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【医師監修】膝の再生医療とは?PRP・幹細胞の違い・費用・治療の流れ・よくある質問を解説

2026.10.23

「階段の上り下りがつらくて、外出や旅行をあきらめかけている」

「ヒアルロン酸注射や痛み止めでは楽にならない。でも、人工関節の手術はできれば避けたい」

膝の痛みが長引くと、日常生活の困りごとが少しずつ増えていきます。そのうえ、治療の選択肢が多くて何が自分に合うのかわからない、手術と言われて不安になった、という方も少なくありません。膝の再生医療は、そうした方が検討する治療の一つです。ただし再生医療は自由診療(保険適用外)であり、効果には個人差があり、すべての方が適応になるわけではありません。

次のようなお悩みがある方に、この記事はお役に立てるはずです。

  • 歩く、立ち上がる、階段を使うなど、毎日の動作で膝が痛む

  • ヒアルロン酸注射や薬で、思うように楽にならなかった

  • 人工関節の手術を勧められたが、もう少し別の方法を知りたい

  • 再生医療に興味はあるが、費用や安全性、自分が受けられるのかが心配

この記事では、シンセルクリニック総院長で整形外科の医師である武内晋司郎が、膝の再生医療とはどんな治療か、PRPと幹細胞の違い、当院の特徴、対象になる方の目安、費用、保険適用の現状、治療の流れ、よくある質問までを、順番にわかりやすく解説します。

この記事の結論

  • 膝の再生医療は、ご自身の血液や細胞の力を使って、痛みの原因になっている膝の中の環境を整えていく治療。手術を受ける前に検討できる選択肢の一つ

  • 代表はPRP療法(自分の血液)と幹細胞治療(自分の脂肪から培養した細胞)。準備の期間や費用が異なり、膝の状態やご希望で選ぶ

  • 当院の特徴は、ご自身の血清で培養する安心感、非冷凍のフレッシュな細胞、日帰りで負担の少ない治療、膝の状態に合わせた個別の提案

  • 費用は幹細胞治療で1,320,000〜1,650,000円(税込。現行ページ記載の金額)。関節への注射は自由診療で、最新の金額は相談時に確認できる

  • 状態によっては手術をおすすめすることもある。まず今の膝の状態を知ることが、納得できる選択の第一歩

膝の再生医療とは?やさしく整理します

膝の再生医療とは?やさしく整理します

再生医療という言葉は難しく聞こえますが、考え方は単純です。ご自身の体がもともと持っている「傷んだところを修復する力」「炎症をしずめる力」を借りて、膝の痛みや動かしにくさの改善を目指す治療です。主に、変形性膝関節症や半月板の損傷による痛みが対象になります。

膝の関節の表面をおおう軟骨は、血管がないため、傷んだ部分に修復に必要な栄養や細胞が届きにくい組織です。そのため、痛み止めや注射で一時的に楽になっても、膝の中の環境そのものは変わりにくいという悩みがありました。再生医療は、炎症を抑える成分や、修復に関わる成分、細胞そのものを関節の中に届けることで、この環境に働きかけようとする治療です。

従来の治療との違い

膝の痛みの治療には、大きく分けて次のようなものがあります。どれが良い悪いではなく、膝の状態や生活に合わせて選びます。

  • 運動療法・薬:まず取り組む基本の治療。痛みをやわらげる目的

  • ヒアルロン酸注射:関節の動きをなめらかにして痛みをやわらげる。詳しくは膝のヒアルロン酸注射の解説をご覧ください

  • 再生医療:自分の血液や細胞を使い、関節の中の環境を整える。日帰りで受けられる

  • 手術(人工関節など):傷んだ関節を入れ替える。進んだ状態では最も確実に痛みを取れることがある。詳しくは人工膝関節置換術とはで解説しています

再生医療は、これらの間に位置する「手術の前に検討できる選択肢」と考えていただくとわかりやすいと思います。手術を避けたい方向けの詳しい解説は手術を避けたい方の変形性膝関節症の再生医療、半月板の損傷については半月板損傷の再生医療にまとめています。膝の軟骨がなぜ傷むのかは膝の軟骨のすり減りの解説もご覧ください。

