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【医師解説】ドイツの平均身長は?男女別データと「壁が消えたら、身長差も消えた」東西ドイツの実験
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▶ 9分55秒・字幕付き|日本人の平均身長と、成長が止まる前に見られるサインを解説
「ドイツ人はなぜ背が高いの?」「平均身長は何センチ?」――ドイツはヨーロッパでも屈指の高身長国で、若い男性の平均は181cmを超えます。しかし、この記事で本当にお伝えしたいのは数字ではありません。かつて東ドイツと西ドイツのあいだには、2.3cmの身長差がありました。そして統一後、その差は消えたのです。子どもの成長を専門的に診てきた医師の長田が、この「壁の実験」が私たちに教えてくれることを、正直に解説します。
この記事の結論を3行で
ドイツの平均身長は男性約180cm/女性約166cm(若い男性は181cm超)
東西ドイツには2.3cmの身長差があったが、統一後に消えた
つまり環境が悪化すれば縮み、環境を戻せば「取り戻せる」
- まずは動画でチェック!
- ドイツの平均身長|男女別データ
- 年齢別の平均身長(男性)
- 日本との比較
- 100年で「13cm」伸びた
- 【最重要】東西ドイツ|「壁」が身長差を作った
- 1971年生まれの東ドイツ人は、西より2.3cm低かった
- 統一後、東ドイツは「急速に」追いついた
- 東ドイツ女性は、1世代で約6cm伸びた
- では、なぜ「壁」が身長差を作ったのか
- 【正直にお伝えします】この差には、注意すべき点があります
- 南北朝鮮との決定的な違い|「取り戻せる」ということ
- 2つの分断国家、2つの結末
- ドイツが証明した、もうひとつのこと
- 「キャッチアップ成長」という現象
- 【重要】伸びは「生後2年間」に現れる
- ドイツの研究が示したこと
- 日韓の研究も、同じ結論に達していた
- これが意味すること
- では、大きくなったら手遅れなのか
- ドイツの伸びも、止まりました
- 過去30年で「10年あたり1cm未満」に鈍化
- 「遺伝的な上限」に近づいているのか
- 【論文の結論】それでも「遺伝だけでは説明できない」
- ドイツ国内にも、地域差があります
- 北は高く、南は低い
- 日本の子どもに、今日からできること
- 日本の身長も、1990年代から止まっています
- ① 睡眠
- ② 栄養(特にタンパク質)
- ③ 適度な運動
- ④ 肥満を避ける
- そして、伸びしろが残っているうちに
- 「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
- 平均より低いとき、家で確認できること
- ドイツの平均身長に関するよくある質問(Q&A)
- Q1. ドイツの平均身長は何cmですか?
- Q2. 日本人との差は?
- Q3. 東西ドイツで身長差があったのですか?
- Q4. 統一後、どうなりましたか?
- Q5. 「1年で0.86cm」は遺伝で説明できますか?
- Q6. ドイツ人はまだ伸びていますか?
- Q7. 身長は遺伝で決まってしまうのですか?
- Q8. シンセルクリニックでは何ができますか?
