るだけ、匂いを嗅ぐだけ。それも立派な"出会い"です。10回目にふと口に入れる。そういうものなんです。私は"根競べですよ"とお伝えしています。ただし、"食べさせる根競べ"ではなく、"出し続ける根競べ"。ここが決定的に違います」

感覚の敏感さが背景にあることもあります

感覚の敏感さが背景にあることもあります

「わがまま」ではない場合

一部のお子さんは、食べ物の食感・匂い・見た目に対して、とても敏感です。

  • ドロドロした食感が耐えられない

  • 食べ物同士が触れているのが嫌

  • 特定の匂いで気分が悪くなる

  • 食感が予想と違うと吐き出してしまう

これは「わがまま」でも「甘え」でもありません。本人にとっては、本当に耐えがたい感覚なのです。

大人がしてはいけないこと

  • ❌ 「わがままを言うな」と叱る

  • ❌ 無理に口に入れる

  • ❌ 食べるまで席を立たせない

感覚の敏感さがある場合、無理強いは食事そのものへの恐怖を植えつけてしまいます。

気になる場合は相談を

食べられる食品が極端に少ない(10種類以下など)、食感への強い抵抗がある、食事の場面で強い不安を示す――こうした場合は、一度専門の医師にご相談ください。背景に感覚の特性がある場合、家庭での工夫だけでは限界があることも少なくありません。早めに相談することは、決して「大げさ」ではありません。成長への影響が気になる方は「身長が伸びない子の特徴とは?早熟・肥満との関係と親が気づくべきサイン」もご参照ください。

長田医師の臨床コメント⑥|「"わがまま"と決めつけないでください」

「偏食のご相談で、私が一番心を痛めるのが、"この子はわがままなんです"という言葉です。もちろん、保護者の方も限界まで頑張った末の言葉だとわかっています。毎日の食卓は、本当に大変ですから。でも、お伝えしたいんです。一部のお子さんは、食べ物の食感や匂いに、本当に強い感覚を持っている。私たちが"ぬるっとしたものが気持ち悪い"と感じる何倍もの強さで、そう感じている。それを"わがまま"と叱って無理に口に入れると、そのお子さんは、食事という場そのものを怖がるようになってしまいます。そうなると、回復にはずっと時間がかかる。だから、"この子には、そう感じられているんだ"と、まず受け止めてあげてほしい。理解されるだけで、子どもは安心して、少しずつ挑戦できるようになります」

本当に心配すべきサイン|受診の目安

心配が少ないケース

  • 成長曲線に沿って、身長も体重も増えている

  • 元気に遊べている

  • 食べる食品は少ないが、複数の食品群から食べられている

  • 年齢とともに、少しずつ食べられるものが増えている

この4つを満たしているなら、食卓での「戦い」をやめても大丈夫です。お子さんは、必要な栄養を取れています。身長の伸び方が気になる場合は「今日からできる身長を伸ばす方法を医師が解説」「成長スパートはいつ来る?子どもの身長が爆発的に伸びる時期と見逃せないサイン」もご参照ください。

相談したほうがよいサイン

  • 成長曲線から下向きに外れてきた

  • 体重が増えない・減っている

  • 食べられる食品が極端に少ない(10種類以下など)

  • 顔色が悪い、疲れやすい、元気がない

  • 「味がしない」と言う

  • 食事の場面で強い不安・パニックを示す

  • 飲み込みでむせる・詰まらせる

これらは「偏食」の枠を超えている可能性があります。成長曲線から外れるサインについては「身長が伸びない子の特徴とは?早熟・肥満との関係と親が気づくべきサイン」、体格の評価は「カウプ指数とは?計算式・計算方法と年齢別の基準値一覧」「ローレル指数とは?計算式・計算方法と基準値一覧」もご参照ください。

長田医師の臨床コメント⑦|「私が心配するのは"食べない"ではなく、"線が下を向いた"とき」

「正直にお伝えします。私が本当に心配するのは、"食べない"というご相談そのものではありません。心配するのは、"成長曲線が下を向いてきた"ときです。どんなに食が細くても、身長と体重が曲線に沿って増えているなら、その子は必要な栄養を取れているということ。逆に、たくさん食べているように見えても、成長曲線から外れてきたなら、そこには何かがあります。ですから、食卓で毎日戦うより、月に一度、身長と体重を測って、母子健康手帳や学校の記録に点を打ってください。その"線"こそが、お子さんの体が発している一番正直なメッセージです。そして、線が下を向いてきたら、そのときは早めに来てください。早ければ早いほど、打てる手はたくさんあります」

「うちの子も治療できる?」と思われた方へ

子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。

平均より低いとき、家で確認できること

「平均と比べて何cm低いか」という点よりも、「去年から何cm伸びたか」という線の傾きのほうが大事です。平均の帯と同じ傾きで上がっていれば、低めでも順調です。

目安は、思春期前で年4cm未満が2年続いたら一度確認したほうがいい、というところです。

下の3つは、ご家庭で確かめられます。

偏食に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 偏食とは何ですか?

