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【医師監修】低身長の検査とは?血液検査・骨年齢・成長ホルモン負荷試験の流れと入院の要否を医師が解説
「小児科で背が低いと言われて、成長ホルモンの検査をすすめられた。入院が必要なのでしょうか」
「低身長の検査って、いったい何をするの? 子どもに痛い思いをさせたくない」
お子さんの身長が気になって調べはじめると、「骨年齢」「血液検査」「成長ホルモン負荷試験」といった言葉が次々に出てきます。何をどの順番でやるのか、痛いのか、入院になるのか。知っておきたいことは多いものです。
この記事では、シンセルクリニック低身長治療センターで診療にあたる整形外科の医師・長田が、低身長の検査の一般的な流れと、とくにご質問の多い成長ホルモン負荷試験の中身、そして当院の精密身長検査との違いを、確認できる資料の範囲で解説します。
この記事の結論
低身長の検査は、いきなり採血や負荷試験から始まるのではなく、成長曲線の確認と問診、身体計測から始まる
そのうえで手のレントゲン(骨年齢)と血液検査を行い、必要に応じて成長ホルモン分泌刺激試験(負荷試験)に進む。負荷試験は薬を使って分泌を促し、採血を繰り返して分泌のピークを見る検査で、入院か日帰りかは施設によって異なる
負荷試験は少なくとも2種類の薬で行うと説明されており、時間も採血の回数も多い。低血糖などへの注意が必要な検査でもある
当院の精密身長検査は手のレントゲンと採血の2つだけ。負荷試験は行わず、目的は骨年齢から「あと何年伸びる時間が残っているか」を確認すること
「病気かどうか」を調べる病院の検査と、「伸びしろ」を見る当院の検査は目的が違う。どちらが上ということではなく、知りたいことによって選ぶ
- この記事の結論
- 「低身長の検査」って何をするの?全体の流れを先に整理します
- 検査の前にわかること|成長曲線・問診・身長と体重の測定
- 成長曲線で「線の傾き」を見る
- 問診で聞かれること
- 身体計測は「測り方」も大切
- 手のレントゲン(骨年齢)と血液検査で何がわかる?
- 手のレントゲンでわかる「骨年齢」
- 血液検査で調べること
- 「成長ホルモン負荷試験」とは?やり方・時間・入院は必要か
- 負荷試験の目的と仕組み
- 使われる薬と採血のタイミング
- 入院は必要?
- 負荷試験は痛い?副作用や注意点(低血糖など)を正直に
- 痛みの中心は「針を刺すこと」
- 注意点:低血糖などの可能性
- 検査結果に影響する状態
- 病院の検査と当院の検査は何が違う?「病気かどうか」と「伸びしろ」
- 保険で受けられる検査と自費の検査|受診の目安と何科に行くか
- 保険が使えるのはどんなとき?
- 自費の検査・治療を選ぶということ
- 受診を考える目安
- 何科に行けばよいか
- 専門の外来に相談したほうがよいとき
- 低身長の検査についてよくある質問
- Q. 負荷試験は必ず受けなければいけませんか?
- Q. 検査で「異常なし」と言われました。もう何もできませんか?
- Q. 当院の検査は痛いですか?
- Q. 当院の検査の結果はいつ、どのように分かりますか?
- Q. 費用はどれくらいですか?
- Q. インターネットで薬を買って、家で使ってもよいですか?
