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【医師監修】12歳の平均身長は?男女別の平均・標準偏差・平均より低いときの見方を医師が解説
「中学に入るのに、うちの子だけ背の順でずっと前のほう。12歳の平均身長と比べると、やっぱり低いのでしょうか」
「平均より何センチ低いと心配なのか、調べても書いてある数字がバラバラで、結局わからない」
12歳は、小学校から中学校へ変わる時期です。制服の採寸や入学準備をきっかけに、お子さんの身長を改めて意識される親御さんはとても多くいらっしゃいます。そして「12歳 平均身長」と検索して数字を見つけ、ほっとする方もいれば、かえって不安になる方もいます。
実は12歳は、男の子と女の子で成長の進み方が分かれ始める年齢です。平均の数字だけを見ても、その子が順調かどうかは判断しにくい時期でもあります。
この記事では、シンセルクリニック低身長治療センターで診療にあたる整形外科の医師・長田が、文部科学省の最新の全国データをもとに、12歳の平均身長と平均体重、標準偏差の意味、平均より低いときの見方、そして「平均と比べる以外の見方」を解説します。
この記事の結論
12歳の平均身長は、男子153.8cm、女子152.4cm(文部科学省「学校保健統計調査」令和7年度)。平均体重は男子45.2kg、女子44.4kg
12歳は個人差が大きい年齢(とくに男子)。男子は伸びの大きい時期の真っ最中の子が多く、女子は伸びが緩やかになり始める子が多い
「平均より◯cm低いから心配」と線を引ける単純な数字はありません。見るのは平均との差よりも、成長曲線の傾き(1年でどう伸びたか)
同じ12歳でも、生まれ月と思春期が始まる時期で身長は大きく違って見える。骨年齢(骨の成熟度)を見ると「あと伸びる余地」の目安がわかる
迷ったときの行動は1つだけ。まず成長曲線にお子さんの身長を書き込んで、線の流れを見てみること
- この記事の結論
- 12歳の平均身長は男子153.8cm・女子152.4cm|最新の全国データ
- この数字の読み方で、先に知っておきたい3つのこと
- 12歳は男女で成長の進み方が分かれ始める|女子は落ち着き始め、男子は伸びの真っ最中
- 平均より低いってどのくらい?標準偏差と「−2」の意味
- 中学入学前後の「背の順で一番前」がつらい|平均と比べて不安になったとき
- 平均と比べて「低い」と感じたとき、よく起きること
- 平均だけでは判断できない理由|見るのは「1年の伸び」と「成長曲線の傾き」
- 判断の手順|3つの問いに順番に答えてみる
- 12歳から伸びる子・止まる子|骨年齢と早熟・晩熟の見方
- 思春期のサインの見つけ方
- 「様子を見ましょう」でいい?12歳で専門の外来に相談する目安
- 専門の外来に相談してよいサイン
- 専門の外来に相談したほうがよいとき|当院の骨年齢の検査
- 12歳の身長についてよくある質問
- Q. 12歳で平均より10cm低いのですが、病気でしょうか?
- Q. 12歳の男子と女子で、平均身長はどちらが高いですか?
- Q. 12歳の平均体重は?身長と体重のバランスはどう見ればよいですか?
- Q. 中学生になってから伸びる子は多いですか?
- Q. 牛乳やサプリで身長は伸びますか?
- Q. 親の身長が低いと、子どもも低くなりますか?
