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【医師監修】低身長症チェック|どこから受診の目安?家庭でできる確認と、診断までの流れ
「うちの子、学年でいつも前から数えたほうが早い。これって低身長症なのでしょうか」
「学校の健診では何も言われなかったけれど、去年からあまり背が伸びていない気がする」
お子さんの身長が気になっても、「どこからが病気で、どこまでが個性なのか」は、なかなか判断がつきません。ネットで「低身長症 チェック」と調べると、たくさんの目安が出てきて、かえって不安になる方も多いと思います。
この記事では、シンセルクリニック低身長治療センターで診療にあたる整形外科の医師・長田が、ご家庭でできる確認の手順、様子を見てよい場合と相談したほうがよい場合の分かれ目、低身長がいつ分かるのか、そして受診してから診断までの大まかな流れを、確認できる資料の範囲でお伝えします。
この記事の結論
低身長症のチェックで大切なのは、いまの身長の「点の高さ」よりも、これまでの「線の傾き」。母子手帳や学校の記録を集めて、成長曲線に点を打ってみるのが第一歩
見るポイントは3つ。①平均と比べた位置(−2標準偏差が目安)、②成長曲線の線に沿って伸びているか、③この1年でどれくらい伸びたか
低くても線に沿って伸びていれば、体質などで様子を見ることも多い。一方で、線が帯から離れていく・急に伸びなくなったときは、一度相談したほうが安心
低身長は、乳幼児健診や学校の健診で指摘されて気づくことが多い。小学校高学年から中学生にかけて、少しずつ差が開いて気づくこともある
家庭のチェックはあくまで目安。診断は、成長曲線・問診・身体計測を土台に、必要に応じて骨年齢や血液検査へ進む。「今すぐ決めなければ」と焦る必要はない
- この記事の結論
- 低身長症チェックの前に知っておきたい|「低い」だけでは判断できません
- 低身長はいつ分かる?気づくきっかけは健診と、少しずつ開く差
- 乳幼児健診や学校の健診で指摘される
- 小学校高学年から中学生で、少しずつ差が開いて気づく
- 家庭でできるチェック①|まず「記録」を集めて、正しく測る
- 記録はどこにある?
- これからの記録は「同じ条件」で測る
- 家庭でできるチェック②|成長曲線に点を打って、「線の傾き」を見る
- 点を結んだ線を、3つのパターンで見る
- 学校の健診で使われる目安
- 「1年の伸び」の見方
- 家庭のチェックリストと、「様子を見てよい」「相談したほうがよい」の分かれ目
- 様子を見てよいことが多いケース
- 一度、相談したほうが安心なケース
- 受診の目安と、最初に相談する場所|持ち物と伝えること
- 最初の相談先は、かかりつけの小児科で大丈夫
- 受診のときに持っていくもの
- こんなサインは、早めに相談してください
- チェックだけでは決められない理由
- 診断までの流れ|受診するとどんなことをするの?
- 病気が見つかる場合と、見つからない場合
- 専門の外来に相談したほうがよいとき
- 「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
- 低身長症のチェックについてよくある質問
- Q. 低身長症は、何歳ごろに分かりますか?
- Q. 親が小さいので、うちの子も小さいのは仕方ないですか?
- Q. 家庭でのチェックで「問題なし」なら、受診しなくてよいですか?
- Q. 病院で「異常なし」と言われましたが、まだ身長が気になります。
- Q. インターネットで薬やサプリを買って、家で試してもよいですか?