- まとめ|壁が消えたら、身長差も消えた
- お子さんの成長・身長でお悩みの方へ|まずは無料でご相談ください
- 関連コラム
- 参考文献
ドイツの平均身長|男女別データ
年齢別の平均身長(男性)
年齢 | 平均身長 |
|---|---|
18〜20歳 | 181.7cm |
20〜25歳 | 181.4cm |
25〜30歳 | 180.4cm |
65〜70歳 | 177.4cm |
75歳以上 | 174.6cm |
※ドイツ連邦統計局(Destatis)のマイクロセンサス(2021年)に基づく数値です。
日本との比較
ドイツ | 日本 | 差 | |
|---|---|---|---|
男性 | 約180cm | 約171cm | 約9cm |
女性 | 約166cm | 約158cm | 約8cm |
日本人の平均身長の推移については「日本人の平均身長とは?どれくらい伸びたか医師が解説」、世界一のオランダとの比較は「オランダの平均身長はなぜ世界一?200年で20cm伸びた理由」もご参照ください。
100年で「13cm」伸びた
ドイツ人男性の平均身長は、1910年頃の約167cmから、現在の約180cmへ。100年で13cm伸びました。
興味深いのは、この伸びが一直線ではなかったことです。第二次世界大戦後の食料不足の時期には、伸びが一時的に鈍化しました。そして経済が回復し、食生活が改善すると、再び伸び始めたのです。身長は、その社会の状態を映す鏡だと言われるゆえんです。
長田医師の臨床コメント①|「ドイツの話は、"数字"より"実験"が重要です」
「ドイツの平均身長を調べに来られた方に、私は数字だけでなく、必ずもうひとつの話をします。それが"東西ドイツ"の話です。正直に言えば、"ドイツ人は180cm"という数字そのものは、日本の保護者の方にとってあまり意味がありません。"遺伝が違うから"で終わってしまう。でも、東西ドイツの話は違います。同じドイツ人が、壁で隔てられて、身長に差がついた。そして壁が消えたら、差も消えた。これは、遺伝ではまったく説明できない現象です。しかも、"環境が悪ければ縮む"だけでなく、"環境を戻せば取り戻せる"ことまで示している。この記事で本当にお伝えしたいのは、そこなんです」
【最重要】東西ドイツ|「壁」が身長差を作った
1971年生まれの東ドイツ人は、西より2.3cm低かった
ドイツの徴兵検査という、極めて信頼性の高いデータがあります。それによれば――
1971年生まれの徴兵者の平均身長 | |
|---|---|
西ドイツ | 約179.8cm |
東ドイツ(DDR) | 177.5cm |
差 | 2.3cm |
統一後、東ドイツは「急速に」追いついた
1990年の東西ドイツ統一後、何が起きたか。
新しい連邦州(旧東ドイツ)からの新兵は、急速に追いついた
前年比で0.86cmもの身長増加を示した
そして統一後、成人身長は均等化した
1年で0.86cm。遺伝子が1年で変わるはずがありません。
東ドイツ女性は、1世代で約6cm伸びた
別の大規模調査(ドイツ社会経済パネル)では、さらに劇的な数字が報告されています。
1952〜56年生まれと比べた伸び | |
|---|---|
東ドイツ女性 | 約6cm |
西ドイツ女性 | 約2cm |
もともと東ドイツ女性が最も背が低かったにもかかわらず、最も大きく伸びた。典型的な「キャッチアップ」です。
では、なぜ「壁」が身長差を作ったのか
東西で分断されていた時期、東ドイツでは食生活の内容、医療へのアクセス、経済的な余裕に、西側との差がありました。特にタンパク質を含む食品の入手しやすさには違いがあったとされています。
遺伝子はまったく同じ。分けたのは、壁ひとつでした。
【正直にお伝えします】この差には、注意すべき点があります
ここは誠実にお伝えしなければなりません。論文自身が、重要な但し書きをつけています。
東ドイツの徴兵者は、西ドイツより早い年齢で徴兵されていた(東:17.8歳、西:19.0歳)。したがって、身長差の一部は、この事情に起因する可能性がある。
つまり、2.3cmという差は「まだ伸びきっていない年齢で測ったから」という要因を含んでいる可能性があるのです。
長田医師の臨床コメント②|「"2.3cm"を、そのまま信じてはいけません」
