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【整形外科医監修】腱板断裂のリハビリ完全ガイド|保存療法・術後のスケジュールから再生医療まで徹底解説

2026.01.14

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

まずは動画でチェック!腱板断裂のリハビリ完全ガイド

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はじめに

長年続く肩の痛みで、「もう以前のように腕を動かせないのではないか」と不安を感じていませんか?

腱板断裂は日常生活に多大な影響を及ぼしますが、適切なリハビリテーションこそが、痛みを改善させて、再びご自身の腕で自由な生活を取り戻すための鍵となります。

この記事では、整形外科医として、また私自身の柔道やラグビーでの怪我の経験も踏まえ、腱板断裂のリハビリを成功させるポイントと、手術に代わる最新治療「再生医療」について徹底解説します。

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第1章:なぜ重要?腱板断裂のリハビリを成功させるための心構え

長年、整形外科医として多くの患者様と向き合い、私自身もコンタクトスポーツを通じて怪我の痛みを肌で感じてきました。

特に腱板断裂と診断された患者様からは、

「先生、本当に良くなりますか?」

「手術はしたくないのですが」

という切実な声をよく耳にします。

腱板断裂のリハビリにおいて最も重要なこと。それは「患者様自身が自分の体の状態を理解し、主体的に取り組むこと」です。

ただ漫然と病院に通い、理学療法士にマッサージをしてもらうだけでは、機能の回復は望めません。

「今日の痛みはどうだったか」

「昨日より可動域が広がったか」

をご自身で感じ取り、地道なトレーニングを継続することこそが、成功への近道なのです。


第2章:【治療法別】リハビリの具体的な進め方とスケジュール

腱板断裂のリハビリは、「手術をしない場合(保存療法)」「手術をした場合」で、その目的と進め方が大きく異なります。

それぞれのステージに合わせた適切なアプローチを理解しましょう。

1. 保存療法のリハビリテーション(手術をしない場合)

保存療法は、断裂した腱が自然にくっつくことを期待するのではなく、「残存している腱や周囲の筋肉を強化し、肩の機能を代償させる」ことを目的とします。

期間の目安は3〜4ヶ月です。

第1期(1〜3週):急性期・安静期

【目的】炎症と痛みの鎮静化

断裂直後は炎症が強く、夜間痛(寝ている時の痛み)も激しい時期です。まずは安静が第一です。

具体的な内容

■アイシング:

患部の熱感を抑えます。

■ポジショニング:

寝る時にクッションを脇に挟むなど、腱板に負担のかからない姿勢を指導します。

■振り子運動(コッドマン体操):

力を抜き、腕の重みを利用して前後左右にブラブラと揺らします。関節が固まるのを防ぐための最初の運動です。

■医師からのアドバイス

この時期に「早く治したい」と焦って無理に動かすと、炎症が悪化し、かえって治療期間が長引きます。

「動かさない勇気」も必要です。

第2期(2〜6週):可動域改善期

【目的】拘縮(こうしゅく)の予防と柔軟性の改善

痛みが落ち着いてきたら、固まりかけた関節を徐々にほぐしていきます。

具体的な内容

■テーブルスライド:

机の上に手を置き、体を前後させることで腕を滑らせ、受動的に肩を動かします。

■棒体操:

健側(良い方の手)で棒を持ち、患側(痛い方の手)を助けるようにして腕を上げる運動です。

■医師からのアドバイス

「痛気持ちいい」範囲で行うのが鉄則です。

激痛が走るような動きは避けてください。

第3期(6〜12週):筋力回復期

【目的】インナーマッスルと肩甲骨周囲筋の強化

可動域が戻ってきたら、いよいよ弱った筋肉を鍛え直します。

具体的な内容

■セラバンド(チューブ)トレーニング:

ゴムチューブを使い、肩のインナーマッスル(棘上筋、棘下筋など)を鍛える「内旋・外旋運動」を行います。

■アイソメトリック運動:

