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【医師監修】外反母趾とは?...

【医師監修】外反母趾とは?痛い原因・治し方・手術の目安まで整形外科の医師が解説

2026.10.23

「靴を履くと、親指の付け根の出っ張りが当たって痛い。このまま曲がり続けるのではないか」

「母の足と同じ形になってきた。やはり手術しかないのだろうか」

外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指が小指のほうへ曲がり、付け根の内側が出っ張ってくる状態です。形が変わっていく不安や靴選びの悩みなど、悩みは痛みだけにとどまりません。相談に来られる方からも、「いつまで我慢してよいのか分からなかった」という声をよく聞きます。

この記事では、シンセルクリニック総院長で整形外科の医師である武内晋司郎が、外反母趾とは何か、重症度の目安、痛くなる理由、自分でできること、病院での治療、受診の目安を解説します。なお当院は手術を行わない再生医療のクリニックですので、手術を勧める立場でも避けるよう勧める立場でもありません。決める前の方が、落ち着いて判断できる材料をお伝えします。

この記事の結論

  • 外反母趾は、付け根で骨が内側へ開き、親指が外へ曲がる変形。外反母趾角20度以上が目安

  • 調査をまとめた研究では、成人の約23%(10人に2人強)、65歳を超えると約36%(10人に3〜4人)にみられ、女性に多い

  • 原因は靴だけではなく、性別、年齢、足の形、家族の傾向が重なって起こる。自分を責める必要はない

  • 痛みを減らすには、靴の見直し・足指の運動・インソール・テーピングなど。ただし「曲がり」を確実に戻す方法は、まだ確かではない

  • 歩く・靴を履くことに支障が続くなら、手術もきちんとした選択肢。赤く腫れて熱い、急に激痛が出たときは、別の病気も考えて早めに受診する

外反母趾とは|定義・重症度の目安・レントゲンでわかること

外反母趾とは|定義・重症度の目安・レントゲンでわかること

外反母趾とは、どんな状態か

足の親指を「母趾(ぼし)」と呼びます。外反母趾とは、母趾が付け根の関節で小指側へ曲がり、付け根の内側が骨の出っ張りとして目立つ状態です。曲がっているのは指だけではありません。付け根の骨(第1中足骨)が、足の内側へ向かって開いています。骨が内側に開くぶん、指は外へ押し出されるように曲がり、出っ張り(バニオン)は靴に当たりやすくなります。

どのくらいの人にみられるかを調べた研究(78本の報告、延べ約49万7千人)では、成人(18〜65歳)の約23%、65歳を超える方の約35.7%にみられました。男女別では、女性が約30%、男性が約13%です。年齢とともに増え、女性に多い、決してまれではない足の変化です。

角度でみる重症度の目安

診断は、見た目と診察に加えて、レントゲンで骨の角度を測って行います。母趾の骨と第1中足骨がつくる外反母趾角(HV角)が20度以上だと外反母趾とする考え方が一般的です。第1中足骨と第2中足骨がつくる角度(M1M2角)も測り、骨がどれだけ内側へ開いているかを確認します。こちらはおおむね10度未満が目安です。

重症度

外反母趾角(HV角)の目安

状態のイメージ

正常範囲

20度未満

親指はほぼまっすぐ

軽度

20度以上30度未満

付け根が少し出る。痛みがないこともある

中等度

30度以上40度未満

靴で痛む、タコができる方が増える

重度

40度以上

隣の指に重なることもある。靴選びや歩行に支障が出やすい

この区切りは目安で、施設によって数字の取り方は少し異なります。角度が大きくても痛みの少ない方もいれば、角度が小さくても強く痛む方もいます。治療は、角度だけでなく、痛みの強さ、靴が履けるか、歩けるかを合わせて考えます。

レントゲンでは何を見ているか

レントゲンは、できれば体重をかけて立った状態で撮ります。足は体重がかかると広がるためです。角度のほか、親指の付け根の軟骨がすり減っていないか(関節症の有無)、ほかの指の変形などを確認します。

【武内院長のコメント】
「相談に来られる方から、よく『私の足の形が悪いのでしょうか』と聞かれます。外反母趾は、年齢とともに増えるごくありふれた足の変化です。形を気に病みすぎるより、『痛みはあるか』『靴は履けるか』『歩きたい場所へ歩けるか』という暮らしの側から考えるほうが、ずっと前に進めます。」

