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腱板が再断裂する症状や原因は?医師が予防法を徹底解説

2025.10.09

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

手術を乗り越え、順調に回復していたはずの肩に再び走る痛み。

「もしかして再断裂したのでは?」その不安は、決してあなただけのものではありません。実は、再断裂には手術後の過ごし方だけでなく、日々の生活習慣も大きく関わっています。

近年の研究では、手術前の栄養状態が低いと再断裂のリスクが約5.6倍にも高まるという衝撃的な報告も。

この記事では、再断裂の3つの主な原因と見分けるべき症状、そして「また手術しかないのか」と絶望する前に知ってほしい治療の選択肢を、医師が徹底的に解説します。

正しい知識で不安を希望に変え、大切な肩を守るための第一歩を踏み出しましょう。

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腱板が再断裂する主な原因3つと見分けるべき症状

腱板断裂の手術後、順調に回復していたはずなのに、再び肩に痛みが走り、「もしかして再断裂したのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。診察室でも、そのような心配を打ち明けられる患者さんは多くいらっしゃいます。

再断裂には、見分けるためのいくつかの特徴的な症状があります。

また、その原因は一つではなく、手術後の過ごし方から身体的な原因、日々の生活習慣まで、さまざまな要素が関わっています。ご自身の状態を正しく理解し、適切に対処するために、まずはどのような症状が現れ、何が原因となるのかを知ることが大切です。

症状:再び現れる肩の痛み・可動域の制限・異音

一度は楽になったはずの肩に、再び手術前と同じような症状が現れた場合、それは再断裂のサインかもしれません。特に注意していただきたい症状は以下の4つです。

  • 痛みの再発夜間痛

夜、寝ている時にズキズキと痛み、その痛みで目が覚めてしまう状態です。寝返りをうった時などに、無意識に患部を下にしてしまい、圧迫されて痛みが増すこともあります。

  • 運動時痛

腕を上げたり、後ろに回したりする特定の動きで、肩の奥に鋭い痛みが走ります。

  • 可動域の制限

以前のように腕がスムーズに上がらなくなります。背中に手が回しにくくなり、着替えや髪を洗うといった日常の何気ない動作に支障が出ます。

  • 異音(轢音:れきおん)

肩を動かすと「ゴリゴリ」「ジョリジョリ」といった、何かが擦れるような不快な音がします。これは、断裂した腱の端が、肩の骨や組織とぶつかることで生じる音です。

これらの症状は、初回の腱板断裂時とよく似ています。もし、以下の項目に心当たりがあれば、自己判断せずに専門医に相談しましょう。

再断裂のセルフチェックリスト

□ 手術で和らいだ痛みが、また同じように戻ってきた

□ 夜、痛みで寝付けない、または目が覚めてしまう日が増えた

□ 物を持ち上げようとしても、肩に力が入らない感じがする

□ 肩を動かすと「ゴリゴリ」という感触や音がする

□ 以前より腕が上がりにくく、服の着替えがしづらい

原因1:手術後の過度な負荷や不適切なリハビリ

手術で縫い合わせた腱板は、非常にデリケートな状態です。

骨にしっかりと癒着して、本来の強度を取り戻すまでには、一般的に数ヶ月から半年ほどの時間が必要になります。この大切な時期に、肩に無理な負担をかけてしまうことが、再断裂の大きな原因となります。

特に、手術後6ヶ月以内は注意が必要です。良かれと思ってリハビリを頑張りすぎたり、少し動かせるようになったからと日常生活で重いものを持ったり、急に腕を高く上げたりする動作は禁物です。

焦るお気持ちはよく分かりますが、自己流の判断で動かすのは大変危険です。医師や理学療法士が立てた計画に沿って、慎重にリハビリを進めることが、再断裂を防ぎ、確実な回復への一番の近道となります。

腱板断裂を放置するな!

腱板断裂を放置するとどうなるのか?

原因2:加齢や断裂範囲の広さといった身体的な要因

再断裂は、手術後の過ごし方だけでなく、患者さんご自身の身体的な要因も影響します。

一つは「加齢」です。年齢を重ねると、誰でも体の組織を修復する力は少しずつ低下していきます。腱板も例外ではなく、腱そのものがもろくなったり、血流が悪くなったりすることで、手術で修復しても治りにくく、弱い力が加わっただけで再び切れてしまうことがあります。

もう一つは、「断裂範囲の広さ」です。断裂が広範囲に及んでいる場合、修復が難しくなるだけでなく、縫い合わせた腱にかかる張力も大きくなるため、再断裂のリスクが高まります。

実際に、断裂範囲が5cm以上の「広範囲断裂」では、再断裂率が50%に達するという報告もあります。

また、長期間断裂したままだったために筋肉が脂肪に置き換わってしまう「脂肪変性」が進んでいる場合も、腱板の強度が落ちているため注意が必要です。

原因3:栄養不足やアルコール摂取などの生活習慣

腱板がしっかりと修復されるためには、その材料となる栄養が不可欠です。特に高齢の患者さんの場合、食が細くなるなどして、気づかないうちに栄養が不足していることがあります。