- まとめ|チェックは「気づく」ためのもの。迷ったら記録を持って相談を
- 関連コラム
- 参考文献
低身長症チェックの前に知っておきたい|「低い」だけでは判断できません

最初に、いちばん大切なことをお伝えします。身長が低いことと、低身長症という病気があることは、同じではありません。
日本小児内分泌学会は、子どもの身長の基準範囲を「平均から−2.0標準偏差〜+2.0標準偏差の間」とし、この範囲に約95%の子どもが入ると説明しています。そして、−2.0標準偏差以下の子どもは100人のうち2〜3人くらいとされています。
「標準偏差」という言葉は難しく聞こえますが、ここでは「同じ年齢・同じ性別の子どもを背の順に並べたとき、平均からどれくらい離れているかを表す物差し」と考えてください。−2標準偏差は、100人並んだときに、前から2〜3番目あたりの位置です。
では、チェックでは何を見ればよいのでしょうか。ご家庭で見るポイントは、次の3つに整理できます。
見るポイント | 確かめること | わかりやすく言うと |
|---|---|---|
①位置 | 同じ年齢・性別の平均と比べて、どのあたりにいるか | 背の順で、どのあたりか |
②線の傾き | これまでの記録を結んだ線が、成長曲線の帯に沿っているか | ずっと同じペースで伸びてきたか |
③1年の伸び | この1年で何cm伸びたか | 最近になって伸びが鈍っていないか |
この中でも、いちばん重みがあるのは②の線の傾きです。同じ「前から2番目」でも、小さいころからずっと同じ位置で伸びてきた子と、以前は真ん中あたりだったのに少しずつ順位が下がってきた子とでは、意味がまったく違います。
前者は体質のことも多く、後者は、一度原因を確認したほうがよい可能性があります。点の高さだけで一喜一憂せず、線を見る。これが、低身長のチェックの基本です。
▶ 低身長は何センチから?年齢別の目安
▶ 成長曲線の自動計算ツール
【長田医師のコメント】「外来でいちばん多いご質問は『何センチ以下だと低身長症ですか』です。もちろん目安の数字はありますが、診察では数字ひとつで決めることはしません。同じ身長でも、これまでどう伸びてきたかで、見立てがまったく変わるからです。まずは『線』を見る、という気持ちでチェックを始めてみてください。」
低身長はいつ分かる?気づくきっかけは健診と、少しずつ開く差

「いつ分かるのか」というご質問も多くいただきます。結論からいうと、生まれた直後に分かる場合もあれば、小学校高学年から中学生になって気づく場合もあり、時期は人によってさまざまです。
乳幼児健診や学校の健診で指摘される
医療情報サイトの解説では、低身長が分かるきっかけとして、1歳半健診で体重の増え方や身長の低さを指摘される場合、3歳児健診や学校の健診で指摘される場合が、多いとされています。
学校の健診については、2014年(平成26年)に学校保健の決まりが見直され、座高の検査がなくなるのと入れ替わりに、身長と体重の成長曲線を積極的に活用することが示されました。年に1回は、すべての児童生徒について成長曲線を描くことが求められています。そのため、これまで見過ごされていた「線の変化」が、学校で気づかれる機会も増えています。
小学校高学年から中学生で、少しずつ差が開いて気づく
もう一つ多いのが、小学校高学年から中学生のころに、周りの子との差が目立ってきて気づくパターンです。
▶ 第二次性徴はいつから?男の子・女の子の目安
▶ 成長スパートのサイン
【長田医師のコメント】「『もっと早く気づいていれば』とおっしゃる親御さんは本当に多いのですが、毎日顔を合わせているお子さんの変化は、いちばん近くにいる方ほど気づきにくいものです。それは自然なことです。気になった今日が、確認を始める日。それで十分です。」
家庭でできるチェック①|まず「記録」を集めて、正しく測る

それでは、ご家庭でのチェックの手順に入ります。最初にやることは、これまでの身長と体重の記録を集めることです。
記録はどこにある?
