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【整形外科医解説】膝の内側が痛い原因8選|歩くと痛い・押すと痛い・腫れの見分け方と治し方
まずは動画でチェック!【膝の内側の痛み】
▶ 17分47秒・字幕付き|膝の内側が痛む主な原因と、見分け方・対処法を解説
関節の痛みや手足のしびれを諦める前に。医師が教える最新の改善ヒントを動画でチェックする▶
膝の内側が痛い——それは「場所」が教えてくれる重要なサインです
膝の痛みの中でも、「内側だけが痛い」というケースは非常に多く、整形外科外来でもっとも相談を受ける訴えのひとつです。ところが、「内側が痛い」といっても、その原因は一つではありません。変形性膝関節症、半月板損傷、鵞足炎、内側側副靭帯損傷など、原因によって治し方がまったく異なります。
この記事では、シンセルクリニック院長・武内晋司郎(整形外科・再生医療の専門の医師)が、膝の内側の痛みの原因を8つ丁寧に解説します。「どこを押すと痛いか」「どんなときに痛むか」で原因を絞り込むセルフチェックも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- まずは動画でチェック!【膝の内側の痛み】
- 膝の内側が痛い——それは「場所」が教えてくれる重要なサインです
- まず知っておきたい:膝の内側の解剖学的な構造
- 【セルフチェック】膝の内側の痛みを10秒で絞り込む
- 膝の内側が痛い原因8選
- ①変形性膝関節症(内側型)
- ②内側半月板損傷
- ③鵞足炎(がそくえん)
- ④内側側副靭帯(MCL)損傷
- ⑤変形性膝関節症の進行(O脚変形)
- ⑥伏在神経(ふくざいしんけい)障害
- ⑦関節炎(偽痛風・関節リウマチ)
- ⑧棚(plica)障害
- 膝の内側の痛みの「危険なサイン」——すぐ受診すべき症状
- 膝の内側の痛みの診断——何科に行けばいい?
- 膝の内側の痛みの治し方——保存療法から最新治療まで
- ①安静とアイシング(急性期)
- ②運動療法・リハビリ
- ③サポーター・インソール
- ④注射療法
- ⑤再生医療(幹細胞治療・PRP療法)
- ⑥手術(骨切り術・人工関節置換術)
- 変形性膝関節症の「手術しない」選択肢——シンセルクリニックの考え方
- 膝の内側の痛み予防——日常生活でできること
- まとめ:膝の内側の痛みは「原因の特定」が最優先
- 参考文献
まず知っておきたい:膝の内側の解剖学的な構造
膝の内側(医学的には「内側コンパートメント」)には、以下の組織が集中しています。
内側半月板(クッションの役割)
内側側副靭帯(MCL):膝の横揺れを防ぐ靭帯
内側関節面(大腿骨と脛骨の軟骨)
鵞足(縫工筋・薄筋・半腱様筋の腱が集まる部位)
これらのどの組織が傷んでいるかによって、痛みの場所・タイミング・性質が微妙に異なります。自己判断で「ただの疲れ」「歳のせい」と放置すると、損傷が進行して手術が必要になるケースもあるため、早めの見極めが大切です。
→ 膝の痛みの場所ごとの原因については、膝の痛みの場所で原因がわかる!内側・外側・前・後ろの痛みを医師が解説もあわせてご覧ください。
【セルフチェック】膝の内側の痛みを10秒で絞り込む
以下のチェックリストで、自分の症状に近いものを選んでみてください。
症状の特徴 | 疑われる原因 |
|---|---|
歩き始めや立ち上がりに内側がズキズキする。50代以上。 | 変形性膝関節症(内側型) |
膝の内側をピンポイントで押すと激しく痛む。走ったり階段で悪化。 | 内側半月板損傷 |
膝の内側少し下(脛骨の上あたり)を押すと痛い。ランナーや高齢女性。 | 鵞足炎 |
スポーツ中に膝をひねって内側に強い痛み。腫れている。 | 内側側副靭帯損傷 |
膝の内側がジンジンしびれる感じもある。 | 伏在神経障害(内側膝神経の圧迫) |
膝全体が腫れていて内側が痛い。発熱感がある。 | 関節炎(偽痛風・関節リウマチなど) |
変形してO脚がひどくなってきた。 | 変形性膝関節症の進行 |
膝を深く曲げると内側で引っかかる感じがある。 | 棚(plica)障害 |
膝の内側が痛い原因8選

①変形性膝関節症(内側型)
膝の内側が痛む原因の中で、もっとも多いのが変形性膝関節症です。
日本では推定2,500万人が罹患しているとされ、特に50代以降の女性に多く見られます。