近年の研究では、この栄養状態が手術の成績に大きく関わることがわかってきました。

2024年に群馬大学から発表された研究では、手術前の栄養状態が低いと、再断裂のリスクが約5.6倍も高くなることが報告されています。

腱の主成分であるタンパク質をはじめ、バランスの取れた食事を心がけることは、手術の成功率を高める上で非常に重要です。

また、アルコールの摂取習慣も再断裂のリスクを高めることが分かっています。

ある研究では、アルコールを日常的に飲む人は、飲まない人に比べて再断裂率が有意に高かったと報告されました。

アルコールは腱の治癒過程を妨げる可能性があるため、手術前後は控えることが賢明です。

このように、日々の生活習慣を見直すことも、大切な肩を守るための重要な予防策となります。

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シンセルクリニックは「肩」に特化したクリニックであり手術を回避する再生医療という新しい治療を提供しております。

腱板の再断裂に対する3つの治療法と予防のポイント

一度手術をした肩に再び痛みが戻ってくると、「またあのつらい日々が始まるのか」「次はもう治らないのではないか」と、深い不安に襲われるお気持ちは痛いほどよく分かります。診察室でも、再断裂の可能性を告げると、多くの方がうつむき、言葉を失われます。

しかし、どうか希望を捨てないでください。再断裂した場合でも、治療の選択肢は一つではありません。ご自身の体の状態や生活スタイル、そして「これからどう過ごしたいか」というお気持ちに合わせて、最善の方法を一緒に見つけていくことができます。ここでは、再断裂に対する3つの主な治療法と、今後の再々断裂を防ぐための重要なポイントについて、私の経験も交えながらお話しします。

治療法1:リハビリや薬で症状を抑える保存療法

「再断裂」と聞くと、すぐに「また手術が必要だ」と考えてしまうかもしれませんが、必ずしもそうではありません。実は、症状が比較的軽い場合や、ご本人が手術を希望されない場合には、まず「保存療法」という手術以外の方法で症状の改善を目指します。

実際に、腱板が切れている状態でも、手術をしない治療で日常生活に支障がないレベルまで回復するケースは少なくありません。ある研究報告でも、全層断裂の患者さんにおいて非手術療法が有効な場合があるとされています。

保存療法の主な内容

具体的なアプローチ

安静

三角巾などで肩を保護し、炎症が落ち着くまで無理な動きを避けます。

薬物療法

痛みを和らげるための内服薬や湿布薬を使用します。
痛みが特に強い場合は、肩の炎症を直接抑える注射(肩峰下滑液包注射)が有効です。

リハビリテーション

痛みが和らいだ段階で、理学療法士の指導のもとでリハビリを開始します。
断裂していない周囲の筋肉を鍛え、肩の機能を補強することが目的です。

リハビリでは、切れてしまった腱板の代わりに、周りの筋肉がその働きをカバーできるようにトレーニングします。肩関節が硬くならないように動かす練習も行い、肩全体の機能回復を目指します。これらの治療で痛みが改善することは、決して珍しいことではないのです。

腱板断裂のやってはいけないことについては詳しくご覧ください↓↓

腱板断裂(腱板損傷)でやってはいけないこととは??【医師が徹底解説】

当院の再生医療を受け方のインタビュー動画はこちらをご覧ください↓↓

治療法2:痛みが続く場合に検討される再手術

保存療法を数ヶ月続けても痛みが改善しない場合や、筋力の低下が著しく、生活への支障が大きい場合には、再手術が選択肢となります。

再手術と聞くと、身体的にも精神的にも大きな負担を感じるかもしれません。しかし、症状に苦しむ方にとっては、痛みを根本から取り除くための有効な手段となり得ます。実際、症状のある再断裂に対して、修正手術(再手術)は良好な結果をもたらすという報告もあります。

手術の方法は、初回と同じく小さなカメラで行う「関節鏡視下手術」が主流です。しかし、再手術では組織が硬くなっていることも多く、状態によっては少し大きく切開して行う「直視下手術」が選ばれることもあります。

ただし、再手術には初回とは異なる注意点も伴います。

  • 再び入院とリハビリが必要になる

  • 初回より組織が硬く、回復に時間がかかる可能性がある

  • 長期間の固定により、肩が固まる「関節拘縮」のリスクがある

担当の医師と、再手術のメリットだけでなく、これらのデメリットやリスクについても十分に話し合い、納得した上で判断することが何よりも大切です。

治療法3:入院不要で体への負担が少ない再生医療

「もう手術はこりごりだ」「長期間の入院やリハビリは、今の生活では難しい」という声を、私は診察室で数多く聞いてきました。整形外科医として手術が中心だった時代には、そうした声に「手術しかありません」としか言えないもどかしさがありました。

