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【整形外科医解説】腱板断裂はどのくらいで治る?保存療法・手術・リハビリの回復期間とスポーツ復帰の目安

2026.03.18

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「腱板断裂はどのくらいで治るの?」「手術したら何ヶ月で仕事復帰できる?」「保存療法でも治るか?」——腱板断裂と診断された方が最も知りたい情報を、整形外科医が治療法別に詳しく解説します。

結論から:保存療法では3〜6ヶ月・手術療法では術後6〜12ヶ月が回復の目安ですが、断裂の大きさ・年齢・治療内容によって大きく異なります。

腱板断裂の重症度分類:回復期間を左右する最重要ポイント

回復期間は断裂の大きさによって大きく変わります。まず自分の断裂がどの段階かを把握することが重要です。

分類

断裂の状態

主な治療

回復期間目安

部分断裂

腱の一部が損傷・完全には切れていない

保存療法・再生医療

3〜6ヶ月

完全断裂(小)1cm未満

完全に切れているが幅が小さい

保存療法 or 縫合術

保存3〜6ヶ月 / 手術6〜9ヶ月

完全断裂(中)1〜3cm

断裂幅が中程度

縫合術(関節鏡)

術後8〜12ヶ月

完全断裂(大)3cm以上

広範囲に断裂・複数腱にわたる場合も

縫合術(難易度高)

術後12〜18ヶ月

武内院長の臨床メモ:「MRIで断裂が見つかっても症状がない方は多くいます。50代で約20〜30%、70代では50%以上に何らかの腱板断裂があるとされています。『断裂=すぐ手術』ではありません。症状・断裂の大きさ・進行スピードを総合的に判断することが重要です。」

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保存療法の回復期間とリハビリ内容

保存療法が適している方

  • 部分断裂・小断裂(断裂幅が小さい)

  • 症状が比較的軽度(日常生活に大きな支障がない)

  • 高齢で手術リスクが高い

  • 断裂があっても無症状が長く続いていた方が初めて症状が出た

保存療法の流れと期間目安

時期

治療内容

期間目安

急性期

安静・アイシング・消炎鎮痛剤・ステロイド注射で炎症を抑える

2〜4週間

回復期

肩関節の可動域訓練・ストレッチ・ヒアルロン酸注射

1〜3ヶ月

強化期

ローテーターカフ筋力強化・肩甲帯の安定化訓練

3〜6ヶ月

スポーツ復帰期

競技特有の動作訓練・段階的な負荷増加

6ヶ月〜

保存療法の成績:部分断裂・小断裂では保存療法で約70〜80%の方が痛みの改善を実感するとされています。ただし「痛みが消えた=断裂が治った」ではなく、腱板の断裂自体は残っている場合がほとんどです。症状が落ち着いた後も無理な動作で再断裂・悪化のリスクがあります。

保存療法で改善しない場合の目安:3〜6ヶ月間の適切な保存療法を行っても症状が改善しない・日常生活への支障が続く場合は手術または再生医療を検討します。

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手術療法の回復期間・リハビリスケジュール詳細

手術の種類と特徴

手術療法の回復期間

関節鏡視下腱板縫合術(低侵襲手術):現在の主流。肩に数か所の小孔を開けてカメラと器具を挿入し断裂した腱板を縫合・修復します。傷が小さく体への負担が少なく、回復が早いのが特徴。入院期間は1週間程度。

切開手術(直視下腱板縫合術):広範囲断裂など関節鏡では対応困難な場合に行います。視野が広く確実な縫合が可能ですが体への負担が大きく、回復が遅め。

手術後のリハビリスケジュール(関節鏡手術の場合)

時期

内容

期間目安

装具固定期

外転装具装着・安静保持。手指・肘の運動のみ許可

術後3〜6週間

可動域訓練開始

振り子運動・他動的ストレッチ(自分では動かさない)