親指の付け根が反らせないタイプの変形は「強剛母趾(きょうごうぼし)」といい、外反母趾とは別の病気です。同時に公開している次の記事もご覧ください。
▶ 強剛母趾とは?親指の付け根が反らせない・痛い原因と治療

セルフチェックと、似た症状(内反小趾・強剛母趾・痛風など)との見分け方

セルフチェックと、似た症状(内反小趾・強剛母趾・痛風など)との見分け方

外反母趾のセルフチェック

次の項目は診断ではなく、受診のときに医師へ伝える材料として使ってください。

  • 裸足で立つと、親指が人差し指のほうへ傾いている

  • 親指の付け根の内側が、骨のように出っ張っている

  • 人差し指や中指が曲がって浮いている(ハンマートゥ)

  • 母親や祖母など、家族にも似た足の形の人がいる

3つ以上当てはまる、または痛みで靴選びに困っているなら、一度レントゲンで確かめておくと安心です。

似た症状との見分け方

病気・状態

特徴

外反母趾との違い

内反小趾

小指が内側へ曲がり、付け根の外側が出っ張る

変形する場所が小指側。合併も多い

強剛母趾

親指の付け根の関節がすり減り、反らすと痛い

指の「曲がり」より、関節の動きの制限と痛みが中心

痛風・偽痛風

親指の付け根が突然赤く腫れて熱を持ち、激しく痛む

発作的に始まる。変形の有無にかかわらず起こる

関節リウマチ

複数の関節が腫れ、朝にこわばる

手や他の関節にも症状がある。血液検査で調べる

特に注意してほしいのは、「外反母趾だと思っていたら、痛風だった」というケースです。昨日まで平気だったのに、親指の付け根が突然赤く腫れ、靴下が触れるだけで痛い。このような急な発作は、外反母趾の悪化ではなく別の病気を考えます。

▶ 痛風でやってはいけないこと10選
▶ 偽痛風とは?原因から症状まで
▶ モートン病とは?足指の付け根の痛み・しびれ
▶ 関節リウマチとは?初期症状から治療まで
▶ 足の親指だけしびれる原因7つ

外反母趾になる原因|靴だけではない、女性に多い理由

外反母趾になる原因|靴だけではない、女性に多い理由

外反母趾は靴だけで決まるものではありません。いくつかの要因が重なって起こると考えられています。

研究でみた「関連する要因」

23本の観察研究をまとめて、外反母趾と関連する要因を調べた報告があります。関連の強さは「オッズ比」で表され、数字が大きいほど、その条件のある人に外反母趾が多いという意味です。ただし「関連がある」ことを示すだけで、原因だと証明するものではありません。

関連する要因

オッズ比

女性であること

2.57

足の痛みがあること

2.36

つま先の細い靴

2.25

膝の痛みがあること

2.04

ハイヒール

1.65

扁平足

1.19

年齢が高いこと

1.11

この研究では、つま先の細い靴のほうが、ハイヒールよりも関連が強い結果でした。一方、体重(BMI)との関連は認められませんでした。「太っているから外反母趾になる」とは単純に言えないということです。

主な原因をやさしく整理すると

  • 靴:つま先が細く窮屈な靴は、親指を内側から押し続けます。ハイヒールは体重が前足部に集中します。

  • 足の形:足のアーチが低い扁平足や、前足部が広がる開張足は、親指に力が逃げやすくなります。足の形は親から子へ似ることがあり、「家族に多い」ことの背景と考えられます。

  • 関節や靭帯のゆるさ:女性は関節がやわらかい傾向があり、骨を支える組織が伸びると変形が進みやすくなります。

  • 加齢と筋力の低下:足の筋肉が弱ると、アーチが下がります。

親から受け継ぐ体の特徴については、こちらもご覧ください。
▶ 親から遺伝するもの一覧

【武内院長のコメント】
「『この靴を履いていたせいでこうなりました』と、ご自分を責めている方が少なくありません。実際には靴は要因の一つにすぎず、性別、年齢、足の形、家族の傾向が重なっています。原因を探して反省するより、これから足にやさしい選択を一つずつ増やす。その方向で考えてほしいと思います。」