「再生」という言葉の受け止め方

「再生」と聞くと、すり減った軟骨が新品のように戻るイメージを持たれるかもしれません。再生医療が目指すのは、痛みを軽くし、膝の動きを楽にして、暮らしの中でできることを増やしていくことです。効果の出方には個人差があります。O脚などの骨の形そのものを矯正する治療ではありません。

【武内院長のコメント】「外来で最初にお伝えするのは、再生医療は膝を若いころに戻す治療ではない、ということです。目標は、階段の上り下りや買い物の歩行など、その方が暮らしの中で困っている動作を少しでも楽にすること。そこを最初に一緒に確認しておくと、治療の見通しが立てやすくなります。」

当院の再生医療の特徴|4つの安心

当院の再生医療の特徴|4つの安心

再生医療は、どの医療機関でも同じ内容というわけではありません。細胞をどう育てるか、どのように届けるか、その後をどう支えるかで、治療の中身は変わります。当院が大切にしているポイントを4つご紹介します。

特徴1 ご自身の血液・脂肪を使う安心感

治療に使うのは、ご自身の血液や脂肪から取り出した成分です。他の人の細胞ではなく自分自身のものを使うため、拒絶反応やアレルギーのリスクが低いと考えられています。細胞の加工は、提携する細胞加工施設で行います。

特徴2 ご自身の血清だけで培養する

幹細胞を増やすときには、栄養となる培養液が必要です。一般には牛などの動物由来の血清が使われることがありますが、当院ではご自身の血液から取った血清のみを使用します。動物由来の成分を使わないことで、アレルギーなどの心配をできるだけ減らす考え方です。

特徴3 冷凍しない、フレッシュな細胞

培養した細胞を冷凍保存せず、非冷凍のフレッシュな状態でお届けしています。培養にはおよそ6週間かかりますので、その間にお待ちいただくことになりますが、状態の良い細胞を届けることを重視しています。

特徴4 日帰りで、身体への負担が少ない

脂肪の採取は、局所麻酔をして下腹部を数ミリ切開し、米粒2〜3粒程度の脂肪を採る方法で、時間は約15分です。入院は必要なく、治療は日帰りです。注射は、エコー(超音波)で位置を確認しながら膝の関節に行います。

さらに、膝の状態に合わせて個別に提案します

膝の痛みは、軽い方もいれば、進んだ状態の方もいらっしゃいます。当院では、画像検査と診察で今の膝の状態を確認したうえで、治療の種類や幹細胞の数(2,500万個・5,000万個・1億個のプラン)などを個別にご提案します。症状が軽い方に必要以上の治療をおすすめすることはしませんし、再生医療より手術が適切と考えられる場合は、その旨を正直にお伝えします。

【武内院長のコメント】「再生医療は、同じ名前でも中身が同じではありません。細胞をどのように育てるのか、何個届けるのか、どうやって注射するのか。ご相談の際は、そうした中身も遠慮なくお尋ねください。当院は、自分の血清だけで培養することと、状態の良い細胞を日帰りで届けることを大事にしています。」

PRP療法と幹細胞治療の違い(比較表)

PRP療法と幹細胞治療の違い(比較表)

膝の再生医療で主に検討されるのは、PRP療法と幹細胞治療の2つです。名前は似ていますが、材料も準備の期間も別の治療です。まずは表で違いを見てみましょう。

項目

PRP療法

幹細胞治療(脂肪由来)

材料

ご自身の血液から作る成分

ご自身の脂肪から取り出して増やした幹細胞

届けるもの

血液の中の、修復を促す成分

細胞そのもの(炎症をしずめる物質を出すことなどが期待される)