「ここは、医師として絶対に飛ばせない部分です。"東ドイツは西より2.3cm低かった"――この数字だけを見ると、劇的な話に聞こえます。でも、論文はきちんと但し書きをつけている。東ドイツの徴兵年齢は17.8歳、西ドイツは19.0歳。1年以上の差がある。17歳と19歳では、まだ伸びている子がいますから、その分、東ドイツの数字が低く出た可能性がある。つまり、"2.3cm全部が環境のせい"とは言えないんです。ネット上の記事の多くは、この但し書きを書きません。でも、私はこういう部分こそが大事だと思っています。それでも、統一後に東ドイツの新兵が"1年で0.86cm"伸びたという事実は残る。これは、測定年齢では説明できません。数字は正直に、でも意味は見失わずに。それが誠実な読み方です」
南北朝鮮との決定的な違い|「取り戻せる」ということ
2つの分断国家、2つの結末
南北朝鮮 | 東西ドイツ | |
|---|---|---|
遺伝的背景 | ほぼ同一 | ほぼ同一 |
分断中の身長差 | 約7〜8cm | 約2.3cm |
現在 | 分断が続き、差も続いている | 統一され、差は消えた |
南北朝鮮の身長差については「韓国の平均身長はなぜ高い?日本を追い越した理由」で詳しく解説しています。
ドイツが証明した、もうひとつのこと
南北朝鮮が示したのは、「環境が悪ければ、身長は伸びない」ということでした。
東西ドイツが示したのは、その先です。
環境を改善すれば、身長は「取り戻せる」
これは、成長を診る医師にとって、極めて重要な事実です。
「キャッチアップ成長」という現象
医学の世界には「キャッチアップ成長」という言葉があります。何らかの理由で成長が遅れた子どもが、原因が取り除かれたあとに、本来の成長曲線に戻ろうとして通常より速いスピードで伸びる現象です。
東ドイツで起きたことは、まさに集団規模でのキャッチアップ成長だったと言えます。ただし、この現象には「骨端線が開いていること」という絶対的な条件があります。
長田医師の臨床コメント③|「"取り戻せる"――これが、私が最も伝えたいことです」
「私が東西ドイツの話をする理由は、ここにあります。南北朝鮮の話は、たしかに強力です。"同じ遺伝子でも、環境で7cm違う"。でも、あの話には希望がない。分断は続いていますから。東ドイツは違います。壁が壊れて、栄養や医療の環境が変わったら、たった1世代で追いついた。これは、"環境を良くすれば、身長は取り戻せる"ということの、人類史上もっとも明快な証明です。外来で、"うちの子はもう成長曲線から外れてしまって"と落ち込む保護者の方がいます。私はそういうとき、この話をします。環境を整えれば、キャッチアップは起こりうる。実際、私は診察室でそれを何度も見てきました。もちろん、骨端線が開いていることが前提です。でも、開いているなら、まだできることがある」
【重要】伸びは「生後2年間」に現れる

ドイツの研究が示したこと
ドイツの研究者は、こう指摘しています。
実際の身長の伸び(世代的傾向)は、主に生後2年間に現れる
日韓の研究も、同じ結論に達していた
驚くべきことに、日本と韓国を比較した別の研究も、独立して同じ結論に到達しています。
大人の身長の伸びのほとんどは、すでに生後1年半までに獲得されていた
ドイツの研究と、日韓の研究。まったく別の集団を、別の手法で分析した2つの研究が、同じ結論に達しているのです。
これが意味すること
集団としての身長の「差」は、驚くほど早い時期――乳幼児期――に生まれている可能性が高い。乳幼児期の栄養と健康が、その後の身長を大きく左右するということです。
思春期の成長スパートは、たしかに一気に身長が伸びる時期です。しかし「どこからスタートするか」は、すでに乳幼児期に決まっている――そう考えると、この2つの研究の意味がよく分かります。
乳幼児期の体格の評価には「カウプ指数とは?計算式・計算方法と年齢別の基準値一覧|乳幼児の発育チェック」、学童期は「ローレル指数とは?計算式・計算方法と基準値一覧」が役立ちます。
長田医師の臨床コメント④|「2つの研究が、独立して同じ答えに辿り着いた」