外反母趾が痛くなる理由と、放っておくとどうなるか

外反母趾が痛くなる理由と、放っておくとどうなるか

痛みが出る主な場所と理由

外反母趾の痛みは、1か所ではありません。「どこが痛いか」を整理することが、対策を選ぶ第一歩になります。

痛む場所

主な理由

親指の付け根の内側(出っ張り)

靴に当たり続けて、皮膚の下の袋(滑液包)に炎症が起こる。赤み、腫れ、ズキズキする痛み

親指の付け根の関節の中

関節の軟骨がすり減る(関節症を伴う場合)。歩くとき、特に蹴り出すときや反らすときに痛い

足の裏の、人差し指・中指の付け根

親指に体重を乗せにくくなり、ほかの指の付け根に負担が移る。タコ、ウオノメ

人差し指・中指

親指に押されて指が曲がり(ハンマートゥ)、靴の上に当たる

痛みは、同じ人でも「細めの靴の日だけ痛む」というように、靴や1日の使い方で変わります。足裏の痛みは足底筋膜炎との見分けも大切です。
▶ 足底筋膜炎の絶対にやってはいけないこと

放っておくとどうなるか

何もしないでいると、多くの場合、ゆっくり角度が大きくなる傾向があります。ただし進む速さは人によって違い、何年も大きく変わらない方もいます。痛みも靴の困りごともない軽度の方は、慌てる必要はありません。

  • 隣の指の変形:親指が人差し指を押し、人差し指がハンマートゥになることがあります。

  • 歩き方の変化:親指で地面を蹴りにくくなり、足の外側やほかの指で体重を支える歩き方になります。

  • 親指の付け根の関節症:関節にかかる力が偏り、軟骨がすり減る方もいます。

  • バランスの低下:外反母趾はバランスを取りにくくし、転倒のリスクを高める可能性があると、手術の大規模なレビューの冒頭で述べられています。

  • 膝や腰との関連:先ほどの研究でも、膝の痛みや変形性膝関節症は外反母趾と関連がみられました。ただ、足が膝に影響するのか、その逆なのかは、まだはっきりしていません。

▶ 膝の痛みの原因は場所でわかる
▶ 「様子を見ましょう」と言われたとき、次に何をするか

【武内院長のコメント】
「『放っておくとどうなりますか』と聞かれたら、まず今、痛みが出ているかどうかを確かめます。痛みも靴の困りごともないなら、様子をみてよい期間もあります。逆に、歩く距離が減った、好きな外出をやめた、というのは暮らしに影響が出ているサインです。その時点で一度、足の状態を確かめておくことをおすすめします。」

自分でできること|靴・足指の運動・インソール・テーピング

自分でできること|靴・足指の運動・インソール・テーピング

「曲がり」をセルフケアで確実に戻せる、とは言えません。しかし、痛みを減らし、進みにくい環境をつくるためにできることはたくさんあります。

1. 靴の選び方を見直す

  • つま先に余裕がある:親指を含めて足の指が動かせる幅と高さがあること。先の細い形は避ける

  • 足の甲を留められる:ひもやベルトで固定でき、足が前に滑らないこと

  • ヒールは低め:目安は3cm以下。高いヒールは前足部に体重が集中する

  • 夕方に試着する:足は夕方にむくんで大きくなる。両足で試す。左右差があるときは大きいほうに合わせる

▶ 膝に優しい靴の選び方
▶ 立ち仕事で膝が痛い女性のための解決策

2. 足指の運動(ホーマン体操・タオルギャザーなど)

  • ホーマン体操:輪にしたゴムバンドを両足の親指にかけ、かかとをつけたままつま先を外側へ開き、10秒保って力を抜く動きを10回ほど行います。

  • タオルギャザー:床のタオルの上に足を置き、足の指でたぐり寄せます。

効果を調べた研究もあります。軽度〜中等度の外反母趾の方に対する、11本の無作為化比較試験(計401人)をまとめた分析では、運動療法だけでも外反母趾角が平均で約3.3度小さくなったと報告されています。運動とテーピング、あるいは運動と装具を組み合わせると、角度も痛みもさらに改善したとされます(運動+テーピングで約6.7度)。ただし試験の規模は大きくなく、確かな結論にはさらに大規模な研究が必要とされています。

3. インソールや足指のスペーサー

インソール(足底板)や、親指と人差し指の間にはさむトゥセパレーターは、親指にかかる力の向きを整える目的で使います。装具の研究9本をまとめた分析では、トゥセパレーターをもつ装具で、角度の改善が最も大きかったと報告されています。