術後4〜8週

自動運動開始

自分で腕を動かす訓練。食事・着替えが徐々に可能に

術後6〜12週

筋力強化開始

腱板筋力強化・抵抗運動開始。デスクワーク復帰の目安

術後3〜4ヶ月

日常生活完全復帰

家事・軽作業・車の運転が可能に

術後4〜6ヶ月

スポーツ軽度復帰

軽いキャッチボール・ゴルフ素振り等

術後6〜8ヶ月

スポーツ本格復帰

投球・テニス・競技スポーツの段階的再開

術後9〜12ヶ月以上

広範囲断裂の場合:断裂が大きいほどリハビリ期間が延び、スポーツ本格復帰まで12〜18ヶ月かかることもあります。また広範囲断裂では縫合後の再断裂率が10〜20%程度あるとされており、術後のリハビリプロトコル遵守が特に重要です。広範囲断裂かつ筋肉の脂肪変性が進んでいる場合は、縫合術より腱移行術(他の腱を腱板の代わりに移行する手術)やリバース型人工肩関節置換術が選択されることもあります。これらは通常の腱板縫合術よりリハビリ期間が長くなります。担当医と術後のスポーツ復帰目標を共有した上で、最適な手術方法を選択することが重要です。

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手術後に「焦り」が最大のリスク

術後のリハビリで最も重要なのは「焦らないこと」です。縫合した腱板が骨にしっかり付着するには3〜6週間かかります。この期間に無理な動きをすると再断裂のリスクが高まります。「痛みが取れたから大丈夫」と自己判断で装具を外したり、早期に重い物を持ったりするのは危険です。理学療法士の指示に従い段階的に進めることが、最終的に最も早く回復する近道です。

仕事復帰・日常生活復帰の目安

活動内容

保存療法

手術療法

デスクワーク・軽作業

1〜2ヶ月

術後2〜3ヶ月

家事(軽い)

1〜2ヶ月

術後3〜4ヶ月

車の運転

1〜2ヶ月

術後2〜3ヶ月

重労働・肉体労働

3〜6ヶ月

術後6〜9ヶ月

ゴルフ・テニス(軽度)

3〜6ヶ月

術後6〜8ヶ月

投球・競技スポーツ

6ヶ月〜

術後9〜12ヶ月以上

これらはあくまで目安です。年齢・断裂の大きさ・手術方法・リハビリ内容によって個人差が大きく異なります。復帰時期は必ず主治医・理学療法士と相談の上で決定してください。

保存療法と手術療法、どちらを選ぶべきか

「保存療法か手術か」の判断は、以下の要素を総合的に考慮します。

手術を検討すべき状況

  • 3〜6ヶ月の保存療法で症状が改善しない

  • 中〜大断裂(断裂幅が2cm以上)で日常生活に支障がある

  • 競技スポーツへの復帰を目指しており、完全な機能回復が必要

  • 若〜中年(50〜60代)で活動量が高い

  • 断裂が急速に拡大している

まず保存療法・再生医療を試みるべき状況

  • 部分断裂・小断裂で症状が比較的軽い

  • 高齢(70代以上)で手術リスクが高い

  • 長年無症状だった断裂が偶然見つかった

  • 医師に「手術しかない」と言われたが症状は我慢できるレベル

武内院長の臨床メモ
「『手術しかない』と言われた方でも、断裂の大きさ・活動レベル・年齢次第では保存療法や再生医療で十分コントロールできるケースがあります。一方で、若くて活動量が高い方が小断裂を放置して悪化させてしまうケースも多いです。MRIで現状を正確に把握した上で、セカンドオピニオンを受けることを恐れないでください。シンセルクリニックでは大阪・名古屋・広島・福岡の4院でMRI即日診断を行い、手術が本当に必要かどうかを整形外科医が正直にお伝えします。」

第3の選択肢「再生医療(幹細胞治療)」

  • 「仕事が休めないから手術は無理」

  • 「高齢で全身麻酔やリハビリに耐えられるか不安」

  • 「メスを入れずに、自分の治癒力で治したい」

こうしたニーズに応えるのが、シンセルクリニックが提供する「自己脂肪由来幹細胞治療」です。

再生医療のアプローチ

ご自身のお腹の脂肪から採取した「幹細胞」を培養し、エコーガイド下で断裂部や関節内にピンポイント注射します。

項目

手術
(縫合術)

再生医療
(幹細胞)

治療法

物理的に縫う

細胞の力で修復

入院

あり
(数日〜数週)

なし
(日帰り)

麻酔

全身麻酔

局所麻酔
(意識あり)

固定期間

4〜6週間
(絶対安静)

なし
(翌日から軽作業可)

痛み

リハビリ痛が強い

軽い痛みのみ

費用

保険適用

自由診療
(医療費控除対象)

なぜ再生医療で痛みが取れるのか?