食べられる食品の種類が極端に少なく、慣れ親しんだ食品まで含めて多くを拒否する状態です。特定の食品だけを嫌う「好き嫌い」より範囲が広く、持続的です。

Q2. 偏食は珍しいことですか?

いいえ。研究では、未就学児の14〜50%が保護者に「偏食」と認識されています。5人に1人から2人に1人。決して珍しくありません。

Q3. 「残さず食べなさい」と言うのは良くないのですか?

逆効果です。実験研究では、食べるよう圧力をかけた子どもは、かえって食べる量が減り、その食べ物への否定的な発言が増えました。

Q4. 何回出せば食べるようになりますか?

新しい食べ物を受け入れるには、8〜15回程度の繰り返しの提供が必要とされます。2〜3回で諦めないでください。

Q5. 別メニューを作ってあげるべき?

おすすめしません。研究では、「子どもと同じ食事を大人も食べること」が偏食の保護因子とされています。同じものを一緒に食べましょう。

Q6. 偏食で身長は伸びなくなりますか?

成長曲線に沿って身長・体重が増えていれば、過度な心配は不要です。ただし成長曲線から外れてきた場合は、栄養不足の可能性があるため受診してください。

Q7. 偏食は病気(ARFID)ですか?

ほとんどの偏食は病気ではありません。ARFID(回避・制限性食物摂取症)は体重減少や栄養不足を伴う明確な診断で、研究者も「偏食とARFIDは同義ではない」と述べています。

Q8. シンセルクリニックでは何ができますか?

成長曲線・骨年齢を含めた成長の評価と、お子さんの成長・身長に関するご相談に対応しています(自由診療)。無料カウンセリングでご相談ください。

まとめ|食卓で戦わず、「線」を見よう

  • 偏食=食べられる食品が極端に少なく、慣れた食品も拒否する状態

  • 「好き嫌い」より範囲が広く、持続的

  • 未就学児の14〜50%にみられる、ありふれた状態

  • 初めての食べ物を警戒するのは2〜6歳の正常な発達

  • 「食べなさい」は逆効果(実験で証明済み)

  • 圧力は偏食の「原因」でもある

  • 守ってくれるのは「同じものを一緒に食べる」こと

  • 新しい食べ物は8〜15回出し続ける

  • 偏食では鉄と亜鉛が不足しやすい(亜鉛不足→味覚が鈍る悪循環)

  • 感覚の敏感さは「わがまま」ではない

  • 本当に見るべきは成長曲線。線が下を向いたら受診を

偏食は、育て方の失敗ではありません。多くの子どもが通る道であり、年齢とともに和らいでいきます。大切なのは、食卓で毎日戦うことではなく、皿に載せ続けながら、成長という「線」を見守ること。「食べなさい」をやめて、「一緒に食べよう」に変える。それだけで、状況は必ず動き始めます。そして、成長曲線が下を向いてきたときは、一人で抱え込まず、早めにご相談ください。

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関連コラム

参考文献

  1. Taylor CM, Emmett PM. Picky eating in children: causes and consequences. Proc Nutr Soc. 2019;78(2):161-169.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30392488/

  2. Galloway AT, Fiorito LM, Francis LA, Birch LL. 'Finish your soup': counterproductive effects of pressuring children to eat on intake and affect. Appetite. 2006;46(3):318-323.
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2604806/

  3. Taylor CM, Wernimont SM, Northstone K, Emmett PM. Picky/fussy eating in children: Review of definitions, assessment, prevalence and dietary intakes. Appetite. 2015;95:349-359.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26232139/

  4. Dovey TM, Staples PA, Gibson EL, Halford JC. Food neophobia and 'picky/fussy' eating in children: a review. Appetite. 2008;50(2-3):181-193.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17997196/

  5. Samuel TM, Musa-Veloso K, Ho M, Venditti C, Shahkhalili-Dulloo Y. A Narrative Review of Childhood Picky Eating and Its Relationship to Food Intakes, Nutritional Status, and Growth. Nutrients. 2018;10(12):1992.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30558328/

  6. Grulichova M, Kuruczova D, Svancara J, Pikhart H, Bienertova-Vasku J. Association of Picky Eating with Weight and Height-The European Longitudinal Study of Pregnancy and Childhood (ELSPAC-CZ). Nutrients. 2022;14(3):444.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35276803/

  7. 厚生労働省「乳幼児身体発育調査」
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/73-22.html

医師監修記事

シンセルクリニック低身長治療センター医師 長田の顔写真

長田 直祥

(おさだ なおき)

シンセルクリニック 低身長治療センター医師

大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。

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大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。

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