- 「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
- まとめ|検査は「うちの子を知る」ための手段です
- 関連コラム
- 参考文献
「低身長の検査」って何をするの?全体の流れを先に整理します

まず、検査という言葉から連想される「採血をして、数字で答えが出る」というイメージを、いったん整理しておきましょう。低身長の検査は、複数の段階を踏んで、少しずつ原因を絞っていくものです。
国際的な専門家会議の報告でも、低身長の原因を理解するうえで最も重要なのは、問診、診察、そして身長の記録(成長の推移)だとされています。つまり、血液や画像の検査は、そのあとの補助的な手段という位置づけです。
一般的な流れを、順番に表にまとめます。実際に何をどこまで行うかは、お子さんの状態と受診先の方針によって変わります。
順番 | 検査・確認 | 主な目的 |
|---|---|---|
1 | 成長曲線の確認 | これまでの身長の推移(線の傾き)を見る |
2 | 問診 | 出生時の状況、既往歴、ご家族の身長、睡眠や食事などを確認する |
3 | 身体計測 | 身長・体重などを正確に測り、体のバランスを見る |
4 | 手のレントゲン | 骨年齢(骨の成熟度)を調べる |
5 | 血液検査 | 甲状腺の働きやIGF-1など、成長にかかわる項目を調べる |
6 | 成長ホルモン分泌刺激試験(負荷試験) | 成長ホルモンが十分に出ているかを調べる(必要な場合のみ) |
【長田医師のコメント】「検査というと、まず採血や大きな機械を想像される親御さんが多いのですが、外来で最初に見るのは、これまでの身長の記録です。過去の数字が残っているだけで、その後の判断がぐっと正確になります。ですから、受診の前に母子手帳や学校の健康診断の記録を探しておいていただけると、とても助かります。」
検査の前にわかること|成長曲線・問診・身長と体重の測定

成長曲線で「線の傾き」を見る
成長曲線は、お子さんの身長と体重を同性・同年齢の平均と比べるためのグラフです。日本小児内分泌学会は、低身長の目安となる基準範囲を「平均から−2.0標準偏差〜+2.0標準偏差」とし、−2.0標準偏差以下のお子さんは100人のうち2〜3人くらいと説明しています。
ただし、身長が低いかどうかを見る「点の高さ」よりも大切なのが線の傾きです。これまでの記録を点で結んだとき、平均の帯に沿って伸びているのか、帯から少しずつ離れているのか。同じ低めの身長でも、帯に沿って伸びているお子さんと、離れていくお子さんとでは、意味がまったく異なります。
問診で聞かれること
問診では、次のようなことが聞かれるのが一般的です。わかる範囲でかまいません。
生まれたときの身長・体重、妊娠中や出産時の状況
これまでの病気や、飲んでいる薬
ご両親やごきょうだいの身長、思春期がいつ頃来たか
睡眠時間、食事の内容、運動の習慣
お子さんの様子(元気か、頭痛や疲れやすさはないか)
日本小児内分泌学会は、低身長の原因として、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの異常、染色体の病気、子宮内での発育不全、骨や軟骨の病気、心臓・肝臓・腎臓などの臓器の異常、栄養・睡眠・運動といった環境要因などを挙げています。問診は、これらのうちどこに目を向けるべきかを絞る作業です。
▶ 身長と遺伝の関係
▶ 低身長の原因と治療(男の子・女の子)
身体計測は「測り方」も大切
身体計測では、身長と体重に加えて、手足と体幹のバランスなども診ます。身長は測る時間帯や姿勢でも変わります。
【長田医師のコメント】「診察室で身長を測ると、朝と夕方、あるいは緊張の度合いで、数字が少し変わります。だからこそ、一回の数字で一喜一憂せず、時間をかけて何度か測った数字を並べて見ることが大切です。ご家庭で同じ場所、同じ時間帯に測った記録があれば、診察の大きな手がかりになります。」
手のレントゲン(骨年齢)と血液検査で何がわかる?

