true

シンセルクリニック主催 再生医療セミナー 福岡 2026年10月22日・11月26日 参加無料 詳細・お申込み
ホーム
コラム一覧

【整形外科医解説】腱板断裂...

【整形外科医解説】腱板断裂で痛む場所はどこ?断裂部位別の痛みを徹底解説

2026.04.04

「腱板断裂と診断されたけど、なぜこの場所が痛むの?」

肩の痛みで整形外科を受診し、MRIで「腱板断裂があります」と告げられたとき、多くの患者さんが抱く疑問があります。

「なぜ肩の前側が痛むのか」「なぜ二の腕まで痛みが広がるのか」「なぜ夜だけひどく痛むのか」——こうした疑問に対して、"切れているから痛い"という説明だけでは不十分です。

実際には、腱板のどの筋が断裂しているかによって、痛む場所・方向・タイミングはまったく異なります。また、断裂があっても痛みがない人が約6割いる一方、断裂が小さくても激しく痛む人もいます。

この記事では、シンセルクリニック総院長・武内晋司郎が、断裂部位別の痛みの場所を図解的に整理しながら解説します。正しい痛みの理解は、適切な治療選択につながります。

腱板とは何か|4つの筋と役割の復習

腱板とは何か|4つの筋と役割の復習

腱板(けんばん)とは、肩関節を取り巻く4つのインナーマッスルの腱が合流してできた、平たい板状の組織です。上腕骨頭(腕の骨の先端)を肩甲骨の受け皿に安定して保持するという、非常に重要な役割を担っています。

4つの筋肉は以下のとおりです。

  • 棘上筋(きょくじょうきん):肩の真上を覆う。腕を横・前に上げる動作(外転・屈曲)に関与。断裂頻度が最も高い。

  • 棘下筋(きょくかきん):肩の後ろ側を覆う。腕を外側に回す動作(外旋)に関与。棘上筋に次いで断裂が多い。

  • 肩甲下筋(けんこうかきん):肩の前側を覆う。腕を内側に回す動作(内旋)に関与。前方からの外傷で断裂しやすい。

  • 小円筋(しょうえんきん):棘下筋の下に位置。外旋補助。4筋の中で最も断裂しにくい。

これらは互いに隣接しているため、1つの筋の断裂がほかの筋にも負担をかけ、痛みが複合的に出ることがあります。

手術以外の選択肢があるか、30秒でチェック
6つの質問にタップで答えるだけ。結果はLINEにすぐ届きます(無料)

30秒でわかる 再生医療 適応チェック(LINE・無料)

断裂した筋別|腱板断裂で痛む場所の全パターン

①棘上筋断裂|肩の「真上〜外側」と二の腕が痛む

①棘上筋断裂|肩の「真上〜外側」と二の腕が痛む

腱板断裂の約70〜80%を占めるのが棘上筋の断裂です。

主な痛む場所

  • 肩の外側(デルタ筋の付近)

  • 肩の上部(肩峰の下あたり)

  • 二の腕の外側(放散痛)

痛みが出やすい動作

  • 腕を横から60〜120度の間で上げるとき(この角度帯を「ペインフルアーク」と呼びます)

  • 洗濯物を干す・棚の上に物を置く動作

  • 駐車券を取るために腕を斜め前に伸ばす動作

  • 寝返りを打つとき、患側を下にして寝るとき

棘上筋が断裂すると、腕を持ち上げる主動筋の力が弱まり、補助筋が過剰に働いて炎症が起こります。その炎症反応が「二の腕が痛い」という放散痛を引き起こします。

武内院長のコメント:「外来で"肩の痛みかと思ったら二の腕まで痛くなってきた"という訴えは非常に多いです。これは棘上筋断裂に特徴的な放散痛パターンで、神経痛とは異なります。MRIを撮ってみて初めて腱板断裂と判明するケースが多い」

②棘下筋断裂|肩の「後ろ〜外旋時」に痛む

棘下筋断裂|肩の「後ろ〜外旋時」に痛む

主な痛む場所

  • 肩の後ろ側(肩甲骨の外縁あたり)

  • 肩の外側から後方にかけて

  • 腕を外にひねるときに鋭く痛む

痛みが出やすい動作

  • ドアノブを回す・栓を開ける(外旋動作)