探していただきたいのは、次の記録です。すべて揃っていなくても大丈夫です。
母子健康手帳:乳幼児期の身長・体重が載っています。成長曲線のグラフが付いています
学校の健康診断の結果:毎年の身長・体重が記録されています。保健室や学校に問い合わせると、過去の分を教えてもらえることもあります
園や習い事の記録:保育園・幼稚園の身体測定の記録など
ご家庭での記録:柱の傷や、お誕生日ごとの測定メモも立派な記録です
数字を探すと、「去年から全然伸びていない」「小学校に入ってから順位が下がった」といった変化が見えてくることがあります。
これからの記録は「同じ条件」で測る
身長は、測る時間帯や姿勢でも変わります。1日の中で朝のほうが少し高く、夕方には少し低くなるのが普通です。記録をつけるなら、できるだけ同じ条件をそろえましょう。
時間帯:毎回、同じ時間帯(たとえば朝食前)に測る
場所:壁と床が平らな、同じ場所で測る
姿勢:かかと・お尻・背中・後頭部を壁につけ、あごを軽く引く
頻度:3か月に1回くらい。毎週は測らなくて大丈夫
記録:日付と数字を、ノートやスマートフォンに必ず残す
【長田医師のコメント】「診察に記録を持ってきてくださるご家庭は、判断がとても正確になります。逆に、過去の数字がなくても心配はいりません。今日から測り始めた数字は、半年後、1年後に必ず役に立ちます。記録は、お子さんの成長を伝える『手紙』のようなものだと思って、残してあげてください。」
家庭でできるチェック②|成長曲線に点を打って、「線の傾き」を見る

記録が集まったら、次は成長曲線に点を打ってみましょう。成長曲線は、同じ年齢・同じ性別の子どもたちの身長の平均と、その幅を示したグラフです。日本小児内分泌学会のホームページから、男の子用・女の子用の成長曲線を印刷して使うことができます。日本人の子どもを調べた2000年のデータをもとにした曲線です。
当院のサイトにも、身長と体重を入れるだけで曲線の上に自動で位置を表示するツールがあります。計算や描き方は、そちらにお任せください。
点を結んだ線を、3つのパターンで見る
点を打って結んだ線は、おおまかに次の3つのパターンに分けて考えられます。
線のようす | 考えられること | 次の一手 |
|---|---|---|
低めでも、帯に沿って伸びている | 体質や遺伝、ゆっくり育つタイプのことが多い | 記録を続けて、定期的に見直す |
帯から少しずつ離れて、下がってきている | 伸び方に変化が起きている可能性がある | 一度、小児科などに相談する |
急に伸びが止まった、または線が下に折れた | 体の状態を確認したほうがよい場合がある | 早めに相談する |
日本学校保健会の解説では、成長曲線の線が基準線の2本を横切って上がったり下がったりする場合は、何らかの原因が隠れていることがあるとされています。「低いかどうか」ではなく、「これまでと違う動きをしていないか」を見る、ということです。
学校の健診で使われる目安
学校の健康管理の資料では、医療機関への相談を考える目安として、身長の最新の値が3パーセンタイル以下、または−2.5Zスコア以下であること、また、過去の身長の最大値に比べて最新の値が1Zスコア以上小さくなっていることが挙げられています。後者は、低身長に限らず、体の状態を確認したほうがよい場合の目安です。
要は、「かなり低い位置にいる」か「以前の位置から大きく下がってきた」ときは、確認しましょう、ということです。ご家庭で計算する必要はありません。
「1年の伸び」の見方
もうひとつ、よく紹介される目安に「1年間に5cm以上伸びているか」があります。確かに、ひとつの目安として語られることが多い数字です。ただし、伸びる量は年齢や思春期のどの時期にいるか、性別によって変わります。一律に「5cmあれば安心」「5cm未満なら病気」と決められるものではありません。
数字そのものより、その子のこれまでのペースと比べてどうかが大切です。
【長田医師のコメント】「成長曲線に点を打つと、数字を並べていたときには見えなかったことが、一目で分かります。ある日、親御さんが自分で曲線を描いてきてくださって、『ここから急に平らになっているんです』と指さされたことがありました。その『気づき』が、受診のきっかけとしていちばん正確なのだと、外来で実感しています。」
家庭のチェックリストと、「様子を見てよい」「相談したほうがよい」の分かれ目

成長曲線のほかに、身長以外の「ようす」も、チェックの手がかりになります。次の表で、お子さんに当てはまるものを確かめてみてください。ひとつ当てはまったから病気、という意味ではなく、「相談するときに伝えるとよいこと」のメモとして使ってください。