一方で、別の整理(5本の研究)では、装具が外反母趾の進み方を遅らせるという十分な根拠はまだないとされ、痛みを和らげる助けにはなりうるが、変形を戻す役割は不明、という位置づけでした。痛みをやわらげる道具としては使いやすいが、「これで曲がりが治る」と期待しすぎないのが現実的です。

4. テーピングと、痛みの対処

親指を内側へ軽く引き戻した形でテープを貼ると、靴の中で外へ押されるのが減り、痛みが軽くなることがあります。強く巻きすぎると血流が悪くなり、皮膚もかぶれます。しびれや色の変化が出たらすぐ外してください。痛みが強いときは、飲み薬や貼り薬で痛みをしずめる方法もあります。
▶ ロキソニンの効果・効果時間・副作用
▶ モーラステープの効果・副作用・貼ると危険な場所
▶ ウォーキングの効果と正しい歩き方

【武内院長のコメント】
「靴選びでお伝えしているのは、デザインより『足の指が動かせるか』です。足の長さだけで選び、幅や甲の高さが合っていないことは珍しくありません。足指の運動は、やる日とやらない日があってもかまいません。完璧に続けるより、暮らしに無理なく組み込めるものを一つだけ選んでほしいのです。」

病院での治療|保存療法から手術まで

病院での治療|保存療法から手術まで

診察の流れと保存療法

整形外科では、問診と、足の見た目・触診、立った状態のレントゲン撮影を行い、痛みの場所、靴の状況、仕事や生活を確認して治療方針を決めます。多くの場合は、まず手術以外の方法(保存療法)から始めます。

  • 靴の選び方の指導

  • 足底板(医師の処方でつくるインソール)や、足指を支える装具

  • 足の運動、歩き方の指導

  • 飲み薬・貼り薬による痛みの緩和、炎症が強いときの注射

手術に関するレビューには、保存療法は「変形を治す」のではなく「痛みに対処する」ものとして、第一に行われる治療だと書かれています。保存療法に意味がないという意味ではありません。痛みが減り、歩けて、靴が履けるなら、それは立派な治療の成功です。

手術を考えるのはどんなときか

  • 保存療法を続けても、痛みが強くて歩行や仕事に支障がある

  • どの靴を選んでも当たって痛く、靴が履けない

見た目だけを理由に手術を選ぶことは、一般には勧められにくいとされています。回復までの時間や再び曲がるリスクも含めて、納得して決めることが大切です。

手術の種類と、回復の目安

手術の種類

内容

対象の目安

遠位骨切り術(シェブロン法など)

第1中足骨の先のほうを切って位置をずらし、固定する

軽度〜中等度

骨幹部の骨切り術(スカーフ法など)

第1中足骨の中ほどをZ字状に切って向きを整える

中等度〜重度

第1足根中足関節固定術(ラピダス法)

足の根元に近い関節を固定して、骨のぐらつきを抑える

重度、関節のゆるさが強い方

入院期間や回復の時間は方法や施設で異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。

  • 入院は日帰りから1〜2週間程度まで幅がある

  • 術後は専用の靴や装具で歩き始め、数週間は腫れに合わせて過ごす

  • 普通の靴に戻せるのは数か月後。腫れや違和感が落ち着くまで、半年から1年ほどかかることもある

具体的な期間は、手術を行う施設で必ず確認してください。
▶ 膝の手術の種類・入院期間・費用

手術の効果と再発(研究でわかっていること)

国際的な医学レビュー(コクランレビュー、2024年)は、25本の無作為化比較試験(計1,597人、ほとんどが女性)を対象にしています。手術と、治療しない場合を比べた試験は1つだけ(140人)で、12か月後の痛みの点数(0〜100点で高いほど痛い)が、治療しないグループでは平均39点、手術をしたグループでは平均21点でした。確からしさは「低い」とされています。

再発については、手術を受けた2,914人(23本の研究)をまとめた報告で、外反母趾の再発は約25%(4人に1人)でした。また、遠位骨切り術から5年以上たった時点を調べた研究では、外反母趾角が15度を超えるのが約64%、20度を超えるのは約10%(10人に1人)、25度を超えるのは約5%(20人に1人)でした。再発の定義で数字は大きく変わりますので、「角度が少し戻る方は多いが、大きく戻る方は一部」という理解が近いでしょう。手術しても、靴の選び方や足の使い方をそのまま続けてよいわけではないという意味でもあります。