手のレントゲンでわかる「骨年齢」
骨年齢とは、骨の成熟度を年齢で表したものです。左手のレントゲンを撮り、手首や指の骨の形と、骨の端にある骨端線(こったんせん)という軟骨の部分の様子から、標準的な発達と比べて進んでいるか、遅れているかを読み取ります。
実際の年齢(暦年齢)と骨年齢が同じとは限りません。骨年齢が暦年齢より進んでいれば、成長の残り時間が比較的短い可能性があり、遅れていれば、まだ伸びる余地が比較的多く残っている可能性があります。ただし、あくまで目安で、これだけで最終的な身長が決まるわけではありません。
骨年齢は、病院の診断の場面でも重要な項目です。たとえば成長ホルモン治療を保険で受けるための基準には、骨年齢が男児16.0歳以下、女児14.6歳以下という条件が含まれています(成長科学協会の適応判定の資料による)。
▶ 骨年齢の検査はどこで受ける?費用の目安
▶ 骨端線とは?成長が止まる仕組み
▶ ALP(アルカリホスファターゼ)と身長予測
血液検査で調べること
血液検査で調べる項目は、受診先や疑っている原因によって異なります。資料で確認できるものを中心に整理すると、次のようになります。
項目 | 何を見るか |
|---|---|
甲状腺の働き | 甲状腺ホルモンの異常は低身長の原因の一つ。あれば補充などの治療で対応する |
IGF-1(イグフワン) | 成長ホルモンの働きを受けて肝臓で作られる物質。成長ホルモンの分泌状態を推測する参考になる |
肝臓・腎臓などの機能 | 臓器の病気が背景にないかを確認する |
染色体の検査 | ターナー症候群など、染色体の病気が疑われる特徴があるときに検討される。誰にでも行うものではない |
日本小児内分泌学会の診断の手引きには、成長ホルモン分泌不全性低身長症の参考所見として、IGF-1やIGFBP-3の低値や、骨年齢が暦年齢の80%以下であることが挙げられています。ただし、これらは診断の参考で、診断には次の章の分泌刺激試験の結果が必要です。
【長田医師のコメント】「血液検査の数字は、基準値の中に入っているか外れているかだけでなく、年齢や思春期の進み具合と照らして読みます。同じ数字でも、8歳のお子さんと13歳のお子さんでは意味が違います。だから結果は、必ず成長の経過とセットで説明するようにしています。」
「成長ホルモン負荷試験」とは?やり方・時間・入院は必要か

負荷試験の目的と仕組み
成長ホルモンは、一日中一定の量が出続けているわけではなく、波のように断続的に分泌されるホルモンです。そのため、ある瞬間に一度だけ採血しても、分泌が十分かどうかは判断できません。研究者の総説でも、成長ホルモンの値を無作為に一回測定することは、スクリーニングには勧められないとされています。
そこで行われるのが、成長ホルモン分泌刺激試験(一般に「負荷試験」と呼ばれます)です。薬を使って成長ホルモンの分泌を促し、そのあとに採血を繰り返して、分泌のピーク(最も高い値)を調べます。ピークが基準より低ければ、成長ホルモンの分泌が十分でない可能性が考えられます。
使われる薬と採血のタイミング
日本小児内分泌学会の診断の手引き(小児慢性特定疾病情報センターに掲載)によると、分泌刺激試験には次のような種類があります。
試験の種類 | 採血のタイミング | 成長ホルモンのピークの基準 |
|---|---|---|
インスリン、アルギニン、L-DOPA、クロニジン、グルカゴンを使う試験 | 負荷前から負荷後120分間、30分ごと(グルカゴンは180分間) | 6ng/mL以下で「低反応」と判定 |
GHRP-2を使う試験 | 負荷前から60分間、15分ごと | 16ng/mL以下 |
日本内分泌学会の患者向けの説明でも、たとえばアルギニンを使う試験は2時間にわたる検査で、合計5回の採血をすること、試験に使う薬は数種類あり、少なくとも2種類の薬で検査を行うことが説明されています。
なぜ2種類なのでしょうか。1回の試験だけでは、実際には分泌が保たれているのに低い値が出てしまう「偽陽性」が少なくないためです。研究報告でも、1回の負荷試験では成長ホルモン分泌不全と診断される偽陽性が多く、そのため2種類の試験を別々の日、または続けて行うことが必要とされています。総説では、測定される成長ホルモンの値が使う薬や測定方法で大きく変わりうることも指摘されています。成長科学協会の治療適応の基準でも、原則として2種以上の負荷試験で低反応を認めることが条件になっています(症状のある低血糖や脳の器質的な病変がある場合などは1種でよいとされています)。
入院は必要?