見る場所 | 確かめること |
|---|---|
成長曲線 | 線が帯から離れてきていないか。以前より下がっていないか |
この1年 | 以前と比べて、伸びが目に見えて小さくなっていないか |
生まれたとき | 小さめに生まれて、そのままゆっくり育っているか(小さく生まれた子は、3歳ごろまでに追いつく場合が多いとされています) |
体のバランス | 手足の長さや、体のつり合いが気になる点はないか |
思春期 | 周りの子と比べて、体つきの変化がかなり早い、または遅くないか |
体調 | よく疲れる、頭痛が続く、食欲や体重の増え方が極端など、気になる変化はないか |
家族 | ご両親やきょうだいの身長、思春期の来た時期はどうか |
生活 | 睡眠時間、食事の内容、運動の習慣に大きな偏りはないか |
様子を見てよいことが多いケース
次のような場合は、あわてずに記録を続けながら、様子を見ることも多いとされています。
低めではあるが、成長曲線の帯に沿って、ずっと同じペースで伸びてきた
ご両親のどちらか、または両方の身長が低めで、体質が似ていそうである
思春期の始まりがゆっくりで、周りの子より少し遅れている
元気で、食欲や睡眠に問題がない
ただし、「様子を見る」は「何もしない」ではありません。数か月に一度、同じ条件で測って、記録をつけ続けることが前提です。記録を続けていれば、もし変化が出たときに、早く気づくことができます。
一度、相談したほうが安心なケース
成長曲線の線が、帯から少しずつ離れて下がってきている
急に伸びが止まった、または、この1年の伸びが以前より目に見えて小さい
身長が、同じ年齢・性別の中でかなり低い位置(−2標準偏差以下)にある
学校や園の健診で、受診や精密検査をすすめられた
小さく生まれて、3歳を過ぎても周りに追いついてこない
思春期の変化が、極端に早い、または遅い
身長以外にも、体調の気になる変化が続いている
「治療しなかったらどうなるのか」が気になる方は、次の記事で、低身長のタイプ別に整理しています。
▶ 低身長を治療しなかったらどうなる?
▶ 生まれたときに小さかった子の低身長(SGA性低身長症)
▶ 思春期が早い(早熟)と身長はどうなる?
▶ 思春期が遅い(晩熟)の身長の伸び方
【長田医師のコメント】「『様子を見ましょう』という言葉は、とても大切な言葉ですが、ときどき『何もしなくていい』と受け取られてしまうことがあります。正しくは『記録をつけながら見守りましょう』です。見守る間も、測る・書く、を続けてもらえると、いざというときの判断がずっと正確になります。」
受診の目安と、最初に相談する場所|持ち物と伝えること

ここまでの確認で「一度相談したい」と思われたときの、動き方を整理します。
最初の相談先は、かかりつけの小児科で大丈夫
最初の相談先は、いつも診てもらっているかかりつけの小児科でかまいません。必要に応じて、小児内分泌を扱う専門の外来を紹介してもらう流れが一般的です。何科に行けばよいか迷う方は、次の記事で、小児科・内分泌科・整形外科・自由診療のクリニックの違いを整理しています。
受診のときに持っていくもの
母子健康手帳(成長曲線のページが付いたもの)
学校や園の健康診断の記録。健診で渡された「受診のおすすめ」の用紙があれば、それも
ご家庭で測った身長・体重の記録と、先ほど描いた成長曲線
ご両親・ごきょうだいの身長と、思春期が来た時期のメモ
こんなサインは、早めに相談してください
身長のことだけでなく、次のような変化があるときは、様子を見ずに、早めに医療機関に相談してください。
急に身長の伸びが止まった
頭痛が続く、吐き気がある、視野や視力の異常を訴える
強い疲れやだるさが続く、体重が急に増えた・減った
これらは、成長に関わる体のしくみ(ホルモンを出す部位や甲状腺など)の状態を確認するときに、手がかりになることがあります。多くの場合は心配のいらない変化ですが、身長以外の変化が重なったときは、早めに確認しておくほうが安心です。
チェックだけでは決められない理由
ご家庭のチェックや、インターネットの診断ツールは、相談するかどうかの目安にはなりますが、診断を決めることはできません。身長は、体調や測る環境で数ミリ〜数センチの誤差が出ます。また、骨年齢や血液の状態など、見た目や身長の記録だけでは分からないことが多いからです。
▶ 身長が伸びない子の特徴と、親が気づくべきサイン
▶ 低身長症は「顔つき」に特徴がある?