- 「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
- 12歳で平均より低いとき、家で確認できること
- まとめ|12歳の平均身長は「物差しの一つ」。見るべきは伸びの流れ
- 関連コラム
- 参考文献
12歳の平均身長は男子153.8cm・女子152.4cm|最新の全国データ

まず、数字から確認します。下の表は、文部科学省が毎年実施している「学校保健統計調査」の令和7年度(2025年度)確定値です。全国の学校で行われる健康診断の結果をもとにした標本調査で、身長・体重の平均値と標準偏差が公表されています。
令和7年度(12歳) | 平均身長 | 身長の標準偏差 | 平均体重 | 体重の標準偏差 |
|---|---|---|---|---|
男子 | 153.8cm | 8.06cm | 45.2kg | 10.17kg |
女子 | 152.4cm | 5.83cm | 44.4kg | 8.19kg |
出典:文部科学省「学校保健統計調査」令和7年度(確定値)全国表1「年齢別 都市階級別 設置者別 身長・体重の平均値及び標準偏差」(2026年2月13日公表。e-Stat)。
この「12歳」は、調査年度の4月1日時点で満12歳の子どものことです。測定は4月から6月に行われるため、ほぼ中学1年生の春のデータと考えてよいでしょう。男子と女子を比べると、平均身長は男子が1.4cm高くなっています。ただし後で説明するように、この年齢の男女差は「平均」だけでは語れません。
この数字の読み方で、先に知っておきたい3つのこと
調査は標本調査です。全国の子ども全員を測ったものではなく、抽出された学校の子どもが対象です。数値には標本誤差が含まれます
年齢は「4月1日時点」の満年齢です。4月生まれの12歳と、翌年3月生まれの12歳では、ほぼ1歳近い月齢差があります。平均の数字にはその差が混ざっています
令和2年度から5年度は、測定時期が通常と異なるデータが含まれています。そのため、文部科学省もこの期間の数値は過去と単純に比較できないとしています
もう少し時間の幅で見てみます。同じ調査の記録では、12歳の平均身長は昭和55年度に男子149.8cm・女子150.6cm、平成12年度に男子152.9cm・女子152.1cmでした。日本人の子どもの体格は数十年かけて少しずつ変わってきており、日本と韓国の50年間の成長データを比べた研究では、日本の子どもの成長パターンが大きく変化し、思春期の時期は1970年ごろまでに落ち着いたと報告されています(Cole、Mori、2018年)。親御さんが12歳だったころの感覚と、今の平均を単純に比べることはできません。
▶ 年齢別の平均身長・平均体重(0〜17歳)
▶ 小学生の平均身長(学年別)
【長田医師のコメント】「外来で『平均はいくつですか』と最初に聞かれることが多いのですが、私は数字をお伝えしたあとに必ず『この平均は、4月生まれから3月生まれまでのお子さんが全部まざっています』とお話しします。12歳は、同じ学年の中でも体つきに大きな幅があるのが普通です。平均は物差しの一つにすぎません。」
12歳は男女で成長の進み方が分かれ始める|女子は落ち着き始め、男子は伸びの真っ最中

12歳の平均身長を、前後の年齢とあわせて並べてみます。右側には、前の年齢から平均がどれだけ増えたか(1歳上がったときの平均の増え方)を入れました。同じ子どもを追いかけたデータではなく、各年齢の平均を並べて差を取った計算です。
年齢 | 男子の平均身長 | 前の年齢との差 | 女子の平均身長 | 前の年齢との差 |
|---|---|---|---|---|
10歳 | 139.5cm | — | 140.9cm | — |
11歳 | 146.1cm | +6.6cm | 147.4cm | +6.5cm |
12歳 | 153.8cm | +7.7cm | 152.4cm | +5.0cm |
13歳 | 161.1cm | +7.3cm | 155.0cm | +2.6cm |