■強力な抗炎症作用

幹細胞が放出するサイトカインという物質が、長引く痛みの原因となっている「慢性炎症」を強力に鎮めます。
これにより、夜間痛などの激痛が早期に改善します。

■ 組織修復の促進

幹細胞が傷ついた組織に集まり(ホーミング効果)、血管新生やコラーゲン産生を促し、腱や周囲の組織を修復・強化します。

実際の再生医療を受けた患者様のお声

症例の詳細を見る⇊⇊
肩の痛み解消で腕を問題なく動かせるようになった

武内院長の視点
再生医療は、組織そのものの環境を改善し、修復力を高めるアプローチなので、特に『手術を避けたい中高年の方』や『腱の質が弱くなっている方』にとって、非常に合理的で体に優しい選択肢となります。」

再生医療の症例実績を見る

リハビリで重要な4つのポイント

腱板断裂の回復を左右するのは手術の技術と同じくらい、術後・治療後のリハビリです。整形外科医として、リハビリで見てきた「回復が早い方と遅い方の違い」をお伝えします。

① ローテーターカフ(腱板筋)の再教育

手術後・安静後は腱板を構成する棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の筋力が著しく低下します。これらを段階的に再教育することが最も重要です。「腕を上げる」大きな動作の前に、まず肩関節を安定させる小さな筋肉を鍛えることが回復の近道です。特に術後は大胸筋・僧帽筋などの大きな筋肉が代償的に使われやすくなります。これが続くと腱板本来の機能が回復しにくくなるため、理学療法士の指導のもと腱板の選択的な再教育が重要です。

② 肩甲骨の安定化

肩関節の動きは肩甲骨の動きと連動しています。肩甲骨を適切に動かせる前鋸筋・僧帽筋下部の強化が、腱板への過度な負担を防ぎます。「肩だけ動かそうとして肩甲骨が固まっている」パターンが再断裂の原因になることが多いです。

③ 姿勢の矯正

猫背・巻き肩の姿勢は肩のインピンジメント(衝突)を引き起こし、腱板への慢性的な刺激を与えます。リハビリ中は姿勢の矯正も並行して行うことで、再断裂・再発のリスクを大幅に低減できます。

④ 段階的な復帰プロトコルの遵守

「痛みがなくなったから大丈夫」と自己判断で活動を増やすことが最大の失敗パターンです。特に手術後3〜6週の装具固定期間中に外してしまう・重い荷物を持ってしまうケースで再断裂が多く発生します。医師・理学療法士の許可が出るまでは段階的なプロトコルを厳守してください。

武内院長の臨床メモ
「断裂があっても長期間無症状だった方が急に症状が出た場合、腱板の断裂自体は以前から存在していたのに何らかのきっかけで悪化したケースが多いです。このような方には特に、早めにMRIで現状を確認し、脂肪変性が進んでいないか確認することをお勧めします。」

【関連コラム】
【整形外科医監修】腱板断裂のリハビリ完全ガイド


よくある質問(FAQ)

Q. 腱板断裂は自然に治りますか?

部分断裂・小断裂であれば保存療法で症状が改善する方は多いですが、断裂した腱板組織が完全に再生することはほぼありません。「痛みが消えた=治った」ではなく、腱板の断裂は残ったまま症状が落ち着いた状態です。放置すると断裂が拡大するリスクがあるため、定期的なMRIフォローが重要です。特に仕事でよく肩を使う職業(大工・美容師・荷物を扱う仕事等)の方は、症状がなくても断裂が拡大しやすいため、半年〜1年に1回のMRI確認をお勧めします。

Q. 腱板断裂の手術は何歳まで受けられますか?

年齢制限はありませんが、70代以降は全身麻酔のリスク・骨粗鬆症・術後リハビリへの影響を慎重に考慮します。高齢者の場合、手術より再生医療・保存療法を優先する場合が多いです。