膝関節は内側と外側の2つのコンパートメントに分かれていますが、日本人はO脚(内反膝)の傾向が強く、体重の約70〜80%が内側に集中しやすいことが知られています。そのため、軟骨のすり減りは圧倒的に内側から始まるのです。
主な症状
歩き始め・立ち上がり時に内側がズキッと痛む(動き出し痛)
長時間歩くと痛みが増す
正座や深くしゃがむのがつらい
進行すると安静にしていても痛む(安静時痛)
O脚が強くなっていく
変形性膝関節症は、一度すり減った軟骨は自然には回復しません。ただし、進行を遅らせることは十分に可能です。「手術しかない」と思い込む前に、治療の選択肢を確認することが重要です。
→ 変形性膝関節症でやってはいけないこと10選|正座・スクワット・運動・仕事中の正解
②内側半月板損傷
半月板は膝関節の中にあるC字型のクッション。内側と外側の2枚あり、損傷するのは圧倒的に内側が多いです。
スポーツ中のひねりや転倒による急性損傷と、加齢による変性断裂(変性裂傷)の2種類があります。変性裂傷は特にきっかけなく「気づいたら痛くなっていた」というケースが多く、40〜60代に多く見られます。
主な症状
膝の内側関節の隙間(関節裂隙)を指で押すと鋭く痛む
階段の上り下り・しゃがみ・正座で内側が痛む
膝が「引っかかる」感覚(ロッキング)が起きることもある
腫れを伴うことがある
半月板損傷は、MRIで程度を確認することが確定診断の基本です。症状が軽度であれば保存療法(安静・リハビリ・注射)で対応できますが、重度の場合は手術(切除または縫合)が検討されます。ただし、半月板を切除すると将来の変形性膝関節症リスクが上昇することが報告されており、切らない選択肢を検討する意義があります。
→ 半月板損傷の内側・外側の違い|症状・痛む場所・軽度で歩ける?治療・手術の選択基準
③鵞足炎(がそくえん)
「鵞足(がそく)」とは、膝の内側・やや下(脛骨の上部)に3本の筋肉の腱(縫工筋・薄筋・半腱様筋)が集まる部位です。ガチョウの足(鵞足)に形が似ていることからこの名前がついています。
この部位に繰り返しストレスがかかると炎症が生じ、膝の内側より少し下あたりを押すと強く痛むのが特徴です。
主な症状・なりやすい人
膝の内側・少し下(関節ラインより2〜3cm下)を押すと痛い
ランナー・ウォーキング習慣のある人(過使用)
肥満・O脚・変形性膝関節症を持つ中高年女性
階段・坂道で痛みが増す
鵞足炎は、変形性膝関節症と合併していることが多く、「膝全体が痛い」と思っていたら実は鵞足炎も重なっていたというケースが少なくありません。
④内側側副靭帯(MCL)損傷
内側側副靭帯(Medial Collateral Ligament)は、膝の内側にある靭帯で、膝が内側に曲がりすぎないよう支えています。スポーツ中に膝に外側から強い力がかかる(例:タックル、転倒)と、この靭帯が伸びたり切れたりします。
主な症状
スポーツ中のケガをきっかけに膝の内側が強く痛んだ
内側の靭帯の走行に沿って圧痛がある
腫れ・内出血を伴うことがある
膝に横方向の不安定感がある
MCL単独損傷は比較的保存療法(装具固定+リハビリ)で回復しやすいですが、前十字靭帯(ACL)や半月板との複合損傷の場合は手術が必要になることもあります。
⑤変形性膝関節症の進行(O脚変形)
変形性膝関節症が進行すると、内側の軟骨がほぼなくなり、骨同士が直接こすれる状態になります。この段階になるとO脚が目に見えて強くなり、歩き方が変わってきます。
グレード分類(Kellgren-Lawrence分類)でいうと、Gradeが上がるほど内側の関節裂隙が消え、骨棘(こつきょく)が形成されます。この段階では保存療法の効果が限定的になり、外科的介入(骨切り術・人工関節置換術)や再生医療が選択肢に入ってきます。
→ 変形性膝関節症の手術の種類・費用・入院期間|関節鏡・骨切り・人工関節の違い
⑥伏在神経(ふくざいしんけい)障害
膝の内側には「伏在神経」という細い感覚神経が走っています。この神経が内側副靭帯の周辺で絞扼(圧迫)されると、膝の内側からすねにかけてジンジン・ピリピリとした感覚異常が生じます。
変形性膝関節症の手術後に「膝の内側がしびれる・感覚がない」という後遺症として現れることも多く、見落とされがちな原因です。
⑦関節炎(偽痛風・関節リウマチ)
膝が熱感・腫れを伴って内側が痛む場合、炎症性疾患の可能性もあります。