壁に手を押し付けるなど、関節を動かさずに筋肉に力を入れる運動から始めます。

医師からのアドバイス

インナーマッスルは小さな筋肉です。重いダンベルを持つようなアウターマッスルのトレーニングとは違い、軽い負荷で正確なフォームで行うことが重要です。

第4期(3〜4ヶ月以降):機能回復・予防期

【目的】日常生活・スポーツへの復帰と再発予防

実際の生活動作やスポーツ動作に近い動きを取り入れます。

具体的な内容

  • 洗濯物を干す、棚の上の物を取る動作の確認。

  • スポーツ復帰に向けたフォームチェック。

■医師からのアドバイス

リハビリ卒業後も、教わったストレッチやトレーニングを「歯磨き」のように習慣化してください。

それが再発を防ぐ最大の防御策です。

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2. 手術後のリハビリテーション

手術で腱板を縫い合わせた場合、修復部が骨に生着(くっつく)するまで守る必要があります。

保存療法よりも慎重に、かつ計画的に進める必要があり、期間は約3〜6ヶ月が目安です。

術後〜4週目:絶対安静・固定期間

【目的】修復部の保護

縫い合わせた腱が剥がれないよう、「アブダクションスリング(外転位保持装具)」でガチガチに固定します。

■内容:

肩は動かせませんが、指先、手首、肘の運動は積極的に行い、血流を維持します。

理学療法士が患者様の腕を持ち、他動的に動かすリハビリのみ行います。

■注意点:

再断裂のリスクが最も高い時期です。ご自身の力で腕を持ち上げることは厳禁です。

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5〜8週目:自動運動開始期

【目的】自分の力で動かす準備

装具を外し、徐々に自分の筋肉を使って動かす練習を始めます。

■内容:

振り子運動や、水中での運動(プールの浮力を利用)などが効果的です。

肩甲骨の動きを意識し、肩関節だけで動かそうとしない動作を習得します。

■医師からのアドバイス

「昨日はここまでしか上がらなかったけど、今日はここまで上がった」。

日々の小さな変化を喜び、モチベーションに変えていきましょう。

9〜12週目:積極的な筋力トレーニング期

【目的】筋力の再構築

修復部がある程度安定してくる時期です。

■内容:

チューブトレーニングや軽いダンベル体操を開始します。

腱板だけでなく、肩甲骨を寄せる菱形筋(りょうけいきん)なども鍛えます。

12週目以降:機能回復・スポーツ復帰期

【目的】完全復帰へ

より強度や難易度の高いトレーニングへ移行します。コンタクトスポーツへの復帰は、医師の許可が出てから慎重に行います。

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第3章:整形外科医が教える「回復を早める3つのコツ」

「いつになったら治るのか?」

患者様からのこの問いに対し、私はいつも「焦りは禁物ですが、コツはあります」とお答えしています。

1. 「肩甲骨」を意識したリハビリ

肩の動きの約3分の1は、実は「肩甲骨」が担っています。

腱板が傷ついている時こそ、土台である肩甲骨の柔軟性が重要です。

肩甲骨を「寄せる」「下げる」「回す」動きを意識するだけで、肩関節への負担は激減します。私の柔道経験からも、肩甲骨が柔らかい選手は怪我が少なく、回復も早い傾向にあります。

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2. 「姿勢」の矯正

猫背や巻き肩は、腱板にとって最悪の環境です。

背中が丸まると、肩甲骨が外に開き、腕を上げる際に腱板が骨に挟まりやすくなります(インピンジメント症候群)。

「耳・肩・骨盤」が一直線になる姿勢を普段から意識することは、どんな高級なリハビリ機器よりも効果的な基礎治療です。

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3. 正しいフォームでの「自重トレーニング」

早く筋肉をつけたいからといって、いきなり重い負荷をかけるのは逆効果です。

腱板は非常にデリケートな組織です。最初は「物足りない」と感じるくらいの軽い負荷(例えば500mlのペットボトルなど)で、正しい軌道を意識して回数をこなす方が、安全かつ効果的にインナーマッスルを強化できます。