【長田医師のコメント】「受診を迷われるときは、『相談だけでもいいのかな』と遠慮される方が多いのですが、まったく遠慮はいりません。記録を持って来ていただければ、『今は様子を見て、半年後にもう一度測りましょう』とお答えして終わることも、ごく普通にあります。それは、診察が無駄だったのではなく、安心という答えをお持ち帰りいただけた、ということです。」
診断までの流れ|受診するとどんなことをするの?

「受診したら、いきなり大がかりな検査をされるのでは」と心配される方もいます。実際の流れは、段階を踏んで少しずつ進みます。
順番 | 内容 | ひと言メモ |
|---|---|---|
1 | 成長曲線の確認 | 集めた記録から線の傾きを見る。ここが土台 |
2 | 問診 | 生まれたときの状況、既往歴、家族の身長、生活のようすなどを聞かれる |
3 | 身体計測・診察 | 身長・体重、体のバランス、思春期の進み具合などを診る |
4 | 手のレントゲン・血液検査 | 骨年齢や、甲状腺・成長に関わる項目などを調べる。必要と判断されたときに行う |
5 | 必要に応じて、さらに詳しい検査 | 成長ホルモンの分泌を調べる負荷試験など。全員が受けるわけではない |
つまり、最初の受診では、採血や大がかりな検査をせず、記録を見て、お話を聞いて、診察をするだけで終わることも多いのです。そのうえで、必要だと判断されたものだけ、次の段階に進みます。
病気が見つかる場合と、見つからない場合
日本小児内分泌学会は、低身長の原因として、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの異常、染色体の病気、子宮内での発育不全、骨や軟骨の病気、臓器の病気、遺伝・体質・環境の要因などを挙げています。診断までの流れは、これらのうち「どれが関係していそうか」を、少しずつ絞っていく作業です。
検査を重ねても、はっきりした病気が見つからないお子さんも少なくありません。そのような場合は、体質や、ゆっくり育つタイプの低身長ということになります。「診断名がつかなかった」ことは、身長の悩みがなくなったということではありません。気になるときは、相談を続けて大丈夫です。
▶ 低身長の検査とは?血液検査・骨年齢・成長ホルモン負荷試験の流れ
▶ 成長ホルモン分泌不全性低身長症とは?
▶ 低身長の原因と治療(男の子・女の子)
専門の外来に相談したほうがよいとき
当院は、病気の診断をつける施設ではなく、骨端線(こったんせん)の状態をもとに、お子さんの「残りの伸びしろ」を確認して方針をご相談する外来です。精密身長検査は、手のレントゲンと採血の2つだけで、身体計測や成長ホルモンの負荷試験は行いません。全国の提携クリニックで受けられ、約30分(待ち時間込み)で、痛みは採血の1回だけです。結果が出るまでは1〜2週間かかり、結果は郵送されず、当院のオンライン診察でご説明し、そのうえで今後の方針をご相談します。費用は20,000〜27,000円です(提携先により差があります)。低身長の治療は自費診療で、効果には個人差があり、すべての方が対象となるわけではありません。動画では、検査を受けるか迷っている方に向けて、検査の意味を解説しています。
病気の可能性が心配なときは、まず小児科や小児内分泌の外来での評価が土台になります。「病気ではないと言われたけれど、身長が気になる」「あと何年伸びる時間が残っているかを知りたい」というときは、当院の検査がお役に立てることがあります。
▶ 骨年齢の検査はどこで受ける?費用の目安
▶ 身長予測計算ツール
【長田医師のコメント】「初めての受診で、『こんなに少ないことしかしないんですね』と言われることがあります。実は、最初に一番時間をかけるのは、お子さんの記録を見ることとお話を聞くことなんです。そこに答えの半分くらいが入っていて、検査は、その答えを確かめるために必要なものだけを選んで行う、という順番です。」
「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
子どもの身長について、ほかの記事もお探しの方は 子どもの身長コラム テーマ別インデックス(134本) からどうぞ。
低身長症のチェックについてよくある質問

Q. 低身長症は、何歳ごろに分かりますか?
時期は人によって異なります。乳幼児健診や、学校の健診で指摘されて分かることが多く、小学校高学年から中学生のころに、周りとの差が開いて気づく場合もあります。何歳で気づいても、確認を始めるのに遅すぎることはありません。思春期が終わって骨端線が閉じてしまうと伸びしろが少なくなるため、気になったら早めに記録を取り、確認を始めることが大切です。