「これは、私が個人的に鳥肌が立った発見です。ドイツの研究者は"身長の伸びは主に生後2年間に現れる"と書き、日本と韓国を比較したイギリスの研究者は"大人の身長の伸びのほとんどは1歳半までに獲得されていた"と書いている。まったく別の国、別の集団、別の統計手法。それなのに、同じ結論に達している。科学の世界では、独立した研究が同じ答えに辿り着くことを、非常に重視します。偶然では、こうはならない。つまり、赤ちゃんの時期の栄養と健康が、その後の身長を大きく左右している可能性が高い。"離乳食なんて、そのうち食べるようになるから適当でいい"――そうは言えない、ということです。私が乳幼児健診を何より大切にする理由が、ここにあります」
では、大きくなったら手遅れなのか
いいえ。これらは「国全体の平均の差がどこで生まれたか」を分析した研究であり、個々の子どもの伸びしろの話ではありません。
思春期の成長スパートは、依然として身長を大きく左右します。「成長スパートはいつ来る?子どもの身長が爆発的に伸びる時期と見逃せないサイン」「【中学生必見】身長を伸ばす方法とは?日常生活から治療まで」もご参照ください。
ドイツの伸びも、止まりました

過去30年で「10年あたり1cm未満」に鈍化
ドイツの研究は、こうも報告しています。
ドイツをはじめ北ヨーロッパ諸国では、最終身長の伸びが過去30年で著しく鈍化した
現在は10年あたり1cm未満
西ドイツの徴兵者の身長は、1993年以降約180cmで安定している
「遺伝的な上限」に近づいているのか
研究者は、人間の身長が上限に近づいており、栄養や医療がさらに改善しても、それ以上は伸びない可能性を指摘しています。
言い換えれば、ドイツはすでに「環境で伸ばせる分」を伸ばしきったのかもしれません。これは、栄養も医療も行き届いた豊かな国に共通して見られる現象です。オランダに至っては、むしろ縮み始めています。
【論文の結論】それでも「遺伝だけでは説明できない」
しかし、同じ論文はこう結論づけています。
遺伝的要因だけでは、世代間の身長と成熟の傾向を十分に説明することはできない
これが、この分野の専門家たちの、現時点での誠実な答えです。
長田医師の臨床コメント⑤|「"遺伝だけでは説明できない"――専門家の結論です」
「ドイツの研究者は、身長の伸びが頭打ちになっていることを認めた上で、こう結論しています。"遺伝的要因だけでは、世代間の身長と成熟の傾向を十分に説明できない"。これは、成長を専門とする研究者たちの、現時点での誠実な答えです。"遺伝がすべて"でもない。"環境がすべて"でもない。両方が関わっていて、そのメカニズムはまだ完全には解明されていない。私が診察室で"遺伝だから仕方ない"という言葉を聞くたびに、この結論を思い出します。世界の第一線の研究者が"遺伝だけでは説明できない"と言っているのに、私たちが"遺伝だから"で諦めるのは、少し早すぎるのではないでしょうか。遺伝が決めるのは"振れ幅"。その中のどこに着地するかは、環境が決めます」
ドイツ国内にも、地域差があります
北は高く、南は低い
地域 | 2009年の徴兵者の平均身長 |
|---|---|
北部(シュレスヴィヒ=ホルシュタイン等) | 181.1cm |
南部(バイエルン、バーデン=ヴュルテンベルク等) | 179.0cm |
その差は約2cm。オランダでも同じ現象(北が高く、南が低い)が観察されています。同じ国、似た遺伝的背景。それでも2cm違う――これもまた、環境の影響を示しています。
その背景には、地域による食文化の違い、経済状況、生活習慣などがあると考えられていますが、はっきりとした原因は特定されていません。ただ確かなのは、「同じ国の中でも、住む場所によって平均身長が変わる」という事実です。
長田医師の臨床コメント⑥|「同じ国の中でも2cm。これは大きな話です」
「ドイツもオランダも、北部のほうが南部より背が高いんです。その差、およそ2〜3cm。同じ国、遺伝的にもよく似た人々。それでも差が出る。2cmというと小さく聞こえるかもしれません。でも、"集団の平均が2cm動く"というのは、非常に大きな話なんです。個人で言えば、170cmの人と172cmの人の違い。決して無視できる差ではありません。そして、これは私たち一人ひとりにとって、希望のある話です。"環境を整えれば、数センチは動く"ということだから。お子さんの最終身長は、遺伝で決まる"振れ幅"の中の、どこに着地するかで決まります。その振れ幅の中で、できるだけ上に着地させてあげる。それが、私たちにできることです」