第4章:リハビリでも痛みが取れない方へ。「第3の選択肢」再生医療

ここで、現代医療における新しい選択肢についてお話しさせてください。

これまでの腱板断裂治療は、「リハビリで痛みを誤魔化しながら付き合っていく(保存療法)」か、「全身麻酔をしてメスを入れる(手術)」かの二択しかありませんでした。

しかし、「リハビリを頑張っても痛みが取れない。でも、手術や入院はどうしても避けたい」という方は非常に多くいらっしゃいます。

そんな方々のために、現在は「再生医療」という第3の選択肢が存在します。

腱板断裂における再生医療とは?

ご自身の体(脂肪など)から採取した幹細胞を培養し、断裂した腱の部分に直接注射する治療法です。

これまでの保存療法が「現状維持」であったのに対し、再生医療は「組織の修復・再生を促す」という根本的なアプローチが可能です。

手術との決定的な違い

項目

手術(腱板縫合術)

再生医療(幹細胞治療)

治療法

内視鏡などで腱を骨に縫い付ける

ご自身の幹細胞を患部に注射する

入院

1週間〜数週間の入院が必要

日帰りで完了

リハビリ

装具固定が必要で、復帰まで約6ヶ月

固定不要。翌日から日常生活が可能

体への負担

全身麻酔、皮膚切開あり

局所麻酔のみ、切開なし

痛み

術後の痛みが強い場合がある

注射の痛みのみ

医師としての見解

「手術をしたくない」患者様にとって、再生医療は非常に有力な選択肢です。

当院では、患者様のライフスタイルや断裂の程度を精密に診断し、再生医療が適しているかどうかを正直にお伝えしています。

「手術は怖い。でも、この痛みから解放されたい」
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再生医療を受けられた患者さまの声

「手術は怖い。でも、この痛みから解放されたい」

「仕事を休まずに、根本治療をしたい

もしあなたがそう願うなら、再生医療がその答えになるかもしれません。

当院で実際に再生医療を受け、長年の痛みから解放された患者様のインタビュー動画をぜひご覧ください。

【50代男性 肩腱板断裂】

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よくある質問(FAQ)

診察室で患者様から頻繁にいただくご質問に、整形外科医としてお答えします。

Q1:腱板断裂はリハビリだけで「完治(腱がくっつく)」しますか?

A. 残念ながら、一度完全に切れた腱が、リハビリだけで自然にくっつくことはありません。

リハビリの目的は、切れた腱をくっつけることではなく、「切れていない残りの腱や周りの筋肉を強化して、肩の機能を代償(カバー)すること」です。

部分断裂や軽度のものであれば、リハビリだけで痛みがなくなり、問題なく生活できるようになるケースは多いです。しかし、完全断裂や活動レベルが高い方の場合は、リハビリだけでは限界があるのも事実です。

「腱そのものを治したいが、手術はしたくない」という場合には、組織修復を促す再生医療の検討をお勧めします。

Q2:リハビリ中に痛みが出たらどうすればいいですか?

A. 基本的には「痛みのない範囲」で行うのが原則です。

リハビリ翌日に疲れが残る程度の筋肉痛なら問題ありませんが、ズキズキとした鋭い痛みが続く場合や、夜も眠れないほどの痛みが出た場合は、炎症が再燃している可能性があります。

すぐにリハビリを中断し、主治医に相談してください。痛みを我慢して行うリハビリは百害あって一利なしです。

Q3:高齢ですが、手術や再生医療は受けられますか?

A. 手術は全身麻酔のリスクを考慮する必要がありますが、再生医療は年齢制限がほぼありません。

ご高齢の方の場合、手術や長期の入院・リハビリによる体力の低下(フレイル)が懸念されます。その点、再生医療はご自身の細胞を使った注射だけの治療であり、体への負担が極めて少ないため、80代・90代の方でも安心して受けていただける治療法です。

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