Q. 親が小さいので、うちの子も小さいのは仕方ないですか?
身長にご両親の体質が関わるのは確かです。ただし、「遺伝だから仕方ない」と決めつけず、成長曲線の線に沿って伸びているかを見ることが大切です。体質で小さい子もいれば、体質に加えて別の理由が重なっている子もいます。線の傾きで確認してみてください。
▶ 身長と遺伝の関係
Q. 家庭でのチェックで「問題なし」なら、受診しなくてよいですか?
線が帯に沿って伸びていて、1年の伸びも以前と変わらず、体調にも気になる点がなければ、記録を続けながら様子を見ることも多いでしょう。ただし、ご家庭のチェックは目安です。気になることが続くときや、不安が消えないときは、数字を持って相談してかまいません。
Q. 病院で「異常なし」と言われましたが、まだ身長が気になります。
「異常なし」は、成長ホルモンなどに病気が見つからなかったという意味で、身長のお悩みがなくなったという意味ではありません。ご家族が気になるようであれば、相談を続けることは間違いではありません。当院では、骨年齢をもとに、あと何年伸びる時間が残っているかを確認する検査も行っています。
Q. インターネットで薬やサプリを買って、家で試してもよいですか?
ご家庭の判断で、成長ホルモンなどの薬を個人輸入して使うことは、絶対にやめてください。かえって骨端線を早く閉じさせてしまい、身長に取り返しのつかない影響が出る危険があります。必ず医師の管理のもとで検討してください。
まとめ|チェックは「気づく」ためのもの。迷ったら記録を持って相談を

低身長症のチェックは、点の高さよりも線の傾きを見る。母子手帳や学校の記録を集め、成長曲線に点を打つのが第一歩
見るポイントは、位置(−2標準偏差が目安)・線の傾き・この1年の伸びの3つ。1年の伸びは年齢や思春期で変わるため、その子のこれまでのペースと比べる
低くても線に沿って伸びていれば、記録を続けながら様子を見ることも多い。線が帯から離れる・急に伸びが止まるなど、変化があるときは相談する
低身長は、乳幼児健診や学校の健診で気づくことが多い。小学校高学年から中学生で気づく場合もあり、気づいた今が確認を始めるタイミング
診断は、成長曲線・問診・身体計測を土台に、必要に応じて骨年齢や血液検査、負荷試験へ進む。最初の受診で大がかりな検査をするとは限らない
家庭のチェックは目安。迷ったら、記録を持って小児科などに相談する。病気の有無を知りたいなら小児科・小児内分泌科、伸びる時間の残りを知りたいなら当院、というように知りたいことで選ぶ
もし迷われたときは、まず一度ご相談ください。相談はLINEまたはお問い合わせフォームから受け付けています。
関連コラム
参考文献
日本小児内分泌学会. 低身長. https://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html
日本小児内分泌学会. 成長曲線(男児0-18歳・女児0-18歳). https://jspe.umin.jp/medical/files_chart/CGC_boy0-18_jpn.pdf
日本学校保健会 学校保健ポータルサイト. 第1回「成長曲線」 3.学校での成長曲線の活用について. https://www.gakkohoken.jp/special/archives/201
日本学校保健会 学校保健ポータルサイト. Q&A 成長曲線に基づく児童生徒の健康管理. https://www.gakkohoken.jp/themes/archives/140
日本内分泌学会. 成長ホルモン分泌不全性低身長症(一般の皆様へ). https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=80
ユビー病気のQ&A. 低身長症はいつわかりますか?(日本小児内分泌学会の解説を参照). https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/f2_qpc3k8xx
小児慢性特定疾病情報センター. 成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症 診断の手引き. https://www.shouman.jp/disease/instructions/05_04_006/
Collett-Solberg PF, et al. Diagnosis, Genetics, and Therapy of Short Stature in Children: A Growth Hormone Research Society International Perspective. Horm Res Paediatr. 2019. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31514194/
医師監修記事

長田 直祥
(おさだ なおき)
シンセルクリニック 低身長治療センター医師
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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