Q. 手術後に再断裂する可能性はありますか?

あります。特に広範囲断裂では術後再断裂率が10〜20%程度と報告されています。再断裂を防ぐためには術後のリハビリプロトコルを守り、医師の許可なく早期に重い荷物を持ったり腕を無理に動かしたりしないことが重要です。

Q. 仕事が忙しくてリハビリに通えない場合はどうすればいいですか?

外来リハビリに通えない場合でも、自宅でできるホームエクササイズを理学療法士に指導してもらうことが重要です。また、週1〜2回の外来通院でも効果的なリハビリは可能です。手術療法より再生医療の方が通院負担が少ない場合もあります。まずご相談ください。

Q. 腱板断裂で痛みなく仕事できていますが、手術すべきですか?

症状がコントロールできているなら、すぐに手術が必要なわけではありません。ただし断裂が徐々に拡大するリスクがあります。年に1回程度のMRI検査で経過観察しながら、症状が悪化した場合に治療方針を見直すことをお勧めします。

Q. 腱板断裂のリハビリは自宅でもできますか?

はい、自宅でのホームエクササイズは非常に重要です。外来リハビリだけでなく自宅での毎日の運動が回復を加速させます。ただし、自己流で行うと誤った動作パターンを強化する危険があります。最初は理学療法士に正しいフォームを指導してもらい、自宅でも正確に実施できるようにしてください。振り子運動・タオルを使った可動域訓練・ゴムバンドを使ったローテーターカフ強化などが代表的な自宅リハビリです。

Q. 腱板断裂の手術後、ゴルフや水泳はいつ再開できますか?

ゴルフは術後6〜8ヶ月で素振り・短いスイングから再開し、フルスイングは術後9〜12ヶ月が目安です。水泳は術後6ヶ月程度でクロール・バタフライが可能になる方が多いですが、断裂の大きさと術後経過によって異なります。いずれも医師の許可を得た上で段階的に再開してください。水泳は術後の肩の柔軟性回復に有効で、クロールよりも平泳ぎの方が腱板への負担が少ないため先に再開できる場合が多いです。

Q. 腱板断裂の手術は全身麻酔ですか?

関節鏡手術は全身麻酔または局所麻酔(神経ブロック)で行われます。神経ブロックと全身麻酔を組み合わせる施設が多く、術後の痛みコントロールにも神経ブロックが活用されます。麻酔方法は施設・術式・患者さんの状態によって異なりますので、手術前に麻酔科医と相談してください。

Q. 再生医療で腱板断裂が完全に修復されますか?

再生医療は腱板を完全に縫合修復する手術とは異なります。幹細胞・PRP治療の主な効果は「慢性炎症の抑制」と「組織修復の促進」です。完全断裂の大きな断裂を縫合するものではありませんが、断裂周囲の炎症を根本から抑えることで痛みの大幅な改善が期待できます。特に手術リスクが高い高齢者・部分断裂・小断裂の方に有効な選択肢です。

記事監修:シンセルクリニック 総院長 武内 晋司郎(整形外科医)
最終更新:2026年3月

参考文献

  1. Osborne JD, Gowda AL, Wiater B, Wiater JM. "Rotator cuff rehabilitation: current theories and practice." The Physician and Sportsmedicine 44, no. 1 (2016): 85-92. 腱板断裂リハビリテーションの現状と理論の根拠。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26176631/

  2. Kuhn JE, et al. "Effectiveness of physical therapy in treating atraumatic full-thickness rotator cuff tears: a multicenter prospective cohort study." Journal of Shoulder and Elbow Surgery 22, no. 10 (2013): 1371-1379. 非外傷性完全断裂への理学療法の有効性。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23540577/

  3. Cvetanovich GL, et al. "Biomechanical Superiority of Triple-Row Rotator Cuff Repair Versus Double-Row Repair." The American Journal of Sports Medicine 44, no. 12 (2016): 3149-3157. 腱板縫合術の術式と成績。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27583819/

  4. 日本整形外科学会「肩腱板断裂 診療ガイドライン」。保存療法・手術適応の基準。
    https://www.joa.or.jp/

  5. Järvinen TLN, et al. "Rotator cuff tears and the unfounded myths we orthopedic surgeons foster." Acta Orthopaedica 86, no. 1 (2015): 1-3. 腱板断裂に関する過度な手術推奨への批判的考察。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25267502/

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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