しかし、今は新しい選択肢があります。それが、ご自身の体にある「治ろうとする力」を利用する「再生医療」です。これは、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、傷んだ肩の組織に注射することで、組織の修復を促す治療法です。

再生医療には、手術とは大きく異なる特徴があります。

  • 入院が不要で、治療は日帰りで行える

  • 手術のように長期間腕を固定する必要がない

  • 日常生活への影響を最小限に抑えられる

糸で無理に縫い合わせるわけではないため、縫合した部分が再び切れるという心配がありません。手術に踏み切れない方や、より早期の社会復帰を目指したい方にとって、再生医療は新しい希望となり得ます。

当院シンセルクリニックでは、関節や痛みの治療に特化した再生医療を行っております。手術以外の選択肢について、ぜひ一度ご相談ください。

腱板断裂の手術方法について詳しくはこちら↓↓

肩腱板断裂の手術とは?入院期間なども医師が解説!

予防のポイント:正しいリハビリと栄養管理で再々断裂を防ぐ

一度再断裂を経験すると、「また切れてしまうのではないか」という不安は常につきまといます。再々断裂を防ぐためには、日々の生活での心がけが非常に重要になります。特に、「正しいリハビリ」「栄養管理」が二つの大きな柱となります。

正しいリハビリを継続する

医師や理学療法士の指導のもと、ご自身の肩の状態に合ったリハビリを根気強く続けることが不可欠です。焦って自己流のトレーニングを行うと、かえって肩に負担をかけてしまう危険があります。

栄養管理を徹底する

腱がしっかりと修復されるためには、その材料となる栄養が不可欠です。特に高齢の方は、気づかないうちに栄養が不足していることがあります。

2024年に群馬大学から発表された研究では、手術前の栄養状態が低い高齢者は、再断裂のリスクが約5.6倍も高くなるという衝撃的な結果が報告されています。

腱の主成分であるタンパク質をはじめ、バランスの取れた食事で、体の内側から腱の健康を支えましょう。

重いものを持たない、腕を急に上げないといった日常生活での注意も、大切な肩を守るためには欠かせません。

手術を回避する再生医療とは?

 腱板断裂の治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。

今までの腱板断裂の治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。

そのため、腱板断裂は、日常生活においても肩に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを服用し、痛みのコントロールが重要でした。しかし、最近では再生医療が注目されています。

当院の再生医療を受け方のインタビュー動画はこちらをご覧ください↓↓

手術との違い 

再生医療では、修復が不可能と言われている腱板を新たに再生させていく画期的な治療法です。

この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。関節鏡手術を実施した場合には、侵襲するため以前のお体の状態に戻るのに長い期間がかかりますが、 再生医療は侵襲が少ない治療法のため、 すぐに体の状態を回復させることができます。

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よくある質問

Q1. 再断裂したら、また必ず手術が必要ですか?

A1. いいえ、必ずしもそうではありません。まずはリハビリや注射といった保存療法で症状の改善を目指します。多くの場合、保存療法で痛みが和らぎ、日常生活に大きな支障がなくなることもあります。手術は、あくまで保存療法で十分な効果が見られない場合の選択肢の一つとお考えください。

Q2. 再手術後のリハビリは、初回よりも大変ですか?

A2. 再手術後は、初回の組織よりも硬くなっていることが多く、リハビリの難易度が少し上がる可能性があります。そのため、より慎重なプログラムが必要になる場合があります。しかし、基本的なリハビリの流れは初回と大きくは変わりません。焦らず、専門家の指導に従って着実に進めることが、回復への一番の近道です。

Q3. 栄養状態を良くするには、具体的に何を食べればいいですか?

A3. 腱の主成分であるタンパク質をしっかり摂ることが最も重要です。肉、魚、卵、大豆製品などを毎日の食事にバランス良く取り入れましょう。また、タンパク質の働きを助けるビタミンC(果物、野菜)や、骨の健康に関わるカルシウム(乳製品、小魚)、ビタミンD(きのこ類、魚)も意識して摂取することをおすすめします。

記事監修医師

記事監修 シンセルクリニック

院長 武内晋司郎

参考文献

  1. Yao L, Li Y, Li T, Pang L, Li J, Tang X. "One-stage rotator cuff repair in stiff shoulders shows comparable range of motion, clinical outcome and retear rates to non-stiff shoulders: a systematic review." Journal of orthopaedic surgery and research 18, no. 1 (2023): 613.

  2. Kim S, Menzel K, Lacheta L, Moroder P, Dekena J, Akgün D, Thiele K, Karpinski K. "Association of alcohol consumption and rotator cuff retear: a case control matched cohort study." Archives of orthopaedic and trauma surgery 145, no. 1 (2025): 158.

  3. Schmidt CC, Jarrett CD, Brown BT. "Management of rotator cuff tears." The Journal of hand surgery 40, no. 2 (2015): 399-408.

  4. 高齢者における肩腱板断裂手術後の再断裂:術前の栄養状態が鍵ガイドライン2024.

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