偽痛風:ピロリン酸カルシウムの結晶が関節内に沈着して起きる急性の炎症。中高年に多く、突然の激痛と腫れが特徴。
関節リウマチ:自己免疫疾患。両膝など左右対称に腫れる傾向がある。朝のこわばりが特徴的。
痛風:尿酸結晶が関節に沈着。足の親指付け根に多いが、膝にも生じることがある。
炎症性疾患は、整形外科的な治療(手術・注射)では根本解決にならないため、血液検査・関節液検査による正確な診断が必須です。
⑧棚(plica)障害
膝の関節内には「滑膜ひだ(plica)」と呼ばれる組織があります。通常は問題ありませんが、スポーツなどで繰り返しストレスがかかると炎症を起こし、膝を曲げ伸ばしするときに内側で引っかかり感やクリック音が生じます。
10〜30代の若いスポーツ選手や運動習慣のある人に多い疾患で、「ランナーが膝の内側で音がする」という訴えの原因になることがあります。
膝の内側の痛みの「危険なサイン」——すぐ受診すべき症状
以下の症状が一つでも当てはまる場合は、速やかに整形外科を受診してください。
膝が急に腫れ上がり、触ると熱感がある
ケガをしたあとに立てなくなるほど痛い
膝がガクッと崩れる感覚(膝崩れ)がある
膝が完全に伸ばせない・曲げられない(ロッキング)
安静にしていても夜間に痛みで目が覚める
しびれや感覚の異常が同時にある
膝の内側の痛みの診断——何科に行けばいい?
膝の内側の痛みは、まず整形外科を受診するのが基本です。以下の検査で原因を特定します。
X線(レントゲン):骨の変形・関節裂隙の狭小化を確認。変形性膝関節症のグレード判定に使う。
MRI:半月板・靭帯・軟骨の状態を詳細に評価。軟部組織の損傷に必須。
超音波(エコー):鵞足炎・靭帯付着部の炎症・水腫を確認。
血液検査:関節リウマチ・痛風・偽痛風の鑑別。
「MRIを持っていないと診てもらえないのでは?」とご心配の方もいらっしゃいますが、シンセルクリニックではMRI未撮影の方でも相談を受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。
膝の内側の痛みの治し方——保存療法から最新治療まで
①安静とアイシング(急性期)
腫れや熱感がある急性期には、RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)が基本です。炎症が強い時期に無理に動かすと損傷が広がります。
②運動療法・リハビリ
炎症が落ち着いたら、大腿四頭筋(太もも前面)と内転筋の強化が中心になります。筋肉が膝を支える力を高めることで、内側への負担を分散します。
ただし、誤ったフォームでのトレーニングは逆効果になることもあります。
③サポーター・インソール
内側型の変形性膝関節症には、外側ウェッジインソール(外側が高くなっている中敷き)が有効なケースがあります。O脚による内側への荷重集中を外側に分散する効果が期待できます。
膝サポーターは、軽度〜中等度の安定化に有効ですが、使いすぎると筋力低下を招く可能性もあります。
④注射療法
ヒアルロン酸注射は、関節内の潤滑を助け、炎症を抑える効果があります。週1回×5回が標準的な療程ですが、個人差があります。繰り返し打つうちに効果が薄れてきた場合は、次の選択肢を考える時期です。
→ 膝のヒアルロン酸注射が効かなくなったら?次の選択肢を解説
ステロイド注射は即効性がありますが、頻回投与は軟骨や腱への悪影響が指摘されており、使いすぎには注意が必要です。
⑤再生医療(幹細胞治療・PRP療法)
手術を回避したい方や保存療法の効果に限界を感じている方に、近年注目されているのが再生医療です。
シンセルクリニックでは、脂肪由来の幹細胞を用いた治療を提供しています。変形性膝関節症・半月板損傷に対して、軟骨・半月板の修復を促す効果が期待されます。入院不要・メスを使わない治療であることが特徴です。
→ 変形性膝関節症の再生医療:手術を避ける「切らない」治療法
⑥手術(骨切り術・人工関節置換術)
保存療法・再生医療を十分に試みても改善がなく、日常生活に大きな支障がある場合は、外科的治療が検討されます。
高位脛骨骨切り術(HTO):脚の骨を切って荷重軸を内側から外側に移す手術。比較的若年(60歳未満)・活動性が高い人向け。
人工膝関節全置換術(TKA):膝関節面を人工物に置換。進行した変形性膝関節症の最終手段。耐用年数は15〜20年程度。
手術を検討する場合は、複数の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くことをお勧めします。