  • 洗い物・洗顔など腕を前に伸ばす動作

  • 仰向けで寝るときに肩が外に開かせられる姿勢

  • テニスのバックハンド・野球の投球フォロースルー

棘下筋断裂が進行すると、肩甲骨の下に筋萎縮(棘下筋萎縮)が目立つようになります。これは外観でも確認でき、「なぜか左右の肩の形が違う」と来院される患者さんに棘下筋断裂が見つかるケースがあります。

③肩甲下筋断裂|肩の「前側〜内旋時」に痛む

肩甲下筋断裂|肩の「前側〜内旋時」に痛む

主な痛む場所

  • 肩の前面・胸との境界あたり

  • 二の腕の内側(上腕骨前面)

痛みが出やすい動作

  • 腕を内側にひねる動作(ドアを手前に引く・帯を結ぶ)

  • 手を背中に回す動作(後ろポケットに手を入れる)

  • 腕を体の前で交差させるとき

肩甲下筋は転倒して手をついたときや、急激に腕を引っ張られたときに断裂しやすい筋です。また、「上腕二頭筋長頭腱の脱臼」を伴うことがあり、肩の前側でゴリゴリという音と痛みが出ることが特徴です。

関連コラム:【整形外科医解説】長頭腱炎とは?肩前面の痛みの原因と治療法

④複数筋の断裂(広範囲断裂)|肩全体と二の腕全体に痛みが広がる

複数筋の断裂(広範囲断裂)|肩全体と二の腕全体に痛みが広がる

2筋以上が断裂した「広範囲断裂」では、痛む場所が複合的になります。

  • 肩の前・横・後ろすべてに鈍痛が常時ある

  • 二の腕の全体が重だるい

  • 腕をまったく自力で上げられない(偽性麻痺)

偽性麻痺は脳梗塞による麻痺と間違われることもありますが、補助すれば腕が上がる点が異なります。広範囲断裂ほど手術の難易度が上がり、再断裂のリスクも高まります。

「痛む場所」以外の腱板断裂の痛みの特徴

夜間痛|なぜ夜になると痛みがひどくなるのか

腱板断裂の患者さんの多くが「昼間は何とかなるが、夜になるとズキズキして眠れない」と訴えます。夜間痛が起こる理由は複数あります。

  • 血流の変化:就寝時に肩まわりの血流が増加し、炎症部位への刺激が強まる

  • 重力の除去:立位・座位では腕の重みが関節を引き下げて安定させていますが、横になるとその牽引力がなくなり、骨頭が不安定になる

  • 患側を下にした側臥位:患側の肩が体に押しつぶされ、断裂した腱板に圧迫が加わる

  • 副交感神経優位:夜間は神経が痛みに敏感になりやすい

夜間痛で眠れない状態が続く場合、保存療法での管理が困難になっているサインです。この段階で治療方針の見直しが必要です。

ペインフルアーク|60〜120度だけ痛い不思議な症状

腱板断裂に特徴的な症状として「ペインフルアーク(Painful Arc)」があります。腕を横に上げていく動作で、60〜120度の範囲だけ強い痛みが出て、それ以上上げると痛みが軽くなる現象です。

これは、この角度帯で断裂した腱板の切れ端が肩峰(肩の屋根の骨)に引っかかるために起こります。五十肩では全角度で均等に痛み・制限が出るのに対して、ペインフルアークは腱板断裂を疑う重要なサインです。

関連コラム:【整形外科医監修】腱板断裂の症状をセルフテストでチェックする!|痛みが出る角度で判定!五十肩との違いも解説

断裂サイズと痛みの場所の関係

腱板断裂の痛みには、直感に反する特徴があります。

断裂サイズ

痛みの傾向

力の低下

小〜中断裂(1cm未満〜3cm)

強い(炎症反応が活発)

比較的軽度

大〜広範囲断裂(3cm以上)

比較的鈍い・慣れてきた痛み

著明(腕が上がらない)

「大きく切れているのにそれほど痛くない」という状態は、断裂が古く慢性化していることを示します。この状態を放置すると、筋肉の萎縮・脂肪変性が進み、のちに手術を選択しても修復が困難になることがあります。

関連コラム:【医師解説】腱板断裂を放置するとどうなる?自然治癒は?痛みの経過と手術回避の選択肢

痛む場所で「どの筋が切れているか」を自分でチェックする方法

以下のテストは、受診前のセルフチェックとして参考にしてください。ただし、確定診断はMRI・超音波検査が必要です。

痛む場所で「どの筋が切れているか」を自分でチェックする方法

棘上筋のチェック|エンプティカンテスト

缶を空にするように親指を下に向けた状態(空き缶のような持ち方)で腕を斜め前45度に上げ、誰かに上から押さえてもらいます。力が入らない・痛みが走る場合は棘上筋断裂の疑いがあります。