準備

採血のみ。すぐに調製して注射

脂肪の採取(約15分)と、約6週間の培養

通院

複数回になることが多い

採取・注射など。計画に応じて決める

向いている方の例

まず負担の少ない方法から試したい方、早く始めたい方

炎症が長く続いている方、時間をかけて取り組める方

診療の位置づけ

自由診療

自由診療

当院では、PRPの一種であるPRP-FD(血液の成分を濃縮し、細胞を含まない形に加工したもの)と、ご自身の脂肪由来の幹細胞治療を行っています。PRP-FDの詳しい内容はPRP-FD注射で知っておきたいことをご覧ください。

どちらが上、という関係ではありません

PRPと幹細胞は、どちらが優れているかではなく、膝の状態、準備にかけられる時間、費用のご希望で選ぶものです。最初にどちらが合うかは、画像検査と診察で判断します。両者の詳しい比較はPRPと幹細胞治療の違いと選び方に整理しています。

幹細胞そのものを基礎から知りたい方は幹細胞とは、脂肪由来と骨髄由来の違いは脂肪由来と骨髄由来の幹細胞の比較、iPS細胞との違いは幹細胞とiPS細胞の違いで解説しています。

【武内院長のコメント】「PRPと幹細胞のどちらが良いか、というご質問は外来でとても多いです。私は、どちらが上かではなく、いまの膝に何を期待するかで決めましょうとお答えしています。まず短い期間で試したいならPRP、炎症が長く続いていて準備の時間がとれるなら幹細胞、というのが出発点です。ただ、これは一般的な考え方で、最終的には画像と診察を見て一緒に決めます。」

自分は対象?状態別の考え方と、手術をおすすめするケース

自分は対象?状態別の考え方と、手術をおすすめするケース

再生医療は、すべての方に向く治療ではありません。次の表は、相談の目安を整理したものです。診断ではなく、受診の際に医師とお話しするための材料としてお使いください。

確認する点

相談を検討しやすい状態

ほかの選択肢を優先しやすい状態

痛みの原因

変形性膝関節症や半月板の傷みが背景にある

感染症などが疑われる。原因がまだはっきりしていない

これまでの治療

運動療法、薬、ヒアルロン酸注射などで十分に楽にならない

運動や体重管理など基本の治療をまだ試していない

画像(X線・MRI)

関節の隙間が残っている

関節の隙間がほとんどなく、骨の変形が強い

膝の動き

曲げ伸ばしがある程度できる

関節がほとんど動かない

ご希望

痛みを軽くして、生活の範囲を広げたい

膝の形や軟骨を完全に元に戻したい

全身の状態

持病があっても、医師が安全に実施できると判断できる

再生医療を控えるべき状態がある

膝の状態による提案の考え方

次の表は、標準的な考え方の例です。実際の提案は、画像と診察の結果を見て、医師が個別に判断します。

膝の状態の目安

提案の考え方の例

初期〜中等度で、痛みが気になり始めた

PRP-FDや、比較的少ない幹細胞数のプランを含め、負担の少ない方法から相談

痛みが長く続き、他の注射で楽にならない

幹細胞治療を中心に、細胞の数(2,500万個〜1億個)や回数を相談

変形が進んでいる

再生医療でどこまで期待できるかを丁寧に確認。手術のほうが適切な場合もあります

手術(人工関節など)が適切なケース

次のような場合は、再生医療より手術のほうが適切と考えます。効果が見込みにくい状態で、再生医療をおすすめすることはしません。

  • 変形が末期まで進み、関節の隙間がほぼなく、歩くのが困難なほど骨の変形が強い

  • 関節がほとんど動かず、日常生活に大きな支障がある

  • 膝の骨が壊死して崩れつつある(膝の骨壊死が進んだ場合など)

  • O脚が強く、骨の向きを変える手術(高位脛骨骨切り術)が向いている

手術は決して「悪い選択」ではありません。痛みが強く生活が大きく制限されている方には、手術が最も確実に痛みを取れる方法になることがあります。手術の種類は変形性膝関節症の手術とはで解説しています。