14歳 | 166.1cm | +5.0cm | 156.4cm | +1.4cm |
出典:文部科学省「学校保健統計調査」令和7年度 年次統計「年齢別 平均身長の推移」。差は当院で計算した値です。
表から、次のことが読み取れます。
女子は10〜11歳で平均が男子を上回り、12歳で男子と入れ替わります。その後、13歳、14歳と平均の増え方が小さくなっていきます
男子は11〜12歳、12〜13歳の増え方が7cm台と大きく、14歳にかけて小さくなっていきます
つまり12歳は、女子は伸びが緩やかになり始める年、男子は伸びの大きい時期の真っ最中で、その時期の個人差がもっとも広がる年です
男子の個人差の大きさは、標準偏差にも表れています。12歳男子の身長の標準偏差は8.06cmで、11歳(7.37cm)、13歳(7.46cm)より大きく、5〜17歳の男子の中でもっとも身長の幅が広い年齢です。思春期に入って伸び始めた子と、まだ伸び始めていない子が混在していることが理由のひとつと考えられます。一方、女子は12歳で5.83cmと、男子より幅が小さくなっています。
▶ 第二次成長期はいつ?男女別の年齢の目安
▶ 女子の身長が伸びる時期
▶ 成長スパートの前に見られるサイン
【長田医師のコメント】「男の子のお母さんから『うちの子は12歳になっても全然伸びない』というご相談をよくいただきます。でも12歳の男の子は、まだ伸び始めていないだけ、ということが珍しくありません。反対に女の子のお母さんは『去年までは大きいほうだったのに、最近伸びなくなった』と心配されます。この年齢の男女で心配のポイントが逆になるのは、外来でも印象的です。」
平均より低いってどのくらい?標準偏差と「−2」の意味

「平均より低い」という言葉は、実は2つの意味で使われています。「平均より何cm低いか」と、「同じ年齢の子どもの中で、どのあたりに位置するか」です。医療の現場では、後者を標準偏差(SD)という尺度で表します。
標準偏差とは、同じ年齢の子どもたちの身長が、平均のまわりにどれくらい散らばっているかを表す数字です。平均から標準偏差1つ分低い位置を「−1SD」、2つ分低い位置を「−2SD」と呼びます。日本の小児科では、標準偏差の値がついた標準成長曲線(2000年度の全国調査にもとづくもの)が使われています(Isojimaら、2016年)。
令和7年度の全国データから、12歳の目安を計算してみました。
12歳 | 平均 | −1SDの目安 | −2SDの目安 |
|---|---|---|---|
男子 | 153.8cm | 約145.7cm(分布表では145cm以下が約16%) | 約137.7cm(分布表では138cm以下が約2.5%) |
女子 | 152.4cm | 約146.6cm(分布表では146cm以下が約15%) | 約140.7cm(分布表では141cm以下が約3.5%) |
平均と標準偏差から当院で計算した値です。「分布表」は、同じ令和7年度の調査で公表されている「身長の年齢別分布」(1cm刻み)を足し合わせた概算で、区分の切り方によって1%前後ずれることがあります。
この表から、次のようにイメージできます。
−1SD付近は、12歳の子が100人並んだとき、前から15〜16人目あたり。決して珍しい位置ではありません
−2SD付近は、100人並んだとき、前から2〜3人目あたり。医学的に「低身長」とされる目安です(−2.0SD以下)
ここで注意していただきたいのは、この計算は「12歳」という1つのくくりの平均と標準偏差をそのまま使った目安だということです。実際には、12歳0か月のお子さんと12歳11か月のお子さんでは、月齢が違うぶん平均身長も違います。また、思春期の伸びはどの子も一様ではないため、12歳の身長の分布は左右対称になりません。病院で行う正式な判定では、月齢・年齢ごとの標準成長曲線に身長を当てはめて評価します。この表は「大まかな位置を知るための目安」として使ってください。