変形性膝関節症の「手術しない」選択肢——シンセルクリニックの考え方
シンセルクリニックに相談に来られる方のうち、約半数の方がMRIを持っておらず、また多くの方が「手術は回避したい」というご希望をお持ちです。
整形外科では「手術しかない」と言われた方でも、保存療法や再生医療で手術を先送り・回避できたケースは少なくありません。
大切なのは、「今の膝の状態に合った治療の段階」を正確に判断することです。すり減り具合・炎症の程度・年齢・生活スタイルを総合的に評価した上で、最善の選択肢をご提案します。MRI画像がなくても初回相談を受け付けています。
「膝の内側が痛くて、手術以外の方法があるか知りたい」という方は、ぜひ一度シンセルクリニックにご相談ください。
▶ 無料相談・問い合わせはこちら(MRI画像なしでも相談可)
膝の内側の痛み予防——日常生活でできること
適正体重の維持:体重が1kg増えると膝への負荷は約3〜4kg増えるとされています。
大腿四頭筋・内転筋の強化:座ったまま足を伸ばして10秒キープする「レッグレイズ」は膝に負担をかけずに行えます。
正しい歩き方:つま先をやや外向きにして歩く「外八字」は内側への荷重を増やします。できるだけ正面に向けた歩行を意識してください。
靴・インソールの見直し:クッション性のある靴を選び、必要に応じて外側ウェッジインソールを活用する。
正座・深しゃがみを避ける:これらの動作は内側への負担が特に大きくなります。
まとめ:膝の内側の痛みは「原因の特定」が最優先
膝の内側の痛みは、同じ「内側」でも原因が多岐にわたります。主な原因をまとめると以下の通りです。
変形性膝関節症(内側型):最多。50代以上・O脚の人に多い。
内側半月板損傷:関節裂隙を押すと痛む。MRIで確認が必要。
鵞足炎:関節ラインより少し下を押すと痛む。ランナー・高齢女性に多い。
内側側副靭帯損傷:スポーツのケガ後に多い。
その他:棚障害・伏在神経障害・関節炎など。
自己判断で放置すると損傷が進みます。「歩くたびに内側が痛い」「押すと激しく痛む」「腫れている」という場合は、早めに整形外科を受診することが重要です。
シンセルクリニックでは、手術を回避したい方のご相談を随時受け付けています。MRI画像がなくても問題ありません。
参考文献
Kellgren JH, Lawrence JS. Radiological assessment of osteo-arthrosis. Ann Rheum Dis. 1957;16(4):494-502. https://doi.org/10.1136/ard.16.4.494
Englund M, et al. Incidental meniscal findings on knee MRI in middle-aged and elderly persons. N Engl J Med. 2008;359(11):1108-1115. https://doi.org/10.1056/NEJMoa0800777
Roos EM, Arden NK. Strategies for the prevention of knee osteoarthritis. Nat Rev Rheumatol. 2016;12(2):92-101. https://doi.org/10.1038/nrrheum.2015.135
Cicuttini FM, et al. Effect of physical activity on articular cartilage in adults: a systematic review. Semin Arthritis Rheum. 2014;43(6):789-799.
日本整形外科学会・日本変形性関節症学会. 変形性膝関節症診療ガイドライン 2023年版. https://www.joa.or.jp
院長監修記事

武内 晋司郎
(たけうち しんじろう)
シンセルクリニック総院長
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
医師プロフィールはこちら
三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。
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