棘下筋・小円筋のチェック|外旋抵抗テスト

肘を90度に曲げて体の横につけ、手を外側に向けようとします。誰かに外旋方向への抵抗をかけてもらい、力が入らない・後ろ肩に痛みが出る場合は棘下筋断裂の疑いがあります。

肩甲下筋のチェック|リフトオフテスト

手の甲を腰に当て、そのまま手を腰から離す(後方に押し出す)動作をします。できない・前肩が痛む場合は肩甲下筋断裂の疑いがあります。

これらのテストで複数陽性が出る場合、複数筋の断裂が疑われます。できるだけ早くMRIを含む精密検査を受けることをお勧めします。

腱板断裂の痛む場所と五十肩の違い

特徴

腱板断裂

五十肩(肩関節周囲炎)

痛む場所

断裂筋により異なる(前・横・後ろ)、二の腕への放散あり

肩全体、首まで広がることも

可動域制限

比較的軽い(補助で上げられる)

強い(補助しても上がらない)

夜間痛

多い

特に急性期に多い

ペインフルアーク

あり(60〜120度)

全域で均一に制限

自然回復

断裂は治らない(症状は軽快することも)

多くは1〜2年で自然回復

診断

MRI・超音波で確定

画像では異常なし

武内院長のコメント:「外来では五十肩として数年間経過を見ていたが、いつまでも治らないということで来院し、MRIを撮ったら大きな腱板断裂があった、というケースが少なくありません。五十肩は1年以上痛みが続くことはまれです。1年以上続く肩の痛みは、腱板断裂をはじめとする器質的な問題を疑ってください。」

関連コラム:左肩・右肩が痛くて上がらない…五十肩と決めつけるのは危険!【医師解説】

腱板断裂の痛みはなぜ慢性化するのか|炎症と異常血管のメカニズム

腱板断裂の痛みはなぜ慢性化するのか|炎症と異常血管のメカニズム

「断裂があっても痛くない人が6割いる」という事実が示すように、断裂があることと痛みがあることは必ずしも一致しません。では、なぜ痛みが続く人と続かない人に分かれるのでしょうか。

近年の研究(PETを用いた研究)により、有痛性腱板断裂の患者さんでは、断裂部周囲に炎症が継続的に起きていることが確認されています。そして、その炎症が長引くと「異常な新生血管」と、それに伴う「異常な神経線維」が増殖することがわかってきました。

この異常血管・異常神経が痛みの慢性化の実体です。腱板断裂の痛みが「治ったり再燃したり」を繰り返す波状経過をとる理由も、このメカニズムで説明できます。

つまり、痛みを根本的に解消するには、断裂の修復だけでなく、炎症の持続を断ち切ることが重要です。

腱板断裂の治療法|「手術しない」という選択肢

保存療法(薬・注射・リハビリ)

断裂部位が小さく、日常生活が概ね送れる場合は、まず保存療法が選択されます。

  • NSAIDs(消炎鎮痛薬)による痛みの管理

  • ステロイド注射・ヒアルロン酸注射

  • 理学療法:残存腱板・肩甲骨周囲筋の強化、肩甲上腕リズムの再獲得

保存療法で症状が軽快するのは約70%とされています。ただし、断裂自体は修復されないため、再燃リスクや断裂拡大のリスクが残ります。

手術療法(関節鏡下腱板修復術)

保存療法で改善しない場合、または筋力低下が著しい場合に手術が検討されます。関節鏡(内視鏡)を用いた「鏡視下腱板修復術」が現在の主流で、数カ所の小切開で腱板を骨に縫合します。

ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 術後6カ月〜1年の長期リハビリが必要

  • 再断裂率:広範囲断裂で約40%、大断裂で約28%

  • 手術しても痛みが残るケース(約10〜15%)がある

  • 筋の萎縮・脂肪変性が進んでいると修復困難になる

関連コラム:【整形外科医が解説】腱板断裂の手術とは?後悔しないためのリスク・再断裂・手術しない選択肢を徹底解説

関連コラム:【整形外科医が解説】肩腱板断裂の手術で後悔したくない人へ。再断裂のリスクと「切らない」治療の選択肢

再生医療(幹細胞治療)|切らずに修復を促す第三の選択肢

近年注目されているのが、再生医療(幹細胞治療)です。患者さん自身の脂肪から採取した幹細胞を培養・精製し、断裂した腱板周囲に投与することで、組織の修復と炎症の鎮静化を図る治療法です。