【武内院長のコメント】
「当院は手術をしないクリニックですが、手術を『悪いこと』のようにお話しすることはありません。痛みで外出をあきらめている方にとって、手術は暮らしを取り戻すための確かな選択肢です。大切なのは、いつ、どの方法で、どこで受けるかを、数字や回復の見通しとともに納得して決めること。迷っている段階の方が、情報を整理する場所として使っていただけたら嬉しいです。」

手術を迷う方へ|「曲がり」と「関節の痛み」を分けて考える

手術を迷う方へ|「曲がり」と「関節の痛み」を分けて考える

外反母趾の痛みには2つある

  • 出っ張りが靴に当たって痛む:皮膚や滑液包の炎症による痛みです。靴や装具で当たりを減らすのが基本で、必要があれば手術で骨の形を整えます。

  • 親指の付け根の関節の中が痛む:関節の軟骨がすり減り、反らすときや蹴り出しで痛みが出ます。外反母趾に関節症が加わったかたちです。

前者は骨の形と靴との関係で、装具や手術の領域です。後者は関節そのものの傷みが中心で、強剛母趾に近い状態です。
▶ 強剛母趾とは?
▶ 骨棘(こつきょく)とは?原因から治療まで

関節の軟骨がすり減って痛む場合の再生医療

当院で行っているのは、ご自身の脂肪から採取・培養した幹細胞を使う、自己脂肪由来幹細胞治療です。幹細胞は「体の修復を担当する細胞」で、傷んだ軟骨の修復に働きかけたり、関節の炎症をしずめたりする方向で期待されています。流れは、お腹などから脂肪を少量採取し(局所麻酔・日帰り)、約4〜6週間かけて幹細胞を培養し、その細胞を痛みのある関節に注射します。治療の流れや費用は、診察のときに詳しくご説明します。ご自身の細胞・血液を用いるため、拒絶反応のリスクはほぼありません。ただし、自由診療(保険外)であり、効果には個人差があります。また、これは外反母趾の変形そのもの(曲がり)を戻す治療ではありません。曲がりは、装具や手術の領域です。再生医療が考えられるのは、母趾の付け根の関節の軟骨がすり減って痛む場合、つまり関節症を伴うときに限られます。当院では足の指の関節も治療の対象としていますが、実際に受けられるかどうかは、診察とレントゲンなどの画像検査で判断します。

▶ 脂肪由来幹細胞とは?骨髄由来との違い
▶ 足首・足の痛みに対する当院の再生医療(治療ページ)

【武内院長のコメント】
「再生医療について聞かれたとき、私は最初に『外反母趾の曲がりを戻す治療ではありません』とお伝えします。足の指の関節に軟骨のすり減りがあり、その痛みで悩んでいる方であれば、相談していただく意味があるかもしれません。ただ、対象になるかどうかは、診察とレントゲンをみてからでないと決められません。まず、今の痛みがどこから来ているのかを一緒に確かめましょう。」

受診の目安|こんなときは早めに整形外科へ

受診の目安|こんなときは早めに整形外科へ

状態

考えられること・対応

親指の付け根が突然赤く腫れ、熱を持って激しく痛む

痛風・偽痛風、感染などの可能性。早めに受診

転んだ、ぶつけたあとに、足の指が腫れて動かせない

骨折の可能性。早めに受診

糖尿病があり、足にタコ・傷・水ぶくれがある

傷が治りにくく悪化しやすい。放置せず受診

痛みで歩く距離が減った、靴が履けない

保存療法や、手術を含めた相談の時期

糖尿病のある方の足は、小さな傷が大きな問題につながることがあります。
▶ 糖尿病の手足のしびれについて

受診する科は整形外科(足の外科を扱う医師)です。見た目の相談だけでも問題ありません。ふだんよく履く靴を持参すると、靴底のすり減り方が診察の手がかりになります。痛い場所、強くなる動作、持病(糖尿病、痛風、関節リウマチなど)もメモしておきましょう。

【武内院長のコメント】
「『こんなことで受診してよいのでしょうか』とためらう方は多いのですが、足の相談は、早ければ早いほど選べる方法が多くなります。痛みが軽いうちに靴や運動を整えるのと、歩けなくなってから考えるのとでは、気持ちの余裕がまったく違います。急な赤み・腫れ・激しい痛みだけは、外反母趾の話ではないことが多いので、すぐに受診してください。」