【武内院長のコメント】「手術は絶対に嫌です、というお気持ちはよくわかります。ただ、画像を拝見すると、手術のほうが適切だと考えざるをえない方もいらっしゃいます。そのときは、はっきりそうお伝えします。再生医療は、手術の代わりに何でも受けていただく治療ではなく、手術に進む前に検討する価値があるかを、一緒に見極める治療だと考えています。」

膝の再生医療の費用の目安

膝の再生医療の費用の目安

膝の再生医療は自由診療のため、費用は医療機関ごとに異なります。当院の幹細胞治療の費用は、現行のご案内ページに次のとおり記載しています。

プラン(投与する幹細胞数)

費用(税込)

1億個プラン

1,650,000円

5,000万個プラン

1,485,000円

2,500万個プラン

1,320,000円

  • 費用には、脂肪の採取、麻酔、培養加工、エコーガイド下での投与、定期検診が含まれます

  • 別途、初診料・血液検査料が必要です

  • 投与回数による割引の制度があります

  • これは現行ページに記載の金額です。変更される場合があるため、最新の金額はご相談時にご確認ください

PRP-FD注射の費用や回数は、症状や部位によって異なります。こちらもご相談時にご案内します。

費用を比べるときのポイント

  • 金額だけでなく、含まれる内容(細胞の数、培養の方法、投与の方法、通院の回数、万一のときの対応)を確認する

  • 同じ「幹細胞治療」でも、投与する細胞の数や培養の方法は施設によって異なる

  • 自由診療の費用は、条件を満たせば医療費控除の対象になる場合があります。詳しくは税務署などでご確認ください

【武内院長のコメント】「費用のお話は、避けずに最初にお伝えします。高額な治療ですから、受けるかどうかを落ち着いて決められる情報がそろっていることが大切です。ご相談の場で、その日に受けると決める必要はありません。ご家族とも話し合い、ほかの医療機関のお話も聞いたうえで、納得して選んでください。」

保険適用の現状|「いつから?」への答え

保険適用の現状|「いつから?」への答え

「膝の再生医療は、保険がきくようになるのはいつから?」というご質問をよくいただきます。確認できた範囲でお伝えします。

治療

公的医療保険の扱い

幹細胞の関節への注射(当院を含む多くの医療機関)

自由診療。保険適用の時期は、確認できた範囲では公表されていません

PRP療法

自由診療(一般的な診療の場合)

治療を受ける前に確認したいこと

PRPや幹細胞などの再生医療を行う医療機関は、法律(再生医療等の安全性の確保等に関する法律)にもとづき、提供する計画を国に届け出ることが求められています。治療を受ける前に、届出の有無を確認しておくと安心です。

保険適用の状況は今後変わる可能性があります。最新の情報は厚生労働省などの公的機関でご確認ください。

【武内院長のコメント】「保険が効くようになるのはいつからか、というお問い合わせをよくいただきます。現時点では、関節に注射する再生医療は自由診療です。費用の面で迷われる方が多いので、まず今の膝の状態と、期待できる範囲、費用の目安を診察でお伝えしています。手術をおすすめするほうが良い状態のときは、その旨もお話しします。」

治療の流れ|相談から関節注射まで(日帰り)

治療の流れ|相談から関節注射まで(日帰り)

当院の幹細胞治療は、すべて日帰りで行います。入院は必要ありません。

  1. 相談・診察:症状やこれまでの治療の経過、X線やMRIの画像を確認し、再生医療が向いているかを医師が判断します。向いていない場合や、手術が適切な場合は、その旨をお伝えします