【長田医師のコメント】「『−2SD』と聞くと、何か大変なことのように感じられる親御さんが多いのですが、これは『同じ年の子が100人並んだとき、前から数人目』という位置を表す言葉です。数字が−2SDを下回っていても病気とは限りませんし、逆に−2SDより上でも、伸びが鈍っていれば確認が必要なことがあります。位置の高さと、そのあとの流れは別々に見ています。」
中学入学前後の「背の順で一番前」がつらい|平均と比べて不安になったとき

制服の採寸で「一番小さいサイズになりますね」と言われた。小学校ではずっと前のほうだったのに、中学に入ってもまた一番前かもしれない。友だちとの差が広がっているように見える。親御さんのそうしたお気持ちは、とても自然なものです。
12歳前後は、お子さん本人も体つきを気にし始める時期です。まず最初にお伝えしたいのは、お子さんの身長のことを、親御さんが気にかけたのは決して間違いではないということです。そして、遺伝や食事や生活のことを「自分のせいだ」と責める必要はありません。
かつては学校で身長順に並ぶことが一般的でしたが、最近は背の順をやめる学校も増えています。その背景については、こちらで解説しています。
平均と比べて「低い」と感じたとき、よく起きること
クラスの中の順番で判断してしまう。クラスは30〜40人ほどで、そこには4月生まれから3月生まれまでが混ざっています
友だちの伸び方と比べてしまう。思春期の伸びが早く来た子と、遅く来る子の差が、いちばん目立つ時期です
同じ12歳の中でも、生まれ月による差はあります。4月生まれと3月生まれの差については、こちらもご覧ください。
お子さん本人への声かけは、ひとことだけ。「もっと食べなさい」「早く寝なさい」といった言葉が続くと、身長の話そのものを避けるお子さんもいます。数字を一緒に眺める時間を作るくらいで十分です。
【長田医師のコメント】「診察室で、お子さんが親御さんの後ろで下を向いていることがあります。そういうとき私は、お子さんに『背が低いことは、あなたが悪いことじゃないよ』とまずお伝えします。身長の話は、お子さんにとっては体の話であると同時に、友だち関係の話でもあります。親御さんが落ち着いて受け止めてくださるだけで、お子さんの表情はずいぶん変わります。」
平均だけでは判断できない理由|見るのは「1年の伸び」と「成長曲線の傾き」

平均身長を調べて不安になったとき、いちばん役に立つ見方は、平均との差を見ることではなく、お子さん自身の身長がどう推移してきたかを見ることです。理由は3つあります。
その子にとっての「順調」は、その子の成長曲線で決まる。生まれたときから平均の帯の下のほうに沿って伸びている子は、「低いけれど順調」です。帯に沿っていた線が、あるときから緩やかになって帯から離れていく場合は、確認が必要です
思春期の伸びが始まる時期には個人差がある。日本の子どもの成長を調べた研究では、思春期の身長の立ち上がりは、標準的な成長曲線が示すよりも急になることがあり、伸びる時期の違いで1枚の曲線では評価が難しいと指摘されています。そのため、思春期の始まる時期が早い群・標準の群・遅い群に分けた成長曲線も作られています(Yoshii、Tanaka、2018年)
平均は「集団の真ん中」であって、「目標」ではない。平均に届かなくても、遺伝的な背景(ご家族の身長)や体質にあった伸び方をしているなら、心配はいりません
判断の手順|3つの問いに順番に答えてみる
次の表は、平均身長を見て不安になったときに、順番に確認していく手順です。書き出す必要はありません。頭の中で答えてみるだけでかまいません。
順番 | 確認すること | 「はい」のとき | 「いいえ」のとき |
|---|---|---|---|
1 | 身長は、正しい方法で測った数字ですか(朝と夜で違う、靴下や姿勢で変わる) | 次へ | 測り方をそろえて測り直す |
2 | 去年の同じ時期の身長と比べて、伸びていますか | 次へ | 伸びが止まっているようなら、記録をもって相談する |
3 | 成長曲線に点を打つと、線が平均の帯に沿って(帯と同じ傾きで)上がっていますか | 「低いけれど順調」の可能性が高い。経過を見守る | 帯から徐々に離れているなら、一度相談する |