外反母趾についてよくある質問

外反母趾についてよくある質問

Q. 外反母趾は自然に治りますか?

骨の位置がずれて起こる変形ですので、自然にまっすぐな形へ戻ることは期待しにくいとされています。ただ、進む速さには個人差があり、靴を変えるだけで痛みが軽くなる方もいます。「形」と「痛み」は分けて考えてください。

Q. テーピングで治りますか?

テーピングは親指を支えて痛みを軽くする目的で使います。運動と組み合わせた試験では角度や痛みの改善が報告されていますが、はがせば元の位置に戻りますので、「治る」ものとは言えません。

Q. 寝るときもサポーターをつけたほうがよいですか?

夜間用の装具もありますが、角度を戻す根拠は限られています。きつく締めるとしびれや皮膚のトラブルが起こりますので、不快感があれば外してください。

Q. 手術の入院期間は、どのくらいですか?

方法や施設、片足か両足かによって、日帰りから1〜2週間程度まで幅があります。普通の靴に戻れるのは数か月後が一般的です。詳しくは手術を行う施設でご確認ください。

Q. 男性でも外反母趾になりますか?

なります。研究では、女性の約30%に対して男性の約13%(10人に1人強)にみられました。女性より少ないものの、決してまれではありません。

Q. 内反小趾とは、何が違いますか?

外反母趾は親指が外へ曲がり、親指側の付け根が出っ張ります。内反小趾は小指が内へ曲がり、小指側の付け根が出っ張ります。同じ足に両方が起こることも多くあります。

まとめ|形だけでなく、「痛み」と「暮らし」から考える

まとめ|形だけでなく、「痛み」と「暮らし」から考える
  • 外反母趾は、親指の付け根で骨が内側へ開く変形。外反母趾角20度以上が目安で、女性に多い

  • 原因は、靴、性別、年齢、足の形、関節のゆるさ、家族の傾向が重なったもの。体重との関連は研究では認められなかった

  • 痛みは、出っ張り、親指の付け根の関節、足の裏、隣の指など。どこが痛いかを整理することが対策の第一歩

  • 自分でできるのは、靴の見直し、足指の運動、インソール、テーピング。痛みを減らす助けにはなるが、曲がりを確実に戻せる根拠はまだ十分ではない

  • 病院では保存療法から始め、痛みで歩行や靴選びに支障が続くなら手術もきちんとした選択肢。再発や回復期間も含めて納得して決める

  • 赤く腫れて熱い、急な激痛、足の傷があるときは、別の病気も考えて早めに受診する

ご相談は予約ページから受け付けています。

関連コラム

参考文献

  1. Nix S, et al. Prevalence of hallux valgus in the general population: a systematic review and meta-analysis. J Foot Ankle Res. 2010;3:21. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20868524/

  2. Zhang G, et al. Determinants and associated factors for hallux valgus: a systematic review and meta-analysis. BMC Musculoskelet Disord. 2026;27(1):647. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42265673/

  3. Zhu Z, et al. Effects of exercise combined with external support on hallux valgus angle and pain: A systematic review and network meta-analysis. Foot Ankle Surg. 2026;32(3):199-212. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40973592/

  4. Kwan MY, et al. Hallux valgus orthosis characteristics and effectiveness: a systematic review with meta-analysis. BMJ Open. 2021;11(8):e047273. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34408037/

  5. DeHeer PA, et al. Orthoses Effect on Radiographic Measurements of Hallux Abducto Valgus: A Systematic Review. J Am Podiatr Med Assoc. 2024;114(4):23-171. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39240758/

  6. Dias CG, et al. Surgical interventions for treating hallux valgus and bunions. Cochrane Database Syst Rev. 2024;7(7):CD013726. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39051477/

  7. Ezzatvar Y, et al. Prevalence and Predisposing Factors for Recurrence after Hallux Valgus Surgery: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 2021;10(24):5753. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34945049/

  8. Lalevee M, et al. Recurrence Rates With Longer-Term Follow-up After Hallux Valgus Surgical Treatment With Distal Metatarsal Osteotomies: A Systematic Review and Meta-analysis. Foot Ankle Int. 2023;44(3):210-222. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36859795/

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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