  2. 脂肪の採取(約15分):局所麻酔をして、下腹部を数ミリ切開し、米粒2〜3粒程度の脂肪を採取します。採取後はそのままご帰宅いただけます

  3. 細胞の培養(約6週間):提携の細胞加工施設で、採取した脂肪から幹細胞を取り出して増やします。冷凍せずに培養し、培養液にはご自身の血液(血清)のみを使います

  4. 膝への関節注射:培養が終わった幹細胞を、エコーで確認しながら膝の関節に注射します。注射後はご帰宅いただけます

  5. 経過の確認とリハビリ:定期的に経過を確認します。治療後は、膝を支える筋力を保つリハビリが大切です

PRP-FD注射は、採血をして調製したものを注射する治療で、培養の待ち時間はありません。変化を感じ始めるまでの期間には個人差があります。

当院の再生医療について

当院の再生医療の内容と流れは動画でも解説しています。膝の治療の詳細は膝の再生医療のページ、大阪で治療を検討される方は大阪の再生医療についてもご覧ください。

治療後の過ごし方

  • 日常生活に大きな制限はありませんが、治療後の数日は激しい運動や長時間の歩行は控えるようご案内することがあります

  • 日常の歩行や軽い運動は問題ありません。膝を支える太ももの筋肉を保つ運動が大切です

  • 当院では、患者さんごとにリハビリのメニューをご提案しています。遠方の方には、提携のリハビリ施設をご紹介しています

注意したい症状

注射や脂肪採取のあとは、部位の痛み、腫れ、熱っぽさなどが出ることがあり、多くは数日で落ち着きます。ただし、膝が急に大きく腫れて熱をもった、38度以上の発熱がある、じっとしていても強く痛む、膝が動かせなくなった、注射や採取した部位が赤く腫れて膿が出るといった症状があるときは、感染などの可能性があります。早めに、治療を受けた医療機関へご連絡のうえ受診してください。

【武内院長のコメント】「再生医療は、注射をして終わりではありません。治療の効果を左右するのは、注射と同じくらい、その後の過ごし方だと考えています。太ももの筋肉を保つ、体重を管理する、膝に負担のかかる動作を減らす。どれも地味ですが、続けている方のほうが、治療の恩恵を長く受けやすいと感じています。」

膝の再生医療についてよくある質問

膝の再生医療についてよくある質問

Q. 膝の再生医療とは、どんな治療ですか?

ご自身の血液や脂肪から取り出した成分・細胞を膝の関節に注射して、痛みや動かしにくさの改善を目指す治療です。入院や大きな手術は不要で、日帰りで受けられます。代表的なものがPRP療法と幹細胞治療です。

Q. 膝の再生医療で、どのような効果が期待できますか?

期待されるのは、膝の痛みの軽減と、曲げ伸ばしや歩行などの動作のしやすさです。膝の炎症をしずめ、関節の環境を整えることで、暮らしの中の動作が楽になることを目指します。変化を感じ始める時期や、その大きさには個人差があります。

Q. 再生医療は、確実に効果が得られますか?

効果を保証できる治療ではありません。効果の出方には個人差があり、膝の状態によっては十分な変化を感じにくい場合もあります。だからこそ、治療の前に画像と診察で膝の状態を確認し、期待できることを事前にお伝えしています。

Q. 膝の再生医療のメリットとデメリットを教えてください

メリットは、ご自身の血液や細胞を使うため、拒絶反応やアレルギーのリスクが低いと考えられること、入院が不要で日帰りで受けられること、関節を大きく切らずに済むことです。デメリットは、自由診療で費用が高額になること、効果に個人差があること、幹細胞は培養に約6週間かかること、注射部位の痛みや腫れなどの副作用が起こることがあることです。

Q. 再生医療が受けられない(適応外になる)ことはありますか?

あります。関節の隙間がほとんどない末期の状態、骨の変形が強く歩行が困難な状態、関節がほとんど動かない状態では、手術のほうが適切なことがあります。また、感染症や悪性腫瘍など、再生医療を控えるべき状態の方もいらっしゃいます。年齢だけで判断はせず、全身の状態や持病も含めて診察で判断します。