日本の子どもに、今日からできること

日本の身長も、1990年代から止まっています
ここで、日本に目を戻しましょう。日本の平均身長も、1990年代以降ほぼ横ばいです。ドイツと同じく「頭打ち」の状態にあります。
問題は、これを「遺伝的な限界に達した」と見るか、「環境に改善の余地がある」と見るかです。
ドイツの研究者は「遺伝だけでは説明できない」と結論づけました。そして韓国は、同じ東アジアの民族でありながら、この30年で伸び続け、日本を追い越しました。少なくとも「日本人はこれが遺伝的な限界」という説明は、単純には成り立ちません。
日本の子どもの睡眠時間は減り、朝食を抜く子は増え、外遊びの時間も減っています。ここには、まだ改善の余地があるということです。
① 睡眠
成長ホルモンは、深い睡眠中に最も多く分泌されます。「成長ホルモンとは?増やす方法と注射(効果・費用・デメリット)を徹底解説」もご参照ください。
② 栄養(特にタンパク質)
骨と筋肉の材料はタンパク質です。「子どもの身長を伸ばす食べ物とは?骨を育てる5大栄養素と食事メニュー」「骨を強くする食べ物・飲み物を解説」をご参照ください。偏食が気になる方は「偏食とは?好き嫌いとの違い・原因と正しい対処法」、サプリの効果については「「背が伸びるサプリ」は本当に効果がある?医学的な事実」で正直に解説しています。
③ 適度な運動
骨に適度な刺激を与えます。ただし過度なトレーニングは逆効果になることもあります。「小学生の身長を伸ばす方法とは?整形外科医が徹底解説」もご参照ください。
④ 肥満を避ける
肥満のある子は骨年齢が早く進み、思春期が早く来て、伸びる期間が短くなる可能性があります。「思春期早発症とは?手遅れになる前のサインと最終身長への影響」「身長が伸びない子の特徴とは?早熟・肥満との関係」もご参照ください。
そして、伸びしろが残っているうちに
どんなに環境を整えても、骨端線が閉じてしまえば身長は伸びません。「骨端線とは?身長が伸びる仕組みとレントゲンでの見え方を完全解説」「身長はいつまで伸びる?男女別のストップサインと骨端線のメカニズム」もご参照ください。
長田医師の臨床コメント⑦|「まず、伸びしろがどれだけ残っているかを知ってください」
「ドイツも、オランダも、韓国も、南北朝鮮も、行き着く結論は同じです。"環境で、身長は変わる"。そして東ドイツが教えてくれたのは、"環境を戻せば、取り戻せる"ということ。でも、そこには絶対的な前提があります。骨端線が、まだ開いていること。私が外来で一番つらいのは、"もう骨端線が閉じています"とお伝えする瞬間です。『高校生になって急に心配になって』と来られる方が、決して少なくない。でもレントゲンを撮ると、すでに閉じかけている。だから、この記事を読んで"うちの子にもできることがある"と思ってくださった方には、ぜひ一歩進んでほしい。"今、伸びしろがどれだけ残っているか"を知ってください。骨年齢を調べれば、それが分かります。伸びしろがあると分かれば、打てる手はたくさんある。知ることから、すべてが始まります」
「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。
平均より低いとき、家で確認できること
「平均と比べて何cm低いか」という点よりも、「去年から何cm伸びたか」という線の傾きのほうが大事です。平均の帯と同じ傾きで上がっていれば、低めでも順調です。
目安は、思春期前で年4cm未満が2年続いたら一度確認したほうがいい、というところです。
下の3つは、ご家庭で確かめられます。
成長曲線 自動計算グラフ|身長と体重を入れるだけで、SDとパーセンタイルが出ます
身長予測の計算|今の身長から最終身長の目安を出します
遺伝身長(目標身長)の計算|ご両親の身長から、落ち着く幅を出します
ドイツの平均身長に関するよくある質問(Q&A)
Q1. ドイツの平均身長は何cmですか?
成人男性が約180cm、女性が約166cmです。若い世代(18〜20歳)の男性は181.7cmと報告されています(ドイツ連邦統計局/2021年)。
Q2. 日本人との差は?
男性で約9cm、女性で約8cmです。ただし、この差をすべて遺伝で説明することはできません。
Q3. 東西ドイツで身長差があったのですか?