再生医療が腱板断裂に有効な理由

  • 幹細胞が持つ抗炎症作用により、慢性化した炎症・異常血管の増殖を抑制する

  • 腱板組織の再生・修復を促進する成長因子が分泌される

  • 手術と異なり入院・全身麻酔が不要

  • リハビリ期間が大幅に短縮できる

シンセルクリニックでは、「手術を勧められたが踏み切れない」「保存療法を続けているが改善しない」という肩腱板断裂の患者さんに対して、再生医療による治療実績を積み重ねています。

実際の治療事例(動画)

当院で再生医療を受け、手術を回避して痛みのない生活を取り戻された患者様のインタビューをご覧ください。

関連コラム:肩腱板断裂・肩の痛みに対する再生医療(幹細胞治療):手術を避ける「切らない」治療法

関連コラム:【整形外科医監修】肩腱板断裂(ローテーターカフ)とは? 原因・症状・五十肩との違い・治療法の比較を総合解説

こんな痛みが続くなら早めに受診を|見逃してはいけない警戒サイン

  • 夜間痛で週に3回以上眠れない日がある

  • 腕を自力で水平以上に上げられない

  • 五十肩と言われて1年以上が経過したのに改善しない

  • 保存療法(薬・注射・リハビリ)を3〜6カ月続けても痛む場所が変わらない

  • 利き手側の肩で、仕事・スポーツに支障が出ている

これらの状況では、断裂の拡大や筋萎縮が進んでいる可能性があります。早期に精密検査と治療方針の再評価を行うことが、将来の選択肢を広く保つことにつながります。

まとめ|腱板断裂の「痛む場所」を正確に理解することが治療の第一歩

  • 棘上筋断裂→肩の外側〜二の腕の放散痛、ペインフルアーク(60〜120度で痛む)が特徴

  • 棘下筋断裂→肩の後ろ〜外旋時の痛み、棘下筋萎縮

  • 肩甲下筋断裂→肩の前面〜内旋時の痛み、ゴリゴリ音を伴うことも

  • 夜間痛→就寝時の血流変化・骨頭の不安定化・神経感受性の上昇が原因

  • 断裂サイズ小=痛みが強いという逆説的な関係がある

  • 痛みの慢性化は「異常血管+異常神経の増殖」が主体→炎症を抑える治療が重要

  • 手術以外に「再生医療」という選択肢がある

「どこが痛むか」を正確に把握することは、断裂した筋を特定し、適切な治療につながる第一歩です。肩の痛みが3カ月以上続いている方は、ぜひ一度専門の医師にご相談ください。

参考文献

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

医師プロフィールはこちら

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

医師プロフィールはこちら

同カテゴリの最新記事

Access

アクセス

大阪院

所在地

〒542-0086

大阪府大阪市中央区西心斎橋1-9-15

大京心斎橋ビル3F

Googleマップ

電車でお越しの方

大阪メトロ御堂筋線

心斎橋駅から徒歩3分

大阪メトロ御堂筋線

四つ橋駅から徒歩3分

提携

名古屋(ドクターフォースクリニック)

所在地

〒460-0003

愛知県名古屋市中区錦1-15-8

アミティエ錦第一ビル3階

Googleマップ

電車でお越しの方

名古屋市営地下鉄桜通線

国際センター駅 徒歩8分

名古屋市営地下鉄東山線

伏見駅 徒歩7分

所在地

〒542-0086

大阪府大阪市中央区

西心斎橋1-9-15

大京心斎橋ビル3F

Googleマップ

電車でお越しの方

大阪メトロ御堂筋線

心斎橋駅から徒歩3分

大阪メトロ四つ橋線

四つ橋駅から徒歩3分

ひざ・肩・股関節の再生医療専門クリニック

大阪

名古屋

広島

福岡

まずは、ご相談ください

再生医療の可能性を、一人でも多くの方に知って頂きたいと思っています。
新しい選択肢を「知る」ために、まずはお気軽にお問い合わせください。

電話受付

9:00〜18:00

月

火

水

木

金

土

日

※祝日は休診日となります。

電話での予約・お問い合わせ診療予約お問い合わせ
診療予約はこちら
w2i9Xh