Q. 治療後のリハビリは必要ですか?

はい、大切です。太ももの筋力を保つ運動、体重の管理、歩き方の見直しを続けることで、膝への負担を減らせます。注射だけに頼らず、運動と組み合わせることをおすすめします。膝を痛めやすい動作は変形性膝関節症でやってはいけないことで解説しています。

Q. 人工関節の手術とは、何が違いますか?

人工関節は、傷んだ関節の表面を取り除いて人工物に置き換える手術です。痛みを取る力が高い一方、入院とリハビリが必要です。再生医療は、関節の中の環境を整えて痛みの軽減を目指す注射の治療で、日帰りで受けられますが、効果の出方には個人差があります。変形が強い場合は、手術のほうが適切なこともあります。

Q. ヒアルロン酸注射などと併用できますか?また、半月板の損傷にも使えますか?

併用できるケースもありますが、状態によって判断します。ヒアルロン酸注射が効かなくなってきた場合の考え方はヒアルロン酸が効かなくなる理由、高周波を使う治療との違いはクーリーフと再生医療の比較をご覧ください。半月板の損傷による痛みにも再生医療を検討することがありますが、断裂の形や場所によっては手術が適切です。他院で再生医療を受けたが効果を感じにくかった方は、膝の再生医療で効果を感じられないときもご覧ください。

Q. まず何から相談すればよいですか?

お手元にX線やMRIの画像、これまでの治療の内容(薬、注射の回数など)がわかるものがあると、相談がスムーズです。画像がまだない段階でも、お気軽にご相談ください。

まとめ|自分の膝に合うかを知ることから始めましょう

まとめ|自分の膝に合うかを知ることから始めましょう
  • 膝の再生医療は、ご自身の血液や細胞の力を使って、痛みの原因になっている膝の中の環境を整える治療。手術の前に検討できる選択肢の一つ

  • 代表はPRP療法と幹細胞治療。準備の期間や費用が異なり、膝の状態やご希望で選ぶ

  • 当院の特徴は、ご自身の血清での培養、非冷凍のフレッシュな細胞、日帰りで負担の少ない治療、膝の状態に合わせた個別の提案

  • 再生医療は自由診療で、効果には個人差があり、すべての方が適応ではありません

  • 幹細胞治療の費用は、現行ページで1,320,000〜1,650,000円(税込)。変更される場合があるため、ご相談時に確認

  • 状態によっては、人工関節などの手術をおすすめします。急な腫れや発熱、強い痛みがあるときは早めに受診を

「自分の膝は再生医療の対象になるのか」「手術と迷っている」という方は、膝の治療のページから、お気軽にご相談ください。

関連コラム

参考文献

  1. van Buul GM, et al. Platelet-rich plasma releasate inhibits inflammatory processes in osteoarthritic chondrocytes. Am J Sports Med. 2011;39(11):2362-2370. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21856929/

  2. Jo CH, et al. Intra-articular injection of mesenchymal stem cells for the treatment of osteoarthritis of the knee: a proof-of-concept clinical trial. Stem Cells. 2014;32(5):1254-66. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24449146/

  3. Jo CH, et al. Intra-articular Injection of Mesenchymal Stem Cells for the Treatment of Osteoarthritis of the Knee: A 2-Year Follow-up Study. Am J Sports Med. 2017;45(12):2774-2783. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28746812/

  4. 厚生労働省. 再生医療について(再生医療等の安全性の確保等に関する法律) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisei_iryou/index.html

院長監修記事

シンセルクリニック総院長 武内の顔写真

武内 晋司郎

(たけうち しんじろう)

シンセルクリニック総院長

三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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三重大学医学部卒業。済生会中津病院や淀川キリスト教病院などで整形外科医としての経験を積み、現在は再生医療専門シンセルクリニックを開設。柔道やラグビーの経験から怪我や加齢による悩みに深く寄り添い、再生医療の可能性を追求。「思うままに動ける人生を」を信条に、患者様一人ひとりに最適な医療を提供しています。

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