はい。1971年生まれの徴兵者では、東ドイツが177.5cmで、西ドイツより2.3cm低かったと報告されています。ただし東ドイツの徴兵年齢が早かった(17.8歳 vs 19.0歳)ことも影響している可能性があります。
Q4. 統一後、どうなりましたか?
差は消えました。旧東ドイツからの新兵は急速に追いつき、前年比0.86cmの増加を示しました。統一後、成人身長は均等化したと報告されています。
Q5. 「1年で0.86cm」は遺伝で説明できますか?
できません。遺伝子が1年で変わることはありえません。栄養や生活環境の改善によるものと考えられます。
Q6. ドイツ人はまだ伸びていますか?
いいえ。過去30年で伸びは著しく鈍化し、現在は10年あたり1cm未満です。西ドイツの徴兵者の身長は1993年以降、約180cmで安定しています。
Q7. 身長は遺伝で決まってしまうのですか?
ドイツの研究者は「遺伝的要因だけでは、世代間の身長と成熟の傾向を十分に説明できない」と結論づけています。遺伝が決めるのは「振れ幅」で、その中のどこに着地するかは環境が左右します。
Q8. シンセルクリニックでは何ができますか?
成長曲線・骨年齢を含めた成長の評価と、身長に関するご相談に対応しています(自由診療)。無料カウンセリングでご相談ください。
まとめ|壁が消えたら、身長差も消えた
ドイツの平均身長は男性約180cm/女性約166cm(18〜20歳男性は181.7cm)
100年で約13cm伸びた(1910年頃は約167cm)
1971年生まれの東ドイツ徴兵者は177.5cm=西より2.3cm低かった
ただし徴兵年齢の違い(東17.8歳/西19.0歳)が差の一部を説明する可能性がある
統一後、旧東ドイツの新兵は1年で0.86cm伸びて追いついた
東ドイツ女性は1世代で約6cm伸びた(西ドイツ女性は約2cm)
南北朝鮮と違い、ドイツは「差を取り戻せる」ことを証明した
ドイツの研究も日韓の研究も、「伸びは生後1〜2年に現れる」と結論
ドイツの伸びは過去30年で鈍化(10年あたり1cm未満)
それでも「遺伝だけでは説明できない」が専門家の結論
ドイツが教えてくれるのは、他のどの国よりも希望のあるメッセージです。壁が身長差を作り、壁が消えたら差も消えた。環境が悪ければ伸びない。しかし、環境を戻せば、取り戻せる。「うちは遺伝的に背が低い家系だから」――その諦めは、必ずしも正しくありません。遺伝が決めるのは「振れ幅」であって「一点」ではないのです。そして、その振れ幅の中で上に着地させてあげられるのは、骨端線が開いているあいだだけ。今、伸びしろがどれだけ残っているか。まずは、そこを知ることから始めてください。
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関連コラム
参考文献
Gohlke B, Woelfle J. Growth and puberty in German children: is there still a positive secular trend? Dtsch Arztebl Int. 2009;106(23):377-382.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19623318/Grasgruber P, Cacek J, Kalina T, Sebera M. The role of nutrition and genetics as key determinants of the positive height trend. Econ Hum Biol. 2014;15:81-100.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25190282/Cole TJ, Mori H. Fifty years of child height and weight in Japan and South Korea: Contrasting secular trend patterns analyzed by SITAR. Am J Hum Biol. 2018;30(1):e23054.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28833849/Schönbeck Y, Talma H, van Dommelen P, et al. The world's tallest nation has stopped growing taller: the height of Dutch children from 1955 to 2009. Pediatr Res. 2013;73(3):371-377.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23222908/Silventoinen K, Kaprio J, Lahelma E, Koskenvuo M. Relative effect of genetic and environmental factors on body height: differences across birth cohorts among Finnish men and women. Am J Public Health. 2000;90(4):627-630.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10754982/NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC). A century of trends in adult human height. eLife. 2016;5:e13410.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4961475/文部科学省「学校保健統計調査」
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/1268826.htm
医師監修記事

長田 直祥
(おさだ なおき)
シンセルクリニック 低身長治療センター医師
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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