いちばんご質問の多い点ですが、入院が必要かどうかは、施設によって異なります。上に挙げた資料には、入院の要否や食事の制限(絶食の有無)について、一律の決まりは書かれていません。施設によって、日帰りで行うところもあれば、1泊の入院で複数の試験を行うところもあるようです。
ここは憶測でお答えするより、検査を予定している病院に直接確認するのが確実です。次の点をお聞きになるとよいでしょう。
日帰りか入院か、入院の場合は何泊か
検査当日の食事・飲み物の制限(何時から控えるか)
使う薬の種類と、1回で終わるのか、複数回に分けるのか
費用と、保険が使えるかどうか
【長田医師のコメント】「負荷試験は、当院が行っている検査ではありません。ですから『入院が必要ですか』と聞かれたときは、正直に『それぞれの病院で運用が違うので、予約するときに確認してください』とお答えしています。日帰りか入院かで、お仕事の調整や、きょうだいのお世話の段取りが大きく変わりますよね。だからこそ、事前の確認をおすすめしています。」
負荷試験は痛い?副作用や注意点(低血糖など)を正直に

痛みの中心は「針を刺すこと」
負荷試験の痛みは、主に点滴や採血の針を刺すときの痛みです。採血の回数が多い検査ですので、針を何度も刺されるのではないかと心配される親御さんは多いと思います。上で述べたように、5回程度の採血をすることが説明されていますが、実際の方法は施設によって違い、針を1本留置して、そこから複数回の採血を行う方法をとる施設もあります。詳しくは検査を受ける施設に確認してください。
注意点:低血糖などの可能性
負荷試験は、薬の力で体の反応を引き出す検査ですので、体調の変化に注意しながら進めます。とくに、インスリンを使う試験は、血糖を下げることで成長ホルモンの分泌を促す仕組みですので、低血糖に注意が必要です。そのほかの薬でも、ふらつき、眠気、吐き気、顔色の変化などが起こる可能性があります。
安全性については、アルギニンとクロニジンを組み合わせた試験を8歳を超える子どもたちに行った一施設の研究で、重篤な有害事象はなかったと報告されています。ただし、すべての試験・施設で同じとは限りません。
検査結果に影響する状態
診断の手引きには、検査の前に確認すべき状態として、次のようなことが書かれています。これらは検査結果に影響するため、主治医が調整します。
甲状腺機能低下症は、補充療法を行っている状態で検査する
ステロイドを使っている場合は、可能な限り中止して検査する
肥満がある場合は、体重コントロールのうえで検査する
【長田医師のコメント】「負荷試験を受けたお子さんの親御さんが、結果の数字だけを見て『低かったからダメなんだ』と落ち込まれることがあります。数字はあくまで判断材料の一つです。複数の試験と、これまでの成長の経過を合わせて総合的に読むものですから、結果の説明は主治医からきちんと受けてください。分からないことは、その場で質問して大丈夫です。」
病院の検査と当院の検査は何が違う?「病気かどうか」と「伸びしろ」

ここからは、当院の精密身長検査が、病院の検査とどう違うのかを整理します。
当院の精密身長検査は、手のレントゲンと採血の2つだけです。成長ホルモン負荷試験は行いません。身体計測も、この検査では行いません。目的は、骨年齢を確認して、あと何年伸びる時間が残っているかを見ることです。
病院での検査(一般的な流れ) | 当院の精密身長検査 | |
|---|---|---|
主な目的 | 成長ホルモン分泌不全など、低身長の原因となる病気があるかを調べる | 骨年齢から、あと何年伸びる時間が残っているか(伸びしろ)を確認する |
検査の内容 | 成長曲線・問診・身体計測、手のレントゲン、血液検査、必要に応じて成長ホルモン負荷試験など | 手のレントゲン+採血のみ(負荷試験・身体計測は行わない) |
成長ホルモン負荷試験 | 必要に応じて実施。時間は長く、採血も複数回。入院か日帰りかは施設による | 行わない |
痛み | 負荷試験では点滴・採血の針を刺す | 採血の1回だけ |
所要時間 | 施設・検査内容による | 約30分(待ち時間込み) |
費用 | 条件を満たせば保険診療。自己負担は制度や施設による | 20,000〜27,000円(提携先により差あり) |
結果 | 主治医から説明を受ける | 結果が出るまで1〜2週間。結果は郵送されず、当院のオンライン診察でご説明し、そのうえで今後の方針をご相談 |
場所 | 受診する病院 | 全国の提携クリニック(お住まいの近くをご案内) |
大切なのは、この二つの検査は目的が違うもので、一方が他方の代わりになるわけではない、ということです。当院の検査は、成長ホルモン分泌不全性低身長症などの病気の診断をつけるための検査ではありません。病気の有無を調べる保険診療の負荷試験や診断は、小児内分泌を扱う病院の領域です。
一方で、病院で「病気ではない」と言われた(いわゆる「検査で異常なし」だった)お子さんの中にも、本人やご家族が身長について悩み、「あと5〜10cm伸ばしたい」と感じている場合があります。そうしたお子さんに、まだ骨端線がどれだけ残っているか、つまり伸びる時間がどれだけ残っているかを確認するのが、当院の検査の位置づけです。
【長田医師のコメント】「よく『病院で検査したのに、また別の検査が必要ですか』と聞かれます。答えは、知りたいことによる、です。病気があるかどうかを知りたいなら、まず小児内分泌の病院での評価が土台になります。一方、病気ではないと言われたけれど身長が気になる、あと何年伸びる時間が残っているのかを知りたい、という場合には、骨年齢を見る検査が役に立ちます。当院は後者の検査を行う場所で、負荷試験はしていません。」
保険で受けられる検査と自費の検査|受診の目安と何科に行くか

保険が使えるのはどんなとき?