4 | 思春期のサイン(声変わり、乳房の発達、わき毛など)は始まっていますか | これから伸びる時期に入っている可能性あり | これからの可能性あり。急がずに経過を見る |
5 | ご両親や兄弟姉妹の身長と大きく離れていませんか | 遺伝的な背景と考えやすい | 体質だけでなく、原因の確認も検討する |
身長の正しい測り方は、こちらで解説しています。成長曲線は、当院のコラムのツールで、お子さんの身長を書き込んで確認できます。
▶ 身長の正しい測り方
▶ 成長曲線ツール|お子さんの身長を書き込んで確認
▶ 大人になったときの身長の目安を計算する
【長田医師のコメント】「外来では、点の高さよりも線の傾きを見ています。去年と今年の2つの点を打ってつないだとき、その線が平均の帯と同じ向きに上がっていれば、低めでも順調と考えます。帯より緩やかに下へ離れていくときは、一度きちんと確認しておいたほうがよい、というのが私の基本の考え方です。」
12歳から伸びる子・止まる子|骨年齢と早熟・晩熟の見方

同じ12歳でも、「体の中の年齢」は大きく違います。これを表すのが骨年齢です。手のレントゲンで骨の成熟度を見て、暦の年齢と比べます。骨年齢が暦の年齢より進んでいる子は早熟傾向で、思春期の伸びが早く来て、早く終わる傾向があります。逆に骨年齢が遅れている子は晩熟傾向で、思春期の伸びが遅く来ます。
早熟の傾向:骨年齢が進んでいる。12歳ごろは同級生より大きく見えることが多いが、伸びる時期が早く終わることもある
晩熟の傾向:骨年齢が遅れている。12歳ごろは小さく見えることが多く、周りより遅れて伸びる余地が残っていることがある
晩熟のお子さんは「そのうち追いつく」と言われることが多いのですが、注意していただきたい点があります。
体質的に成長と思春期が遅れている女子15人を成人まで追跡した英国の研究では、最終身長は当初の予測身長と差がなかった一方で、両親の身長から見込まれる身長よりは低い結果でした(Croweら、1991年)。晩熟でも、必ずご両親の身長まで追いつくとは限りません
低身長で骨年齢が遅れている日本の子どもを調べた研究では、受診した子の約3割に、思春期の身長の伸びが予想より早く始まるタイプがみられたと報告されています(Oyachiら、2022年)。「遅れているからあとで大きく伸びる」とは言い切れないことを示しています。この結果は、病院を受診した低身長のお子さんが対象であり、一般のお子さん全員にあてはまるわけではありません
つまり、「今の身長」と「骨年齢」の2つを合わせて見ることで、はじめてこれから先の見通しが立てやすくなります。早熟・晩熟や骨端線(骨が伸びる部分)の考え方は、こちらで詳しく解説しています。
▶ 晩熟(遅い思春期)のお子さんの身長
▶ 早熟・思春期早発症とは
▶ 骨端線とは?完全ガイド
思春期のサインの見つけ方
男子は声変わりやわき毛、女子は乳房の発達や初潮(初経)などが、思春期のサインです。時期には個人差が大きく、「何歳までに来なければおかしい」と一概には言えません。女子は初潮を迎えたあとも伸びは続きますが、伸びる幅は小さくなっていきます。詳しくはこちらをご覧ください。
【長田医師のコメント】「骨年齢は、身長という結果の手前にある、体の内側の時計のようなものです。同じ12歳でも、時計が先に進んでいるお子さんと、まだ手前にいるお子さんでは、これから先の景色がまったく違います。ただ、時計が遅れていることが『安心』とイコールでもありません。だからこそ、身長と骨年齢の両方を見て、その子の今の立ち位置を確認しておくことが大切だと考えています。」
「様子を見ましょう」でいい?12歳で専門の外来に相談する目安

ここまで読んで「うちの子はどうなのだろう」と迷われている方に、一般的な相談の目安をお伝えします。今すぐ受診が必要という意味ではありません。「こうした点が当てはまるなら、一度確認しておくと安心につながる」という目安です。
専門の外来に相談してよいサイン
成長曲線を見ると、平均の帯から少しずつ離れてきている
去年と比べて、身長がほとんど伸びていない
身長が低いことに加えて、体重が増えない、疲れやすい、頭痛や吐き気、視力の変化、長引く腹痛や下痢などがある