成長ホルモン治療を保険で受けるための基準は、成長科学協会の資料と診断の手引きに整理されています。主な条件を、かいつまんで表にします。個別の判断は主治医が行いますので、ご自身で当てはめて判断するためのものではありません。
項目 | 内容(資料による) |
|---|---|
身長 | 同性・同年齢の平均から−2.0標準偏差以下。または、身長が正常範囲でも成長の速さが2年以上、標準の−1.5標準偏差以下 |
骨年齢 | 男児16.0歳以下、女児14.6歳以下 |
成長ホルモン分泌刺激試験 | 原則として2種以上の試験で低反応を認めること |
つまり、−2.0標準偏差を下回っていても、精密検査の結果「病気ではない」と判断された場合には、保険の対象にならないことがあります。これは日本の制度上の線引きであって、「断られた=もう伸びない」という意味ではありません。医学的な限界を示すものではないことを、ここではっきりお伝えしておきます。
自費の検査・治療を選ぶということ
当院の低身長治療は自費診療で、「病気とまでは言えないが、身長についてもう少し伸ばしたい」という層が中心です。当院の精密身長検査も同様に自費(20,000〜27,000円)です。効果には個人差があり、すべての方が治療の対象になるわけではありません。当院で行っていない検査を、当院ですすめることはありません。
受診を考える目安
受診の目安として、確認できたものは次のとおりです。
成長曲線で、−2.0標準偏差以下に位置している
身長が正常範囲でも、成長の速さ(1年間に伸びる量)が長く小さい状態が続いている
成長曲線の線が、平均の帯から離れるように緩やかになってきている
日本小児内分泌学会は、成長曲線を記録し、線のパターンによっては早めに小児科の医師に相談するよう案内しています。年間の伸びの具体的な基準値は、年齢と性別で異なるため、ここでは数字を挙げません。
▶ 思春期が早い(早熟)と身長はどうなる?
▶ 思春期が遅い(晩熟)の身長の伸び方
▶ 生まれたときに小さかった子の低身長(SGA性低身長症)
何科に行けばよいか
最初の相談先は、かかりつけの小児科でかまいません。必要に応じて、小児内分泌を扱う専門の外来を紹介してもらう流れが一般的です。詳しくは、次の記事にまとめています。
専門の外来に相談したほうがよいとき
当院は、病気の診断をつける施設ではなく、骨端線の状態をもとに、お子さんの「残りの伸びしろ」を確認して方針をご相談する外来です。精密身長検査(手のレントゲン+採血)は、全国の提携クリニックで受けられ、結果は当院のオンライン診察でご説明します。低身長の治療は自費診療で、効果には個人差があり、すべての方が対象となるわけではありません。動画では、検査を受けるか迷っている方に向けて、検査の意味を解説しています。
【長田医師のコメント】「『病院で検査を受けたほうがいいのか、うちの検査を受けたほうがいいのか』とご相談いただくことがあります。どちらかを選ぶ問題ではなく、まず知りたいことを整理していただければ、と思います。病気の可能性が心配なら小児科・小児内分泌科へ。伸びる時間がどれだけ残っているかを知りたいなら、当院へ。両方を順番に受けるお子さんもいます。」
低身長の検査についてよくある質問

Q. 負荷試験は必ず受けなければいけませんか?
必ず全員が受けるわけではありません。成長曲線や骨年齢、血液検査の結果を見て、成長ホルモン分泌不全が疑われるときに、主治医が必要性を判断します。受けるかどうか迷うときは、何を確認するための検査なのか、結果で何が変わるのかを、遠慮なく主治医に質問してください。
Q. 検査で「異常なし」と言われました。もう何もできませんか?
「異常なし」は、成長ホルモンの分泌などに病気が見つからなかったという意味で、身長の悩みがなくなるという意味ではありません。国際的な合意声明では、明らかな病気が見つからない低身長を「特発性低身長」と呼び、心理的な負担が生じうることが指摘されています。ご家族が気になるようであれば、ご相談を続けることは決して間違いではありません。
Q. 当院の検査は痛いですか?
痛いのは採血の1回だけです。手のレントゲンは痛みを伴いません。約30分(待ち時間込み)で終わります。
Q. 当院の検査の結果はいつ、どのように分かりますか?
結果が出るまで1〜2週間かかります。結果はご自宅に郵送されず、当院のオンライン診察でご説明し、そのうえでこれからの方針をご相談します。説明だけで終わらず、方針の相談までを行います。
Q. 費用はどれくらいですか?
当院の精密身長検査は、20,000〜27,000円です(提携先により多少の差があります)。自費診療です。治療の費用については、次の記事をご覧ください。
Q. インターネットで薬を買って、家で使ってもよいですか?
ネットで個人輸入した薬を、ご家庭の判断で使うことは絶対にしないでください。成長ホルモンや関連する薬を自己判断で使うと、かえって骨端線を早く閉じさせてしまい、お子さんの身長に取り返しのつかない影響が出る危険があります。必ず医師の管理のもとで検討してください。
「うちの子も治療できる?」と思われた方へ
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まとめ|検査は「うちの子を知る」ための手段です

低身長の検査は、成長曲線・問診・身体計測から始まり、手のレントゲン(骨年齢)、血液検査、必要に応じて成長ホルモン負荷試験へと進む
成長ホルモン負荷試験は、薬で分泌を促し、採血を繰り返してピークを見る検査。少なくとも2種類の試験を行うと説明されており、時間も採血の回数も多い
入院か日帰りかは施設によって異なるため、予約の際に必ず確認する。低血糖などへの注意が必要な検査でもある
保険で成長ホルモン治療を受けるには、身長・骨年齢・負荷試験の結果などの条件がある。条件に当てはまらなくても「もう伸びない」ではない
当院の精密身長検査は、手のレントゲン+採血のみ(負荷試験・身体計測は行わない)。骨年齢から、あと何年伸びる時間が残っているかを確認する自費の検査で、約30分、痛いのは採血1回、結果は1〜2週間後にオンライン診察で説明する
病気の有無を知りたいなら小児科・小児内分泌科、伸びしろを知りたいなら当院、というように、知りたいことで選ぶ
もし迷われたときは、まず一度ご相談ください。相談はLINEまたはお問い合わせフォームから受け付けています。
関連コラム
参考文献
Collett-Solberg PF, et al. Diagnosis, Genetics, and Therapy of Short Stature in Children: A Growth Hormone Research Society International Perspective. Horm Res Paediatr. 2019. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31514194/
Yuen KCJ, et al. Diagnosis and testing for growth hormone deficiency across the ages: a global view of the accuracy, caveats, and cut-offs for diagnosis. Endocr Connect. 2023. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37052176/
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Murray PG, et al. Controversies in the diagnosis and management of growth hormone deficiency in childhood and adolescence. Arch Dis Child. 2016. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26153506/
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成長科学協会. 治療適応判定基準とフローチャート(成長ホルモン分泌不全性低身長症). https://www.fgs.or.jp/business/growth_hormone/treatment_decision/growth_hormone_short_stature/chart.html
日本小児内分泌学会. 低身長. https://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html
日本内分泌学会. 成長ホルモン分泌不全性低身長症(一般の皆様へ). https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=80
医師監修記事

長田 直祥
(おさだ なおき)
シンセルクリニック 低身長治療センター医師
大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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大阪医科薬科大学卒業。豊田厚生病院、中東遠総合医療センター、国立長寿医療研究センター、名古屋大学整形外科などで整形外科医としての経験を積み、現在はシンセルクリニック低身長治療センターで、お子さまの成長・低身長治療に携わる。日本整形外科学会所属。
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