お子さん本人が、身長のことでつらい思いをしている
「様子を見ましょう」と言われたが、何を目安に見ればよいのかがわからない
とくに、身長の低さに加えて上のような別の症状がある場合は、身長だけの問題ではないこともあります。まずは小児科などで相談し、原因を確認することが大切です。どの診療科にかかればよいか迷う場合は、こちらもご覧ください。
専門の外来に相談したほうがよいとき|当院の骨年齢の検査
シンセルクリニック低身長治療センターでは、整形外科の医師が、お子さんの「あと伸びる余地」を骨年齢から確認する精密身長検査を行っています。検査は手のレントゲンと採血で、所要時間は30分ほど、痛みは採血の1回だけです。全国の提携クリニックで受けられ、費用は20,000〜27,000円(提携施設によって異なります)です。結果は1〜2週間ほどで出て、当院のオンライン診察で医師が説明し、そのうえで今後の方針を相談します。
なお、当院の検査では成長ホルモン負荷試験は行っていません。保険診療で行う負荷試験や、病気の診断は、小児内分泌を診る病院の領域です。当院のご相談は、「病気とまでは言えないが、もう少し伸ばしたい」「病院で病気ではないと言われたが、本人も親も悩んでいる」といった方が中心です。
成長ホルモンなどの治療を行う場合は自費診療となり、効果には個人差があります。すべての方が治療の対象になるわけではなく、骨端線がどれだけ残っているか、思春期がどの段階にあるかなどを診察で確認したうえで判断します。当院で対象としている年齢は6〜15歳で、年齢だけでなく今の骨端線の状態を見て判断します。
ネットで個人輸入した薬を、親御さんの判断でお子さんに使うことは絶対にしないでください。骨端線を逆に早く閉じさせ、お子さんの身長に一生影響してしまう危険があります。
▶ 骨年齢の検査はどこで受けられる?費用は?
▶ 中学生からの成長ホルモン治療は間に合う?
【長田医師のコメント】「ご相談にみえる12歳のお子さんの親御さんに多いのは、『もっと早く来たほうがよかったですか』というご質問です。私は『気になったときが相談のタイミングです』とお答えしています。相談したからといって、治療を始めなければならないわけではありません。骨年齢を見て、『いま特別なことはしなくて大丈夫ですよ』とお伝えできることも、外来ではよくあります。」
12歳の身長についてよくある質問

Q. 12歳で平均より10cm低いのですが、病気でしょうか?
平均との差だけでは、病気かどうかは判断できません。同じ12歳でも、生まれ月や思春期の進み方で、身長の幅はもともと大きく異なります。まず成長曲線に去年からの身長を書き込み、線が帯に沿って上がっているかを確認してください。帯から離れていく場合や、伸びが止まっているようにみえる場合は、小児科や専門の外来に相談を。
Q. 12歳の男子と女子で、平均身長はどちらが高いですか?
令和7年度は男子153.8cm、女子152.4cmで、男子のほうが1.4cm高くなっています。ただし10〜11歳では女子のほうが高く、12歳前後で入れ替わる時期にあたります。同じ12歳の中でも個人差が大きい年齢です。
Q. 12歳の平均体重は?身長と体重のバランスはどう見ればよいですか?
令和7年度の平均体重は、男子45.2kg、女子44.4kgです。体重も身長と同じく個人差が大きく、平均に近いかどうかだけで良し悪しは決まりません。体重が増えていない、逆に急に減ったなどの変化がある場合は、身長とあわせて相談してください。
Q. 中学生になってから伸びる子は多いですか?
男子は12歳から13歳にかけても、平均の身長が7.3cm増えます(令和7年度)。女子は12歳から13歳の増え方が2.6cmと小さくなります。これは平均の数字であり、個人差が大きい点はご留意ください。
Q. 牛乳やサプリで身長は伸びますか?
栄養は成長に必要な材料ですが、牛乳やサプリメントだけで身長を大きく伸ばせると示された確かな根拠は、私が把握している範囲ではありません。睡眠・食事・運動といった生活の土台を整えることが基本です。
Q. 親の身長が低いと、子どもも低くなりますか?
身長には遺伝の影響があります。ただし、遺伝だけですべてが決まるわけではなく、思春期の時期や生活環境も関わります。ご両親の身長との関係は、あくまで目安のひとつです。
「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。
12歳で平均より低いとき、家で確認できること
「平均と比べて何cm低いか」という点よりも、「去年から何cm伸びたか」という線の傾きのほうが大事です。平均の帯と同じ傾きで上がっていれば、低めでも順調です。
目安は、思春期前で年4cm未満が2年続いたら一度確認したほうがいい、というところです。
下の3つは、ご家庭で確かめられます。
成長曲線 自動計算グラフ|身長と体重を入れるだけで、SDとパーセンタイルが出ます
身長予測の計算|今の身長から最終身長の目安を出します
遺伝身長(目標身長)の計算|ご両親の身長から、落ち着く幅を出します
まとめ|12歳の平均身長は「物差しの一つ」。見るべきは伸びの流れ

12歳の平均身長は男子153.8cm、女子152.4cm、平均体重は男子45.2kg、女子44.4kg(文部科学省、令和7年度)
12歳は男女で進み方が分かれ、個人差も大きい年齢。男子は伸びの真っ最中の子が多く、女子は伸びが緩やかになり始める子が多い
標準偏差で見ると、−1SDは12歳の子が100人並んだときの前から15人目あたり、−2SDは2〜3人目あたり
「平均より◯cm低い」と線を引くのではなく、成長曲線の傾き(去年と今年の伸び)を見る
同じ12歳でも生まれ月と思春期の時期で見え方が違う。骨年齢を見ると、これから伸びる余地の目安がわかる
晩熟は必ず追いつくとは限らず、遅れているからあとで大きく伸びるとも言い切れない
成長曲線から離れていく、伸びが止まっている、ほかの症状があるときは、小児科や専門の外来へ
平均身長を調べて、不安な気持ちになった親御さんへ。平均は、お子さんの価値を測る数字ではありません。お子さんがこれまで歩いてきた成長の道すじを、成長曲線という線で見てあげてください。その線が、いちばん確かな答えを教えてくれます。
まずやってみていただきたいことは、ひとつだけです。成長曲線ツールに、お子さんの身長を書き込んでみてください。去年と今年の2つの点をつなぐだけで、平均の数字だけでは見えなかったことがわかります。
▶ 成長曲線ツール
関連コラム
参考文献
文部科学省. 学校保健統計調査 令和7年度(確定値)全国表1 年齢別 都市階級別 設置者別 身長・体重の平均値及び標準偏差/身長の年齢別分布/年次統計 年齢別 平均身長・平均体重の推移. 2026年2月13日公表. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400002&tstat=000001011648
文部科学省. 令和7年度学校保健統計調査の結果(調査の概要・調査結果のポイント). https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/kekka/k_detail/2025.htm
Isojima T, et al. Growth standard charts for Japanese children with mean and standard deviation (SD) values based on the year 2000 national survey. Clin Pediatr Endocrinol. 2016;25(2):71-6. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27212799/
Yoshii K, Tanaka T. Establishment of a longitudinal growth chart corresponding to pubertal timing. Clin Pediatr Endocrinol. 2018;27(4):215-224. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30393438/
Cole TJ, Mori H. Fifty years of child height and weight in Japan and South Korea: Contrasting secular trend patterns analyzed by SITAR. Am J Hum Biol. 2018;30(1):e23054. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28833849/
Oyachi M, et al. Accelerated pubertal onset in short children with delayed bone age. J Pediatr Endocrinol Metab. 2022;35(2):163-168. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34536343/
Crowne EC, et al. Final height in girls with untreated constitutional delay in growth and puberty. Eur J Pediatr. 1991;150(10):708-12. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1915481/
医師監修記事

長田 直祥
(おさだ なおき)
シンセルクリニック 低身長治療センター医師
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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